神聖魔皇后セレーネ(遊戯王OCG)

登録日:2025/07/09 Wed 21:27:55
更新日:2025/07/12 Sat 12:50:48
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《神聖魔皇后セレーネ》とは、遊戯王OCGに存在するカードの1つである。
2019年11月23日発売の「LINK VRAINS PACK 3」に収録されたリンクモンスター

カードテキスト

神聖魔皇后(しんせいまこうごう)セレーネ》/Selene, Queen of the Master Magicians
◤ ▲ ◥
 
リンク3/光属性/魔法使い族/攻1850
【リンクマーカー:左下/下/右下】
魔法使い族モンスターを含むモンスター2体以上
(1):このカードL召喚した場合に発動する。
お互いのフィールド・墓地の魔法カードの数だけこのカードに魔力カウンターを置く。
(2):フィールドに「エンディミオン」カードが存在する限り、相手モンスターはこのカードを攻撃対象に選択できない。
(3):1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに、自分フィールドの魔力カウンターを3つ取り除いて発動できる。
自分の手札・墓地から魔法使い族モンスター1体を選び、このカードのリンク先となる自分フィールドに守備表示で特殊召喚する。

概要

召喚条件は「魔法使い族モンスターを含むモンスター2体以上」。
効果モンスターである必要はなく、また最低1体魔法使い族が含まれていれば良いため、見た目以上に緩めの条件になる。
このカードは魔力カウンターに関する効果を持っているが、他の魔力カウンター関係モンスターも魔法使い族が多いため、この条件を満たすのは容易。
そうでないデッキも、自己特殊召喚効果を持つ《黒魔女ディアベルスター》などを用いれば容易に達成できる。

(1)は自身に魔力カウンターを乗せる効果。
その数は「お互いのフィールド・墓地の魔法カードの枚数」であり、デュエル後半になれば多くの数を期待できる。
反面、魔法カードの扱いに特化したデッキでないと序盤から数を稼ぐのは少々難しい。
自身の(3)効果を始め、魔力カウンターを効果発動に要求するカードと併用ことになる。

なおこの効果は「フィールドゾーンにセットされているカード」「Pゾーンに表向きで置いたPモンスター」及び「装備魔法永続魔法扱いのモンスターカード」も勘定に含まれる。
三番目のギミックは一部のデッキで得意とするモノなので、そうしたデッキで数を稼ぐ手立てになる。
最初についても「フィールドゾーンにセットしたカード」であれば魔法カードであると確定しているため、例えば《盆回し》1枚で魔力カウンターを3つ載せられる。

(2)は攻撃対象にならない効果。
自身の攻撃力が下級モンスター並みと低く、(3)効果や魔力カウンターの供給元としてフィールドに残す機会もあるので、何かとありがたい。
またこの条件はフィールド魔法《魔法都市エンディミオン》やPスケール上のエンディミオンPカードでも可能なので、意外と範囲が広い。

(3)は魔力カウンターと引き換えに、手札か墓地の魔法使い族を特殊召喚する展開効果。
守備表示の指定があるのでLモンスターは蘇生できず、リンク先に蘇生するので《S:Pリトルナイト》の②効果や《幽鬼うさぎ》などでチェーンして除去されると不発になるなど隙はあるが、制約が発生しないので利便性は高い。
後述する通り、魔力カウンター絡みのモンスターは魔法使い族が多いので「魔力カウンターを乗せられるカード」を増やすだけでも重畳の働きになる。

なお「守備表示の指定があるのでLモンスターは蘇生できない」点は意外な盲点となりがちなので注意。
特に展開補助効果を持つリンク2「霊使い」モンスターを素材にした場合に、このアクシデントが起こりやすい。

評価

【エンディミオン】

魔力カウンターを用いるデッキ、特に(2)の効果で指定している【エンディミオン】(及び密接な関係を持つ【魔導獣】)ではキーカードになる。
魔力カウンター のみならずPカードを使うため、P召喚先の確保にも貢献している。
P召喚を援助するリンク2の《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》を経由させることで容易にL召喚できる点も大きい。

