裏切りのステージ(名探偵コナン)

登録日:2017/07/29 (土) 14:25:19
更新日:2021/06/13 Sun 23:47:35
所要時間:約 20 分で読めます





裏切りには…

制裁をもって答える…


だったよな?


『裏切りのステージ』とは、『名探偵コナン』において江戸川コナン・沖矢昴・安室透が協力して解決した事件の名称。
単行本第90巻に収録。テレビアニメでは第第866話・第867話として、2017年7月15日と22日に放送された。
FBIの捜査官・赤井秀一と公安警察の警察官・降谷零。今回の事件では、立場が違えど黒の組織を追っている2人が対立する原因となったスコッチの死の真相が描かれている。
そして、作中である人物が呟いた言葉で、蘭はかつて巻き込まれた“ある事件”の事を思い出すのだが……


※以下ネタバレが含まれますので、未読・未視聴の方はご注意ください。


【ストーリー】
ロックミュージシャン・波土禄道が新曲を出すと発表。5年ぶりの新曲だった事もあり、ネットはそのニュースで持ちきりとなる。
曲のタイトルは「アサカ」。その曲は17年前に作られたものであったが、その曲のアルファベット表記はなぜかASACAとなっていた。
その曲は4月に行われるライブで披露される事となっており、それを聞いたコナンと沖矢はそこに「ラム」の疑いのある人物「浅香」の影を見る。
ラムの手がかりを得る為に、コナンと沖矢は近日リハーサルの見学に行くという蘭と園子に同行する事を決め、リハーサル当日にライブ会場の東都ホールへ向かう。
到着してすぐにコナンと沖矢は波土と会おうとするが、波土のマネージャーである円城佳苗の話によると、新曲「アサカ」の歌詞がまだ未完成であるらしく、現在もライブ会場の中で1人で考えている最中とのことであった。
そんな話をしていると、今回のリハーサルを見たいと園子に頼んでいた張本人・安室が登場。安室の隣には梓もいたが、コナンは彼女の振る舞いから、彼女は梓に変装したベルモットだと瞬時に見抜く。
このままここにいたら、沖矢の正体が赤井である事がベルモットにばれてしまう恐れがある。
コナンはやむなく、沖矢を連れてここから撤退しようとするが、ホールを出ようとした時に、消防査察をするために会場に入った消防官の悲鳴が響き渡る。
コナン達がライブ会場に入ると、そこでは天高く首を吊りあげられ絶命していた波土の遺体が、ステージ上のスポットライトでライトアップされていたのだった……


【事件関係者】
※名前の元ネタは「音楽のジャンル」。

  • 波土禄道(はど ろくみち)
ロックミュージシャン。39歳。
今回5年ぶりに新曲「アサカ」を出すと公表し、それを4月に行われるライブ中に披露しようとしていた。
だがなぜかその曲のアルファベット表記が「ASAKAではなく「ASACAとなっている。
関係者の話によると、曲そのものは17年前には既に出来ていたようだが、まだ歌詞がついていなかったので今回のライブまでに歌詞を作り発表するつもりらしい。
しかしその歌詞はリハーサル当日になっても完成せず、リハーサルを先送りにしてライブ会場に1人で籠って作詞を行っていた。
その最中に何者かの手によって、ロープで首を吊り上げられて殺害される。
彼の遺体が3m近く吊り上げられていた事から、この犯行は複数犯の仕業だと考えられた。そして胸のポケットにはゴメンなと書かれた自筆のメッセージが入れられていた事から、誰かに負い目を感じていた事が殺人の動機に繋がったと推測された。
日頃から近寄り難い雰囲気を放っている事に思い悩んでいたらしく、「自分は親しみにくい顔だから」と関係者に漏らしていた事もあるらしい。だが蘭達の話によると、最近の彼は以前よりもソフトな感じになったという。
また高校時代まで野球をやっており、強肩の外野手として活躍していた。

実は今回のライブを最後に引退するつもりだったらしく、その発表もライブのラストに行おうとしていた。
また、ライブで演奏するはずだったバンドのメンバーの1人が、この事件の最中に麻薬所持の現行犯で逮捕されているが、今回の事件と関係が……?

