メタルシザース(世界樹の迷宮)

登録日:2013/11/08(金) 10:36:06
更新日:2025/04/25 Fri 11:42:25
所要時間:約 5 分で読めます




メタルシザースとは、世界樹の迷宮および新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女、世界樹の迷宮Xに登場するモンスターである。
そしてみんなのトラウマ(後述)。




■概要
メタルと名が付く通り銀色のカラーリングをしている蟹で、同じ雑魚カテゴリのシザースクラブの上位種でもある。
シザースクラブが千年ノ蒼樹海(第3階層)に生息するのに対し、こちらはクリア後に訪れる隠し迷宮、真朱ノ窟(第6階層)でようやく姿を現す。


クリア後、という時点で嫌な予感がした人もいるだろう。
全くもってその通り。
世界樹の迷宮において初見殺しのモンスターなど日常茶飯事といっていいぐらいだが、その中でオーソドックスながらも上位に位置するのがこいつ。
意気揚々と第6階層へ乗り込んだ幾多のボウケンシャー達を、地下26階というまだ比較的浅い階層で地獄に叩き落してきたのである。
何故ならこのメタルシザース、あろうことか





弱点以外の攻撃がほぼ効かない。





具体的には雷属性以外への耐性が物凄く高いため、基本的に あらゆるダメージを1桁に押さえ込んでしまう のである。
サジタリウスの矢だろうが何だろうが、弱点を突いたものでなければ涼しい顔で受け止めバトルに居座る。
しかも雷に耐性が無いとは書いたが、 イコール弱点というわけではない


さて、ここで遅れながらそのステータスを同階の強敵「ルーカサイト」と比較してご覧いただこう。

メタルシザース ルーカサイト
レベル 70 65
HP 1030 715
ATK 349 225
DEF 136 143
AGI 55 55
EXP 3598 2554
ドロップ 穴あきの鉄肢


明らかに攻撃力がおかしい。

第6階層の雑魚は240前後をうろうろしているのに、FOEかと見間違うばかりの数値。
これ、何と 雑魚モンスターでは堂々の1位 である。
(2位は後述のメタルニードル、3位はあのさほどでもないで有名なアーマービーストさん)
えらい高い攻撃力だけでも十分なのに、単体スキル「 激怒のはさみ 」で更に強力な一撃を叩き込んでくる。
前衛職でも馬鹿にできないダメージを負わされ、後衛職はオダブツか瀕死コース直行。
攻めが凶悪、守りも堅牢・・・
こんな奴が地下26階という序盤から、しかも雑魚モンスターとして出迎えてくれるのだ。
第6階層の絶望感溢れる戦闘BGMと相まって、その印象は悪夢以外の何者でもない。


アイテムのショックオイル(通常攻撃に雷属性を付与)を持たず、メインPTにアルケミストを入れてなかったボウケンシャー達は例外なく第6階層の洗礼を浴びることになる。
縦しんばアルケミストを入れていたとしても、前述のように攻撃力が非常に高いため流れ弾を常に警戒せねばならない。
パラディン等による補助は必須レベル。


この嫌らしすぎる能力から、世界樹で蟹といったらメタルシザースを挙げるボウケンシャーはかなり多い。
それほど強烈なインパクトを備えているのだ。
ちなみに経験値は並のモンスターよりちょっと多い程度。うま味なんて期待するものではない。

数少ない弱みと言えるのは

  • 物理攻撃しか持たない脳筋(それ故に対処はしやすい)
  • 石化が非常に効き易い

この2点である。
特に石化が決まれば一撃で沈むため、用意しておくと精神衛生的にもよろしい。



また、亜種にサソリの「 メタルニードル 」がいる。
こちらは最深部の地下30階で登場。
耐性面はやはりメタルシザースと全く同じで、彼に並ぶ高い攻撃力が長所。
だが、ここまで荒波に揉まれながら来たボウケンシャーにとっては印象に残りにくい。
(そもそも並のボウケンシャーは途中で心が折れてリタイアするわけだが)
脳筋のメタルシザースと違い、力溜めのせいで隙を見せてしまうことも原因か。
道中はひっきりなしにFOEが追いかけて来るため、なるべく相手にしたくないところ。



後のシリーズにはここまで極端な耐性を持ったモンスターは数えるほどしかいない。
Ⅲのアンモナイト、輝く巨像が好例であろう。
前者は弱点が2つ用意されているので案外脆かったりするが、輝く巨像は蟹さんと同等の耐性を誇るどころか全体を石化さs
◆ ◆ ◆
 ◆ ◆






■新・世界樹の迷宮では
登場時期がメタルニードルと入れ替わった(厳密にはメタルニードルも地下27階と少し下に異動したが)。
グラフィックはオリジナル版に準じているが、クラブシザースのFOE版である水辺の処刑者と違って
右腕のハサミが肥大化しているような事はない。
これは後述の強さを顧みても、メタルシザースはあくまで雑魚モンスターであるという事なのだろう。


