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星のフームたん(アニメカービィ)

登録日:2012/04/02 Mon 02:09:37
更新日:2026/07/23 Thu 00:54:57
所要時間:約 8 分で読めます






星のフ~ムた~ん うるうるセクシ~♪



「星のフームたん」とは、テレビアニメ版『星のカービィ』第89話「オタアニメ!星のフームたん」に登場した劇中劇のことである。


概要

デデデ大王ホーリーナイトメア社から取り寄せたスタッフ、オタキング達の手で制作されたアニメーション作品。
その名の通りフームを主人公としている。

前回の大失敗で痛い目に遭ってもまだ懲りないデデデとしては、リベンジのつもりで「星のデデデ」制作を要望していたのだが、資料として前作のそれを視聴したオタキング達はグズグズの作画の中からフームに着目し、一方的に自分達の意向を押し通して制作に至った。


前作が前作なら今回も大概なもので、実態は星のデデデと同じ……どころかロボ刑事番長以上の大駄作。
今回はクオリティー面での懸念が解消された代わりに、主要スタッフ、制作過程、内容ともにモラルが大いに問題ありまくりと、星のデデデとは違うベクトルで相当ヤバい。
これが全宇宙に放送されたため、宇宙規模の放送事故と言っても過言ではない。
アニメカービィが地上波に再放送(に限らず正規での視聴が難しくなった)できなくなった原因の一つなのでは?とネタにされるぐらい、実に強烈な劇中劇となっている。
特に後述の問題点から、2020年代の現実…というか放送当時においてでも下手するとセンシティブ極まる描写がその一因とも。

劇中の視聴率がどうなったのかは不明だが、これはこれで「予定と全然違う番組を放送した」として賠償金を請求されかねないだろう。


関係者

  • デデデ大王
今回も事の発端。
自分主役のアニメを作らせるという算段だったのに、のっけからオタキングには「オヤジキャラじゃダメ」とあっさり否定されてしまう残念っぷり。
独特な雰囲気、言動のオタキングに当初はエスカルゴン共々「天才かも」と困惑混じりに期待していた。
が、制作をオタキングに任せきりで碌に確認しなかったのが仇となり、発注内容と全く違うことが放送前日に発覚するわ、ブチギレて急遽ホーリーナイトメア社から取り寄せたスタッフが魔獣のため想定外の悪事に巻き込まれるわと散々な目に遭っている。
横暴な態度でスタッフ達を振り回した前作に対し、今回は逆に自分が終始振り回される側となっているのが対照的。
しかも最後まで目的のアニメが作られることは無かったので、ほぼほぼ損な役回りである。

  • オタキング
最大の問題人物トリオ。
「ピギー」「ボニー」「スリーピー」からなるオタク3人組*1で、外見・言動ともに当時の価値観を反映したステレオタイプのオタク。
デデデに対する反応を見るに揃って男キャラは好かず、フームのような美少女が大好きという分かりやすい嗜好。
熱が入るとオタク特有の早口で喋る*2のはまだしも、クライアントの要望をガン無視して自己中心的な行動を繰り返すなど、振る舞いに関してはかなり問題がある。
ブンから「オタクは止めてプロになれ!」と説教されたり、村人達からアニメの極意を教えるためのリンt……ではなく稟議に加えられても勝手に抜け出すなど、身内以外には何を言われようがてんで関心がない始末。

アニメ制作の技術は確かなのだが、制作にあたって実行したのが取材対象のフームをつけ回し、物陰から盗撮・盗聴を行うという言い逃れ不可避なストーカー行為。
その具体的な手口も「バスケットに盗聴器を仕掛ける」「バレない程度の距離を保って尾行」「真夜中に就寝中のところをカーテンの隙間から撮影」などの生々しいもので、何をどう見てもただの犯罪でしかない。
ここまでやって仕上げた実際の完成品を見ても、詳しくは後述するが取材対象へのリスペクト精神すら根本的に欠けている。
これらに対して反省の色が一切見られない時点でクリエイターとしては失格どころか論外と言われても仕方ないだろう。アマチュアとしてもロボ刑事番長の作者より酷い。こんなのを送られたデデデも哀れ…

