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覚せい剤

登録日:2010/10/27 Wed 11:32:46
更新日:2026/08/22 Sat 06:43:06
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/!\ WARNING /!\


覚醒剤(原料も含む)の所持・使用・譲渡・販売・製造・輸出入は(未遂罪も含めて)法律で禁じられています。



覚醒剤(覚せい剤)」とは、広義には中枢神経を興奮させ、覚醒作用をもたらす物質であるが、ここではいわゆる「白いクスリ」こと「メタンフェタミン」を主に扱う。

大麻・コカイン・ヘロイン・アヘン・MDMA・LSDなど別のドラッグと混同される事もあるが、作用機序や人体への影響などが異なる全くの別物である。
まとめて呼ぶ場合は「麻薬*1」「違法薬物」「乱用薬物」「ドラッグ」などと呼ばれる。
当然ながら、これらの薬物も法律でも厳しく規制されている為、絶対に手を出してはいけない。



【概要】

実は覚醒剤の開発には日本人が大きく関わっている。
1885年に長井長義が麻黄という植物からエフェドリンを抽出し、その後長井は三浦謹之助と共にエフェドリンからアンフェタミンを合成。
1919年には緒方章がメタンフェタミンの結晶化に成功した事により、薬として用いる事が可能となった。

ここを読んでいる諸君には説明するまでもないだろうが、非常に有名な違法ドラッグの一種であり、使用すると上記の通り中枢神経を刺激し、極めて高い高揚感や全能感を得られるとされる。
だが薬効が切れた瞬間、それまでのツケを払わされるが如く心身共に強烈な禁断症状に襲われるという、まさに悪魔の薬とも呼べる代物。
……しかし、実際には本来の用法・用量を守らずに使われた結果、違法薬物と化してしまっているだけで、医師が厳密に管理さえすれば本来は真っ当な医薬品である(後述)。
ちなみに「麻薬」と表現される事も多いが、厳密な意味の麻薬は基本的に気分を抑える薬物であり、気分を高揚させる覚醒剤とは効能が真逆。


【製造】

さて、白いクスリ」「シャブ」などの名称でよく知られる覚醒剤であるが、実は材料さえ揃えばめっちゃ簡単に作れる事はご存じだろうか。
小中学校の理科室程度の設備と、有機合成を少し学んだ人間がいれば自宅の部屋でも生産可能である。
それ故に英語圏では「キッチンドラッグ」などとも呼ばれている。
まあ、それぐらい簡単だから原材料の輸出入も厳しく制限されていたりするのだが。

もちろん、原料を用意した時点で処罰されるので、くれぐれも試さないように。

太平洋戦争中の日本や、今の北朝鮮でも充分量産はできるのだから、さほど難しい事ではないのだろう。
戦時中の日本での主な使用目的は、夜間戦闘用のドーピングや工場をフル生産させる為といったものであったらしい。
なお、この頃はまだ危険性があると判明しておらず、純粋に“薬”という感覚であり、その中毒性・有害性は全く(強いて言えば、他の一般的な薬品の副作用と同程度にしか)認識されていなかった。

ヒロポン」は覚醒剤の商品名のうちの一つ(大日本製薬)である。
その由来はギリシア語の「フィロポノス(φιλόπονος、労働を愛する)」からであり、「疲労がポンと飛ぶ」というのは俗説
覚醒剤という呼称も、文字通り「覚醒」……つまり眠気覚まし・疲労回復剤という認識から生まれたものであった。
ただ、「そういう気分になるだけで疲労回復効果そのものについては皆無だった」と当時の医者からも指摘されている。
ヒロポンはある意味質が悪い事に、しっかりした設備で腕のいい調剤師が製造したものだとなかなか中毒症状が出ないが、一度発症すると爆速で悪化するという薬剤である。
開発時点では普通の薬の副作用検査期間で中毒症状が出なかった為、「これなら大丈夫そう」と量産許可と軍用機パイロット用の大量発注が出たものの、「単に中毒症状が出るのが遅いだけ」「腕の悪い調剤師がいい加減に作ると短期間で中毒症状が出る」という真実が知られた時には既に相当数が出回っていた。


