ホーリーナイツ(遊戯王OCG)

登録日:2025/11/20 Thu 02:17:15
更新日:2025/11/20 Thu 02:17:42NEW!
所要時間:約 28 分で読めます




──聖なる竜は星のまたたく美しき夜に現れる。

白き衣を身にまとう騎士を従えしその姿。

"良きもの"へは(しるべ)となる祝福を授け、

"悪しきもの"へは邪を焼き払う聖なる炎をもたらす──



ホーリーナイツとは、遊戯王OCGのテーマ/カテゴリの1つ。


概要

第11期の前半、2020年12月5日発売の「SELECTION 10」で初登場。
同時に登場した新規テーマとして、アニメ『遊戯王VRAINS』出身の【サンアバロン】が存在する。

モチーフは年中行事の1つ「クリスマス」。
テーマ名は「Holy Night」と「Holy Knights」の掛詞であり、一部カード名にもクリスマスイヴの夜を指す「聖夜」の語が用いられている。
同じくクリスマスに関するカードとしては《サタンクロース》《プレゼント交換》が存在していたが、テーマ単位でモチーフとしたものはホーリーナイツが初となる。
しかしメインとなるのはあくまで、イエス・キリストの降誕を記念する、キリスト教の祝祭としてのクリスマス。
サンタクロースとトナカイ、街を彩るイルミネーション、プレゼントを心待ちにする子供、食卓に並ぶチキンやケーキといった要素は皆無である。

遊戯王マスターデュエルソロモードではゲートが実装され、ストーリーが紹介されている。
このテーマの世界では、人々は世を乱す"悪しきもの"である魔に遥か昔から苦しめられていた。
人々を見守る天使たちがそれを憐れみ、天に捧げた祈りに応えて降誕したのが、後述する《聖夜に煌めく竜》とのこと。
竜は人々を救うために戦い、天使たちも竜の御心に従う騎士として武装。両者の活躍によって魔は焼き払われ、天使たちはその装いから「ホーリーナイツ」と称されるようになる。
魔の多くは人の目に触れることなく滅んだため、人々はその戦いが現実に起きたことだと知らないまま、聖夜竜の伝説をおとぎ話として語り継いでいる。


特徴

テーマモンスターは共通して天使族光属性・レベル4。EXデッキのモンスターは存在しない。

そのコンセプトは、ドラゴン族・光属性・レベル7モンスターとの連携。
ほぼ全てのカードがその3条件をサポートする効果を持ち、該当するモンスターに手札と場を往復させて誘発効果を連発することで、堅実にアドバンテージを稼ぐ。
そうして活躍するエースが、あのホーリー・ナイト・ドラゴン》のリメイクカードにして、同パックで登場した《聖夜に煌めく竜》である。

  • 《聖夜に煌めく竜》
効果モンスター
星7/光属性/ドラゴン族/攻2500/守2300
(1):このカードが手札からの召喚・特殊召喚に成功した場合、
フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
(2):フィールドのこのカードは、闇属性モンスターとの戦闘では破壊されず、
闇属性モンスターの効果では破壊されない。
(3):1ターンに1度、このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップ開始時に発動できる。
その相手モンスターをエンドフェイズまで除外する。
この効果を発動した場合、このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。

《ホーリー・ナイト・ドラゴン》とステータスが完全に一致する、美しき白銀のドラゴン。
手札と場を何度も往復させる運用が半ば前提となっているためか、11期のカードながら効果に名称ターン1の制限が存在しないのが特徴。
カテゴリには属していないものの、先述した通り「ホーリーナイツ」カードによるサポートを受けられる。

手札から出すだけで場のカード1枚を破壊できるため、サポートを駆使して自分・相手ターンを問わず、何度でも場に出したい存在。
そのため、手札に《聖夜に煌めく竜》、場にはセルフバウンスか特殊召喚を行う後述の永続罠《聖夜の降臨》を用意するのが、【ホーリーナイツ】の目指す基本的な布陣となる。
アタッカーとしては、(3)の一時的な除外は対象を取らないため対処が難しく、高ステータスの相手を排除して後続の戦闘を補助できるため、突破力に優れる。平凡な攻撃力も後述の《ホーリーナイツ・アステル》で強化が可能。
(2)の耐性は穴だらけではあるが無いよりはマシなので、モンスターが闇属性に偏ったデッキ相手なら壁として使えなくもない。