所属モンスターの多くが魔法使い族なので、(3)効果で特殊召喚させるカードも選択肢は広い。
手札から特殊召喚できるという択も、《創聖魔導王 エンディミオン》で手札に戻したモンスターをもう一度場に出す手立てにもなる。
相手ターンでも発動できる点から、以下の様な上級の妨害モンスターも出しやすい。
  • モンスターカードに対するカウンター効果を持つ《魔導獣 キングジャッカル》
  • 魔法・罠カードに対するカウンター効果を持つ《創聖魔導王 エンディミオン》
  • お互いのカードを手札にバウンスする《エンプレス・オブ・エンディミオン》
《創聖魔導王 エンディミオン》と《魔導獣 キングジャッカル》は制圧効果に名称ターン1がないため、既に効果を使用したどちらかを《創聖魔導王 エンディミオン》の効果で手札に戻してからもう一度場に出せば再び妨害ができるのでムダがない。
特に後者二枚は《アストログラフ・マジシャン》と同じレベル7なので《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》のX素材にでき、そのまま万能カウンター効果を持つ《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》の召喚にも貢献できる。
X素材になったPカードはPゾーンに行かず墓地に行くため、この状態だとPデッキでは一見無用に見える墓地から蘇生する効果も役に立つ。

なお、この(1)(3)の効果は「名称ターン1」の回数制限がない。
そのため2枚目以降の《神聖魔皇后セレーネ》をL召喚することで、この効果を1ターン中に複数回使用できる。
これも魔力カウンターを必要とする【エンディミオン】には嬉しい話で、盤面上の魔力カウンター水増しに寄与する。

特にバーン要員の《マジックテンペスター》にて止めを指す場面、《神聖魔皇后セレーネ》を複数枚用意することでキルラインに届く魔力カウンターを強引に確保できる。
そうした面もあったため、《マジックテンペスター》は禁止カードに指定されている。
制圧と《マジックテンペスター》1キルをスイッチできることが【エンディミオン】の強みの1つであったため、厳しい禁止指定となった。
とはいえ1キルパーツがEXデッキで済む点から、【未界域】などで勝ち筋の一つとして成立した時点で免れられないことではあるのだが。

汎用展開要員

魔力カウンター関連デッキにおける八面六臂の働きは前述の通りだが、それ以外のデッキでも中々の活躍を見せる。
その主な用途は「《神聖魔皇后セレーネ》と(3)効果で蘇生したモンスターでリンク4をL 召喚すること」。
この(3)の蘇生効果を用いることで、実質リンク3分の負担でリンク4を作ることができる。
その際もL素材にするだけなので、汎用の《エフェクト・ヴェーラー》を使えば事足りる。

この筆頭になるリンク4は、高いフィニッシャー性能を誇る《アクセスコード・トーカー》。
次点の汎用カードは《破械雙王神ライゴウ》《トポロジック・ボマー・ドラゴン》辺りだろうか。

かつて《水晶機巧-ハリファイバー》が使用できた頃は、《エフェクト・ヴェーラー》をリクルートして《神聖魔皇后セレーネ》を経由し《アクセスコード・トーカー》をL召喚する流れが成立していた。
これにより攻撃力5300かつ最低2枚破壊の形態をあらゆるデッキで可能にしていた。
現在は《水晶機巧-ハリファイバー》が禁止カードに指定されたため、《クロシープ》等の代替手段か素直に3体素材を並べ《神聖魔皇后セレーネ》をL召喚する必要がある。

なおこの手立てが通用するリンク4は「《神聖魔皇后セレーネ》+適当な魔法使い族」の2体でL召喚できる必要がある。
これが理由で、汎用リンク4の中でも「2体素材でL召喚できる」か「3体以上素材にしないとL召喚できない」かで、小さくない格差が生じている。
例えば同じリンク4フィニッシャーの《アクセスコード・トーカー》と《ヴァレルソード・ドラゴン》が、その関係になっている。

他にも【魔法使い族】テーマや、種族混合型テーマでも魔法使い族が重要な位置にいるデッキでも、その召喚補助手段として機能する。
後者の例は【マドルチェ】【SPYRAL】【メメント】が該当する。

余談

マスターガイド6によると、普段は仮面で顔を隠しているものの《エンプレス・オブ・エンディミオン》と同一人物であるとのこと。


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最終更新:2025年07月12日 12:50