【日本の覚醒剤汚染の歴史】

日本の覚醒剤汚染の歴史は終戦に始まる。
軍需工場に山積みになっていた覚醒剤が一気に流出したのである。しかも、敗戦直後の荒廃した日本でも在庫が山積みになるように簡単に作れる代物。
かつては誰もが知る有名メーカーも(アンフェタミンを含めて)覚醒剤を製造販売していたくらいである。
当時は医者の処方箋でも出せたのだが、薬価が安くてあまり使われなくなり、結局闇市での横流しが横行する事になる。
医師の制御を離れて社会に野放図にばら撒かれた結果、恐ろしい依存性が世に知られるようになったわけだ。

この頃どれくらい普及していたかというと、長谷川町子氏の『似たもの一家』で子どもがヒロポンを打ってラリる話や、『はだしのゲン』にも使用者やその未遂、さらにはゲンの友達であるムスビが「栄養剤」と騙されて覚醒剤を打たれた結果中毒になり、一生懸命稼いだ全財産をつぎ込んだ挙句、殺されてしまう話が出てくるほど。
あの磯野波平も原作だと中毒の疑惑がある(ただし、明言はされていない)。
また、作家や芸能人にもハマる人間が多く*2、唐沢俊一氏によれば戦後間もなくの雑誌に「最近ハマってます」と腕に注射器を打っている写真を載せた有名人がいたほど。
ビートたけし氏の話では、あるコメディアン(名誉の為に名前は伏せる)は「俺の血液の半分は覚醒剤でできている。だから未だに元気がいい。あれはやっとくべきだぞ」と言っていたとか。


法規制と社会での扱い

なお、当然の事ながら1951年には覚醒剤取締法が制定され、厳しく規制されるようになる。

著名人の使用による逮捕も相次ぎ、現代にも続く社会問題となっている。
一応、槇原敬之や岡村靖幸、江夏豊みたいに覚醒剤所持で捕まっても「才能がある」と認められていれば再び活躍のチャンスが与えられる場合もある。
裁判所も1回目でかつ自分で使っているだけなら、基本的には執行猶予を設けてやり直しの機会を与えてくれる事が多い。

だが念の為に言うが、「1回だけならやっても大丈夫」という意味では断じてない。
あくまで「実刑だけは免れる可能性がある」というだけで、執行猶予でも前科がつく事には変わりなく、ある意味刑務所暮らしより厳しい社会的制裁が下される事となる。
人気の芸能人や著名人、裕福な人であれば手厚く保護されて社会復帰の見込みがあるかもしれないが、一般人ではその時点で人生ハードモードまっしぐら。
周囲からは白い眼で見られるし、仕事も確実にクビになるし、学生であれば退学処分になる*3し、家族にも悪影響を及ぼすだろう。
再就職先を探そうにも、執行猶予中は公務員になる事自体ができない*4し、民間でも堅い企業はまず無理だろう。
不自然なまでの空白期間を誤魔化そうにも少し調査されれば一瞬でバレるし、そもそも経歴に空白がある時点で厳しい面がある。
まともに社会復帰できるのは、それ一本だけで食っていけるくらいのスキルがあるか、あるいは手厚く支えてくれる存在に恵まれた幸運なごくひと握りの人間に限られる。
大半はパートにすら就けず、困窮の果てに再び犯罪を犯して刑務所に舞い戻るか、「履歴書あれば前科者だろうと採用だよん♪ でも、労働条件に文句言うなよ?^^ヤクザ紛いが経営するような超絶ブラック企業くらいしか受からず、酷使された末に心身を病んで放り出され、困窮の果てに(ry