なお、3条件に合致するなら別テーマのカードも使える。
該当するモンスターは多いとは言えないが、その緩さを混成デッキ作成の取っ掛かりとすることもできる。

カード一覧

モンスターカード

性能面では、種族・属性・レベル以外にも以下の共通点が見られる。
  • 攻守の合計が2500
  • 「手札またはフィールドで発動できるもの」「墓地で発動できるもの」の2種の効果を持つ。
名前は星、炎などの自然の事物・現象を指す単語+「エル」で統一されている。
この「エル」は聖書で言及される天使である「ミカエル」「ガブリエル」などと同じく、ヘブライ語で神を指す「el」に由来するものと思われる。

全員が白く大きな翼を持ち、白銀の鎧を纏っているが、鎧のデザインやアクセントとして各所に用いられている色は個人ごとに異なる。
固有の武器を所持しているのもあり、どことなくスーパー戦隊のようでもある。

  • 《ホーリーナイツ・レイエル》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1800/守 700
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「ホーリーナイツ」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(2):墓地のこのカードを除外し、「ホーリーナイツ・レイエル」以外の自分の墓地の「ホーリーナイツ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

長剣を振るう紫の天使。名前は光線を意味する「ray」からか。

サーチと展開補助をこなすキーカードの1枚。
なお、テーマ内では唯一3条件に関する効果を持たない。

特殊召喚には対応していないものの、(1)のサーチ効果は非常に便利。
ホーリーナイツか3条件のモンスターをサーチできる《聖なる篝火》にアクセスできるため、それをサーチできるこのカードの重要性も高い。
ただし名称ターン1の制限があるため、《煌めく聖夜》で召喚権を増やして2回サーチ、という動きはできない。

墓地効果は同名以外のホーリーナイツの蘇生。
場で発動できる効果を持たない《ホーリーナイツ・シエル》以外は蘇生に一定の価値がある。
こちらも優秀な効果だが、このカードは自力で墓地へ行く手段を持たない点に注意。
また、ホーリーナイツは墓地効果のコストで自身を除外することが多く、蘇生対象が少なくなることも。

ホーリーナイツたちは防具で顔が隠れているため性別は断定し難いが、このレイエルは体型から察するに女性。
その衣装は後発のモンスターたちにも引けを取らないレベルのハイレグとなっている。

  • 《ホーリーナイツ・アステル》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻 500/守2000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの光属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをリリースし、手札からドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドのドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は相手ターン終了時まで1000アップする。

杖を携えた桃色の天使。名前はギリシャ語で星を意味する「aster」からか。

手札の3条件のモンスターを、光属性モンスターをリリースすることでフリーチェーンで特殊召喚できる。
自身も光属性なので問題なくリリース可能。《聖夜に煌めく竜》が手札にあれば、あちらの(1)を自由なタイミングで発動させられる。

その性質上、場に維持しておけば《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》などの対象を取る効果から、サクリファイス・エスケープで光属性モンスターを守れる存在となる。
また、リリースは効果によるもので、効果を発動した時点では行わない。よって《スキルドレイン》の影響は受けてしまうが、墓地の状況次第で《墓穴の指名者》は回避できる。
とはいえ、その役割は自己再生で繰り返し場に出せる《ホーリーナイツ・オルビタエル》でも果たせるもの。墓地効果に繋げるためにも、このカードは早々にリリースしてしまって良い。

その墓地効果というのが、3条件のモンスター1体の攻撃力の強化。
一時的なものだが値は1000と大きく、アタッカーとしての性能を高められる。
永続でない点はホーリーナイツのコンセプト上あまり気にならないものの、起動効果なため相手ターンには使えないのが難点。

