R-TYPE ⊿

登録日:2010/02/09 Tue 12:35:25
更新日:2025/07/19 Sat 09:29:08
所要時間:約 7 分で読めます




『R-TYPE (デルタ)とは、アイレムから発売されたプレイステーション用横スクロールシューティング。

◎概要


『R-TYPE』シリーズの四作目だが、時系列だとニ番目。
初代『R-TYPE』と『』の間に起こった「サタニック・ラプソディー」という事件が舞台。

グラフィックが3Dになったり幾つかシステムが変更されてはいるが、死にながらパターンを構築していく覚えゲーとしては変わりが無く、相変わらず初見殺しも満載されている。

後付けの裏設定だが、同じアイレムから出された『GALLOP』は本作と同じ時系列の裏で起きていた「デモンシード・クライシス」という地上での大型兵器暴走事件が舞台となっている。

◎ストーリー


西暦2163年。第一次バイドミッションを完遂したR-9Aは宇宙要塞アイギスに帰還。
損傷した機体は要塞内にて封印された。

一年後、いくつかの都市で電子制御兵器が暴走、アイギスから投下型局地殲滅ユニット・モリッツGがアジアのとある市街地に向けて降下。
第一級非常態勢となるが戦闘機では歯が立たず、遂にテスト機にも出撃命令が下された。

◎システム


過去シリーズとの主な変更点は、機体セレクトができるようになったことと、波動砲が全機2ループチャージができるようになり2ループ目の維持も発射まで維持できるようになったこと。
細かなところだが、2ループ目のチャージは1ループ目のチャージをしばらく継続すると一瞬で2ループ目がMAXになるという挙動になったため、2ループ目の途中という状態は
また、自機の速度変更を自力で好きなタイミングでできるようになった。
これによりスピードアップアイテムが廃止され、地形接触によるミスもなくなっている。
特に後者は当時は非常に珍しいことで物議を醸したが、実際にやってみるとわかるが例えば巨大オブジェクト(こちらは当たってはダメ)が移動範囲を狭めてきたり、敵が四方八方に居て適宜フォースの切り離しや前後つけかえを要求されてむしろこの仕様を活用しないと苦しいなど
ヌルゲー化しないどころか、しっかりゲーム性に落とし込まれている。

◆DOSEシステム

フォースで敵を破壊したり敵弾を吸収するとゲージが溜まり、100%になると音とともにドースブレイクと呼ばれる状態となり、フォース接触時の威力攻撃範囲とスコアが上昇するほか、⊿ウェポンが使用可能になる。
そのためあえてレーザーを撃たずにフォースに敵や敵弾を喰わせる戦術が求められる。

◆⊿ウェポン

平たく言えばボム。
使用すると約4秒間画面内の敵にダメージを与え、敵弾を消す効果も。
使用後はDOSEが0になり、ストックもされない。 

◎機体


開始時に出撃する機体を3種から選択する。()の中はFINALでの機体名。
機体名のハイフンは媒体によってはあったりなかったりする。作中では”R9”、”RX”、R13”など無い方が多い。

R-9aII DELTA (R-9A2)
R-9Aをベースに、大気圏内での運用を想定し小型軽量化した機体。開発プロジェクトの名前がそのまま機体名にもなっている。
名前の通り、これまでのR-9系統の挙動ほぼそのままである。

◇波動砲/試作型拡散波動砲
まっすぐ一直線に貫通力の高い強力な弾を発射するシリーズ定番の波動砲。
2ループ目チャージで拡散波動砲になり、発射後にしばらくすると上下に分裂し広範囲の敵を攻撃する。分裂前であればより高い攻撃力がある。
拡散波動砲は試作型とある通り後にR-9Cに搭載される完成型より分裂するタイミングが遅いが、こちらは前述の通り2ループ目チャージは発射までずっと維持できるため扱いやすい。
3D化にともないチャージ時は収納されていたパーツが前を向くという演出が追加されており、芸が細かい。

◆スタンダード・フォース
ラウンド・フォースから改名された。特性は対地が真下ではなくやや斜めになった以外はこれまでとほぼ同じ。

対空レーザー
反射レーザー
対地レーザー

⊿ウェポン:ニュークリア・カタストロフィー


R-X ALBATROSS(RX-10 ALBATROSS)
航空機メーカーと軍が共同開発した新型フォーステスト機。
Xは他機体の命名ルールに従うなら10を表すローマ数字を意識しているものと思われるが、読みは「アールエックス」か「アールテン」かは不明。

