山荘包帯男殺人事件(名探偵コナン)

登録日:2012/02/21(火) 08:25:57
更新日:2019/12/02 Mon 23:44:56
所要時間:約 10 分で読めます





気をつけろ…

油断すると奴がまた
人の心の中から顔を出す…

復讐という名の
殺人鬼が…


『山荘包帯男殺人事件』とは、「名探偵コナン」において、江戸川コナンが解決した事件のうちの一件。
単行本第5巻に収録されている。テレビアニメでは第34話・第35話として1996年10月21日・28日に放送。


以下、ネタバレにご注意ください。


【あらすじ】
コナンと蘭は、蘭の親友である鈴木園子に群馬の別荘で行う姉の映研仲間の同窓会に招待された。
しかし、その別荘に行く途中で怪しい「包帯男」を目撃するなど不穏な状況であったが、無事同窓会が始まった。
和やかな雰囲気の中始まった同窓会だったが、「敦子」という名前が出た途端その場の空気が一変する。

その後、散歩中に太田とはぐれてしまった蘭は、謎の「包帯男」が斧で襲いかかられるも、コナンのおかげで何とか助かっている。
この状態のままでは危険と判断して警察に電話しようとするも、電話は不通。さらには、吊橋が落とされて山荘は外界から隔離されてしまった。
その中で、「包帯男」に池田知佳子が連れ去られてしまい、森の中で知佳子を探すが、森の中でバラバラとなった知佳子の死体が発見される…。


【事件関係者】

  • 鈴木綾子(すずき あやこ)
声:元井須美子
園子の姉で大学院生。24歳。
大学時代は映研でメイク・衣装を担当していおり、今回の同窓会を計画した。
妹同様、財閥令嬢であることを鼻にかけない性格。

  • 太田勝(おおた まさる)
声:井上倫宏
外車ブローカー。24歳。
大学時代は映研で主に主役を張っていた。
イケメンで園子に目をつけられるが、キザな性格で蘭に言い寄ろうとする。
散歩中に蘭が雷で逃げた後舌打ちしていた。

  • 高橋良一(たかはし りょういち)
声:加藤満
食品会社社員。巨漢のぽっちゃり系。25歳。
大学時代は映研で大道具を担当していた。
大学時代からさらに太り、現在は100キロくらいになったらしい。

  • 角谷弘樹(すみや ひろき)
声:後藤哲夫
映画雑誌編集者。25歳。
大学時代は映研でカメラマン、特に特撮を担当。撮影好きであり、常時ビデオカメラを回している。
まるで別作品の誰かさんみたいである。
彼が撮影したビデオが、トリックを見破る鍵になる。

知佳子とは学生時代交際していたようで、角谷は知佳子に対しまだ好意をもっていたようだが、知佳子の方は冷たくあしらっていた。それを見た太田は「あの二人ももう終わりかな。」と呟いていた。

  • 池田知佳子(いけだ ちかこ)
声:唐沢潤
人気の若手脚本家であり、「青の王国」で一躍時の人となる。24歳。
大学時代は映研の部長であり、脚本と監督を務めていた。
映研に仲間たちと普通に接するが、自殺した徳本敦子の話になるとヒステリー気味になる。
蘭を襲った「包帯男」に対しては悪戯と割り切るも、「包帯男」に連れ去られ、バラバラ死体となって発見される
連れ去られる前に、自分の部屋の扉の下にあって手紙を見て、何かに焦っている様子だった。


【主要人物】

ご存知主人公。
蘭に言い寄ってくる太田に嫉妬をしたりするが、包帯男に狙われた蘭を守るために必死で戦う。

ご存知蘭姉ちゃん。
今回は別荘に行く際に道に迷ったり、ノックせずに男性の映研メンバーの部屋を勝手に開けるなど、様々なハプニングを起こしている。
何故か「包帯男」に執拗に襲われており、包帯男は寝込みを襲うなど不意打ちなどが多く空手で撃退する場面が少なかった。
何かが引っかかっているらしいが、思い出せないらしい…。

蘭の親友で鈴木財閥の令嬢のお調子者。原作ではこの回が初登場になる。
彼氏ゲットに燃えており、クールでカッコいい太田を狙っている。
得体の知れない人物に閉じ込められ、怯えるどころか映画みたいに感じており、(蘭と自分の姉も含めて)周囲が皆殺しにされる中、自分と太田だけが助かって「包帯男」を倒すというどっかのホラー映画にありそうな妄想をしており、コナンや蘭に呆れられていた。
さすがに本当に殺人が起きた際には、ふざけずに調子に乗った行動も自粛していた。


【その他の人物】

  • 包帯男
この別荘近辺に度々現れる顔に包帯を巻き、黒いマントにチューリップ帽で身にまとった謎の人物。
最初に蘭が別荘に付いたときに別荘の方向へ向かって消えてしまう。
その後、蘭を襲ったり、山荘を外界から隔離して、最終的には知佳子を連れ去り殺している。
ちなみにコナンではわりと珍しい「衣装付きの怪人」である。

  • 徳本敦子(とくもと あつこ)
綾子の大学時代の映研仲間。
2年前に部室で自殺しており、そのことがきっかけでみんなバラバラになってしまった。


【以下、事件の真相。さらなるネタバレにご注意ください】

















首をちょん切ってやったのさ!