名前の由来は「ハードロック」から。

  • 円城佳苗(えんじょう かなえ)
CV:むたあきこ
波土のマネージャー。40歳。
波土の恋人だった女性でもあり、高校在学中から彼がデビューするまで付き合っていた。そのため、波土の私生活や趣味の事等を色々知っている。ちなみに波土と付き合っていた頃に布施の告白を受けた事もあったようである。
波土と別れて彼がデビューしてからも、17年間ずっと彼をマネージャーとして支え続け、波土がデビューしたての頃は彼と共に運送屋でアルバイトをし、波土がミュージシャンを続けられる資金を工面していたらしい。
中学時代はテニスを少しやっていた。

名前の由来は「演歌」から。

  • 布施憶康(ふせ おくやす)
CV:大友龍三郎
レコード会社社長。58歳。
かなり大柄な体格をした人物で、コナンも思わず「でかっ!」と驚いていた。でもよく考えるとコナンは元々小さいんだからデカく見えるのは当たり前なんじゃ…
波土が所属となったのは17年前の事で、ライブの後は毎回彼と一緒に趣味の登山を行っている。
梶谷の話では、契約中に引退を表明する波土を近々訴え、違約金を取ろうとしているらしいが、本当の事かどうかは定かではない。
また、前のライブの後で波土に「なぜ17年間も黙っていた!」と詰め寄られたそうだが、その原因は「波土をデビューさせた理由は円城に一目惚れし言い寄るためだったから」という冗談を波土が真に受けたからのようである。
それが原因で波土は引退をする事を考えるようになったそうだが、2人で登山をした後は波土の気も一旦は鎮まったらしい。その後も波土の引退を何度も止めたものの、結局波土の決意が揺らぐことはなかった。
ちなみに大学時代までラグビーをやっていた。

名前の由来は「フォーク」から。

  • 梶谷宏和(かじや ひろかず)
CV:斎藤志郎
雑誌記者。51歳。
15年前から波土に張り付き、彼に関する記事を狙っている。
しかし最近、波土が音楽活動を休止するという記事を他誌にスッパ抜かれた事で、編集長に大目玉を食らっている。
そのため今回のライブで何としても特ダネをものにしようとして、会場のスタッフからスタッフジャンパーを購入し、スタッフを装ってライブ会場に乗り込んでいた。
事あるごとに関係者の知られたくない秘密をあっさりぶちまける嫌な男。
これでも学生の頃は登山部だったようだが、幽霊部員だったのでロープの結び方すら知らないという。

名前の由来は「ジャズ」から。


【レギュラー陣】

ご存知主人公。
波土の新曲「アサカ」のアルファベット表記が「ASACA」となっていると聞き、そこに組織の「ラム」に関する秘密が隠されていると推測して、沖矢(赤井)と共に波土のリハーサル見学に行く事を決める。
そこで安室と梓に変装したベルモットと出くわしたので、彼らに沖矢の正体がばれる前に会場を出ようとするのだが、運悪くそこで殺人事件が起きてしまう。

大学院生に変装して工藤邸に住んでいるFBI捜査官。
かつて組織の一員「諸星大/ライ」として組織に潜入していた際、スコッチの正体が公安の捜査官であるという知らせを受け、彼をとあるビルの屋上に追いつめる。
そこで拳銃を取り出してスコッチの左胸を撃ち抜き殺害。そして後から来たバーボンこと安室に対し裏切りには死を持って答える…だったよな?と冷酷に組織の掟を告げてその場から立ち去った。しかし本当は……