リメイク版である本作は、大半の雑魚キャラクターがテコ入れによる強化を遂げている訳だが
このメタルシザースもやはり例外ではなかった。

HP 1580
ATK 83
DEF 58
EXP 65500
ドロップ 黒銀の蟹甲羅
黒銀の断頭鋏


更にHPが増えている。
また、耐性から新たに壊属性が無くなり、ある程度こちらの攻め手が増えた。
オリジナル版とはステータスの基準が異なるので一概に比較できないが、またも雑魚中トップタイの攻撃力(もう1体はヒュージアント)。


肝心の行動だが、 メチャクチャ素早さが高い
レベル次第では一番低い難易度ピクニックでもたびたび先手を取られる光景がよく見られる。
しかし、何故かメタルシザースは様子を見るだけで何もしてこない。
それなら後回しにしよう、と他の雑魚に手をつけたそこのボウケンシャー。アウト。



本作のメタルシザースは一緒にいる他のモンスターが倒されると、それに反応して「激怒のはさみ」を解禁。
毎ターン激怒のはさみによる攻撃を行ってくるようになる。
え?単体攻撃だからどうにでもなるって?



残念、リメイク版では脅威の 全体物理攻撃 なのだ。




これがなかなか痛い。
性質の悪い事に、自分の行動だけでなく他のモンスターが倒された瞬間にも発動する。
どういう事かと言うと、具体的には

  • 自分の行動で任意に使えるもの

  • 状況に関係なく、モンスターを倒した瞬間に自動で発動するもの

使用条件が異なる2つの「激怒のはさみ」が、 別のスキル扱いで同居しているため
更に後者は回数制限が存在しないため、1ターンに何度でもな・ん・ど・で・も発動可能。


・・・そして本作には、 戦闘開始直後に敵全体へ即死効果を与えることがある スキル「一刀両断」が存在する。
ストーリーモードの場合、かのベテラン冒険者レン&ツスクルが序盤の付き添いで見せてくれることもあり
印象に残っている、あるいはグリモア化で大変お世話になった人も多いと思われる。

さて、これが対メタルシザースで一体何をもたらすのか、分かりやすく説明する。




メディックのS君は雑魚戦で仲間の負担を減らそうと考え、
「一刀両断」のスキルがついたグリモアを装備し、第6階層へ潜りました。

S君のPTの前に現れたのは、メタルシザース×2の敵PTです。
一刀両断は発動しなかったものの、この時は運よく先制攻撃できたこともあり、全力を投じて2匹まとめてなんとか倒す事ができました。

次に現れたのは、アヤカシアゲハ×4・メタルシザース×1という構成の敵PTです。
先制には至らなかった代わりに、ここで一刀両断は見事に発動しましたが、最終的に彼らはhageてしまいました。
なぜそうなったのか、以下の仮定をもとに考えられる理由を答えなさい。
※仮定なので製品版とは異なる事実が含まれます
  • 一刀両断は メタルシザース以外 に100%成功する
  • メタルシザースの激怒のはさみは全体に 100ダメージ 与える
  • この攻撃は絶対に命中を外さないし、防御力を無視できる
  • S君のPTで一番HPが多いのはハイランダーのV君( HP500 )、次にパラディンのRさん(HP400)
  • 逆に一番低いのはメディックのS君( HP100 )
  • S君のスキル以外にアイテムや探索効果等による回復手段は 無い










正解

生き残ったメタルシザースが激怒のはさみを 撃破トリガーで 4回 発動してRさんまでを殲滅。
その後 自分のターンに最速で 1回 発動してV君にトドメを刺し
結果的にPT全員へ 合計500ダメージ を与えて全滅させたから。





こういう事である。
ほぼ全ての雑魚に有効である一刀両断が、この敵に限っては 最悪の地雷スキル と化してしまうのだ。(無論レベルそのものが低ければ一刀両断の後に来た激怒のはさみで全滅し"0ターンキル"とも言える理不尽hageが成立する。)
上記の問題では分かりやすくするために1発100ダメージと付記したが、
実際の破壊力は こんなものでは済まされないし、もっとヤバイ
レベルキャップ解放前の難易度エキスパートで普通に即死級の威力が飛び出す、と言えばその恐ろしさが伝わるだろうか。

パリングなど物理無効のスキルで対策可能なのが救いだが、複数モンスターを倒すと連続激怒で軽々ブチ破られ意味がなく
上記のV君がパリング持ちと仮定しても、パリング連打が精一杯で反撃も建て直しも不可能。
(転職とグリモアの工夫次第では、守りながら反撃も不可能ではないのだが・・・)
そもそもメタルシザースが素早いために逃走確率が低く、逃げる時は運を天に任せるしかない。

