アットウィキロゴ

石井泉/倉本一雄/長谷川彰/守田稔/福田亮太(ゴルゴ13)

登録日:2015/04/08 (水) 21:43:31
更新日:2026/04/09 Thu 18:30:00
所要時間:約 10 分で読めます






正直いって………
あの男と別れた後、背筋がゾーとしたよ……………




本項目では、ゴルゴ13の56巻に収録されたエピソード『バンプ・ザ・ガリバー』に登場するゲストキャラクター達について解説する。

概要

1980年代における日米半導体摩擦の中、「旭製作所 石井」を巡って動いた青年官僚達。
東京大学ボート部のメンバーだったこともあり、現在も部の後輩に対し差し入れなどのサポートを行っている。
日本に国策的圧力を加えるアメリカや激しく日本人を差別して日本人やKGBを攻撃するアメリカ大統領の側近「エッカート」に怒りを抱き、アメリカに警告を与えるために動いた。
アメリカに対抗するために、本来は対立関係にある東側陣営のソ連のKGBと手を組む動きを見せた。

傲慢さや黄色人種への差別意識を見せるアメリカに対して憤り、日本の文化や民族性に対して強い誇りを持っている。
ところがその誇りは裏を返せば傲慢でもあり、各自の発言には彼らが憎むエッカートの偏見と差別対象となる人種が入れ替わっただけのような意識も見られた。
そのブーメランとも言わんばかりの人種や愛国心に関する発言は、結果的にゴルゴが珍しく本気で怒ったかのような態度を取るに至った
ただし、結果としてゴルゴが「人種」についてどう考えているのかということを引き出したという意味では、(作品考察的に)貴重な働きをしたのかもしれない。

メンバー

■石井泉

旭製作所の研究所の工学博士。東大ボート部では舵取りだった。

物語前半では出番が少ないが、今回ゴルゴに直接接触したのは彼。
アメリカ人は日本人を心の底では同じ人間とは思っていないため、力でしか通用しないと考えている。

■倉本一雄

東大ボート部では主将であり、バウだった。
現在は通産省の大臣官房企画室で務めている。

アメリカの六分の一以下であるLSIの不良率を誇り、欧米人にウサギ小屋と笑われながらも狭い家に暮らす日本人男性と規則を考えて残業をする日本人女性の動きに自信を持っている。

■長谷川彰

東大ボート部では二番手漕手だった。
現在は外交官をしており、ワシントン大使館勤務である。

業務が終わっても働く日本人を『企業のロボット』と呼ぶアメリカ人を批判している。

■守田稔

東大ボート部では三番手だった。法科を出てから防衛大に入り直した変わり種と呼ばれている。
現在ではモスクワ大使館勤務。
作中ではKGBと組むの一役買っており、ニキータというKGBの男と繋がっている。
ゴルゴを雇いながらエッカートを殺害せずに恥を与える作戦を選んだことに対するニキータの疑問に対しては「日本人は恥より死を選ぶ民族」という『民族性の違い』だとのこと。

アメリカの『個人主義・英雄主義』は日本の『集団主義・組織主義』に完敗する時は近いと予想している。
そして、日本人は「古いものを残したまま新しいものを取り入れて静かにやり遂げる」という一番強い民族だと考えている。
また、作中では日本よりも国家としての歴史が浅いアメリカを侮辱している発言が見られた。

アメリカ人どころかロシア人に対しても偏見が入っている節があり、ロシア革命を例にロシア人を極端すぎると評しながら日本人の思考を褒め称えた。
それを聞かされたニキータには「ひ弱な花」と評されたが、守田はひ弱な花が一番強いのだと返している。

■福田亮太

民自党の総理・中田の秘書を務めている。
明るく気さくな性格であり、大柄な男。

劇中の活躍

旭製作所の新型マシーンというネタを元にゴルゴの狙撃とKGBにいたアメリカの二重スパイを利用し、KGBと共に壮大な芝居によるアメリカへの警告を仕掛ける。
ホワイトハウスでは旭の動きから日本人とソ連が手を組んだことを察し、日本側がソ連に加担すれば極東情勢は一変するという脅しだと考える。
更にマスコミ対策でジョギングを行う大統領に付き合うエッカートの目の前にゴルゴの仕業と思われる銃弾が撃ち込まれた葉っぱを飛ばし、日本側の動きが過去の自分の所業への仕返しと日系人と噂されるゴルゴが己の人種を理由に日本に加勢する可能性があると思わせることに成功する。

その後、料亭で祝勝会の準備をしながら森田を待つ最中に石井がゴルゴと対面した際の出来事について語り始める。
ホテルでゴルゴと立ち会った石井はゴルゴが日系人であることを見ると感謝の意を伝えるが、ゴルゴは『俺の人種がどうであれ仕事には関係ない』と不機嫌な様子になる。

石井はそんなゴルゴの回答を否定し、日本人を心の奥では人間と思っていないアメリカ人に認識を改めさせるために依頼をしたことを伝える。
ゴルゴには「そんなことをしてもアメリカ側の罠がもっと巧妙になるだけだ」と警告されるが、力を示せば奴らは見直すと力説するようすについに説教のようなことを言われてしまう。


では………日本人はどうなるのだ?………アジア人同士は………?
国境や人種を前提としている以上、”同じ穴の貉”……だ。

所詮、狭いところで寄り添って生きていく類の”人間”だ!……………


これを聞いて困惑しながらも食い下がろうとする石井の言葉を遮り、どこか不機嫌そうに仕事の話を進めるようにゴルゴは催促するのだった。
この時、ゴルゴを別れた後に寒気がしたと振り返る石井はこう述べる。


この世に生まれ皮膚の色、国、家族に関係なく生きていこう、なんてことが……とてもあの男のようにはなれん!
あの男はどのように育ち、何を見たのか!?…………
あの男の知っているのは”自由”か、それとも”無”か!


石井の話を聞いてメンバーの空気は微妙な雰囲気になるが、そんな時、守田が料亭に入ってきたのだった。
長谷川が守田に対しジョークを言うことで和やかな雰囲気に戻る五人組が、今回の作戦の成功を祝って自分たちと日本国民に乾杯するのだった。

余談

  • 人種に関する発言でゴルゴを不機嫌にした石井だが、後のエピソード『三人の狙撃手』でもゴルゴが日本人であることに共感する依頼主に対して露骨に不機嫌になるシーンがある。
    察するに石井に対してたまたま不機嫌だったという訳ではなく、「自分と同じ人種であることを理由にゴルゴを褒める」という行為がゴルゴを珍しく感情的にさせてしまう地雷発言だと思われる
    また、『三人の狙撃手』では依頼主の発言に「危険なセンス」と忠告したのも、この石井との依頼のやり取りを思い出していたのかもしれない。

  • 五人組が登場したエピソード『バンプ・ザ・ガリバー』だが、元ネタはIBM産業スパイ事件だと思われる。






所詮、狭いところで追記・修正して生きていく類の”Wiki篭り”だ!……………

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年04月09日 18:30