今回の事件では波土のファンを装ってリハーサル見学に同行。波土の下調べは万全だったので、安室に波土の話題を振られても問題なく会話していた(もしかしたら本当にファンだったのかも……?)。
事件の捜査中もタダのミステリー好きの大学院生「沖矢昴」を装っていたが、筆跡鑑定の際に思わず利き手である左手を使った事で、再び安室に疑惑の目を向けられる事となる。

「バーボン」として組織に潜入している公安警察官「降谷零」。
スコッチの正体が公安警察であると組織に露見した際に、スコッチから組織に公安だとばれたとの連絡を受けていた。
しかしスコッチの元に駆けつける前に、彼は赤井の手にかかり殺害されてしまう。
だがスコッチの死は本当は自殺であり、実際は赤井に追いつめられた時に、自ら拳銃で心臓を撃ち抜き死亡していた。
この事はスコッチの遺体を確認した安室も見抜いていたが、彼の自殺に使われていたのは赤井の拳銃だったので、赤井がスコッチに拳銃を渡して自決させたものと考える。
スコッチは所属は違えど公安の仲間かつ親友でもあったので、これ以降安室はあれ程の男なら自決させない道を選ぶ事が出来たはずなのにと、赤井に対し激しい憎悪を向けるようになった。

今回は組織の命令で、新曲「アサカ(ASACA)」の歌詞の内容を調べるため、鈴木財閥のコネを使ってリハーサル見学に参加。そこでかつて正体が赤井ではないかと疑っていた沖矢と再会する。
事件発生後は彼やコナンと共に捜査を行うが、沖矢が左利きである事を知ると「殺したいほど憎んでいる男が左利きなだけですから」と再び彼の正体を疑うようになる。

組織に潜入していた公安警察官。
組織に公安の捜査官である事がばれてしまい、とあるビルの屋上で赤井に追いつめられる。
そこでもう逃げ場がないと悟り、安室に別れの言葉を告げた後で、赤井の拳銃を使って心臓を撃ち抜き自殺した。
心臓を撃ち抜いたのは胸ポケットに携帯電話が入っていたからで、それもろとも心臓を撃ち抜く事で家族や仲間のデータが入った携帯電話を破壊し、情報が漏洩するのを防いだのだった。

ご存知園子専属のSP蘭姉ちゃん。
梓に変装したベルモットにエンジェルと呼ばれた事で、それが心にひっかかり、いつどこでそう呼ばれた事があるか思い出そうと頭を悩ます。
そして、かつて関わったコナン&灰原誘拐事件の時にいた怪しい女がそう呼んでいた事を思い出し、なぜその女と同じように梓が自分を呼んだのかと困惑する事になる。

黒の組織の一員。
波土に探りを入れろという組織の命令を安室に伝える。
だがリハーサル当日になって、安室が「コナンと蘭の2人に危害を加えない」という約束を守ってくれるか急に不安になり、急遽梓に変装して安室と共に東都ホールを訪れた。
そのため梓に成り済ます為の情報が不完全であり、本物の梓がギターの演奏が出来ない事を知らずに適当に話を合わせた事で、早々にコナンに正体を見破られる。
それでもコナンが無闇に騒ぎ立てない事を見越していたので、不意打ちで蘭の声でコナンに質問をして梓の苗字を聞き出し、筆跡鑑定を乗り切っていた。
だが、波土の遺体発見時に蘭をエンジェルとつい呼んでしまった事で、蘭に正体を疑われてしまう。

ご存知蘭の親友。
布施のレコード会社に鈴木財閥が出資をしていたので、安室の頼みでリハーサル見学が出来るよう手配する。
ちなみにそれほど波土の熱心なファンではないらしい。

喫茶ポアロのウエイトレス。
前述のとおり、今回登場した彼女はベルモットの変装であり、彼女本人は登場していない。
ちなみに、このエピソードが収録されている第90巻の裏表紙には、梓に変装したベルモットが登場している。だが普段の彼女とは程遠い、非常に悪そうな表情となっている。

