登録日:2012/03/08(木) 10:46:35
更新日:2024/11/12 Tue 18:49:13
所要時間:約 4 分で読めます
ダン・ブラウンの長編推理小説。
ハーバード大学教授:宗教象徴学専門家の主人公が様々な災難に見回れながら、その頭脳をもって事件を解き明かしていく「ロバート・ラングドン」シリーズの第2作目。
今回のテーマは『聖杯』。
『ウィトルウィウス的人体図』
『モナ・リザ』
『岩窟の聖母』
『最後の晩餐』
などのレオナルド・ダ・ヴィンチ作品の謎にはじまり、『テンプル騎士団』『イエス・キリスト、マグダラのマリア夫婦説』などの多くの流説を結びつけた内容は世界的にヒットし、44言語に翻訳され7000万部のベストセラーとなった。
ただし、筆者が物語の“ギミック”として『この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、全て事実に基づいている』と記したため、作品内での芸術や宗教の知識を鵜呑みにしてしまう人が多く、作品の一部に“陰謀論”的なものも取り入れたため論争が勃発。
特に
キリスト教に喧嘩を売るような内容のため、公式で反論が挙げられた。
なお、2006年に実写映画化されている。
映画内の時系列はダ・ヴィンチ・コード→天使と悪魔であるが、原作では『天使と悪魔』の方が先に起こった事件である。
◇あらすじ
ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。
死体はグランド・ギャラリーに、ダ・ヴィンチの最も有名な素描《ウィトルウィウス的人体図》を模した形で横たわっていた。
殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーバード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を求められ……。
◇登場人物
ロバート・ラングドン
ハーバード大学教授。45歳、独身。通称 ハリスツウィードのハリソンフォード(笑)
作品の奥底にある歴史意識、精神、文化などを研究しようとする学問“象徴学”の専門家。
芸術に関する深い知識を持ち、それを武器に事件解決に奔走する。
子供の頃、井戸に落ちて五時間も閉じ込められた
トラウマで軽度の閉所恐怖症持ちで、エレベーターや狭い図書館の個室では気分が優れないような描写がある。ちなみに前作「天使と悪魔」のヒロインとは別れたことが書かれている。
ジャック・ソニエール
ルーヴル美術館館長。
世間嫌いと噂されているが、芸術に向ける情熱は広く知られており、いわゆる“名士”として誰からも尊敬をうける人物であった。
彼が死に際に自らの身体で作った“ウィトルウィウス的人体図”と謎の数列と不可解な文章、そして『PS:ロバート・ラングドンを探せ』というメッセージにより、ラングドンは事件の渦中に引きずり込まれる。
ソフィー・ヌヴー
フランス国家警察の暗号解読官。ヒロインだがアラサーである。
両親と弟を交通事故で亡くし、唯一存命だった祖父ジャック・ソニエールに引き取られた。
ラングドンがソニエール殺害の犯人として疑われていることをラングドンに告げ、彼と共に逃亡。祖父の死の真相を探るべくラングドンと行動を共にする。
とある理由により祖父とは疎遠になっていた。
ベズ・ファーシュ
フランス国家警察の警部。
“ル・トーロー(牡牛)”のあだ名で呼ばれる、巨漢。
ラングドンがソニエール殺害の犯人ではないかと疑い、現場から逃亡したラングドンを追う。
リー・ティービング
イギリスの宗教史学者。
現代における“聖杯探求に生涯を捧げた騎士”の一人で、実際に“サー(knight/ナイト)”の爵位を持っている。
自らの元に訪れたラングドンに『きみの心に曇りがないことを確かめる必要がある』と三つの質問をしたりするなど、やや変人。
小児麻痺を患ったせいで足が不自由。ユーモアあふれる人物で作中ジョークを多く言うが、アソコをネタにした下ネタが多い。
シラス
オプス・デイの一員にして殺し屋。
色素欠乏症(
アルビノ)の男性で、その異様に白い肌と赤い瞳により人々からは“
幽霊”と恐れられ、迫害されており、また刑務所にも何度か入っている。幼いころ、飲んだくれの父親を刺して家を出たため、文字を捨てられた新聞や雑誌から学んだとされており、下手したら
小学校すら通ってない。刑務所から脱獄した後、誰からも避けられる容姿で、しかも犯罪者であるにもかかわらず温かな言葉と施しを与えてくれたアリンガローサ司教を慕い、敬虔な信者となった。ある人物の命を受けて聖杯の手がかりを探している。
アリンガローサ司教
オプス・デイに所属する司教。キリスト教の中でも保守的な思想の持ち主で革新派の現教皇の施策に憂いを感じている。世間からはカルト扱いされているオプスデイの人間であるが信仰心は本物で人間としても立派な人物、終盤ではそれがよく描写されている。
追記・修正は水面の上を歩いてからお願いします。
- こういうミステリーはだいたい都市伝説の類だよな。 -- 名無しさん (2014-02-14 15:25:10)
- ↑信じるか信じないかは、あなた次第です -- 名無しさん (2014-02-25 11:59:48)
- 史実を上手いこと織り交ぜたサスペンス小説と考えたら間違いなく良作。作者が挑発的な文言つけたのがアカン。 -- 名無しさん (2016-02-10 21:33:37)
- ↑そういう売り方なのよ。わざと物議をかもすようなことやって耳目を集めるの。 -- 名無しさん (2016-02-10 22:01:41)
- 作品としてもクオリティ高いし、そこらの炎上商法とは実がある点で違う -- 名無しさん (2016-02-10 22:07:55)
- 権威ある連中が頼みもしないのにガンガン宣伝してくれたんだからな。邦画で言えばバトルロワイヤルくらいの炎上商法の成功例だ。 -- 名無しさん (2016-02-10 22:16:40)
- ルーブル美術館に行ったことがある人なら作品のトリビアが嘘だってことがすぐわかるはず。 -- 名無しさん (2016-05-20 15:41:48)
- 規約違反のコメントを削除しました -- 名無しさん (2020-12-11 22:53:27)
最終更新:2024年11月12日 18:49