呂家(修羅の門)

登録日:2013/05/13 Tue 23:10:26
更新日:2024/11/11 Mon 06:26:44
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呂家(ルゥ・ジァ)とは

修羅の門 第弐門』に登場する一族である。

台湾に拠点を置き、血縁者は太極拳に似た独自の武術を使う。

台北製饅という会社を経営しているが経営が悪化しており、BTエンター社長/羽生の祖父の知り合いからの誘いで「兵」へ参戦し、これを機に日本での道場開設を計画している。

道場の宣伝のために陸奥九十九を倒そうとしているが、試合前に稽古に誘ったり(やり過ぎて九十九が怪我をしたが)、正々堂々戦うことを宣言するなど友好的である。

ちなみに山田さん/不破現は台北製饅社長の呂・子明(ルゥ・ズミィン)と知り合いで現(シェン)、子明(ズミィン)と互いにあだ名で呼び合うほど仲が良い。

追記修正は台北製饅の饅頭を食べながらお願いします。














































駄目じゃないですか、闇の世界の住人を呼んじゃ。

あいつら呂家ですよ。


   *   *
 *   + うそがまじってます
   n ∧_∧ n
 + (ヨ(*´∀`) E)
      Y   Y  *

実は会社経営は本業ではなく、暗殺こそが彼らの本業。

相手を出来るだけ残酷に殺すことから、戮家とも呼ばれる。

山田さんいわく、元は大陸の一族で暗殺者集団か特殊な傭兵がルーツらしい。

呂家自身の主張によると、
知略だけでなく武力や暗殺術によって周王朝建立にしたのが太公望/呂尚であり、彼を長とする呂姓の一族の末裔が呂家だという。
描写的には裏の世界に自分たちの名を轟かせるために吹聴している「ハク付け」のようなもので真偽は微妙だが。

その証として一族内の実力者は実在の呂姓の偉丈夫の名を名乗り、
一族内で最も強いものが代々、彼らの始祖にあたる呂尚の別名である姜・子牙(ジャン・ズヤ)の名を継ぐ。

姜・子牙の名は彼らにとってある意味、神にも等しい名であり、
この子牙を名乗る資格があったものは、長い呂家の歴史の中でも数人しか居ない。

姜・子牙は呂家の長の称号ではなく、呂家の長は大爺(ダーイエ)と呼ばれる。

一族内での序列は実力で決まるが、高・長恭(ガオ・チャンゴン)/蘭陵王/現姜・子牙は母が日本人であったため出世できなかった。

彼は実際にそれを名乗るだけの実力を九十九相手に発揮したのだが、その前の段階では、無許可で子牙を自称した所為で一族間で揉めに揉め、大爺が取り成して事なきを得た。


山田さんと子明が知り合ったのもトラブった山田さんを、出張して仕事に来ていた子明が
死体の山を築いて助けたため。

時代の流れで暗殺の仕事が減ったため、方針転換のために日本での道場開設を計画している。(日本市場の開拓と言っていたので暗殺請負も含むと思われる。)

暗殺を生業とするだけあって暗器や事前に相手に怪我を負わせる等の小細工もやるが、
「表で受けた恥は表でそそぐ。」と啖呵を切ったり、陸奥を日本の呂家と呼び賛辞とするなどプライドは高い。

今まで登場し戦った呂家は全員が戦うのを楽しんでいる節があり、子明は九十九を同類と呼んでいた。

発勁


彼らの使う技、というか技術で呂家の実力者は全員が使うことが出来る。
ただし、厳密には発勁の原理に近い彼ら一族独自の業を指す。

ゆっくりとした動作と攻めにも受けにも使える汎用性、高い破壊力が特徴で、特に威力は攻めに使えば顔にかすっただけで顔面骨折を引き起こし、受けに使えば一撃で相手の蹴り足を壊す程で直撃=KOか死を意味する。