◇炸裂波動砲/高圧縮波動砲
異相次元航行システムを応用し、エネルギーを瞬間的に敵の内部に送り込み破壊する。
送り込んだ対象には高い威力を誇るが、爆発の部分は威力が強くない。
2ループ目になると爆発の範囲が広くなる。
以上の通り、他の波動砲に比べて癖があるため若干使いづらい。

◆テンタクル・フォース
2本の触手がついたフォース。前進すると開き後退すると閉じる。触手にも敵や敵弾への接触判定は存在するため防御範囲は大きめ。
分離時はバイドをサーチしてその方向へ弾を撃つため切り離し時の隙が小さい。

スティングRAY
広げると範囲も広がるが威力は落ちる水平レーザー。
ハウンドRAY
敵をロックオンして照射し続けるレーザー。威力は低い。
スネイルRAY
触手が伸びるガチ近接用。

⊿ウェポン:ネガティブコリドー


R-13 CERBERUS(R-13A CERBERUS)
軍事メーカーが開発したR戦闘機。神経接続、波動エネルギーを電気変換して打ち出すライトニング波動砲など革新的な技術を搭載している。
アンカー・フォースによるフォースシュートは強力な一方、フォースをくっつけた時の攻撃は微妙という当時シリーズとしては珍しく強敵には積極的にフォースを切り離していく方が強い。

◇ライトニング波動砲/オーバーライトニング
波動エネルギーを変換した稲妻が敵をサーチして切り裂く波動砲。2ループ目になると雷撃が3本になる。
サーチ力はかなり高く自機の後方にまで回り込むことがある程。これまでの2機と比較して、硬い敵に大ダメージを与えるよりも大量に湧く軟らかい敵の対応に強い。

◆アンカー・フォース
鉤爪型のコントロールロッドを使用し、フォースシュートで敵に食い付かせることで連続でダメージを与える。
バイド係数を高めた結果不安定になり、機体から有線制御する必要がある。
そのぶんフォースシュートは強力で、しかもフォースが当たった敵にコントロールロッドが牙のように食いこみフォース帰還操作を行わない限り
敵を破壊するまで自機と距離が離れても敵から離れない。
フォース分離時は弾は撃たないが、代わりに本体とフォースを結ぶチェーンに判定が有る。

シェード・α
水平レーザー。残像にも判定有り。
サーチ・β
R-9Cのものの試作。
ターミネート・γ
範囲は広いが連射が効かない。不遇気味の黄色レーザーだが、R-13の場合はむしろ主兵装である。

⊿ウェポン:ヒステリックドーン


POW ARMOR (TP-2 POW ARMOR)
みんなのバイドル…もといアイドル、パウアーマーがまさかの使用機体に。
隠し機体なだけあってかなり使い勝手がいい。

◇バイド波動砲
バイドの形のエネルギーを連続して撃つ。
フルチャージだと拡散型になる。

◆バイド・フォース(ニードル・フォース)
トゲトゲのフォース。
分離時は八方に回るように撃つ。

波形レーザー
範囲が広く使いやすい。
3WAY反射レーザー
1回だけ反射するレーザーを上下斜めに撃つ。
バウンドレーザー
壁に当たるとバウンドする。

⊿ウェポン:バイディックダンス

◎ステージ


ステージ1『狂機』

モリッツGが落ちた、かつてアジアと呼ばれたエリアが舞台。
背景から察するに恐らく東京。

  • ボス:モリッツG
地球に降下した大型機動兵器。
地上を疾走しながらバックブラストやレーザーで攻撃してくる。

ステージ2『異形』

浸水したエネルギー炉が舞台。生物型バイドが泳いでたり巣を作っていたりでキモい。
水中と空中でBGMが変わる小粋なステージ。

  • ボス:ダストネイト・コクーン&ダストネイト・ワーム
雄と雌のバイド。
雄と雌が交わって上下運動にいそしむ。リア充は爆発しろ。
片方が倒されると残された方が発狂化する。

ステージ3『巨襲』

吹雪の中の山岳に位置する軍事基地が舞台のステージ。R-TYPEおなじみ画面に収まりきらない巨大機械をかいくぐることになる。
メチャクチャでかい巨大シャトル牽引トレーラー「ゲイツ」をぶっ壊すのがクリア条件。
初見で踏み潰されたプレーヤーは多いだろう。