ご存知警部殿。
最近立て続けに様々な探偵と共に事件に関わっている為、「入れ替わり立ち替わりよくもまぁ探偵が…」と呆れ顔で言っていた(勿論コナンは皆勤賞)。

ご存知高木君。
波土が「ゴメンな」というメッセージを所持していたので、筆跡鑑定を行う為に関係者に自分の名前と一緒に「ゴメンな」との文字を書いてもらっていた。


以下、事件の真相。さらなるネタバレにご注意ください
























  • 円城佳苗
波土を3m近く吊り上げた犯人。
波土の遺体を3m近く吊り上げるという今回の犯行は一見、誰かと誰かが協力して行わない限り不可能のように思えたが、運送業者が使う「輸送結び」を使えば、1人でも吊り上げる事は可能となる。
「輸送結び」とは、通常は積み荷を固定するために使われる結び方で、その構造から、滑車の原理によって小さな力から大きな力を生み出す事が出来るという特徴を持っている。
この輸送結びを3つ作れば、約8倍の力でロープを引くことが出来るので、非力な女性でも成人男性を3m近く吊り上げる事が容易に出来るのである。
波土を吊り上げた後はロープを客席に結び直し、余ったロープはカッターで切って束ねステージの袖に放置した。
だがその時に「腕に巻いてロープを束ねる」という、運送業者でアルバイトをしていた頃のクセがつい出てしまう。
腕に巻いて束ねたロープの束の内側は、その人物の足の大きさとほぼ同じとなるので、それをコナン達に見破られた事で波土を吊った犯人だと断定された。

決定的な証拠となったのは、彼女の背中についていた波土のサークルレンズ。
波土は自分の印象を良く見せる為に、日頃から瞳を大きく見せる事が出来るサークルレンズを使用していた。蘭達が「以前よりもソフトな印象になった」と言っていたのはこの為である。
そのサークルレンズが波土を吊り上げた時に落ちてしまい、運悪く背中に付着。死角に付着していたので、コナンに指摘されるまでずっと気づく事が出来なかった*1

サークルレンズの証拠が見つかると、言い逃れをしようとせずに無言のまま目暮と共に警察へ行こうとする。
その際に「どうして波土を…」と布施に尋ねられるが、彼女はその理由を答えようとはしなかった。
その理由は、波土を殺す理由を答えたくなかったからではなく、波土を殺す理由がないので答える事が出来なかったから。
つまり、今回波土の命を奪ったのは彼女ではなかったのである。
今回の犯行に使われたロープは、高い位置にある天井のバーに掛けられていたので、そこに引っ掛けるにはロープの先にボールを結びつけ、バーを越す高さまでそのボールを投げるしか方法はなかった。
高い位置までボールを投げるのは彼女には不可能であり、関係者でそのような事が出来るのは、今回死亡した波土ぐらいしかいなかった。


つまり、今回の事件の真相は……

  • 事件の真相
実は今回の事件は波土の自殺。ステージ上で首を吊って死んでいる波土の遺体を見つけた円城が、前述の「輸送結び」をうまく使って遺体を高く吊り上げ殺人に偽装していたのである。
波土は首吊り自殺をするために、踏み台としてステージにあったパイプ椅子を使っていた。その座面の裏にもう片方のサークルレンズが付着していたという事が、彼が自殺をしたという証拠の1つとなった。

波土が自殺をした理由は、17年前に起きた“ある出来事”にある。
今から17年前、当時波土と付き合っていた円城は、波土の子供を妊娠。
その頃の波土はデビューしたての新人であったが、円城の妊娠を知ると、生まれてくる子供のために寝る間も惜しんで連日徹夜でスタジオに籠り、作曲活動をするようになった。
それを知った円城は波土の体調を気遣い、作曲活動を止めさせるためにスタジオへと向かう。しかし無理をしたために、スタジオの入り口に着いた途端に倒れてしまい、お腹にいた子供が流産してしまう事となる。
倒れた円城は、偶然居合わせた布施に病院まで運ばれる。そして病院のベッドの上で目を覚ました円城は「この事を波土には黙っていてほしい」と布施に頼んだ。
同じ頃、波土は生まれてくる子供のために「アサカ(ASACA)」という曲を作っていた。だが円城が流産してしまった事により、曲が完成しても歌詞をつけようとはせずに「ASACA」をお蔵入りにする。
そして円城の流産の真相を知らないまま彼女と別れ、1年後に別の女性と結婚した。

