四喜和(麻雀)

登録日:2018/08/11 Sat 23:46:03
更新日:2023/09/03 Sun 22:09:05
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四喜和(スーシーホー)とは麻雀の役の一種で、風牌、即ち東・南・西・北の牌をすべて面子or雀頭として使う役である。
該当する役には小四喜と大四喜の2種類があり、どちらも役満である。






概要


  • 小四喜

中国語の読みに合わせれば「シャオスーシー」となるが、日本では「小」だけ日本語読みで「しょうスーシー」と呼ばれることが一般的。

東・南・西・北の内3つを面子、残り1つを雀頭とすることで出来る役。
形としては三元牌の白・發・中の内2つで面子、残りで雀頭を作る小三元と対になっている。
が、難易度が高い為か、小三元が2翻役(面子の三元牌で更に2翻出来るので実質4翻。)なのに対してこちらは役満になる。

制約がないのは面子1つ分の3牌で、この部分に鳴きが使える為副露の形で混一色っぽく見せることが出来る。順子でも刻子でも作れる分大四喜に比べて難易度は低い。
もちろん役としての難易度はかなり高いが。



  • 大四喜

中国語の読みに合わせれば「タースーシー」となるが、こちらも「大」だけ日本語読みで「だいスーシー」と呼ばれることが一般的。

東・南・西・北を4つ全て面子とすることで出来る役。
形としては大三元とは対になっている。

牌の制約だけを見れば小四喜よりも牌が1枚多いだけだが、制約のない牌が雀頭2枚だけなので、副露による字牌がより晒されやすくなる為非常に作りにくい。


ゲームなどによってはダブル役満として扱われることもある。
「小四喜の上位役」としての扱いになるのだが、形から分かる様に小四喜と大四喜は面子と雀頭の形が異なっている為、直接の上位下位の関係にはなっていない。

日本の麻雀で「単体役でダブル役満」として扱うことがある役には四暗刻単騎純正九蓮宝燈国士無双13面待ち、そして大四喜の4つがあるが他3つは元の役の特別な形なのに対して、この役だけ独立した役になっている。



特徴


基本的に牌の制約がかなり多いので、風牌が十分多くないと狙うのは難しい。
また暗刻で作るのは難しい為、鳴いて作っていくのが基本になるわけだが、ここに問題点が2つある。


1つ目が「鳴きの順番」。
大三元の場合、白・發・中は鳴けばそれで1翻が付くが、四喜和の場合は局と自分の位置によって風牌が「自風牌(自分の番と同じ風牌)」「場風牌(行っている局と同じ風牌)」「オタ風牌(どちらにも該当しない牌)」に分かれる。
それぞれの鳴きの特徴を見ると…

  • 自風牌→その局では自分だけが集めると役になるので鳴きの優先度は高め。
  • 場風牌→その局では全員が集めると役になるので優先度は高いが自風牌に比べると一歩劣る。
  • オタ風牌→鳴いても役にならないので鳴きの優先度は低い。

オタ風牌はその性質上必ず2種類以上になるが、そこを連続して鳴いてしまうと他家に警戒されやすくなってしまう。
(かといって鳴きを無視すればその分和了りも遠のいてしまうのが悩ましい所ではあるが。)

基本的に他家に気付かれにくくなる風牌の鳴きの順は上の理由から自風牌→場風牌→オタ風牌となっているので四喜和を狙う場合はこの順を意識しておくといいかもしれない。


2つ目は「鳴きの回数」。
これは四喜和に限った話ではないが、3回も風牌を鳴けば他家からの警戒が強くなってしまう。上記の通り風牌の暗刻づくりは容易ではない為、振り込みという和了りの可能性がつぶれるといよいよ和了りは困難になる。

このため、最低1つは暗刻で揃えておくと他家からも警戒されにくくなる。




「パオ」と呼ばれるイカサマ防止の為のルール。
所謂「責任払い」の一種で、鳴きによって後1面子が確定すれば役満が成立することが分かっている状況で、その役を成立させるために必要な牌を捨てて役満が確定し、さらにその結果和了りに成功してしまった場合に払う罰則点である。

大四喜も状況次第では包が発生する事がある。

例えば東・西・北を鳴いて3つが見えていたとする。
この状況では南を振り込めば大四喜になる可能性が非常に高い
にも拘らずここで他家が南を打ち込んでポンされてしまい、見事に大四喜が完成してしまったとする。

この状況で振り込んだ本人が放銃した場合は普通通りの点数支払いになるが、ツモで大四喜を和了った場合は、南を振り込んだ者が全ての点(32000点or48000点)を支払い、南を振り込んだ者以外が大四喜を放銃した場合は振り込んだ者が半分の点(16000点or24000点)を支払う。(放銃した者の支払い点は半分に減少する。)


包は大三元や四槓子にも適用される。
一方で鳴きが多用される役満である清老頭の場合、役満であることが確定するには雀頭の形も必要であるため、このような場合は包は成立しない。

同様の理由により小四喜でも包はない。



どれを切っても聴牌


麻雀に関するクイズで「副露のない手牌14枚でどの牌を切っても役満聴牌となる手牌は何か?」というものがあるが、答えは2種類あり、片方は緑一色に関する手牌で当該記事に答えが載っているが、もう1つの答えは四喜和に関する役である。


形としては下の形の様な「東・南・西・北の面子12枚数牌の塔子2枚」となる。
なお対子の場合は既に四暗刻・大四喜(字牌ならば字一色もつく。)の和了形なので答えにならない。



東 東 東 南 南 南 西 西 西 北 北 北


一 二
萬 萬


この時点では大四喜の聴牌になっているが、ここで切る牌によって以下の様になり、どちらも役満になる。

  • 風牌 → 小四喜、三萬辺張待ち。(安目)*1
  • 数牌 → 大四喜・四暗刻単騎、切らなかった側の牌の単騎待ち。(高目)

特に後者はそれ自体でダブル役満、ルール次第では驚異の4倍役満になるという恐ろしい状態である。



余談


  • ローカル役満に超四喜和(ちょうスーシー)というものがあり、大四喜を作るのに必要な面子を全て槓子で揃えるとつく。大四喜の扱い次第だが完全上位役と言えるのでダブル役満とされることがある。必然的に四槓子も複合するが、四槓子自体がそもそもとてつもなく難しい役な上にその槓子を風牌4つにできる確率は限りなく低い。

  • 大四喜も小四喜も、その性質上字一色や四暗刻と複合が可能である。後者はかなり難しいが、前者は制約のない部分が少ない為、それなりに現実的な展望になっている。
    実際、放送されたプロ麻雀では日本プロ麻雀協会の福光聖雄が字一色・小四喜での和了りに成功している。





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最終更新:2023年09月03日 22:09

*1 もちろんこの待ちは塔子の形次第で嵌張待ち・両面待ちにもなりうる。