深海王(ワンパンマン)

登録日:2025/10/31 (Fri) 01:44:00
更新日:2025/10/31 Fri 20:12:08NEW!
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効いたわ...少しね





漫画『ワンパンマン』に登場した怪人。
災害レベル:鬼



【概要】

原作では24撃目、リメイク版では第29話から登場。
海を住処とする海人(かいじん)*1の長で、本作を代表する怪人の一人である。

パンイチにド派手なマントと王冠、ついでにハートのニップレスを身に着けた筋肉モリモリな巨漢。正直だいぶやばい見た目だが、しっかり海の生命体らしく背中と顔には大きなヒレが生えている。総じて複数箇所に目を瞑れば割とオーソドックスな魚人のような外見である。

普段は海に生息している怪人であるため、地上に出ると乾燥して体がしぼんでしまう。しかししぼんだ状態でも身長4mの体格を誇り、巨大なビルを軽々と倒壊させる十分なパワーも備えている。
雨などで水分を補給すると本来の姿に戻り、体格が20mほどに膨れ上がって身体能力も格段に上昇する。スピードでは相当の自信家である音速のソニックに、素直に「速い」と言わしめたほど。
その特性上強力な熱を使う相手はやや相性が悪いようで、ジェノスと戦った際にはバーナー付きの拳でブン殴られたことで、雨で膨らんだ体が再びしぼんでしまっている様子が確認できる。

劇中ではS級を2人、A級を3人、B級を1人、C級を3人破り、武器を持っていなかったとはいえ音速のソニックをも撤退させた。
単独で出した被害人数としては作中でもトップクラスに食い込む実力者である。

一人称は「私」でなぜか終始オカマ口調で話す。ガチガチの同性愛者で作中でもオカマと呼ばれることもあるぷりぷりプリズナーとは何かとよく比較されるが、あちらは口調や一人称などは男性寄りであるため、最近話題のジェンダー関連のアレコレでは割と遠い存在だったりする。
そんな類似性故かぷりぷりプリズナーにとっては因縁深い相手でもある。

【戦闘能力】

外見はただのパワータイプの怪人だが、意外と多種多様な能力を持ち、初見殺し的な戦い方も可能。
総じて純粋なパワー・スピード・タフネスの高さ、そして搦め手の多さに優れる災害レベル以上の強敵と言える。

・パワー
しぼんだ状態でもS級ヒーローのぷりぷりプリズナーの必殺技を余裕を持って全て受けきったうえで正面から殴り勝てる。吸水した状態なら更に強くなると思われるが、当然ながらサイタマにはまるで通用しなかった。

・体内ウツボ
体内に飼っているウツボを口から伸ばして噛みつかせる奇襲攻撃。ソニックに対して使用したがギリギリで避けられ、直後に切断されてしまった。

・溶解液
口から強酸の液体を吐き出す。見た目は地味ながらかなりの威力を持ち、女の子をかばったジェノスに直撃させて一瞬で戦闘不能にした。こちらも奇襲性が高いが、本人曰く「ジェノスが女の子をかばわなかったら簡単にかわせた」とのこと。これクロビカリに使ったら勝てるんじゃね?

・再生能力
ある程度の傷を短時間で再生する能力。
劇中ではプリズナーやジェノスと激しく殴り合っても何事もなかったかのように再生しており、生命力の強さが伺える。普通に厄介な能力ではあるのだが、サイタマには当然のように貫通された。

・海人族(深海族)の手下
災害レベル:虎の海人族の軍勢。作中では全部で11体登場し、単体で登場した災害レベル:狼の個体はサイタマに討伐され、残りの10体もA級ヒーローのスティンガーを相手に全滅した。
とはいえ勝利したスティンガーもボロボロになっていたため、噛ませ犬的な役割でありながらそれなりに善戦はした模様。

【劇中での活躍】

手下の海人族を倒したスティンガーを瞬殺しながら登場。
その後A級ヒーローのイナズマックスを強襲し、流れるようにS級ヒーローのぷりぷりプリズナーと交戦する。
プリズナーの予想外のパワーに驚きつつも、純粋な身体能力と戦闘力で圧倒してそのまま撃破。後のプリズナーの成長に繋がるアドバイスまで残す余裕ぶり。

プリズナーと一緒に脱獄してきた音速のソニックと交戦し、最初はそのスピードに翻弄されるものの、雨が降ってきたことで形勢逆転。身体能力が急激に上がったことで打つ手がなくなったソニックを撤退に追い込んだ。

その後避難用シェルターを強襲し、同地に避難していたA級ヒーローのスネック他4名を瞬殺したところでS級ヒーローのジェノスと交戦する。殴り合いでは互角だったが、声援を送った女の子を狙った溶解液がジェノスに直撃し、その一撃が決定打となって勝利。

その後駆けつけて来た無免ライダーを弄んでいたところについにサイタマが登場。
「今までの雑魚とは違う」と分析するも、真の意味での実力差は理解できておらず、ワンパンで仕留められて敗北。人類に甚大な被害を出した怪人もついにここに倒れたのであった。

【余談】

最終的にワンパンで敗れたものの、怪人としてはかなり優遇されており、深海王編が終わった後もちょこちょこと色々な場面で出演している。
ぷりぷりプリズナーは彼の「一発一発殺意をもって撃つ」とのアドバイスを素直に聞き入れて、深海王に受けたパンチの連打を自分の技として災害レベル:竜の怪人に善戦するまでに成長しており、イナズマックスも深海王を「自分が乗り越えるべき相手」と目標にして鍛錬に励み、新しい必殺技を習得している描写がある。意外と名コーチ?

その一方で、スネックの回想に登場した際には、理想のヒーロー像と生々しい現実のギャップを実感させる原因を作った相手として意識されていた他、C級のオールバックマンは深海王への敗北をきっかけとしてヒーロー業を引退している。
ヒーローへ与えた被害が尋常でないだけに、ワンパンマンの世界に相当なトラウマを植え付けていることが分かる。

ジェノスが敗れ去った後、無免ライダーが絶望的な状況下でも諦めずに深海王に立ち向かっていくシーンはワンパンマン屈指の名シーンとして有名。
このシーンは作中でも強く意識されているようで、後に登場したB級ヒーローのマイルドヤンキーは、避難シェルター内の一般人として、深海王という強大な敵にも怯まず立ち向かう無免ライダーの背中に憧れたことでヒーローを志している。

ある程度の関わりがある無免ライダーやジェノスが倒されたこともあってか、「殴った相手のことは一々覚えていない」サイタマにも存在をしっかりと覚えられていた。実力面でガロウとの引き合いに出されて比較されるなど、ヒーローのあり方を始めとしてストーリーに大きく影響を与えた名怪人だと言えるだろう。

深海王の災害レベル:鬼については、S級ヒーローを2人倒していることもあって「竜ではないか」と議論の種になることもある。
少なくとも作中での竜の定義は「いくつもの町が壊滅する危機」と定められているため、基本的に移動が徒歩でメインウエポンが徒手格闘の深海王の評価には適さないと考えるのが妥当だろうか。あれ?じゃあブサイク大総統やハグキ、バクザンは?

1期全体に言えることだが、アニメ版のジェノスとの戦闘シーンの作画が非常に良く、かなり見応えのある仕上がりになっている。その後のサイタマとの決着を含めて評価が高いためオススメである。




追記修正は雨に濡れてからお願いします。

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最終更新:2025年10月31日 20:12

*1 アニメでは「怪人族」と誤認されることを防ぐために「深海族」と変更された。