原理は簡単に言えば、拳版(蹴りでも出せるが)のミート打法のようなものである。

…何を言ってるかわからない人へ、ミート打法とは非力なバッターが良く使う打法で飛んできたボールの芯を捉えて打つ打法のことである。

要は発勁とは人間(ボール)にクリーンヒットを狙って出す打法で、ゆっくりとした動作は確実に相手の芯を捉えてかっ飛ばすためである。

そしてミート打法に加えて当たった瞬間に拳を止め(実際は数センチは突きこんでいる)、破壊力を全て相手に押し付けることで驚異的な破壊力を実現している。

その威力は山田さんをして「ある意味、地球の重さに等しい」と言われるほど。
他の例えでいうと「長くて強靭な棒があって、棒の先は自分の額にピッタリ当たっていて、もう一方は地面にしっかりと固定されている」というのを想像して欲しい。
そんな棒があるとは思いもしておらず、前に進んだ瞬間に 地面に固定された棒が出現したら 自分が体を動かすためのわずかな力しかこめてないのに額にものすごい衝撃が走るだろう。
その「地面にしっかりと固定された棒」を自分の体で作り出す技術と言ったところ。

しかし、

ゆっくりとした動作のせいで高速で動き回る相手には当たらない、

両足でしっかり地面を踏みしめる必要があるため足へのダメージは威力の低下、足の破壊は使用不可に直結する、

当たった瞬間、受ける側がわずかに後退するだけでノーダメージ、

などの欠点も存在する。

ちなみに現姜・子牙は発勁を高速で出すことが出来るが、詳しくは後述。

呂家の関係者


呂・奉先(ルゥ・フォンシェン)/呂布(ルゥブ)


劇中で最初に登場した呂家で、2mの巨体と九十九を裏拳でリングのロープ際まで吹っ飛ばすパワーが特徴。

皇帝/ミカエル・ビーゴルストのマウントポジションを柔法と剛法を駆使して破るなど、
単なる打撃系のパワーファイターではない。

名前の由来は皆さんご存知天下無双の飛将軍、呂布

靭帯が切れた足で蹴りを出す、思いっきり震脚する、腕一本を捨てて肘打ちを当てに行く等、かなりの化け物。

が、最後は九十九の浮嶽で沈んだ。

呂・子明(ルゥ・ズミィン)/呂蒙(?)


三十代半ばのカップラーメン好きなメガネの胡散臭い雰囲気のおっさんで呂布のセコンドで、
呂布の試合中にずっと薄ら笑いを浮かべ、
中国語で「殺せ!」と叫んだりするちょっとおかしな日本語で喋る危ない人。

じゃなくて一応、呂家のまとめ役で名前の由来は関羽雲長を捕らえて殺した智勇兼備の呉の名将、呂蒙
その名の通り暗器やトリックを多用するトリッキーかつテクニカルな戦いを得意とする。

……はずなのだが。

九十九を呼び出して八百長試合をしろと迫る、

戦うときもトリックで発勁を飛ばせると見せかけて鉄球を投げてきたり、

自分で魔法師(モーファーシー)と名乗る→九十九「手品師(笑)」、

暗器を躊躇なく使う→むしろ暗器が主な攻撃手段、

子明「蘭陵王(高・長恭)は私が知る中でも三指に入る実力者だ。」
→山田「ちなみに残り二人は?」
→子明「私と陸奥九十九だ。」
→三角締め決められる
→子明「愚か者、捕まえたのは私だ。」
→懐から忍釘出して刺す
→金剛
→子明「なんだ、これ以上入っていかない!?」
→九十九「三番目にはアンタじゃなくてヒゲのオッサン(山田さん)が入るみたいだな。」
→絞め落とされる。

長恭と協力して山田さんを刺す→長恭の発勁が顔面に直撃→死亡(山田さんはちゃんとかわした)、

などぶっちゃけ呂布より弱く見え、小物臭い。

標準体格で目立たない、
日本語話せる、
暗器やトリック多用する、
死んだ振りする、など暗殺者として見れば呂布よりは優秀なのだろう。

地味に発勁と暗器で九十九の左右の肋骨を折っているあたり、それなりに強い。

ちなみに長京の伯父で彼が蘭陵王になるきっかけを作った人。

姜・子牙(ジャン・ズヤ)/蘭陵王/高・長恭(ガオ・チャンゴン)/希夷(ザイ)