それから16年の歳月が過ぎるが、波土は先日のライブの終了後に布施から流産の真相を知る事となり「どうして今まで黙っていた」と彼に詰め寄る。
その後は自分のせいで死亡した子供のために、「ASACA」に歌詞をつけて完成させ新曲として発表しようとする。
だがリハーサル直前になっても曲に歌詞をつける事が出来ず、思い詰めた波土は「ゴメンな」と遺書を遺してステージ上で首を吊って自らの命を絶ったのだった。

なお、波土の遺体を発見した円城がこの事件を殺人に見せかけたのは、彼の死が自殺だと分かればその理由を公表されると思ったから。
元カノである自分の子供のせいで波土が死を選んだと彼の家族に知られたら申し訳ないと感じ、彼が死の直前に送ってきた「あばよ」のメールの送信履歴が入った携帯電話を抜き取った後で、彼の遺体を前述の方法で天高く吊り上げたようである。

全てを自白した円城はその後、高木に連れられて警察へと向かう。
円城が今回起こした罪は「死体損壊罪」であり決して許される事ではないが、目暮の話によると同情の余地があるので情状酌量で執行猶予がつく事になるだろうとの事である。

ちなみに、波土が作曲した「アサカ」のアルファベット表記が「ASACA」になっていたのは、円城の妊娠の知らせを「朝、カフェ(Cafe)」で聞いたから。
生まれてくる子供が女の子だったなら「朝香」と名づけようと考えていた波土は、アルファベットで書くならCafe」Caを取ってASACAがいいと思い、作曲していた曲のアルファベット表記を「ASACA」としたようである。

  • 梶谷宏和
波土がステージ上で首を吊って死亡するという特ダネに出くわしたので、すぐに編集部に帰ってこの事を記事にしようとする。
そして事件の真相が「自殺」と判明した時には、円城が偽装をした理由を聞いた後で「バカな男だ…」と吐き捨てた。
だがその真相を聞いた事で、この事は世間に公表するべきではないと思い直し、円城に「この事は記事にしないで!」と頼まれると「頼まれたって書かねぇよ」と返す。そして、「ロックンローラーに浪花節は似合わない」と呟き、東都ホールを去っていった。

『コナン』の世界に登場するジャーナリストは、こいつあいつなどの卑劣な人物や、彼らほど外道ではないが不気味な言動悪意ある取材で関係者から嫌悪感を抱かれていた人物など、印象が悪い人物である場合がなぜか多い。
しかし梶谷は彼らと違い、最初のほうこそ横暴で陰険な部分はあったものの、人として最低限のモラルや良心を持ち合わせていた人物であった。
『コナン』の世界でまともなジャーナリストと言うと、今回の梶谷以外ではアニオリエピソードに登場する彼ら彼女くらいではないだろうか。

  • 布施憶康
先日のライブ終了時につい17年前の円城の流産の真相を話してしまい、波土に「どうして今まで黙っていた!」と迫られる。
その後は波土と登山をし、何とか彼の気を鎮めるが、この話が遠因となって今回のリハーサル寸前で波土が自殺をする事となってしまった。
波土の引退を後押ししていたようだが、安室はこの事に関して「波土のバンドメンバーが麻薬を所持していた事を知っていたからではないか」と推測している。
この事を安室に尋ねられた時に「そんな事は…」と否定していたが、その時にかなり動揺する様子を見せていたので、安室の推測どおり麻薬騒動に1枚噛んでいる可能性も……?


