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17歩(カイジ)

登録日:2018/11/18 Sun 12:30:20
更新日:2026/07/31 Fri 23:02:02
所要時間:約 5 分で読めます




「17()とは、漫画『賭博堕天録カイジ』の中で行われたギャンブルである。

【概要】


裏カジノの経営者である村岡隆が考案したギャンブルであり、作中では主人公・カイジ(伊藤開司)と村岡による対戦が行われた。
麻雀のルールを変形したものであり、麻雀を知っていることが前提となっている。
麻雀そのもののルールは当該項目を参照。

【ルール】


このゲームには自動卓を使用する。(手積みでもいいが、かなりイカサマがやりやすくなる)
2人で行うゲームであり、以下のような手順で行う。

1.通常の麻雀と同様、136枚の牌を34枚ずつ4方向の山に分けて積む。
2.先手、後手を好きな方法で決めた後、先手側が、上家・下家の山(2人の目の前にない左右の山)のうち好きな1枚をめくってドラ表示牌とする。
  なお、この両脇の山68枚(34枚×2)は、このドラ用に開けた1枚以外そのゲームには使わない。
3.お互い、自分の前にある山・34枚を相手に見えないように全て開ける。
4.その34枚の中から13枚を選び、満貫以上*1のテンパイ形を作って自分の手牌とする。制限時間は3分。
5.制限時間が終わり、両者手牌が出来たら本題の麻雀パートを開始する。
  両者ともに手牌に使わなかった21枚を持ち牌として、相手のロン牌でないと思うものを1つ切る。なお、第1打をする際にリーチを宣言する。
6.どちらかが和了る(上がる)か、17枚ずつ切るまで交互に繰り返す。

お互いに17枚ずつ手牌を切り、アガりが発生しなかったら流局。
これを「地雷原を17歩歩くこと」に喩えて「17歩」と命名された。
捨て牌候補は21枚あるため、17枚切っても4枚残ることになるが、相手のテンパイ形によっては当たり牌を5枚以上抱えていることもあるため、
自分が先にあがらないと放銃確実という状況も珍しくない。
また、自分の当たり牌でもある牌を切ってしまうと当然フリテンになってしまうため、「アガるためには切りたくても切れない牌」が発生する可能性もある。

アガりは満貫以上のものしか認められない。
自分で(34枚の山の中からという制約があるとは言え)自由に牌を持ってきて役を作れる以上、テンパイの形自体は作れて当たり前というのが理由である。
複数待ちがあるテンパイ形で、そのうち一部でしか満貫に届かない待ちであってもゲームを開始することはできるが、
満貫にならない方の当たり牌が先に出たら見逃しせざるを得ず、その後に満貫以上になる方の当たり牌が出てもフリテンとしてアガることはできない。
4飜に表ドラは含んで良い(リーチドラ3のみでもOK)が、裏ドラはあくまでおまけであり、あがった時点で満貫以上が確定していなければならない(変則的な「後付けなし」とも言える)。

ルール上手牌を切っていくだけであるためカンが存在せず、ロン上がりしかない。
このルールに絡んで、麻雀の中で成立しない役が存在する。
また、第1打でリーチするのが前提であるため、ダブルリーチは不採用。通常のリーチとして点数計算をする。
親と子に点数の区別はない。純粋に順番のみである。
場風はずっと東、親が東家で子が西家となる。
ツモアガりは無いので海底ツモは無いが、河底ロンはある。

一局精算であり、点棒を扱わず、直接金をやりとりする。
発生したアガりが満貫ならば賭け金の1倍、跳満なら1.5倍、倍満なら2倍、三倍満なら3倍、役満なら4倍の金を放銃者がアガった方に渡す。
流局した場合は賭け金を倍にして次局に進む。


なお、低確率だがどうあがいてもテンパイ形を作れない34枚も存在する。
テンパイ形になっても満貫を作れない確率もそこそこあるが、どのような状況であってもリーチはする必要がある。
ただ、ノーテンリーチしていても「アガる目が無くただ放銃を避け続けなければならない」だけであり、
仮に流局してノーテン形を晒すことになっても罰符は無い。

一部の役の扱いについてはカイジが開始前に確認したため、この項でもほぼセリフ内容をそのまま記載しているが、作中では「先攻の1打目がアタリ牌だった」ケースで人和を認めるか・認める場合役満扱い/倍満or満貫として点数計算打ち切りのどのルールを採用しているのかの確認はなされなかったため、ここのみは不明*2
4枚使いの際に暗槓を宣言できるのかも確認されていないが、こちらはおそらく「ルール上、嶺上牌のツモそのものが出来ない」として不可ではないかと思われる。嶺上開花(嶺上牌でツモアガリする)も認められた役のリストに入っていない。

【プロ雀士による実例】


生放送配信にて、プロ雀士による「17歩」が行われたことがあった。
『カイジ』とは以下のような点でルールが異なる。

  • もちろん賭けない。純粋に点棒をやりとりし、親は子の1.5倍のあがり点である。
  • 赤牌あり。五萬、5ピン、5ソウに1枚ずつ。
  • 親の第1打で子がロンした場合、人和の成立を認める。4翻役扱い。もちろんリーチは成立しない。
  • 明確な時間制限はない。放送なのである程度早めに決めることが求められるが。

『カイジ』は漫画なので漫画的に不都合な展開は起こらないが、やはり現実に行われた対局は様々な不都合があった。
およそ3割は片方のあがり牌が相手の捨て牌候補になく、およそ1割は、両者ともにそうなる。この場合、解説者が止めに入る。