仮に社会に真っ当な受け入れ先があっても、覚醒剤の依存性はかなり強い。
実はドラッグの中では肉体的な依存性はあまり高くない方だが、精神的な依存性が高く、数回打つだけで精神的にクスリなしでは生きられなくなる例もあるほど。
依存が強くなると当然お金をシャブにどんどん注ぎ込むようになり、取り繕おうと嘘つきになる事で性格が悪くなる為、周囲との人間関係も悪化し、クスリ代を稼ぐ為に違法な金稼ぎにも手を出すようになってしまう。
もちろん肉体にも影響が出ないわけはなく、不自然に無理やりシャキッとさせているので切れた後の虚脱感や疲労感が出て、不安や焦燥にかられやすくなる。
さらに症状が進行すると強迫観念に取り憑かれ、同じ作業を延々やっていたりの奇行に走ったり、幻覚や幻聴にもとらわれ、最悪廃人になったりしてしまう。
そもそも先に上げた「再び活躍のチャンスが与えられた才能ある人間」ですら、再び覚醒剤に手を出して逮捕されている者がいる。
そして今手を出していなくとも、この先も手を出さない保証もない。才能の有無など、覚せい剤の前では無いに等しいと考えるべきなのだろう。

「人間、本気で薬止めたいって思って気合全開で我慢すれば、禁断症状だろうが乗り越えられるんだよ。それでヤクに手を出すのは本気で治そうと思ってないだけだろーがww」みたいな事を抜かす者も出てくるが、禁断症状は自力では絶対に耐え抜く事はできない。
比喩でも誇張でもなく、禁断症状というのはその我慢を司る脳神経が「ヤクをよこせ」と耐えがたい全身症状で信号全開にして訴えまくる。
脳みそごと全身が焼き切れるような苦しみにのたうち回りながら1時間耐えたと思ったら、実際はほんの数分しか経過していない……などザラで、それを現実時間で何十時間も耐えなければならないのだ。
どんなに気合だの覚悟だの信念だのを固めていようが、全く意味を成さない。
激しい禁断症状に襲われた時は、それこそ誰かに全身を拘束して放置させてもらうくらいしか方法がないのである。
そもそも気合ひとつでどうにでもなるならこんな法規制はされていない。
『はだしのゲン』の薬物依存状態になったムスビの行動やゲンたちとのやり取りはよくネタ素材にされているが、読み込んでみると薬物中毒者のリアルな有様をかなり克明に描いているのである。

これらの事から、大麻など他のドラッグを肯定するような人物でさえも「覚醒剤だけはやめておけ」と強調する者は少なくない*5
ヤクザ組長の息子*6に育ち中毒者の有様を見続け、自らも多数の薬物に手を染めて一時期覚醒剤中毒になった経験も持つ*7ラッパーの孫GONGでさえも「上手い事付き合ってるとかいう奴おるけど何年もしたらめくれる」「(中毒者の行動は)きしょいで*8と断言するほどである。

まさに


覚醒剤やめますか? それとも……人間やめますか?


である(正しくは覚醒剤をやって、人間をやめる羽目になる)。
また、刑務所に何年か服役してもう懲りているはずなのに、出てくると途端に覚醒剤……という例も後を絶たない。
これはどういう事かというと、成分が完全に体から消えて禁断症状を脱したとしても、脳にはずっとクスリの影響が焼き付けられるからであり、これを治療する事は困難。
ストレスや精神的不調、飲酒などを切っ掛けに、使用していないにもかかわらず幻覚などの症状が起こる「フラッシュバック(再燃現象)」に長らく苦しみ続けなければならないのだ。
また、薬物を販売している反社会的勢力が「過去にやっていた」人間を狙って売り込みをかけてくるケースも少なくない。

こんな事情もあり、日本政府としても刑務所から釈放した後も覚醒剤の離脱に向けたカウンセリングなどを受けさせるような制度を準備している。
また、覚醒剤の金は国内外の反社会的勢力の資金源でもあり、その意味でも自分だけの問題では済まされない。


もし接種してしまったら?

