登録日:2025/07/09 Wed 13:25:19
更新日:2025/07/11 Fri 15:19:27
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営団地下鉄06系・07系は営団地下鉄が設計・製造を行った、地下鉄用通勤型電車である。
2025年7月時点で、06系はすでに全車引退したが、07系は全車健在である。
概要
06系は1992年、07系は1993年から1994年にかけて製造された。
形式番号からうかがえるが、これらの形式も1980年代中期以降の
01系からの流れをくむ、「0x系列」、「0シリーズ」と称される形式の一つであり、0x系列としては中期に開発された形式である。
「Gentle & Mind」をテーマとし、事業者・乗客関係なくすべての人と、環境にやさしい車両をコンセプトに開発された。
この2形式は、減速力や全高などに差があるが、車体の設計はほぼ共通している。車体はアルミニウム合金製。
前面デザインはパノラミックウィンドウの全面窓と、その下部に丸型の横並びで、内側に前照灯、外側に尾灯を配置。側面のドア配置はそれまではドア間距離が均等になるように設計されていたが、運転室のスペース確保のために不均等なものにされている。
01系以降、営団地下鉄の車両はラインカラーに差し色が加えられた帯を採用しているが、この2形式はラインカラーと補色の関係にある色を差し色に使っている。
車両の制御装置はIGBT-VVVF制御で、かなり早期の採用例であるどころか、日本初のIGBT-VVVF採用車両となった。
運転台は、マスコン・ブレーキともに縦軸のツーハンドル型。形式単位でみれば、営団地下鉄では最後のツーハンドル採用形式である。なお、ブレーキハンドルは取り外しのできない固定式。
本形式群のフィードバックとして、東西線用の
05系でも、1993年製造の第19編成から、2002年製造の第33編成まで、06・07系と同じ不均等なドア間隔配置や固定式ブレーキハンドル(こちらは初期型に該当する第24編成まで)が採用されたほか、06・07系と同時期以降に製造された営団地下鉄のモーター車では、IGBT-VVVF制御が採用された。03系や05系では06系ベースのものが、9000系では07系ベースのものが採用された。
06系
1993年の千代田線増発にむけて、その前年に製造された。車両製造メーカーは川崎重工業。同線では、1968年から1990年まで断続的に
6000系が導入されていたが、製造開始から四半世紀が経過しようとしていたこの時期に6000系の追加増備は不適切と判断され、設計を新たにしたこの形式が開発された。
06系でのデザインテーマは「穏やかで落ち着いた雰囲気」がテーマとなっている。その中でも、沿線のイメージから「日本庭園」をモチーフとしている。
帯は、ラインカラーのグリーンに加え、白と紫の差し色が加えられている。なお、06系の後継となる16000系では差し色がラインカラーと同じ緑系の色に変更された。
なお、1編成のみ製造された車両であり、営団地下鉄・東京メトロとしては唯一の事例。ファンの間では、将来的に6000系置き換えのタイミングでの再増備を行う計画があったのではないかと推測されているが、真偽不明。
1993年にデビューし、長らく千代田線及び直通先のJR常磐線、小田急小田原線への直通運用を行っていた。中には、07系との互換性の高さを生かし、有楽町線直通の臨時列車に充当されたこともあった。
2010年夏季に、後継となる16000系導入前に永久磁石使用モーターの試験が行われた。
同年秋、6000系置き換え名目で16000系が導入され、増備が進んだ。当時は16000系の導入完了後も06系は当面の間存続する、と考えられていた。
しかし、16000系の増備が進むのと並行して、千代田線でのホームドア整備が確定し、ドア配置が不均等な06系がイレギュラーであったため、2015年に引退・廃車となった。
車齢上はまだまだ活躍が見込める時期であり、後述の07系よろしく東西線での運用が可能であったかもしれないが、すでに東西線ではワイドドア車両の15000系が導入されており、わざわざ非ワイドドア車両の06系を迎え入れる必然性もなかったため、行き場をなくした。
07系
有楽町線時代
1993年の有楽町線増発や1994年の後の副都心線ルートとなる小竹向原~池袋間の有楽町新線開業及び、西武有楽町線延伸に伴う将来的な西武池袋線との直通運転開始に合わせた増備目的で製造された。
1993年に川崎重工業で2編成が、1994年に日本車輛で4編成が製造された。
デザインテーマは「上品で活気あふれる雰囲気」を目指し、有楽町線の沿線イメージから、有楽町線時代の帯色はラインカラーのゴールドをイメージした黄色と、差し色に白と黒と青を採用。
内装はカジュアルな雰囲気を醸し出すために、ピンク色系の意匠が目立った。
西武池袋線直通開始に向けた増備編成であったが、西武直通向けの装備を製造当時は搭載しておらず、東武東上線にのみ直通可能だった。1998年に西武向け装備を搭載し、直通先両社に対応した。
有楽町線撤退後
有楽町線での活躍は15年にも満たない期間で終わった。
事業者が営団から東京メトロに変わり、副都心線開業を目前に、同線で採用されるホームドアが07系のドア配置に適合していない為、2007年10月までに07系の運用が終了した。
07系が増備されるきっかけを作った区間に新車が導入されたが、ある意味07系の設計が裏目に出た結果でもあった。
2006年に10000系に置き換えられる形で、後期製造の4編成が先に東西線へと転属した。
東西線では、05系後期車に準じた青の濃淡ツートンによる帯色で運用されている。
当時の東西線は5000系の老朽置き換え及び信号装置更新を控えており、車両増備の必要に迫られていた。
当初は05系の増備をする予定であったが、上述の通り持て余した07系の有効活用に計画を変更した。
初期の2編成も2007年9月までは運用され、10月以降休車状態であったが、まず、第1編成が2008年の秋季に千代田線の列車無線更新工事に伴う予備車確保を目的に、同線へ転属した。
なお、2009年に東西線の増発が計画されており、そのタイミングで07系全編成を東西線に集結させる予定であった為、既に東西線の帯色に変更された状態で、千代田線及び直通先の常磐線での運用を行った。
なお、東西線でも後年ホームドアが設置されたが、既に05系がドア配置やドアのサイズだけで均等配置、ワイドドア、07系準拠配置の3形態が存在し、さらに全ワイドドアの15000系も存在する為、07系を含め、いずれにも対応できるようにドア自体を大きくしたものを採用した。
その為、07系は2018年から2022年にリニューアル工事を受けながらも、2025年7月時点で全編成が現役である。
追記・修正は06系が2015年以降も運用できる可能性を見つけた人にお願いします。
- 項目名を間違えて「営団地下鉄(東京メトロ06系・07系)電車」にしてしまいました。かっこが気の区切りが適切な「営団地下鉄(東京メトロ)06系・07系電車」に名前を変えようと思っています。異論がない場合、および同意するコメントを確認次第、変更を予定しています -- blackboshi3700 (2025-07-09 13:32:48)
- 「作成直後であれば問題はない」というアドバイスを受け、変更しました。 -- blackboshi3700 (2025-07-09 15:32:17)
- 209500氏のテンプレ、コメント欄部を含む大規模削除を差し戻しさせていただきました -- 名無しさん (2025-07-11 12:03:16)
最終更新:2025年07月11日 15:19