  • 《ホーリーナイツ・フラムエル》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1500/守1000
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に、手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。
手札からドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を特殊召喚する。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分のフィールド・墓地のドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主の手札に戻す。
この効果は相手ターンでも発動できる。

燃え盛る矢を射る赤き天使。名前は炎を意味する「flame」からか。

(1)は《ホーリーナイツ・アステル》と同じく、手札の3条件のモンスターを特殊召喚する効果。
こちらはタイミングが相手の攻撃宣言時に限定されているが、手札でも発動できるため奇襲性が高い。
フィールドでも発動はできるが、その場合はこのカードの存在が相手に筒抜けなり、バトルフェイズ前に対処されてしまう可能性が高い。
相手がメインフェイズ1を実質的に放棄し、こちらの《S:Pリトルナイト》や《閃光の結界像》などの低攻撃力の妨害・制圧モンスターを倒しに来たタイミングで手札から使えると非常に効果的。

場に出した3条件のモンスターは(2)で場か墓地から手札に回収可能。
テーマ内で唯一のサルベージ効果であり、フリーチェーンなのでサクリファイス・エスケープもできる。

どちらも便利ではあるのだが、このカードのみ(1)と(2)を同一ターンに発動できない点は要注意。

  • 《ホーリーナイツ・シエル》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1700/守 800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札に存在する場合、
「ホーリーナイツ・シエル」以外の自分フィールドの、「ホーリーナイツ」モンスターまたはドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を持ち主の手札に戻して発動できる。
このカードを特殊召喚する。
(2):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。
手札からドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を特殊召喚する。

第11期第4弾「LIGHTNING OVERDRIVE」で登場した新規。
ハルバードを手にした青き天使。名前は海を意味する「sea」からか。
また、英語名の「Ciel」はフランス語で空を意味する。

同名以外の場のホーリーナイツか3条件のモンスターをバウンスし、自身を手札から特殊召喚できる。
バウンスはコストなので阻止する手段が極めて少なく、何度も場に出したいカードである《ホーリーナイツ・レイエル》か《聖夜に煌めく竜》をほぼ確実に手札に回収できる。
《煌めく聖夜》との相性が良く、戻したモンスターはあちらが増やした召喚権で出し直せる他、(2)のドロー効果のトリガーにもなれる。

墓地効果は《ホーリーナイツ・アステル》《ホーリーナイツ・フラムエル》に続いて3つ目となる、手札の3条件のモンスターの特殊召喚。
こちらは「自分の場にモンスターが存在しない」という条件付きで発動できる起動効果となっている。
他2つと比較するとタイミングの柔軟性や奇襲性に欠けるが、墓地の自身1枚の消費で最上級モンスターを展開できるため、切り返しとして使える場面もあるだろう。
(1)で特殊召喚したこのカードを何らかの方法で墓地へ送り、(1)のコストとして回収したモンスターを出せれば無駄が少ない。

  • 《ホーリーナイツ・オルビタエル》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻 400/守2100
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの光属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをリリースし、デッキから「ホーリーナイツ」魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが墓地に存在し、自分フィールドの表側表示のドラゴン族・光属性・レベル7モンスターが手札に戻った場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。

第11期第6弾「BURST OF DESTINY」で登場した新規。
盾を構えた黄色い天使。名前は星の軌道を意味する「orbit」からか。

魔法・罠を確保する役割はレイエルと被るうえ、こちらは光属性モンスター1体のリリースを要する。
攻撃力も低く、展開前に邪魔なモンスターを退かす役割も期待できない。
独自の利点は、「効果がフリーチェーン」「デッキから直接セットできる」「一度効果を無効にされても次のターン以降も仕事ができる」といった点にある。

対象を取る妨害や《墓穴の指名者》をある程度躱せるのは《ホーリーナイツ・アステル》と同様で、加えてこちらは《灰流うらら》《ドロール&ロックバード》なども脅威にならない。
現状「ホーリーナイツ」速攻魔法は存在しないので、セットした魔法は全て即座に使える点も嬉しい。
リリースを要するのも決して悪いことばかりではなく、場を空けることで《聖なる篝火》の展開効果を適用しやすくなる。