昔の刑事ドラマによく覚醒剤の袋に指を突っ込んで舐めて、「ヤクだ」というシーンがあるが、どこぞの小さな名探偵喧嘩屋のように舐めるのは危険です*9
1回舐めるだけで強い精神作用を引き起こし得るので危険です。
本当に大切な事なので2回書きました。量によっては中毒を起こして死ぬ可能性さえもある。
あんまりなためか、小さな名探偵はアニメ版では「匂いを嗅ぐ」描写に変更されている(といっても、これも危ないが)。

ただし、万が一不本意に摂取してしまった・させられてしまった場合でも絶望する必要はない。
悪い兄ちゃんに「総合ビタミンじゃ」などと騙されて知らずに飲まされた*10と思われる場合や、得体の知れない注射をされた場合はすぐに病院か警察に相談する事。
薬物を飲まされたかどうかは検査で簡単に判断してもらえるし、当然ながら使った回数が少ないうちなら心身共に侵食が浅く、治療もしやすい。
無論、心まで依存していない状態で専門家の保護と治療を受けるというのが大前提。
ただし、こういう代物の場合は一度打たれた時点で肉体的にもジ・エンドだが……。

ここで自力で何とかしようとか、使ってしまった事に後ろめたさを感じて黙っていたりするとまずドツボにはまる。
覚醒剤濫用の罪が成立する要件として「故意で使用」が含まれる為、事情が立証されれば当然罪に問われる事はない。
また、最悪「自分で使った」と思われても(初回なら)執行猶予程度で済む可能性が高いので、ドツボにはまって刑務所と社会の往復で人生を終わらせるのとどちらがマシかは考えるべきだろう。
実際に新潟市で同じような事例があり、被害者が自己申告した事と、薬物をこっそり入れられるところがカラオケ店の防犯カメラに残されていた事から、被害者は罪には問われなかった*11
また少々古い事件ではあるが、2002年にはホテルにて元暴力団員の夫から無理矢理覚醒剤を注射された妻が高裁で逆転無罪判決を受けている*12。彼女の場合は過去覚せい剤を使用していたのを正直に証言した上での無罪判決である。まあ3回だけ使って後はやめていたのだが……
勇気を出して、正直に打ち明ければ少なくとも現状は打破できるのだ。


現状

芸能人だけではなく、一般人の摘発例も増えている。
これは快楽目的だけではなく、度重なるプレッシャーによるストレス解消や仕事の疲労回復を目的とした覚せい剤の使用が多い。

昭和の時代から「覚醒剤やめますか? それとも人間やめますか?」のような強い言葉でのコピーで戒められ、それ以降も覚醒剤撲滅の啓発CMがよく流されていた。
特にCMについては内容が内容だけにかなり怖く、
  • 政府広報のキッチンマザー
  • ACジャパンのCMによる後に大麻取締法違反容疑で逮捕された小嶺麗奈の女子校生売人「DRUG KILLS TEEN」第1弾と、草彅剛ナレーションの「DRUG KILLS TEEN」第2弾
  • 「効能:あなたの人生を粉々にします」
……などがあったが、こういう強い表現は普通の人間には効果があっても、人生に絶望して別に人間として終わってもどうでもいいと思っている、いわゆる「無敵の人」にはブレーキどころかアクセルになってしまい、「彼女に振られた! もうどうなってもいい! そうだ、ドラッグやろう!!という事例がどんどん増えてしまった為に、
今は「一人で抱え込まないで」「まだ引き返せる」という方向に変わっている。


【海外における扱い】

なお、日本では製造・譲渡目的所持であっても懲役刑(拘禁刑)だが、より厳罰化されている海外では死刑や無期懲役(無期拘禁)にしている国がある(日本も「10年以下の懲役」と決して軽いものではないが)。
  • シンガポール:覚醒剤の製造は無条件で死刑
  • タイ:覚醒剤の譲渡目的所持は死刑または無期刑
  • 中国・台湾・韓国・北朝鮮:覚醒剤の譲渡目的所持は死刑の可能性あり
    • 特にアジア圏はアヘン戦争という苦い実例があるので、違法薬物の製造や譲渡に厳しい罰則を設けている国々が多い。

他人から中身が不明な荷物の運搬を頼まれたり、目を離した荷物などにこっそり仕込まれてして、中に覚醒剤などの違法薬物があった場合、逮捕・起訴されて実刑判決を受ける危険性もある事に注意して欲しい。