B30Fへ潜る前には必ず一刀両断のグリモアを外すか別のものに付け替え、休息でスキルポイントを振り分け直す事を強く推奨する。


状態異常にかなり強く、オリジナル版で頼みの綱だった石化もほぼ通用しない。
要するに最優先で叩くか全員まとめて撃破する必要があるのだが、前述した通り
なまじHPが高すぎるために仕留め切れず、その間に周りの攻撃を喰らってピンチに陥ることも。

というか、メタルシザース以外にも優先的に撃破すべきモンスターがこの階層には多いため
順番がとっても悩ましい事になる。
以下、その一部。


  • 結構な速さで即死攻撃の「赤のプラズマ」を行う レッドコーパスル
  • さほどでもない威力の「ぶちかまし」を集団でぶちかます アタックビースト
  • 相変わらず硬く、貫通攻撃+テラーの新技「恐怖の大針」を引っさげた メタルニードル
  • 身構えた次ターンに超スピードから「断末魔の叫び」で全体即死→hageを招く デモンドレイク


うん、どうしろって言うんだ。



メタルシザースも分かってやっているようで、高確率で後列に陣取っていたり
2体一緒に出てくるのがこいつの処理しにくさに拍車をかけている。
仮に前列へ出ていたとしてもそれはそれで戦いにくい。
(新・世界樹では前列→後列という風に貫通する攻撃やスキルが存在するので、流れ弾が後列モンスターを倒してしまう恐れがある)




あまりにも凶悪な実力者として帰ってきたため、火力面では下手なFOEはおろかラスボスより危険とまで評する声もある。
実際さほど間違いでもないのが困る。
よほど訓練されたボウケンシャーでない限りはピクニックかスタンダードに引き下げて慣らせ、いやマジで。

更に時代の流れか、よく激おこぷんぷん蟹とも呼ばれる。
本当にその通りなので反論しようがない。



こんな強敵ではあるが、新旧ともにドロップアイテムから強力な防具が作れる。
深層ではかなり重宝するため、何としても倒しておきたい所。
レアドロップが設定されていないのが幸い。







■世界樹の迷宮Xでは
今回は迷宮自体の数が非常に多いため、メタルシザースも最終盤となる第14層3階からの登場となる(層数自体は多いが敵の強さは従来の6層準拠)。
グラフィックは新・世界樹Ⅰと同様であるため省略。今回も雑魚として普通に登場してくる。


HP 1560
ATK 157
MAT 71
DEF 108
MDF 116
ドロップ 黒銀の断頭鋏


新世界樹でやりすぎたせいか、火力面ではかなり弱体化した。
具体的には激怒のはさみの威力が1発150程度まで低下しており、1度げきおこしたくらいではパーティ全体が即死ということはなくなった。
ただし耐性面は相変わらずで、壊属性と雷属性以外はほぼ通らない。
今回の厄介な同伴雑魚は


開幕で即死攻撃を使用する上死んだら味方を9999回復するいけない果実
ダメージが高い上に拡散する3部位縛り技持ちのロックフィッシュ
全体混乱技と全体高威力ランダムダメージ持ちのモスロード
ダメージを与えると目覚めて即死級の全体攻撃を行う赤獅子


などとなかなかの面子。もちろんこれ以外にも凶悪な面々は腐るほどいる。
相変わらず配置が非常にいやらしく、初出現エリアの段階で後列に陣取る小賢しさを見せる。


ただし今回は旧作とは事情が違った。
蟹殺しとも表現できる特効技が存在していたからである。


その名はショックスパーク
今作の新職であるヒーローの持つ剣スキルであり、敵1体に近接斬攻撃を行った後、やや低威力の雷属性全体追撃を行う。
これだけならぶっちゃけオイル塗って斬ればいいじゃんと思うかもしれない。
ショックスパークの真価は追撃に付与されているある特性にある。


攻撃した敵の斬耐性の高いほど強化


もうお分かりだろうが、これがメタルシザースの高すぎる斬耐性にクリティカルヒットしたのである。
追撃の威力は通常時の約9倍ほどにも跳ね上がり、一撃必殺すら可能になるほどの破壊力となる。
しかもショックスパークを行った敵の斬耐性準拠で全体攻撃となるため、敵モンスター全体を一網打尽にすることすら可能。

なので、今回のメタルシザースはヒーローがいれば実質的にはボーナスキャラ
極めて信じがたいことではあるが、事実である。


こうして、初登場から10年の時を経てようやく冒険者たちは蟹の悪夢から解放されたのだった…



追記・修正は正面から激怒のはさみを喰らいつつお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 世界樹の迷宮
  • 新・世界樹の迷宮
  • 真朱ノ窟
  • ありがたくないメタル系
  • メタルシザース
  • 激おこぷんぷん蟹
  • 初見殺し
  • みんなのトラウマ
  • 鬼畜
  • メタルシザース
  • 六層のやべーやつ
最終更新:2025年04月25日 11:42