「表側表示の3条件のモンスターが自分の手札に戻る」という、【ホーリーナイツ】にとっては難しくない条件で自己再生も可能。
相手ターンにリリースして魔法・罠をセットすることで、次のターンに備えられる。

魔法カード

  • 聖なる篝火(ホーリーナイツ・ベルファイア)
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):デッキから「ホーリーナイツ」モンスターまたはドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を手札に加える。
相手フィールドに闇属性モンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、
さらに手札からドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を特殊召喚できる。

ホーリーナイツか3条件のモンスターをサーチできる、【ホーリーナイツ】のキーカードの1枚。
コストも制約もなく、《ホーリーナイツ・レイエル》《ホーリーナイツ・オルビタエル》とは相互にサーチ可能。
これでその2体のいずれかをサーチ・召喚すれば、テーマ内の魔法・罠も確保できる。
手札に《聖夜に煌めく竜》、場に《聖夜の降臨》という【ホーリーナイツ】の基本的な布陣を築くため、足りない方をサーチしよう。

また、「相手の場に闇属性がいる」「自分の場にモンスターがいない」という2つの条件を満たせば、サーチ後に手札から3条件のモンスターを特殊召喚できる。
前者は相手依存、後者も後攻1ターン目か劣勢でない限りは中々満たせないため難しくはあるが、サーチと展開を1枚の消費でまとめて行える。
実質的なリクルートとして機能する他、足元を固める準備としてホーリーナイツをサーチしつつ、発動前から手札にあった3条件のモンスターを出してもよい。
特に《聖夜に煌めく竜》であれば、自身の(1)で相手の妨害を踏みに行けるため、サーチしたホーリーナイツの効果を通しやすくなるだろう。

「聖なる」と付いているものの、遊戯王OCGでは下級炎族をサーチする《篝火》の方が、知名度・環境に与えた影響力ともに圧倒的に上。
そのせいで「単なる篝火の方が強い」なんて言われることも。

  • 煌めく聖夜(ホーリーナイツ・スカイ)
フィールド魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、自分は通常召喚に加えて1度だけ、
自分メインフェイズに「ホーリーナイツ」モンスターまたはドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を召喚できる。
(2):自分ターンに、自分フィールドの表側表示のドラゴン族・光属性・レベル7モンスターが手札に戻った場合に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。

ホーリーナイツか3条件限定の召喚権を増やすフィールド魔法。
特殊召喚手段が豊富な3条件はともかく、特殊召喚効果持ちが少なく頭数を増やしにくいホーリーナイツにとってはありがたい存在。
2体を並べてランク4やリンク2のモンスターに繋げられ、その素材やコストとして墓地へ送られることで各ホーリーナイツの墓地効果の発動準備も整う。

もう1つの効果は、自分ターンに表側表示の3条件のモンスターが場から手札に戻った場合のドロー。
トリガーとなれるカードはテーマ内に多く、効果自体は悪くはないが、自分ターンに限定されている点がやや残念。

  • 聖なる降誕(ホーリーナイツ・ナティビティ)
永続魔法
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
手札の天使族・光属性モンスター1体を相手に見せ、デッキからドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を手札に加える。
その後、見せたモンスターをデッキの一番下に戻す。
(2):相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した場合に発動できる。
手札からドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を特殊召喚する。

3条件のモンスターのサーチと展開を担う永続魔法。
(1)のサーチは毎ターン使えるが、(2)と同じターンには使えず、手札に天使族・光属性が必要となり、なおかつ効果処理時にそれをデッキに戻さなければならない。
そもそもサーチだけなら《聖なる篝火》でも可能だが、【ホーリーナイツ】は3条件のモンスターを手札に用意しなければ効果を活かせないカードが多いため、少々不自由とはいえ、あって困るものではない。