プロ雀士には雀荘の店員として働く者が多いが、彼らが言うには「客がいなくて暇なときにやっている」らしい。

【ゲームのコツ】


カイジと村岡もそうだったが、相手の待ちを読める材料がないため、字牌や1、9牌を先に切るケースが多い。
そこを狙い打つ戦術も有効。それを警戒してあえて2~8の牌を先に切るのが安全かといえば、そっちのほうが危険そうだし……と思考の堂々巡りが始まる。これがある意味、このゲームの醍醐味といえる。
なお、字牌待ちの欠点はそもそも相手の捨て牌候補にあがり牌がない確率も高くなることである。
この辺りはある意味、普通の麻雀と同じである。

自分の持ち牌に同じ字牌が3枚があれば、相手がその牌の単騎待ちでない限りロンされないので、3歩の安全を買える。
4枚なら国士無双にしか当たらないのでもっと安全。
カイジ的には「そのような思考こそ泥沼」だろうが、現実ならかなり有効な手である。
リーチ+混一色は確実に満貫を作れるありがたい役。しかし、他の2色が自分の捨て牌に増えるため混一色を見抜かれやすい。これも普通の麻雀と同じである。
しかも、混一色は大抵、字牌の暗刻を自分の手で使わなければ作れない。前述の安全策が使えず、防御力が低下する。

……と、いろいろ考えた所で、そもそも最初の34枚でどうやっても満貫以上を作れないと言う状況も割と頻発するのだが。漫画では低確率と言っているが、実際には、数局に一度はそういう状況になる。
当然、作れたとしても選択肢は大抵の場合、限られている。「字牌を残せば安全を買える」とか「混一色は防御力が下がるし読まれやすい」などといくら言った所で、「そもそも字牌暗刻使って混一色作らなきゃ満貫にならねぇよ」と言う状況は多い。
そしていくら役を作った所で、前述のプロ対局のように相手の捨て牌候補に当たり牌がない事も非常に多い。メンタンピンのような待ちの多い役よりも、リーチ七対子ドラ2の単騎待ちやリーチ混一色トイトイのシャンポン待ちなど微妙な待ちが多くなると言うのもそれを助長する。

一方でもちろん、高い役が組める可能性もある。役満、と言うか四暗刻と国士無双も、通常対局よりも出やすい(他の役満はまず出ない)。
特に、国士無双に関しては十三面待ちになる可能性も低いながら現実的なレベルで存在し、上がりやすいわ点数は高いわで理不尽に強い。そして、一回上がればそれで勝負がついてしまう。

また、相手の上がり牌を読むこともほとんど不可能である。通常の麻雀ならば、捨て牌の切り順や手出し・ツモ切り、あるいは副露や場況などが読みの対象となるが、そういうものは17歩にはない。
上の方では「思考の堂々巡り」と綺麗に書いたものの、実際には単に正解がない運ゲーだから考えても無駄、と言うだけのことなのだ。

と、このように実際の所かなりバランスは悪く、漫画のような駆け引きや読み合いはまず発生しない。現実のゲームとしては、欠陥の多いルールである。
だが、漫画と同じ楽しみ方をできる部分もある。それは、いつ地雷を踏むかわからないスリルである。
読みあいが難しいからこそ、自分の捨て牌候補のどれが地雷であるのかなど、全く分からない。実は地雷が一つも埋まっていない可能性があるし、逆にどうやっても避ける事が出来ないかもしれない。
その理不尽かつ予想不可能のスリルが、17歩と言うゲームの骨子と言えるだろう。




【4人17歩】


上記のルールをさらに応用して、4人による17歩の生放送もあった。
以下のような追加ルールが加わる。

  • ドラおよび裏ドラはない
  • 満貫縛りを撤去

2人での「17歩」と同様に、親から順に切り、自分の第1打より先にロンできたら人和が成立。

自分以外の3人がリーチしているなんて状況は滅多に成立しない。
普通なら自分がリーチすればオートツモ切りなので運を天に任せるだけでいいが、
この17歩ではそれが許されない。同じ17歩でも地雷の数は3倍である。

このように常に緊張を強いられるゲームである。自分のあがり形は既に確定していて、
いかに他人のあがり牌を切らないかだけを考えるルールになっていることが、それに拍車をかけている。

このような特殊な状況が生んだ珍プレーがあり、実際に戦ったプロ雀士で、
上家が切って通った現物が自分の手牌の中にあったため、自分の手牌から現物を切ってしまった者がいた。
もちろん解説者と視聴者は大爆笑だった。

上のルールはプロ雀士による実践例だが、ドラがないと物足りないというのであれば、麻雀牌をもう一組持ってきてランダムにドラ表示牌を決める、とかやってみるといい。
この場合は満貫縛りを復活させてもいいし、そうすると役を作らないといけないので読みの要素が加わってくる。真面目に読もうとすると福本漫画ばりに時間がかかるが






追記・修正は不要牌を17枚切ってからお願いします。

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最終更新:2026年07月31日 23:02

*1 作中では符計算がされている様子が無かったため、切り上げ満貫のルールが採用されていると思われる

*2 リーチ一発については「人和扱いはしない普通の一発」と解説されたが、リーチをかける前のことには説明がない。認めている役として出された表に人和の記載はない以上、リーチも一発も乗らない状態でのアガりとされるか、それで満貫に足りなくてもリーチ前の見逃しなので次のターン以後もフリテン扱いにはならないといったところだと思われるが詳細不明。