「知り合いに頼まれて運ぶように言われただけで中身は知らなかった」と主張しても、それが事実だったとしても当局がそれを汲み取る事はない。
安易に関わった時点で、密売人やらと同じく厳しい判決を受ける可能性があるのだ。
2009年には日本人がマレーシアで一度死刑が確定した例がある(こちらは2023年に死刑・終身刑廃止を受けて減刑された)。
仮に知人の頼みであったとしても、得体の知れない物の運搬は断ろう。
中には、現地の友人からお土産にどうぞと渡された土産品にヤクが仕込まれていて…といったパターンもあるため、どんなに親しい人…たとえ家族からだったとしても迂闊に受け取らないように。

また、近年は国内外の反社会的勢力が「荷物の運搬業務」「簡単な出稼ぎ」などと内容をぼかし、闇バイトを募集しているケースも報告されている。
こうした募集に参加しても提示された報酬がもらえる保証はないし、いつか犯罪が明るみに出て逮捕されるリスクもある。
また、犯罪の片棒を担いだ事を脅されてさらなる犯罪行為に加担させられたり、運搬に失敗したり逃げ出したりすれば、「制裁」と称して自身のみならず家族などにも危害を加えられる可能性すらあり得る。
そもそも闇バイト自体が使い捨ての実行犯であり、金など払う気は毛頭ない。仮に成功しても支払いをはぐらかされ、 下手に追求すれば眉間に銃口を突きつけられ「じゃあ、今から現物で全額お前に『支払って』やるよ」となるのがオチ。 
本当に「海外から荷物を運ぶ仕事」「簡単な出稼ぎ」をして報酬を得ているのは正式な暴力団員やマフィアの関係者などガチの裏稼業でやっていけてる人物だけなのだ。
「美味しい話には裏がある」と思って、怪しい募集には絶対に関わってはいけない。

また、少し荷物から目を離した瞬間に薬物を仕込まれ、いきなり警察が飛んできて拘束され、警察の傍らにはこちらを指差し「コイツが覚醒剤を持っているのを見ました!」とニヤニヤ笑いながら叫ぶ男が……というケースもある。
薬物所持者の検挙に協力する事で報酬を支払う地域などもある為、報酬目当てにでっち上げにかかる輩が後を絶たないのだ。
盗難対策も兼ねて、渡航先では自分の荷物からは目を離さないようにし、カバンなどを開けたままにしないようにしよう。

このように、異国で麻薬密輸の罪を着せられる恐怖を描いた『ブロークダウン・パレス』という映画がある他、アニメ『ストリートファイターⅡ V』でも、タイに赴いたリュウが、空港で荷物に麻薬を押し込まれるというエピソードがある。

一方でドラッグによる密売で一攫千金や、服用により痩せる事で理想を目指そうとした者達の末路を描いた『レクイエム・フォー・ドリーム』という映画も有名。
当たり前だが、薬物を肯定するどころか否定する凄まじい内容であり、人によっては間違いなくトラウマになる。


【医薬品としての用途】

……とまあ、このような有害性・危険性ばかり強調されているが、医薬品としての真っ当な使い方ももちろん存在する。
現在ではヒロポンとして住友ファーマ(大日本製薬の後身)のみが製造販売している。添付文書も存在するが、検索は自己責任で。
ナルコレプシー(過眠症)やADHDの症状改善、麻酔や睡眠薬の急性中毒からの回復などがこれに当たる。
とはいえ、乱用や横流しが発生すると危険である事には変わりなく、
  • メーカー~病院の流通から患者への投与まで厳密に記録される
  • 取り扱いが許される人間もごく少数(無論、彼らもデータベースで逐一管理される)
であるなど、他の薬品とは別格の厳しい管理体制が敷かれている。
当然ではあるが、れっきとした製薬会社が作っているので、路地裏で売人が薄汚れた地面に乱雑に並べている粗悪品などより遥かに質が良く、安全性*13も保証されている。