(2)は相手の効果の発動に反応して、手札から3条件のモンスターを特殊召喚する効果。
発動条件が極めて緩く、消費も最小限かつ継続的に使用できるのが利点となる。
ただし結局は相手依存であるうえ、「場合」に発動できる効果なので、相手の動きに対して必ずワンテンポ遅れを取ることになる。

イラストの背景をよく見ると、「SELECTION 10」発売当時は未登場の《ホーリーナイツ・シエル》《ホーリーナイツ・オルビタエル》のシルエットも描かれている。

罠カード

  • 聖夜の降臨(ホーリーナイツ・アドベント)
永続罠
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分フィールドのドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主の手札に戻す。
●手札からドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を特殊召喚する。

お互いのメインフェイズに、3条件のモンスターをセルフバウンスするか、手札から特殊召喚するかをフリーチェーンで選択できる。
サクリファイス・エスケープや《煌めく聖夜》の(2)のトリガー、妨害持ちモンスターの展開要員として使える。
他のデッキを例に挙げると、【ブラック・マジシャン】における《永遠の魂》に近しい立ち位置のカード。
ただし、戻すか出すかは1ターンにつき片方しか選べない。

手札と場を何度でも往復させたい《聖夜に煌めく竜》を使うにあたっては、場から手札に戻す手段は出す手段と同様に重要。
《ホーリーナイツ・シエル》や下記の《聖なる煌炎》でのバウンスは基本的に1回限りなので、安定して繰り返し使えるこのカードには固有の価値がある。

  • 聖なる煌炎(ホーリーナイツ・ブラスト)
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、
自分フィールドのドラゴン族・光属性・レベル7モンスター1体を持ち主の手札に戻して発動できる。
その効果を無効にし破壊する。

3条件のモンスターをバウンスすることで、広範なカードの効果を無効にし破壊する通常罠。
シンプルにして強力だが、サーチする優先度は《聖夜の降臨》の方が高く、素引きしたかサーチ先が余った場合に使える上振れ札という立ち位置となる。
バウンスはコストであり、自身と合わせてカードを2枚消費することは避けられないので、相手の急所(マストカウンター)を見極めて使おう。

他の注意点として、カウンター罠ではないので、自身が他のカードの効果で無効化されるリスクがそれなりにある。また、無効にするのは発動ではなく効果なので、ダメージステップには使えない。
一応、相手が効果を発動した事実は残るため、《聖なる降誕》の(2)のトリガーを潰さず、コストで戻したカードを即座に再展開できるという利点もある。


弱点

デッキの性質上避けられないもの

【ホーリーナイツ】というデッキの戦術をざっくり説明すれば、
「場・墓地のテーマモンスターの効果を使い、永続カードで継続的に妨害役の大型モンスターを展開する布陣を築く、光属性の【セルフ・バウンス】」である。
その性質上、
は苦手とする。

誘発耐性

純構築の【ホーリーナイツ】に1枚初動と呼べるものはなく、2枚初動が基本となる。
そして基本的な布陣である《聖夜に煌めく竜》《聖夜の降臨》のペアは、素引きを除くと、レイエルかオルビタエルに召喚権を使って不足している方を持ってくる形になる。
しかしながら召喚権を食い合ううえ、その2体かサーチカードの《聖なる篝火》に《灰流うらら》などの誘発を食らうとリカバリーが困難。
オルビタエル自身はいくつかの誘発を回避できるものの、そこで相手が使わなかった誘発を、セットした《聖なる篝火》にぶつけられてはどうにもならない。

召喚権の問題は《煌めく聖夜》で解消されるものの、そちらは優先的にサーチしたり何枚も採用したりしたい性能とは決して言えないため、やはり素引き頼みになる。

アドバンテージ獲得能力の低さ

テーマカードの効果は3条件の展開補助に偏っており、大半はモンスターのリリースやセルフバウンスが絡むため、単純にカードを増やす手段が少ない。
それでいて手札からの展開が中心であることから、ディスアドバンテージが生じやすい。
更に付け加えると、「ホーリーナイツ」たちはステータスが下級モンスターの域を出ず、展開力もないため、戦闘でライフを削ることも苦手。