ステージ4『侵食』

地球の軌道上にある要塞アイギスが舞台。
上に向かってスクロールしっぱなし。
画面奥から一杯柱がせり出してくるところはムキー!っとなったプレーヤーは数知れず。

  • ボス:Q.T.キャット
ドリル付の輸送機。
大型ミサイルや回転レーザーで攻撃してくる。回転レーザーは当時リアルタイムにプレーした人ならあっと思った人は多いはず。
撃破後に中から出てきたR-9Aがある場所へ向けて飛び去る。

ステージ5『邪悪』

謎の生体空間が舞台。
初代R-9パイロットの記憶を元にした悪夢が、パイロットを蝕んでいるという設定。バイドたる片鱗が見えるステージ。背景がキモい。なんかニチャニチャしている。
やたらと来る初代の敵達、高速で飛んでくる脳味噌っぽいものを納めた巨大シリンダーやドップの大群、回る地形が非常に厄介。

  • ボス:ゴンドラン、ゴマンダー、グリーン・インフェルノ
初代のボスラッシュ。つーか『Ⅲ』と言い、初登場ではただの障害物だったゴンドラン贔屓されすぎ。
どれも傷ついてはいるが、えげつない攻撃をしてくる。

ステージ6『覚醒』

バイドに強襲されたR戦闘機開発プロジェクトの中心基地が舞台。
ぴょんぴょん跳ねる、倒すと血飛沫をぶちまけて破裂する脳味噌っぽい雑魚がいる。
どう考えても元人間です。本当にありがとうございました。
我らが肉棒、ノーザリーが後ろからプレーヤーのケツを狙ってくる場所で初代ステージ7ばりの弾幕にコントローラーをぶん投げた人も多いはず。
バイドに侵されたR-9A(フォース装備)と2機のパトロールスピナーを倒すとボス戦になる。

  • ボス:ドブケラドプス
またお前か。
行動範囲が狭い上、フォースで防御不可能の攻撃を繰り出す恐らくシリーズ最強のドブケラさん。

ステージ7『生命』

バイドコアによって作られた異次元層が舞台。
建築物が埋まってたり精子や遺伝子が舞っていたり、結晶の中に赤子がいたりする、幻想的で妙にキモいステージ。

  • ボス:バイドコア
道中、しばし巨大な精子を出して来た赤黒い卵子と思しき巨大な物体が立ちふさがる。
巨大さ故移動範囲は広くなく光弾を八方に発射してくるが、弾速は速くないため回避自体は難しくない。
ダメージを受与え続けると中のコアだけになるがここからが本番。
R-TYPEシリーズのラスボスは何らかの形でフォース無しのガチ避けを要求するギミックが存在するのが定番となっているが、
なんと今回はこちらのフォースを取り込んでしまうフォースを打ち込む手間が省かれた
フォース無しでゆっくり動くだけのバイドコアと天井と地面から湧いてくる大量の巨大精子を撃ち落としながらよけなければならないが、
画面が暗いため見づらいが地面と天井の幅が広まったり縮まったりするため場合によっては非常によけにくくなる。
後方の攻撃手段が無いため場面によっては苦しい場面もあるが、片方でもビットがあれば露払いしてくれるためかなり楽になる。
同時にDOSEが溜まっていくため、ドースブレイクしたら⊿ウェポンを放つことで撃破となる。

倒すとここでエンディング、異次元層から脱出となる。
+ 各機の結末
R-9aII デルタとR-Xアルバトロスは波動砲でワームホールをこじ開けて脱出・帰還に成功(同時にコントロールロッドを失ったフォース、つまりバイドの破片も地球圏へ)、

しかしR-13ケルベロスは前述の2機同様波動砲でワームホールをこじ開けることを試みるも波動エネルギーを電力に変換することが仇となり脱出に失敗、バイドに取り込まれてしまった。

そして数年後―


かつて、彼は英雄だった
しかし、今は暗黒の森の番犬

悪夢と言う名の鎖が
彼をここに繋ぎ止めて
いるのか?

 ?R's Museum 碑文より引用?



本事件は初代R-TYPEの自機R-9が汚染されていたことによる悲劇である。
人類を救った救世主が原因となったことはなんという皮肉だろうか。

◎移植


長いこと他プラットフォームへの移植等がなかったため、初代PSはもちろん初代PS互換機でもあったPS2も生産終了してしまい久しくプレイ機会に恵まれなかった。
しかし2025年、ようやく最新プラットフォームであるSteam/Switch/PS5/PS4/XSXにて『R-Type Delta:HD Boosted』が発表。
発売は2025年中ということで詳細はじきに発表されると思われるが、アナウンスなどの文言から単なるHD化移植ではないようだ。



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最終更新:2025年07月19日 09:29