敦子の夢を奪ったあのメスブタの首をなぁ!!


  • 高橋良一
この事件の真犯人「包帯男」
太っているように見えるが、実は標準体型。
ゴム人形や知佳子の生首を腹に入れて運ぶトリックに利用すると同時に、包帯男との体型の違いから容疑者から外れることにも利用した。
以前は本当に太ってたようなので、恐らくは今回の殺人計画のためにダイエットした(+鍛えた)のだろう。
また、知佳子が包帯男にさらわれたように見せる場面を作り上げたのもピアノ線と人形、それに被害者の首を使ったトリックであり、大道具係だった高橋であれば難なくできる芸当だった(当時いた場所からしても、彼以外に可能な人間はいなかった)

想定外だったことは、冒頭の着替え中、蘭がノックせずにドアを開けてしまったことである。
蘭を襲ったのは、その時着替え中だった自分の本当の体型を目撃されためだった。蘭本人は気にも留めていなかったが、もし思い出されたら計画に綻びが生じる恐れがある。そのため、口封じ目的で、3回に渡って蘭を殺害しようと襲い掛かった
しかし、最初はコナンが来たために失敗、2回目は蘭の悲鳴で園子が駆けつけた(1度寝たら起きない蘭を起こすために、コナンが蝶ネクタイ型変声機のボリュームを最大にして叫んだ結果)をために逃走。3回目は蘭自身の空手の蹴りで斧をへし折られて、結局失敗に終わった。

電話線を切って橋を落としたのは、最初の蘭殺害失敗の騒ぎで、本当のターゲットである知佳子が下山してしまうのを防ぐため。つまり、当初の計画には無い作業だったと思われる。
知佳子に送った手紙の内容は、「「青の王国」の秘密をバラされたくなければ森に来い」というもの。

結局、先述のピアノ線を作ったトリックの痕跡を見つけたことをきっかけに、コナンに正体を見破られてしまうことになる。

事件の動機は自殺した徳本敦子の復讐。
敦子の自殺の動機は、知佳子が敦子が書いた小説「空色の国」を盗作して、「青の王国」として発表したことだった。
高橋は、敦子の自殺に前日に敦子からもう誰も信じられないと言われたこと、さらに「青の王国」の内容が、以前に敦子から見せてもらった「空色の国」と全く同じだったことで盗作に気付くことになる。
そして、高橋は敦子の無念を晴らすために、原因を作った知佳子を同窓会で殺害しようと画策していた。*1

事件解明直後狂気じみた笑みを浮かべながら「仇をとった正義の使者」として、敦子の後を追おうと自殺を図るが、
自身の保身のために罪の無い蘭を執拗に狙い、本懐を遂げた後もなお襲い続けた姿には、もはや彼の言う「正義」など無かった。
それを「ただの醜い血に飢えた殺人鬼」だとコナンに激昂され、泣き崩れることになる。
その事もあってか、次回の冒頭での蘭の話によるとその後は潔く自首したと語られている。

  • 池田知佳子
受賞作「青の王国」は敦子が書いた作品「空色の国」の盗作だったため、彼女が自殺する原因を作ってしまう。
「青の王国」をネタに森の中に呼び出されて、斧で首を切断された後、首と片手片足を切断される
胴体を起こそうとした瞬間に首が落ちるシーンは多くの視聴者にトラウマを植え付けた。

敦子を自殺に追い込むつもりまではなかったようだが、その後盗作してしまったことを自ら告白したり、受賞を辞退する、脚本家としての仕事を辞める(あきらめる)などしていなかったこと。また、敦子の話をヒステリック気味に終わらせようとするなど自殺に追い込んだことについて全く反省しておらず、むしろ彼女が自殺したことで盗作がばれることがなくなったと考えていたようである。高橋が蘭を襲ったことについては全く擁護できないが知佳子が少しでも反省していたなら高橋も殺さずに盗作の事実の公表で済ませていた可能生もあるため、同情の余地はほぼないだろう。
余談だが、遺体の首が切断されていた事件は『コナン』でも何回かあるが、バラバラとなって発見されたのは彼女だけである。