3条件のモンスターにはその分、ターンを問わず相手に干渉してアドバンテージを稼いでもらう必要があるのだが、該当するモンスターの選択肢が少なく、対応力の面で難がある。
エースとしてデザインされたであろう《聖夜に煌めく竜》すらも、相手ターンに発動できる効果が「場のカード1枚を対象に取って破壊」という、耐性や妨害で防がれやすいものしかないのが苦しい。

つまりは速攻での決着を狙うより、じわじわとアドバンテージを稼いでいく方が得意なデッキと言えるが、中~長期戦を見据えると、別の問題点が浮かぶ。

リソース回復能力も低い

テーマ内で墓地のカードを再利用する手段がレイエルの蘇生、フラムエルのサルベージ、オルビタエルの自己再生と限られており、魔法・罠や除外状態のモンスターに触れるものに至っては皆無。
短期決戦を狙うには展開力と火力が低く、粘り強く戦うミッドレンジと呼ぶにはスタミナが不足して押し負けやすいという中途半端さが目に付く。

また、レベルが揃っているためX召喚に繋げやすいのは先述の通りだが、この問題点ゆえに《天霆號アーゼウス》による除去・捲りがやや躊躇われる。
全体除去はこのデッキにおいても有用であるものの、回収困難な永続カードを多く使うため、状況によっては自分も無視できないほどの悪影響を受けてしまう。

相性のいいカード

上記のような欠点はあるものの、展開に際して一切の制約が発生せず、EXデッキへの依存度も極めて低い。
属性が統一されているからこそ使いやすいカードもあるため、それらを上手く組み合わせたい。

3条件のモンスター

該当するモンスターは、2025年11月時点で《聖夜に煌めく竜》を含め19体。
そこからEXデッキのモンスターや、何らかの召喚条件があったり、相手ターンに使える効果がなかったりするものを除いていくと、採用が現実的なものは一握りしかない。

  • 《光の天穿バハルティヤ》
シエルと同じく「LIGHTNING OVERDRIVE」出身で、時期的に【ホーリーナイツ】の強化を意図したと思われるカード。
《聖夜に煌めく竜》と同じく手札から召喚・特殊召喚した場合のみ発動できる効果、相手メインフェイズに相手のサーチをトリガーに自身をA召喚する効果を持つ。
リリース要員は必要だが、効果モンスター1体でのA召喚を可能とする効果外テキストもあり、出しやすさは《聖夜に煌めく竜》に勝る。

肝心の効果は相手の手札交換。手札と同じ枚数だけ相手デッキトップを裏側除外し、手札を全てデッキに戻した後に、先ほど裏側除外したカードを手札に加えさせる。
相手のサーチの直後に召喚・特殊召喚すれば、そのカードをデッキに戻させ、相手の動きを妨害できる。

しかしながら裏側除外なのでピーピングはできず、除外状態のカードを手札に加えさせるので《ドロール&ロックバード》を併用したハンデスも不可能。
除外した中に相手がサーチしたものと同名のカードが含まれているかもしれない確実性の低さや、攻撃力が2000しかないのでアタッカーとしての活躍が難しい点も悩みどころ。

相手の効果の発動にチェーンしてセルフバウンスを行い、戦士族かドラゴン族で光属性の儀式モンスターを手札・デッキから特殊召喚する。
出す候補の筆頭となるのが《古聖戴サウラヴィス》。ドラゴン族なので3条件を満たし、サポートを共有可能。
2つある効果も非常に強力で、場にいればコストでセルフバウンスし、チェーンに乗らない特殊召喚を無効+除外。手札では、自分の場のモンスターを対象を取る効果の発動を無効にする手札誘発となる。

