オオキダ・ソラト/ウルトラマンオメガ

登録日:2025/07/24 Thu 18:19:38
更新日:2025/09/06 Sat 18:58:27NEW!
所要時間:思い出した、約 6 分で読めるんだ






俺の名は…オメガ!


オオキダ・ソラト/ウルトラマンオメガとは、円谷プロ制作の特撮番組『ウルトラマンオメガ』の主人公。
演:近藤頌利


概要

宇宙で怪獣と戦っていた謎の宇宙人。

冒頭に要塞のような星でヴァグセクトという昆虫型怪獣の群れと交戦。ヴァグセクトを蹴散らしつつ要塞のコアに向かって光線を放って脱出したが、その際に無防備な背中に攻撃を受け、制御を失ったまま地球まで飛来し墜落。
目覚めた時には全ての記憶を失っていた。

記憶を失って彷徨う過程で、ホシミ・コウセイの勤め先である倉庫に不法侵入。彼の昼食である焼きそばを勝手に食べ舌鼓を打ち、あれこれと質問を投げかける。
倉庫から出てもマイペースにコウセイを振り回している最中、熱線怪獣グライムが出現。咄嗟にコウセイを抱えて高く跳躍して難を逃れた。
そのままコウセイと共に避難所へ向かい、理不尽に怒る老人を叱責したり、親とはぐれて泣いている子供を保護したりする彼を「お前、『優しい』なんだな」と評する。
そこへ再びグライムが出現。人々を守るために赤い光の巨人に姿を変えて戦闘し、これを撃破する。
人間の姿に戻ってコウセイに名前を尋ね、そこで自身の名前を「思い出し」、項目冒頭のセリフで名乗った。

その後は秘密を知ったコウセイの元に居候し、失った記憶を取り戻すため、そして怪獣の脅威から人間を守るために戦っていくことになる。

また、本作の舞台となる地球は防衛組織が存在していない*1こともあり、現時点では地球防衛組織に所属していない主人公ウルトラマンとなっている。

人物

基本的に無表情で何を考えているのかわからない人物。地球の言語にも疎く、前述したような「〇〇なんだな」というどこかズレた喋り方をする。
一方で記憶喪失に加え、初めて見る地球の文化には興味津々であり、様々なものを指しては「これは?」と質問攻めにする。
何事にも興味を持つため会って間もない他人と打ち解ける場面もしばし見受けられる。
また、怪獣に対する知識も徐々に思い出しており、それらを語る時は饒舌になる。
記憶喪失故に良い意味でも悪い意味でも遠慮ない言動が多いが、基本的に正義感に強い人物であり、コウセイとの交流で人々を守るために戦うことを決意する。
ただし人的被害が及ばない時は、目の前で怪獣が出現しても「(変身すると)疲れるからヤダ」と拒否することもあるなどマイペース。
人間態のままでも身体能力は地球人を凌駕しており、成人男性を抱えたまま数十メートルの跳躍が可能。ただしやはり燃費が悪いため多用はせず、基本的に移動手段は普通に歩くか車などの乗り物に頼っている。

危機管理能力が低く、尋ねられたことは何でもホイホイ答えてしまう。
生物学者のイチドウ・アユムに名前を尋ねられた際にもオメガと名乗ろうとしたため、コウセイによって咄嗟にオオキダ・ソラト(大木田 宙人)という仮の名前を与えられる。
正体を隠す気も必要性もイマイチピンとわかっておらず、人前で変身しようとした際には「正体をバラしたらカレーも焼きそばも作ってやらないからな!」とコウセイに叱責されたことで隠れて変身するようになった。
これ以外にも地球における常識やマナーに疎い面がある様子で、例えば第5話『ミコとミコト』では「自分ができることだけ、極端な話道具の片付けだけでも農作業を手伝うべき」「こういうアイテムは指示された場所に戻すもの」はちゃんとわかっていたものの、金属製のパーツがあることを思い出したとたんに片づけを頼まれたクワやスキをミコトのご飯にすることをミコに対して提案するというおおよそヒーローとしては褒められない選択を取ったシーンがあった(一応食べているシーンは挟まれないまま次のカットに映ったため、これもミコが制止したとも解釈できるが)。
ただ、時間を経る・経験を積むにつれてそれなりに「地球人ではないので(悪ではないし、確実に正義ではあっても)非常識なところがある」も克服しつつあるらしく、いつもの雑居ビルにて太陽倉庫商会の上の階に入居している会社の主・アカジ社長からはさほど疑われていない上に双方顔見知りである旨が特別総集編1(第8.5話?)で描写された。

好きな物はカレー焼きそばなどの味の濃い料理。一方で味の薄い生野菜はあまり好みではない模様。
先述したアカジノリアキの「また2人を食事に誘おう」という発言から、事実上は身内といえそうな人物のアユ姉以外からもコウセイと一緒にゴチになった経験もある様子。

ウルトラマンオメガ



大きく…なれそうな気がする!


画像出典:ウルトラマンオメガ 第1話「宇宙人がやってきた」より
© 円谷プロ、「ウルトラマンオメガ」製作委員会・テレビ東京


ショアッ!