アニメーターとしては参加せず、城に戻ってきたオタキングをデデデの指示で捕らえ、地下強制労働の監視役についている。
疲れて居眠りするオタキングに鞭でシバくワドルドゥ隊長は必見。しかし、詰めが甘かったせいで…放送1日前になってやっと全然違うアニメを作っていた事に気が付いたのだった…

  • フーム
一番の災難に遭った被害者。
今回はアニメ制作には一切関わってないのに、オタキングのせいでストーカー・盗聴・肖像権侵害のトリプル厄満に見舞われるハメとなった。
これが最終的に彼女を大激怒させることに……

  • カービィ
当然、アニメ制作にはノータッチ。
オタキングの代わりによこされたオワルト・デゼニーのモーションキャプチャー撮影に参加するも、実は魔獣だったことでマグネッターに操られデデデと無理矢理戦わされた。

  • 村人達
こちらもアニメ制作にはノータッチ。
フームのストーカー被害を知らされると一致団結し*3、村の女性陣が「顔貸しな!」「このストーカー野郎!」とチャーリーズエンジェルばりの立ち回りでオタキングをボコボコにして捕らえた。
稟議の際には色んな意味で危ないネタ出しが行われ、しまいには「パクリだ!」「笑えりゃなんでもいいよ」という別の意味でオタキングよりも実に意識の低い発言まで飛び出している。


  • オワルト・デゼニー
デデデが危機的状況を乗り越えるために急遽ホーリーナイトメア社から追加で取り寄せたクリエイター*4
「マッチョーマウス」などで有名だという世界最強のスタッフであり、フームからも尊敬されている。
オタキングと違ってデデデの要望を突っぱねたりせず、締切が明日に差し迫っている厳しさなどを考え、即座にモーションキャプチャー技術によるアニメ制作を開始する判断の早さは紛れもなく(デデデにとって)有能。これを見たエスカルゴンが「セルアニメーターは大量絶滅!」などと宣っているが、色々と大丈夫だろうかその発言は。*5
が、正体は魔獣アニゲーの変装。厳密にはデゼニーは実在していたが、フーム曰く作中時点では既に伝説の人物(故人)になっているとのこと。
マグネッターでカービィとデデデを好き勝手に操って争わせたが……
もはやその元ネタは言うまでもないだろう。朝っぱらからなんちゅうところに喧嘩を売っているのだろうか。

  • カスタマーサービス
今回もデデデ達に「来週の朝の7時30分」に放送すると告げて慌てさせた。
ちなみにアニメカービィ自体も土曜朝の7時30分放送である。
しかし、実際に放送された内容を見て、全宇宙の視聴者と共に困惑したのではないかと思われる……


『星のフームたん』の問題点

・シナリオが皆無

今度はシナリオがグダグダだの、ダラダラしてるだのという次元の話ではなく無いに等しい。
ただ単に映像に合わせ、台詞(後述)を当てているだけ。そもそも登場人物がフーム1人*6しかいない。
これではアニメと言うよりPVか何かのよう。新番組のCMにしてもあんまりである。

・盗聴した声を使用

フームの台詞はいつぞやのように生アフレコしている訳ではなく、全てストーカー時に盗聴した彼女の声を切り抜いて使用している。無論、本人の許可は一切取っていない。
しかも……

「なんか暑くて裸になりたいくらい///」

「貴方達、お仕置きしてほしい?」

「みんなもっと面白いことして、遊ぶ気持ちにならないと…///」

こんな感じでいかがわしく聞こえるように切り抜いているため、後述のキャラデザインと合わせて性的匂わせを助長する格好に。

モデルを大幅に改変

これが一番の問題点。
実際のフームが2頭身であるのに対して、「星のフームたん」ではなんと美少女系アニメの顔、なおかつ8頭身で長身の巨乳という原作(モデル)無視も甚だしい代物に改変されている。
当然のように乳揺れまでバッチリ。
とんでもないキャラデザにはデデデとエスカルゴンもアゴが外れるほど驚愕し*7、フーム達は皆ドン引き。
しかも巨乳とは言ったが、フィクションにおける巨乳のサイズ感を考慮するとむしろ爆乳クラス。*8
女性キャラクターの造形に物言いがつきがちな2020年代…というか、当時でも公に晒そうモンなら「性的搾取」と非難されること間違いなし。カスタマーサービスでさえ非難したくなるかも。

