クトゥルーの呪い(あさりちゃん)

登録日:2015/06/30 Tue 14:36:19
更新日:2018/05/10 Thu 15:59:29
所要時間:約 3 分で読めます




あさりちゃんといえば、日本のマンガ好きなら知らないものはいないだろう、小学校低学年の女子向けギャグマンガである。


しかし、作者である室山姉妹が当初ホラーマンガ家志望であったためか、背筋がゾッとするような話も意外にある。

この「クトゥルーの呪い」も、そんな話の一つであり、タイトル通りクトゥルー神話をネタにしている。


クトゥルー神話を全く知らないという人のためにざっくり説明すると、
100年くらい前に外国の作家の人たちが作った「深海や宇宙など人知の及ばぬ地には恐るべき異形のものがいて、人間なんてちっぽけな生き物は彼らの力の片鱗に触れたりしただけで正気を失って死ぬ」という世界観の話である。詳細を知りたい方は該当項目へ。
そんなクトゥルー神話を幼女むけマンガに持ち出すとかおかしいなんて言ってはいけない。




【あらすじ】

水音に目を覚ましたあさりは、なぜか海のど真ん中のイカダで漂流していた。
程なくして、一艘の小舟が近づいてきた。
あさりは舟の人影に声を掛け舟に移るが、先客たちはバタリと倒れる。
「頭…、かじられてる。あたま うしろのほう…ないよ…」
あまりに異様な死体にあさりは一瞬凍りつくが、
次ページですぐさま冷静な判断で「死体なんかジャマ」と海に捨てる。


すると舟がガタガタ揺れ始め、海中から何者かの声が響く。
「のうみそをよこせ~~!」
「食わせろ~、のうみそを…。」
そして海面から現れた手が、あさりの頭を掴む!
が…

「のうみそがない~~!」
落胆する謎の手にさすがにあさりも「バカにすんなっ!」とキレる。
謎の手とその仲間たちは「もっとつまったのうみそ」を要求し、あさりの顔を引っかく。



激痛に目を覚ますと、あさりは自分の部屋にいた。
「なんだ、夢かあ。」
だが、その顔には真新しい引っかき傷が、血を滴らせている。
そして謎の手たちが「つまったのうみそ」を欲しがっていることを思い出したあさりは、姉タタミのベッドに潜り込んで眠りに就く。


夢の中、あさりとタタミはさっきの舟の上にいた。
ここがあさりの夢の中と知ったタタミはあさりに食ってかかるが、謎の声が再び響く。
「のうみそ…、のうみそだ。」
タタミは困惑しながらも、舟の縁を掴む謎の手を踏みつけ、
「人にものをねだるときは名前くらいなのれっ」と強気に出る。

すると声は律儀にも自己紹介を始めた。
「――我は、クトゥルー。太古の地球に、宇宙より飛来した神。人間どもの造り出した神により、地の底、海の底に封印された神なり。
されど我等は再び地上にもどる。人間の脳を食らい力を貯え、再び、地上を支配する。」

話を聞いたタタミは「食われてやるから、姿を見せろ。」とクトゥルーの一体を誘い出し、オールの一撃で粉砕する。
すると砕けた一体を、他の手たちが食らい始める。
だがそれも終わると、再びタタミへと文字通り手を伸ばす。
タタミはあさりに夢から覚めるよう頼むが、手が「ぬけみそはじゃまだっ。」とあさりを海に放り投げる。
そしてついに、手がタタミの頭を掴み…




「おきなさい、チコクするわよ。いつまで寝てるの!」
すんでのところで朝が来て、ママの声に起こされた。
ママはズブ濡れのあさり、後頭部がハゲたタタミを不審がる。
「そうそう、学校まわり道して行くのよ。きのうの夜から、いつもの道 工事してるから…。道路がかん没したんですって。」


登校時、いつもの道から迂回するあさり姉妹。工事のお兄さんたちは道路の下の深い穴に首を傾げる。




我はクトゥルー、クトゥルーの神。地中深く封印された神。…………だが、いつの日か再び地上に…再び……。



【余談など】
やはりターゲットの児童層のSAN値への配慮からか、この話は単行本には収録されなかった。
しかし、連載30周年記念に発行された「とびきり特選あさりちゃん3巻 気分はホラー」に収録された。


追記・修正はクトゥルーから生き延びた人のみお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/