【スコッチの死の真相】
スコッチは赤井に屋上へ追い込まれた際、赤井に投げ飛ばされるふりをして彼から拳銃を奪った。
そしてそのまま拳銃を赤井へと向けるのだが、赤井に「俺を撃つ前に話を聞く気はないか?」と話しかけられると、「拳銃を奪ったのはこうする為だ!」と叫んで自らの左胸に銃口を押し付けた。
赤井はスコッチの自決を止める為、彼が拳銃に気を取られた隙に駆け寄り、銃のシリンダー部分を掴んで引き金を引くのを阻止する。そしてお前はここで死ぬべき男ではないと説得を試みた。
予想外の言葉に思わず驚くスコッチであったが、赤井が組織に潜入しているFBI捜査官だと知ると、落ち着きを取り戻し赤井の話を聞こうとする。
赤井はこのまま説得を続け、自分のコネを使ってスコッチを逃がそうとしていたが、そこに階段を駆け上がる足音が響いてくる。
この音を聞いたスコッチは、さらなる追手が来たものと思い込み、赤井がその音に気を取られ銃から手を離した隙に左胸を撃ち抜いて死亡した。
スコッチの左胸のポケットには彼の携帯電話が入っており、それを見つけた赤井は瞬時に「仲間や家族を守る為に携帯越しに左胸を撃った」と理解した。
階段を駆け上がる足音は、スコッチを心配して駆けつけた安室のものであった。
安室の姿を見た赤井は自分の足音が、スコッチに自殺を覚悟させた原因となったかもしれないという事を彼に話すべきではないと考え、組織の一員「ライ」として冷酷に徹し、公安の人間だったから組織の掟に従い射殺したと安室に告げて去っていった。
この出来事が原因で、2人の捜査官の関係にヒビが入る事となってしまい、安室は赤井を『スコッチを自殺に追い込んだ張本人』として憎み殺意まで抱くようになった。


前述のとおり、安室の足音を追手のものと勘違いした事で、スコッチは自決してしまう事となった。
だが彼が自決に使用したのは赤井から奪った拳銃であり、赤井が手を離さなければスコッチは命を絶つ事が出来なかったのも事実である為、赤井に全く過失がないわけではない。
赤井本人も自分の責任でスコッチが自殺したと自覚している様子で、『緋色シリーズ』の時にも彼の事は今でも悪かったと思っていると安室に対して謝罪の言葉を言っていた。


今回の事件が自殺だった事もあり、ふとその事を思い出した沖矢(赤井)。
そんな沖矢に安室は「そのハイネックを今すぐめくりたいところですが*2やめておきましょう」と話しかける。
そして「いずれまた…」と沖矢との再会を望みつつ東都ホールを後にした。



【その後】
事件が解決し、「アサカ(ASACA)」の意味も分かったので、早々にこの場から立ち去ろうとするベルモット。だがその時に「梓さん!」と蘭に呼び止められてしまう。
そこで蘭に「あなた、梓さんじゃありませんよね?と尋ねられ、思わず目を見開いた。
蘭は、かつて巻き込まれた誘拐事件で自分の事を「エンジェル」と呼んでいた人物が梓に変装していると考え、それを確かめるために思い切って話しかけたのだ。
だがベルモットは「それ以上踏み込んではダメ」と話を遮り、貴方は私の宝物だから…と蘭に微笑みながら去っていく。
そしてこの世でたった2人のね…と思いながら振り返り、蘭と彼女に駆け寄るコナンの姿を見つめていた。



追記・修正は、輸送結びをマスターしてからお願いします。

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最終更新:2021年06月13日 23:47

*1 解決編以前のシーンでも、彼女の背中をよく見ると、サークルレンズが付着しているのが確認できるコマがいくつかある。

*2 「チョーカー型変声機」を使って声を変えていると考えているため。