ジョシュ・ハミルトン

登録日:2012/05/29(火) 22:52:44
更新日:2025/05/01 Thu 22:29:37
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ジョシュ・ハミルトンはテキサス・レンジャーズなどのメジャーリーグに所属していた元プロ野球選手。
1981年5月21日、アメリカ合衆国ノースカロライナ州生まれ。左投左打。ポジションは外野手。

  • 球団歴
シンシナティ・レッズ(2007)
テキサス・レンジャーズ(2008-2012.2015)
ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム(現:アナハイム・エンゼルス、2013-2014)

  • 経歴
高校時代から既にメジャーリーグのスカウトの目に止まっており、打者としては25試合で打率.529、13本塁打、35打点、20盗塁、投手としては最速154km/hを投げる剛腕で7勝1敗、防御率2.50、56回を投げて91奪三振を記録するなど正にわけがわからないよ状態。

メジャーでは打撃、パワー、走塁、守備、送球の5部門で秀でた能力を持つ選手を5ツールプレーヤーと呼ばれるがジョシュは高校生の時点でこの評価を受けていた。
更に付け加えるなら投手としての評価も入れて8ツールプレーヤーとまでの最高の評価を受けていた。


98年にタンパベイ・デビルレイズからドラフト1巡目(全米1位)で指名を受け入団。
「マイナーで3年間経験を積み、メジャーで15年プレーして、引退から5年後に(すなわち資格1年目で)殿堂入りする」と宣言し、誰もがそうなるであろうと疑わなかっただろう。
2000年にはマイナーリーグ年間最優秀選に選ばれ、スーパースターへの階段を着実に駆け上っていた。

しかし翌年3月、ジョシュの人生を変える大きな出来事が起きる。

両親と共に交通事故に逢い、背中を痛めスランプに陥り故障者リストにも入れられる。
何人もの医者に見てもらったが、誰もが「何も問題ない」との答えを返してくるだけで誰にも痛みの原因が分からず、自分がおかしくなったのかとさえ思ったとのこと。

大きな期待を重圧に感じた結果、怪我の治療中に知人から勧められたコカイン中毒とアルコール依存症になってしまう。
薬物使用が発覚して25日間の試合出場禁止処分が下され、更生施設への入所を義務付けられるも入れ墨を26か所に入れるなど行動の改善が見られなかった。


ルー・ピネラ監督から「家に帰って、親元で心を入れ替えてこい」と命じられるがまたも効果が無く、2004年には2回目の出場停止処分を受け、事実上の球界追放となった。

この時地元へ帰るがその際に同級生と結婚した。
その後も麻薬中毒を抜け出せず更生施設を8度も出入りを繰り返し自殺を考える程までに悩んでいた。

妻にも見捨てられ唯一自分を受け入れてくれそうな祖母の家へ行くが、これが転機となる。
ここでもドラッグをやっていたが祖母にも見つかって「私の家ではクスリをやらせない。もし続けたいならば、この家を出ていきなさい。どうするかを決めるのは、あなたです」と力強く言われたジョシュはようやく自分のしてきたことの罪の重さを知るのであった。

「俺が愛している人たちを、俺を愛してくれている人たちを、どれだけ傷つけてきたか気付いたんだ」と語っている。

この出来事がジョシュを変え、麻薬とアルコールを絶つきっかけとなる。
悪夢にうなされることもあったが、誘惑に負けることはなかった。


レイズからは週3回以上の尿検査を条件に現役復帰を認められ出場禁止処分が解かれる。
2006年にようやくマイナーで4年ぶりの実戦復帰を果たすが膝の故障でわずか15試合の出場に終わる。

オフにシカゴ・カブスへ移籍するがその日に金銭トレードでシンシナティ・レッズへトレードされる。
そして2007年、遂に誰もが待ちわびた男がメジャーリーグデビューを果たすのであった。
復活を称え場内の観客は20秒以上のスタンディングオベーションを行った。
またしても故障で90試合の出場に留まるが打率.292・19本塁打・47打点の成績でシーズンを終えた。

オフへトレードでレンジャーズへ移籍。
08年には3割台の打率を残し30本塁打を放つ。

オールスターにも出場してホームラン争いに参加。
決勝で敗れるが優勝したジャスティン・モルノーが「皆の記憶に残るのは、僕が勝ったことよりジョシュ・ハミルトンのことだろうね」と言うように主役はハミルトンだった。

09年は再び故障、8月には、女性と体に生クリームを塗った写真がネット上に流出し、謝罪会見を開くことになり成績も自己最低に終わってしまった。

2010年は序盤は調子が上がらなかったが6月から復活して6月4日から6月30日にかけて23試合連続安打をマーク。
3安打以上放った試合が8試合と打ちまくり、6月の月間成績は打率.454 9本塁打 31打点と打棒が大爆発した。
9月から10月まで再び故障するが復帰、本塁打も30本台に届き打率.359 32本塁打 100打点の成績を残し首位打者を獲得。

ヤンキースとのリーグ優勝決定シリーズでは打率.350 4本塁打の活躍でレンジャーズのリーグ優勝に大きく貢献してリーグMVPを受賞する。

11年は4月にまた故障するが5月に復帰、オールスターにも出場する。

この年にハミルトンが客席に投げ入れたボールを捕ろうとした男性が高さ6メートルのフェンスから落下して死亡する事故が起きる。
このことで心を大きく痛めて翌日の試合の欠場も考えるほどだったが出場を決断。
試合後には改めて死亡したファンの家族に哀悼の意を表した。


2012年の2月に飲酒を行ったことが発覚。
会見を開き「多くの人をがっかりさせてしまった」と謝罪した。

しかし開幕から絶好調で5月にはメジャー史上16人目となる1試合4本塁打を記録するなど快調に本塁打と打点を量産。
最終的には自己最多となる43本塁打をマークし128打点を叩き出したが、デトロイト・タイガースのミゲル・カブレラが三冠王に輝いたため、結果的にはタイトルを一つも取ることができなかった

しかしチームは快調に首位を飛ばしたものの最終盤で失速気味に。
最終戦、勝てば優勝という言わば天王山的な試合になった2位アスレチックスとの直接対決でハミルトンは平凡なフライを落球。
結果このプレーが原因でレンジャーズはこの試合を落とし、更にはワイルドカードにも敗北しポストシーズンにも進めないという前代未聞の事態になってしまった。

これが原因でハミルトンは内外から叩かれることになり、遂にはなんJでは「世界の野球の歴史に刻まれし人類の超特大超特別A級最終戦犯ジョシュ・ハミルトン特別終身名誉死刑囚」として「死刑囚」*1認定される事態となってしまった。

現在は正式な発表はないものの、事実上の引退状態である。

ちなみに引退後の2019年は娘への児童虐待容疑で逮捕されてしまっており、本物の死刑囚とまではいかないが本当に犯罪をしてしまう事態になってしまったことを嘆く声は多い。



  • プレースタイル
最初に記述した通り打撃、パワー、走塁、守備、送球の5部門で秀でた能力を持つ5ツールプレーヤーでアダム・ダン以上の飛距離、アレックス・ロドリゲス以上の打球スピードと言われるほど強打者。
足も速く守備においても強肩である。

投手をしていたころは速球が高校生ながら常時150km/h台を記録する上に左腕であることから天然記念物レベルの選手だった。

ほんま何やねんこのチート…



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最終更新:2025年05月01日 22:29

*1 NPBで言う「不良債権」のことだが、MLBでの年俸はNPBのそれとは比べものにならないほど高いため、こう呼ばれることの方が多い。