スーツアクター:岩田栄慶

身長:50m
体重:50,000t
(公式サイトより)

額に手刀を当て、紙飛行機を飛ばす要領で腕をシュッと振ると赤い光が出現。赤い光を掴んで実体化したブーメランオメガスラッガーに首から下げている結晶体・オメガメテオを装填し、下部を引っ張って翼のような形に展開させ、真上に掲げることで変身する形態。
便宜上変身と書いたが、厳密には「元の姿に戻った」と言った方が正しい。因みに変身時には特に叫ばない。
前述したとおり変身するだけでも体力の消耗が多いらしい。小さい姿でいる方がキツイと言っていた先輩とは真逆である。

記憶喪失なので、現時点での身長・体重以外のプロフィールは一切不明。


形態

基本形態

頭部形状は俗にシルバー族と呼ばれるウルトラマンに近いが、全身は銀より赤の比率が高く、胸部のプロテクターや頭部のスラッガーなどレッド族の要素も強い。
特にその顔面はウルトラマンゼアスのように赤色の比重が多くなっている。
カラータイマーの形状は正五角形。プロテクターと合わせてみると「Ω」の形に見えなくもない。




画像出典:ウルトラマンオメガ 第1話「宇宙人がやってきた」より
© 円谷プロ、「ウルトラマンオメガ」製作委員会・テレビ東京


変身前後で、右手の平を相手に向けて伸ばし、じっと見つめた後拳を握る決めポーズ「オメガスコープ」を取ることが多い。


レキネスアーマー



画像出典:ウルトラマンオメガ 第4話「爪痕の謎を追え」より
© 円谷プロ、「ウルトラマンオメガ」製作委員会・テレビ東京


オメガスラッガーにレキネスメテオを装填して、メテオカイジュウ・レキネスの力を鎧として纏った姿。
レキネスが変化した剣・『レキネスカリバー』を装備し、レキネス同様の念動力を使えるようになる。

トライガロンアーマー



画像出典:ウルトラマンオメガ 第8話「霧降山の伝説」より
© 円谷プロ、「ウルトラマンオメガ」製作委員会・テレビ東京


オメガスラッガーにトライガロンメテオを装填して、メテオカイジュウ・トライガロンの力を鎧として纏った姿。
トライガロンが変形した鉤爪・トライガロンクローを装備し、トライガロンのごとき野獣のスピードで移動し敵を切り裂く。
ちなみにトライガロンクローは着脱可能で、初装着時はコウセイにピースサインを向けている。


装備

  • オメガスラッガー
変身アイテム兼武器。念動力で飛ばして攻撃することもできるが、逆手持ちで直接振るって戦うことが多い。
従来のスラッガー装備同様頭部に装着しているが、これまでは西洋兜の飾り羽のように「頭頂部から後頭部」にかけて装着されていたのに対し、「頭頂部から額」に装着されているのが大きな違いとなっている。


必殺技

  • レティクリュート光線
光線技。
カラータイマーに両手の指先を当て、腕を広げると前面に星空のような青い光が瞬く。腕を大きく振るってL字を象ると光も集束して正五角形の形状になり、腕を十字に組むことで発射。
記憶を失ってからは使い方も忘れていたが、体内に猛毒を含んでおり切り裂くと毒がバラ撒かれてしまうドグリドとの戦闘中に「思い出し」て使用。体内の毒ごとドグリドを焼却して撃破した。


余談

近年の主役ウルトラマンは地球人と融合したパターンが多く、人間に擬態した主役ウルトラマンは朝倉リクウルトラマンジード以来*2
そのジードも出自が極めて特殊であり、主役ウルトラマンとしてはウルトラマンメビウス以来、M78ワールド出身ではないウルトラマンではシリーズ初の完全な擬態型となる。
なお、武居正能監督のインタビューによれば、本作ではインナースペースの描写は一切ないとの事。これはニュージェネレーションヒーローズ以降の作品では初の事例となる。
一方で、『ウルトラマンデッカー』以来3年振りに変身バンクが復活しているが、これは変身の瞬間を詳細に映す事で「ソラト自身がオメガである」ことを強調する狙いと、バンクが無いと毎回新規の合成カットを撮らねばならず、余計に手間が掛かるという世知辛い理由があるとのこと。

演じた近藤氏は1994年生まれの放送開始時点で31歳と、『ウルトラマンブレーザー』のヒルマ ゲント役・蕨野友也氏に続いての30代主人公として話題となった。
本人は20代の内に特撮作品のオーディションを受けるものだと思っていたそうだが、舞台の仕事が立て続けに入った事でそれどころではなくなってしまい*3、半ば諦めかけていた所を29歳を迎えた年(2023年頃)に本作の主役のオーディションを受けて見事役を勝ち取ったという経緯を持つ。

ミラーボールのように煌めく瞳の造形や、ギリシャ文字で最後の文字にあたる「Ω」から由来するものと思われる名前から、情報解禁時点より視聴者の間で「ウルトラマンゼットと関わりがあるのではないか?」と指摘されている。それともたまたま共通点が多いだけで無関係なのか、今後の展開に期待しよう。


あ、思い出した。これが『追記・修正』なんだな。


この項目が面白かったなら……\腹減った…/

最終更新:2025年09月06日 18:58

*1 そもそも本編開始以前に怪獣や他の宇宙人が地球上に出現していないため、作られる必要がなかった。

*2 トリガーも擬態型としてカウントされることも有るが、あちらは原典のティガと同様「人間がウルトラマンの力と一体化した」パターンに近く、厳密に擬態型と言えるかは微妙な所。

*3 そのため、本作のレギュラーキャストの中では唯一本作以前の特撮作品への出演経験がなかった。