そもそも、フームの顔・身体を原型も留めぬデザインに改変したということ自体、現実のフームの容姿を否定している事にもつながっている。
劣悪な作画の中から着目してつけ回しながら、実際にお出ししたのは自分達に都合のいいデザインに作り変え、あからさまな性的要素を付け足した主人公……これはモデル(被害者)が彼女でなくても、時代背景なんて関係なしに誰だって怒るのが当たり前である。


重ねて言うが、こんな問題作が全宇宙に朝っぱらから垂れ流されたのだ。
唯一評価できる点は「星のデデデ」とは月とスッポンな高品質アニメーションのみ*9
大盛り上がりのオタキングにフームの堪忍袋の緒が切れ、これまでとは比にならないほど怒り狂ったのもむべなるかな。


「このアホオタキング~!!!!」


余談

  • 「星のフームたん」が登場したこの回の視聴率は、全100話中3番目に高い 7.4% だった。参考までに、同年に放送されていた『爆竜戦隊アバレンジャー』の平均視聴率は7.1%。当時のキッズ達の心境やいかに……

  • 2、3頭身キャラが多く、下ネタもせいぜいウ●チ程度で「健全」なイメージの強いアニメカービィでは露骨に性的要素を含んだ劇中劇なのだが、上記の視聴率から少なからず話題を呼んだであろうにもかかわらず、当時のBPO等に怒られることは特に無かった。でもこれなら怒ってほしかったかも。

  • 元凶となったオタキング周りのセリフには風刺表現も多い。
    • ストーカーを逮捕できない平和ボケ署長に対して「(事件が)起きてからじゃ遅い!」
    • オタキングに説教する姉弟「あんたたち!仲間内で「美少女~」とか言ってないで、アニメが世界にどんな貢献ができるか、考えたことあんの!?
      オタクは卒業してプロになれ!」
    • オタキングが何を作ってるかについて忠告しに来たフームに「醜い少女はアニメヒロインにはなれんZOY」





追記・修正は星のフームたんの歌を歌いながらお願いします。
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最終更新:2026年07月23日 00:54
添付ファイル

*1 実はこのうち、バンダナをしている「ボニー」はメタナイトと同じ私市淳が声を当てている。コックカワサキと同じく一人多役(配役)というやつである。

*2 これは制作会議中、(依頼主のデデデとエスカルゴンを無視して)仲間内で行なっており、周囲に対する喋り方はまだ普通。

*3 ちなみに前作でシナリオライターを担当したパーム大臣は、この時にメームの口から過去のストーカー行為をバラされ慌てていた。

*4 放送まであと1日という段階に至ってまで、要望を無視してフームしか描いてないオタキングにデデデが見切りをつけた。せめて定期的に確認していれば……

*5 アニカビ放送開始時点でセル画からデジタルへの過渡期であり、本エピソードと同年放送の『犬夜叉』を以てセル画使用アニメは『サザエさん』(2013年に完全デジタル化)と『アストロボーイ 鉄腕アトム』の2本のみとなっていた。

*6 主役にするデデデはおろか、悪役にするカービィもおそらく描いていなかったと推測される。

*7 ただし二人の目的を考えると、単に主役にしろと注文をつけたデデデや悪役に指定されたカービィが映ってなかったから驚いただけの可能性もある。もっとも、こんなアニメに登場しても嬉しいかどうか微妙だが…

*8 話から外れるが、フィクションの一般的に「巨乳」と称されるカップサイズは現実よりも誇張された描写であることが多く、現実的な感覚だと通常の巨乳のほうが爆乳に近い。ここで爆乳と表現した星のフームたんであれば、更に上の超乳扱いされても不思議ではないかもしれない程のサイズ感。

*9 これをたったの3人で完成させたのだから、本当に「技術だけ」はプロ並である……