なお、特殊召喚した儀式モンスターは、次のターンのエンドフェイズにデッキに戻ってしまうデメリットが課せられる。
とはいえ、効果を発動する機会がなくデッキに戻ってしまった場合でも、手札の竜賢聖を再度場に出せばリクルートを狙えるため、大して損にはならない。
自己特殊召喚や《古聖戴サウラヴィス》の儀式召喚もできるよう【粛声】との混合構築にするのも良いが、メインデッキの圧迫による手札事故のリスクを考慮してこの2枚のみの採用に留めても、十分に活躍してくれるだろう。

テーマ

ホーリーナイツと同じく、天使族・光属性統一テーマ。
1枚初動の《幻奏の歌姫ルフラン》《オスティナート》から妨害要員と1・9のPスケールを準備でき、召喚権の問題をP召喚で解決できる。
その妨害要員である《幻奏の華歌神フラワリング・エトワール》《幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト》は、それぞれフリーチェーンで表側表示カードのバウンス、カードの種類を問わない3枚までの除外が可能と非常に優秀。

ホーリーナイツだけが恩恵を享受しているように見えて、実は意外と相性補完ができている組み合わせ。
EXデッキを殆ど利用せず、展開力も低い【ホーリーナイツ】の性質上、幻奏が苦手とする《増殖するG》《マルチャミー・フワロス》《ドロール&ロックバード》《次元障壁》などにある程度強い。
それに加えて、【幻奏】では不可能な裏側表示カードの除去や効果の無効が可能となっている。

汎用性の高い手札誘発としての側面を持つドラゴン族テーマ。
闇属性が大半を占めるため、後述の《聖王の粉砕》との併用が難しく、多くのモンスターが規制を受けているため素引きの安定性も低いが、相性自体は良好。
除外や墓地送りなど【ホーリーナイツ】にはない妨害・除去を行えるだけでなく、ドラゴン族なら何でもサーチ・サルベージできる《深淵の獣マグナムート》を擁している。
《聖夜に煌めく竜》は手札に抱えたままターンを迎えたいカードなので、サーチ・サルベージの遅さも気にならない。

《深淵の獣ルベリオン》で置く「烙印」永続魔法・罠は、除外された光・闇属性モンスターをデッキに戻して1枚ドローできる《復烙印》を優先したい。
また、限定的ながら墓地メタとなる永続効果を持ち、ドラゴン族を素材に含むS召喚をフリーチェーンで行える《烙印の即凶劇》も候補に挙がる。
闇属性・レベル6の「ビーステッド」と光属性・レベル4の「ホーリーナイツ」とで、2つの耐性を持つ《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》を奇襲的にS召喚できる。

第12期に登場した強力な出張テーマ。
召喚権を使わず、終着点も多様なギミックだが、中でも強力な《DDD怒涛大王エグゼクティブ・シーザー》は《聖王の粉砕》のデメリットに引っかかる水属性であるため、それを重く見るなら《刻まれし魔ディエスイレ》が優先されるか。
数少ない難点であるEXデッキの圧迫は【ホーリーナイツ】なら全く気にならないため、両方を採用しても問題はない。

モンスター

自身と手札の天使族をコストに、対応した種類のカードの発動を無効+破壊する手札誘発。
召喚権の問題で手札に残ることもままあるホーリーナイツたちを有効活用しつつ、墓地効果にも繋げられる。
上記の【幻奏】との混合構築でも使用できる。

効果で手札の自身を召喚できることから、【エクソシスター】など【ランク4】での採用例もあるスピリットモンスター。
その効果も勿論有用だが、光属性モンスターをリリースする《ホーリーナイツ・オルビタエル》が重要な【ホーリーナイツ】においては、リリースされた場合にスピリットモンスター1体(自身も可)をサルベージする(3)も役立つ。
戻った後は次のターンのリソースや、《聖なる降誕》の(1)でデッキに戻すカードとして使える。

  • 《守護天霊ロガエス》
自分の場の天使族モンスターの効果の発動をトリガーに手札から特殊召喚できる、天使族・光属性・レベル7モンスター。
【ホーリーナイツ】では比較的出しやすく、自分の場の表側攻撃表示モンスターを守備表示にし、相手の表側表示カード1枚を除外する除去効果も備えている。
除去効果を使う際は守備表示にする対象に自身を選んでも良いが、ステータスが低いホーリーナイツたちを対象にして、攻撃の的にならないようにするのも手。