ちなみに、同じくナルコレプシーやADHDの治療薬である「メチルフェニデート*14」は作用が似ているが、成分は別物。
これらを病気の治療で服用している人がいても決して覚醒剤を飲んでいるわけではないので誤解のないように。
いわゆる「徐放剤」と呼ばれる特殊な構造なので製造が難しく、薬価も高い。なのでこちらが乱用の対象になることはまずありえないだろうが……。
とはいえ、こちらも医師の指示を守らずに服用すれば同じく依存性があるので、こちらも処方時に厳格に管理されているのは同様。


【名称】

「警察に摘発される→覚醒剤だとバレないように名前を変えて改めて売る」というイタチごっこが繰り返されてきた為か、様々な俗称・隠語が存在する。
名称が変わろうとも、違法である事には変わりないので絶対に手を出してはいけない。
  • 覚せい剤
  • ヒロポン
  • スピード:覚醒状態を疾走感に喩えたもの。
  • エス:上記の「スピード」の頭文字。
  • シャブ:「アンプルを振った時の水音」「骨までしゃぶる」「shave(削ぎ落す)の意味」など、様々な説がある。
  • アイス:打った時の清涼感からか。
  • 冷たいの:上記の「アイス」の隠語。
  • P:打つ際の注射器(ポンプ)の頭文字。
  • 小麦粉
  • 白い粉
  • 白い薬/白いクスリ
  • クリスタル・メス
  • エンジェル・ダスト某神父の異名ではない

なお、当項目のタイトルのように「覚せい剤」という表記が多く見られるが、これは「醒」の字がかつて常用漢字ではなかった事によるもの。
2010年に常用漢字に編入されたが、法律での表記は2020年まで統一されていなかった(上述した覚醒剤取締法も、それまでは「覚せい剤取締法」表記)。


最後にもう一度。


覚醒剤(原料も含む)の所持・使用・譲渡・販売・製造・輸出入は(未遂罪も含めて)法律で禁じられています。








しろいくーすり
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最終更新:2026年08月22日 06:43

*1 本来は鎮痛薬を指す言葉であるが、転じて法律で規制される薬物全般に使用される。

*2 坂口安吾などが有名。恐らく金はあっても余暇を楽しむような時間はなく、そこを狙われてしまうのだろう……

*3 義務教育であれば転校せざるを得ない状況になる事も。

*4 法律で公務員として採用してはいけない事になっている。

*5 当然ながら、これは他の薬物が無害という意味ではなく、他のドラッグも手を出せば処罰されたり、乱用によって心身に悪影響を及ぼす可能性がある。

*6 父親である組長の末期の病に伴い解散したが、薬物の売買を手がけていた組だった。

*7 あまりにヤバいやつれ方をした事と、母親が嘆いた為に「自力で辞めた」と吹聴しているが、実際は「大麻と睡眠薬を持って山籠りした」というメチャクチャな方法な上に、大麻はやめていないらしい事をその後も仄めかしているので、絶対真似してはいけない。

*8 ソファを8時間も拭き続ける中毒者を見たことがあるらしい。

*9 この「違法薬物を舐めて確かめる」という描写は、元々舐めると特有の苦味があるアヘンを調べるための方法だったという説がある。その為か、喧嘩屋もとい左之助が舐めて正体を突き止めたのはアヘンであった。ちなみに、原作では道場の侍医に鑑定依頼を出している。

*10 酒・タバコ・カフェインを摂っていないのに気分が異様に高揚する場合、大体薬物と見ていい。

*11 ※↑恐らく2010年代後半の警察24時で紹介されたのを筆者が確認したのだが、記事は検索しても見つけられなかった。出典求む。

*12 判例データベースURL https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=3786

*13 ただし、ここでの安全性とは、製造過程で有害物質が混入するリスクや注射針の使い回しによる感染症リスクのことであり、成分そのものが安全という訳ではない。真っ当な製薬会社が製造しているものであっても乱用すれば依存症などのリスクがあるため極めて厳しい管理下に置かれているのだ。

*14 こちらは「コンサータ」「リタリン」などの名前で処方される。