真庭忍軍虫組

登録日:2010/04/19(月) 21:40:54
更新日:2023/06/30 Fri 12:56:20
所要時間:約 3 分で読めます






「蝶のように舞い蜂のように刺し蟷螂のように食らう。
真庭忍軍虫組―――大手を振って、まかり通る」




まにわにんぐん むしぐみ

西尾維新の小説及びそれを原作としたアニメ『刀語』の第四巻(話)『薄刀・針』の登場人物たち。
当作品に噛ませ犬として登場する暗殺専門の忍者集団真庭忍軍(通称「まにわに」)には頭領が十二人いる
各々が三人ずつで計四組の派閥を形成しているのだが、そのうち「虫組」を形成する三人のことを指す。
派閥が有名無実な十二頭領において例外的に結束の固いチームであり、任務にも三人一組となって当たることが多い。
もっとも能力の癖が強過ぎて連携に不向きなのは他の十二頭領と変わらず、実際に前面に立つのはそのうちの一人で、他の二人はその補佐に回るという役割分担となっている。


以下メンバー

☆真庭蟷螂(まにわ かまきり)

声:保村真
虫組の指揮官。別名は「首狩りの蟷螂」。
回数に限度はあるが、自分の爪を数十秒から数分で異様なほどの長さに伸ばす事ができ、これを武器とする「忍法爪合わせ」を使う。
しかし、彼が「虫組の中で最も戦闘向き」と評されるのは、その忍法の殺傷力ゆえではなく半端ではない経験値ゆえ。
誰が相手でも過大評価も過小評価もしない人格者で、傲岸不遜で鳴る突出した人格破綻者の真庭喰鮫でさえも彼には一目置いていた。


☆真庭蝶々(まにわ てふてふ)

声:阪口大助
別名は「無重の蝶々」。
南方の生まれで真庭の里出身ではない外様組だが、仲間意識は他の頭領と遜色なく強い。
また、無益な殺生を好まないという真庭忍軍にしては比較的温厚な性格である。
使用する忍法は、特殊な足の運び方により自分と自分が背負った物の重量を消す「忍法足軽」。
また、真庭拳法という独自の拳法を使う。
同じ十二頭領の一人である鳥組の真庭鴛鴦と婚約しており、結婚の条件として禁煙している。
アニメの場合は煙草のシーンが追加された。


☆真庭蜜蜂(まにわ みつばち)
声:三浦祥朗

別名は「棘々の蜜蜂」。
三人の中では一番若く、それゆえか少々控えめな所がある。
使用する忍法は、20畳先からでも百発百中の精度で巻菱を飛ばす「巻菱指弾」。
ただでさえ肉を抉り骨さえ断つ威力だが、万全を期して毒を塗れば致死率は100%。
同じく十二頭領である真庭蝙蝠の「手裏剣砲」が無差別に乱射されるのに対し、こちらは一点突破の精密射撃である。
その他に、近接戦にもつれ込んだ際の奥の手か、予備の武装として忍者には珍しく太刀を佩いている。



以下、第四巻『薄刀・針』のネタバレ!
















奇策士・とがめの『刀』として順調に完成形変体刀を収集する鑢七花への人質として、彼の実姉である鑢七実を拉致すべく、不承島を強襲する。

まず一番手として向かったのは、戦闘において最も信頼のある蟷螂。
だが、七実の実力を知らなかった事もあって圧倒され、伸ばした爪を剥がされてあっさりと捕縛される。
そして、自害用の奥歯の毒も抜かれたうえで「黙って死ぬか喋って死ぬか」という選択を迫られ、屈した振りをしながら忍法爪合わせで逆襲を図る。
…が、簡単にかわされて剥ぎ取られた自らの爪で殺される。

二番手は、年の順*1という事で蝶々。
十二頭領屈指の実力者である蟷螂をいとも容易く屠った相手に挑む、死の危険が高い任務を前にして彼は唐突に語り出した。

「あのさあ、蜜蜂」

「…なんですか」

「この任務が終わったら、おれ、結婚するんだ」

更に「過去の回想」「禁煙中に吸おうとした煙草が真ん中でへし折れる」といった風に盛大に死亡フラグを乱立させてから、「忍法足軽」を使った拳法で七実に戦いを挑んだ。
しかし、やはりと言うか何と言うか、見ただけで技を覚える七実の「見稽古」で忍法足軽を見取られ、得意の空中戦で上を行かれたうえに近距離からの忍法爪合わせにより心臓を貫かれて絶命する。

そして、蝶々の計らいで七実と蝶々の戦闘を観察し、そのどう見ても化物でしかない実力を把握した蜜蜂が、病魔で隙を見せた七実を忍法「巻菱指弾」で強襲。*2
神経毒を塗布した巻菱は二発も七実に命中し、戦いは有利に進んだように思われた。

だが、七実は体に食い込んだ巻菱を周囲の肉ごと抉り取り、致命傷だけでなく毒の回りまで回避。
のみならず、その巻菱を見取った「巻菱指弾」で逆に若さゆえか油断して姿を見せてしまった蜜蜂に撃ち込む。
それだけなら蜜蜂もまだ死にはしないはずだったが、なんと七実は撃ち出した巻菱に蟷螂から取り上げた自害用の毒を上塗していた。
その設定は登場済でしたね。

遺言を聞かれて仲間とともに埋葬されるよう願った蜜蜂は、蜜蜂が使用したため刀の使い方を覚えた七実により斬り殺された。


「真庭忍軍虫組、これにて全滅。
 蝶のように舞い蜂のように刺し蟷螂のように食らい―――虫のように死んだ」


遺体は三人とも真庭蝙蝠と同じ所に埋められた。




余談

真庭忍軍がかませ犬となっていることを気にしていたが、この三人の場合は相手が悪すぎた。
何せ、相手は前・日本最強。
その彼女相手に(病魔ありきとは言え)体力を削り切り、「あと一人、同等の実力者が控えていたら、(その相手との戦いで)自分の方が死んでいた」と言わしめたことは、むしろ誇ってもいい。







「この追記が終わったら、おれ、結婚するんだ」

「刀で殺してください。自決の毒で死んだなど―――修正に顔向けできません」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 刀語
  • 真庭忍軍
  • まにわに
  • かませ犬
  • かませ犬←相手が悪すぎた
  • 死亡フラグ3人秀←フラグの蝶々
  • 蟷螂
  • 名台詞
  • 錆よりマシな扱い
  • アニメで愛された3人組
  • 保村真
  • 阪口大助
  • 三浦祥朗

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年06月30日 12:56

*1 「より多くの情報を得られる後番の方が生存率は上がる」「死ぬなら年長者から」という真っ当な理由だったが、これが裏目に出てしまった。

*2 本来ならこれ以上の戦力損耗を避けるため戦略的撤退を選択したいところだったが、「足軽」を使える蝶々が死んだことで海を渡る手段が無くなってしまったため、強襲に賭けるしかなくなってしまった。