  • 鈴木綾子
事件によって開催者の自分を責めてしまい一週間寝込んでいたが、立ち直って大学院を通えるようなったという。
だが、後に『三つ子別荘殺人事件』で、今度は自分の婚約者に殺人容疑がかけられる事になる。

  • 太田勝
怪しさ行動は多かったが、高橋に包丁を突き付けられた時は腰が抜けていた。
園子もこの情けなさに(勝手に)愛想を尽かしたらしい。
もっとも、目の前で殺人事件が起きて、しかも親友が犯人で包丁振り回されてビビらないほうがどうかしているが…。
ちなみに、園子は後にそのシーンをさも見ていたかのように語っているが、この時の園子は麻酔銃で眠らされているはずであるため矛盾が生じている。

  • 角谷弘樹
癖が強い今回の登場人物では屈指の常識人。
高橋が包丁を振り回した際も、高橋を止めようするなど太田よりもしっかりしていた。しかし、そのとき「それ(脚本の内容が全く同じだったこと)が自殺の原因と決まったわけではないのでは」と激高した高橋に言うなどやや思慮に欠ける面があった。
知佳子が賞を受賞した直後、部室で自殺したことを考えれば盗作が自殺の原因であることは明白であり、この言葉で高橋は更に激高してしまった。


  • 徳本敦子
高橋とは事実上相思相愛で、自身が書いた「空色の国」を見せて夢を語っていた。
しかし知佳子による盗作で受賞を奪われ絶望し、自らの命を絶つ。
その事実を、実際に「空色の国」を読んだ高橋以外の人間は誰も気づかなかった。
しかし、彼女自身も自殺する前に素直に高橋に盗作された事を相談していれば、この事件は起きなかったかもしれない。

  • 毛利蘭
冒頭で男性の映研メンバーの部屋を勝手に開けまくった際に偶然高橋の体型を見てしまったがために、包帯男に扮した高橋に襲われることになる。
しかし、蘭はそのことを「何か引っかかっている」と思っていた程度で、全く思い出せず、気にもしていない状態だった。
(彼女が見たのはほんの一瞬で、しかも背中側だったため仕方がないが)
最初は「包帯男」を怖がるだけであったが、停電中に襲われた時は得意の空手で包帯男の斧をへし折って自己防衛している
(落ちた斧を見て驚いていたことから、暗闇で姿が見えず気配だけを頼りに撃退したため、相手が包帯男だと認識していなかった可能性もあるが)

  • 鈴木園子
小五郎不在のため蘭を狙った麻酔銃の針が外れて彼女に命中してしまい、推理ショーを行うことになる。
これが初めての麻酔銃被害になるが、本人は推理したことを覚えていないにも関わらず自分の名探偵っぷりをアピールするなど、コナンがフォローせずとも勝手に納得していた。


【余談】
原作では園子は初登場であり、彼女の推理ショーも初であるが、アニメではオリジナルの『バレンタイン殺人事件』で初登場し、
推理ショーも原作では後に掲載された『6月の花嫁殺人事件』に追い越されることになった。
……にも関わらず、間違って園子に麻酔銃が命中したくだりは原作通りだったりする。ちなみにアニメでもこの事件から推理クイーン園子が始まった事になっている。
つまり、アニメの『6月の花嫁殺人事件』では初めて小五郎以外を探偵役にする必要があったにも関わらず、何の躊躇いもなく園子を探偵役に選んだことになる。

また、こちらではかの『ピアノソナタ「月光」殺人事件』が先に放映された為、
コナンの犯人へのある発言と矛盾が生じてしまっている。
とは言え、身内が身勝手な理由で何度も襲われた上にそれを棚に上げて「仇を取った正義の使者」だなんてふざけた言い訳をされたら流石のコナンでろうとキレるのは当然であるが(それでも「死にたきゃ勝手に死にやがれ」は探偵として頂けないが)
そう思うようになったきっかけこそ月影島でも、犯人を死なせる云々の発言そのものは原作にてもっと『後の事件』に出たものだし。
また、服部平次にも似た理由で犯人にキレた事件に『鳥取クモ屋敷の怪』がある。

ちなみにだいぶ後になって、『封印された洋窓』という話で再び園子の別荘を訪れるが、
今回の事件後に吊り橋を直した業者は手抜き工事をしていたらしく、すでに吊り橋が落ちていて別荘に辿り着けなかった。
それがまたも殺人事件に巻き込まれる原因となってしまった。
山村刑事の話によると、それ以前にも近くの別荘で殺人や自殺があったらしい。…呪われているんじゃないか?この辺りの土地。




秘密を見られても、追記・修正は関係ない相手を巻き込まずにお願いします。

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