呂布のセコンドに立っていた美少女で、
九十九に「これ以上、呂家に逆らわないほうがいい。」と警告に来るなど、割とまとも。

やや片言っぽい日本語で話す姿は結構かわいい。






………だったら良かったんだけどね。

綺麗な顔立ちをしているが、
実はれっきとした男で女性の振りをして九十九に近づいたのは子明から指示されたため。

年齢は若いが、最近の呂家の大仕事を全てこなしている実力者で、
戦闘時には子明から与えられた鬼の面を被って戦う。

ちなみに蘭陵王/高・長恭とは中国南北朝時代の北斉の王族で、
伝説では生まれた時からとても美しい顔をしていたために、
戦場では敵に侮られぬように恐ろしい見た目の面を被って戦っていたらしい。
(日本の雅楽の舞にもその様を再現した「蘭陵王」という演目がある。)

要はイケメン過ぎて敵からなめられるから、おっかないお面を被って戦ってた人です。

長恭の母の旧姓は高という名で、
これに目を付けた子明がふざけて鬼の面を被せた所、
普段の気弱な性格と打って変わって化け物じみた強さを発揮したため、
長恭は蘭陵王と呼ばれるようになった。


戦闘スタイルは自身のスピードを武器に戦うスプリンターで、
相手の攻撃が全く当たらないことから不可触(アンタッチャブル)と呼ばれていた。
が、速さのみを追い求めた弊害でスタミナがない上に自慢のスピードも山田さん相手には通じず、
攻撃を当てられてしまった。
……と思いきや、後述の子明処理の隙を作る為にわざと手加減しており、スタミナ切れも演技である。

本当はスタミナ切れとは程遠いその体力と、全力を出せば死門を開いた分身染みた動きすら可能にする九十九にも
ついて行ける素早さも脅威だが、最大の武器は発剄にある。
彼の場合、速さを重視すると発動出来ない、身体の軸を通さねばならない筈の発剄を、
まるでジャブのように高速で、手足を問わずに打つことが出来る。
九十九の虎砲が2割程度に減衰した状態で多少動きが鈍る、という、登場キャラ内では相対的に低めの耐久力を除けば、
全てのバランスが高水準でまとまっている。


劇中では子明が九十九に絞め落とされた後、
山田さんに面を取られるが好戦的な本性を現し、
山田さんと対決するが途中で死んだ振りをしていた子明に山田さんを刺させる。

その直後に同士討ちに見せかけて子明を発勁で物理的に顔面崩壊させて殺害。

子明殺害の罪を九十九になすりつけて仇討ちの大義名分を手に入れ、
兵への参戦を表明した。

トーナメント決勝戦で九十九と当たり、彼と死闘を繰り広げる。

呂家にとって神に等しい名を継いだ実力は伊達ではなく、九十九が早々に自身の中の修羅を目覚めさせても
尚子牙はその上を行って彼を圧倒。
子牙相手では本当に負けそうだと思い、「自分より強いコイツになら負けてもいいかも知れない」
と九十九に一瞬であれ思わせた程だったが、「九十九自身は本当は死ぬ以上に負けることを恐れている」
という彼の深層心理に九十九を直面させたことで、絶対に負けたくないという自覚から執念を彼の中に生み出し、
修羅王とも評される程の更に上の領域に彼を引き上げた。

この修羅王と化した九十九相手に腕を折られようが怯まず脱し、暗器も駆使して九十九をこれまでにない程の
限界まで追いつめるが、遂に彼が死門を開き、そこから繰り出した四門・青龍をまともに受けてしまう。

子牙もまた、四門を受けて尚立ち上がる執念を見せたが、暗殺者一家に生まれた自分の生い立ちや、
その道を経て正真正銘の鬼神になった筈の自分すら超えた目の前の男が何なのか。
胸中の疑問は解消されないまま倒れ、彼は九十九に敗れた。


余談
同じ作者の作品である『龍師の翼』に彼らのご先祖様と思われる倉海の一族が登場した。

窮奇

古の昔、周の武王を助け殷を滅ぼした太公望(姜子牙)の末裔。
四体の霊獣の一つ「窮奇」の名を持つ。
秦による中華統一戦争の時に彼の父親を含む倉海の一族の戦士は彼を除いて全滅したため、倉海の一族の技を受け継いだ最後の戦士。
東夷のとある村に住んでいたが、韓の遺臣である張良と出会い、秦を滅ぼすための旅に付き合うことになる。



追記修正は高速の発勁を出しながらお願いします。


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最終更新:2024年11月11日 06:26