攻撃力が2800と高く、普通ならあまり送り付けるのには向かないが、壊獣で唯一の闇属性である点が重要。
《聖なる篝火》の追加効果の適用条件を満たせるため、それで《聖夜に煌めく竜》を展開すれば、相手の盤面を更に崩せる。
なお、壊獣が持つ「相手モンスター1体をリリースして相手の場に特殊召喚する」効果は発動を伴う効果ではないため、《聖王の粉砕》の制約下でも問題なく使用できる。

  • 《天翔ける騎士》
2体素材の汎用ランク4。漫画『遊戯王OCGストラクチャーズ』にて登場し、ホーリーナイツのサポートとして活躍した1枚。
素材を取り除くことで手札の光属性モンスター1体を特殊召喚できるため、3条件のモンスターを出す手段の1つとなる。
ステータスは下級モンスター並みだが、Xモンスターなので、戦闘を行うことで《天霆號アーゼウス》を重ねることも可能。
自分の場に永続カードが多いせいで全体除去が躊躇われる場合、闇属性ではあるが《S:Pリトルナイト》のL素材にすることもできる。
墓地へ送られてから1ターン待つ必要があるが、自己再生しつつ場の天使族・光属性・レベル4を素材にする効果もあるので、その場合もアーゼウスやリトルナイトに繋げられる。

光属性の汎用リンク2モンスター。L召喚時に、デッキから罠モンスターとなる永続罠をセットできる。
候補としては《碑像の天使-アズルーン》か《澱神アポピス》が有力。
前者は単体でも妨害になるので素引きしても安定した活躍が見込め、天使族・光属性・レベル4とステータス面も好相性。後者は他の永続罠が必要となるが、モンスターのみならず魔法・罠にも対処できる。

魔法・罠

手札からも発動できる代わりに、デュエル中に特定属性のモンスターの効果を発動できなくなる「ドミナス」罠の1枚。
このカードの場合は闇・水・炎属性モンスターの効果が発動できなくなるが、光属性で統一された【ホーリーナイツ】の動きに影響はない。
しかし併用するテーマや出張ギミック、汎用モンスターと属性上噛み合わない恐れもあり、それらとこのカードのどちらを優先するかはきちんと検討しよう。

EXデッキを一定枚数裏側で除外して発動できるドローソース。
【粛声】との混合構築など、EXデッキへの依存度が低いテーマやギミックを取り入れる場合に採用できる。

  • 《同胞の絆》
場の下級モンスターと種族・属性が一致するモンスター2体をリクルートできる通常魔法。
バトルフェイズ放棄・2000のライフコスト・発動後特殊召喚不可と複数のデメリットがあり、後攻では非常に腐りやすいものの、天使族・光属性・レベル4の層は厚いため、デメリットを加味しても強力な1枚。
狙い目は制圧として強力な《閃光の結界像》。相手が戦闘で排除を試みてきたら、《ホーリーナイツ・フラムエル》などで《聖夜に煌めく竜》を出してアタッカーを破壊してやろう。
オネスト》をリクルートし、セルフバウンスさせることで戦闘自体を牽制することも可能。

  • 《ヴィンゴルヴの祝福》
天使族に関連する3つの効果を持つ永続魔法。
発動時の効果処理としてデッキの天使族・光属性1体を墓地へ送れるため、ホーリーナイツたちの墓地効果に繋げやすい。
墓地へ送られると下級天使族の蘇生も可能。

  • 《御前試合》《センサー万別》
お互いの場の表側表示モンスターの属性や種族に制限をかける永続罠。
光属性統一で展開力が低い【ホーリーナイツ】に及ぶ悪影響は最小限であり、制圧力を高められる。



追記・修正は平穏な聖夜に思いを馳せながらお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年11月20日 02:17