トゥーラ造兵廠

登録日:2025/08/04 Mon 20:21:40
更新日:2025/08/06 Wed 12:40:16NEW!
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概要

トゥーラ造兵廠はロシアのモスクワ南部に位置するトゥーラ州にある造兵廠である。
1712年、ピョートル1世がセストロレツク造兵廠などとともに設立し、その後ロシア帝国、ソ連、ロシア向けに銃砲の生産を継続している。
第二次大戦時にはトゥーラ州が激戦区となり疎開。その間は銃器の新規設計があまり行われていない。
戦後トゥーラ州は英雄都市の名誉称号が送られている。

専門の開発部門であったKBP(機械/装備設計局)とTsKIB SOO(中央スポーツ・狩猟用兵器設計局)は分化されて別会社となっているが、本稿でも解説する。

製品にはTOZ(Tulsky Oruzheiny Zavod/トゥーラ造兵廠)/MTs(Model TsKIB SOO/TsKIB SOOモデル)/OTs(Obrazets TsKIB SOO/TsKIB SOOモデル)/TKB(Tul'skoye Konstruktorskoye Byuro/トゥーラ設計局)の名前が付く。



所属した設計者

セルゲイ・イワノビッチ・モシン(1849~1902)

モシン小銃を設計。

ニコライ・ニコラエヴィチ・フェドロフ(1851~1940)

デグチャレフ工場にてフェドロフM1916等を設計し、その他銃器の設計を指揮。

フョードル・ヴァシリエヴィチ・トカレフ(1871~1968)

マキシム-トカレフやTT-33、SVT-40を設計。

セルゲイ・アレクサンドロヴィチ・コロビン(1884~1946)

コロビン拳銃、AK-45などを設計。

ボリス・ガヴリーロヴィチ・シュピタリヌイ(1902~1972)

ShKASなどを設計。

アレクセイ・アレクセーエヴィチ・ブルキン(個人情報消失 1923年より勤務)

AB-44、AB-46突撃銃を設計。

グリゴリー・イワノビッチ・ニキーチン(1905~1986)

NSV機関銃などを設計。

ミハイル・エフゲニエヴィチ・ベレジナ(1906~1950)

UBなど航空機関砲を開発。

ヴャチェスラフ・イワノビッチ・シリン(1907~1975)

TKB-067、2A28などを設計。

ゲルマン・アレクサンドロヴィチ・コロボフ(1913~2006)

TKB-022、TKB-072などを設計。

ニコライ・フョードロヴィチ・マカロフ(1914~1988)

マカロフ拳銃やファゴット対戦車ミサイルなどを設計。

ニコライ・ミハイロヴィチ・アファナシエフ(1916~2009)

TKB-011、LAD、などを設計。

ウラジミール・イワノビッチ・ヴォルコフ(1921~2003)

NSV機関銃などを設計。

イーゴリ・ヤコブレヴィチ・スチェッキン(1922~2001)

他社製造のAPSとサプレッサー装着のAPBを設計。

ウラジーミル・ヴァシレーヴィッチ・シモノフ(1935~2020)

APS、SPP-1等水中用銃器を設計。

セルゲイ・ミハイロヴィチ・ベレジナ(1937~2005)

ミハイル氏の息子でBMP-3装甲車などの兵装開発を行った。

ヴァレリー・ニコラエヴィッチ・テレシュ(1939~)

GP-25、OTs-14、RG-6などグレネードランチャー系を設計。

ニコライ・イワノビッチ・コロヴィャコフ(1937~2004)

TOZ-34その他多数のショットガンを設計。

ウラジミール・ヴィクトロヴィッチ・ズロビン(1963~)

VKS、ASh-12を設計。現在はイズマッシュでAK-12などの設計を担当。

アレクセイ・ミハイロヴィチ・ソロキン(1969~)

他社製造のT-5000の開発主導。TsKIB SOOの元局長。


ゲオルギー・セミョーノヴィッチ・シュパーギン

1916年の間トゥーラ造兵廠で銃砲について学んだ。

尚ミハイル・カラシニコフ氏がAK-47のもととなるAK-46を試作したのはモスクワ東部のコヴロフ兵器工場(当時はデグチャレフ工場から分離した部署だった模様)でありまた別*1



トゥーラ製製品

小銃

拳銃

ショットガン

短機関銃

機関銃

TKB

試作どまりのものは別途分けている。

その他



KBP/TsKIB SOO製製品

小銃

拳銃

ショットガン

短機関銃

機関銃

その他


その他、名称以外不明




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最終更新:2025年08月06日 12:40

*1 ただしトゥーラ造兵廠で働いた記録がないと断言している文献も存じていないので不明 追記求む

*2 7.62×39mm弾が試作時に迷走し薬莢長が定まらなかっただけでほぼ同じ弾薬