賭博堕天録カイジ

登録日:2019/12/25 Wed 18:37:22
更新日:2025/03/19 Wed 13:04:56
所要時間:約 6 分で読めます







空虚…!




賭博堕天録カイジとは、福本伸行による漫画作品。


【概要】

週刊ヤングマガジンにて2004年28号から2008年8号まで連載。全13巻。

賭博破戒録カイジ』の続編であり、前作最終回から半年後の世界を舞台とする。
破戒録同様、前作の続編というよりはタイトル変更による新章開幕である。

理由は後述するが、以前までのシリーズと比べると作品評価は賛否が分かれる事態となった。

前作同様に13巻で終了し、休養期間を経て続編の『賭博堕天録カイジ 和也編』へと続く。
巻数リセットは行われているが、以降はタイトルは『賭博堕天録カイジ ○○編』となる流れとなっている。
シナリオ的にも期間を開けずに話が地続きとなっており、『賭博堕天録』は本作では終わっていない。
前作で例えるなら、わざわざ『賭博破戒録カイジ 地下王国編』『賭博破戒録カイジ「沼」編』に単行本を分けた状態という事である。

前作及び前々作と比べるとメディアミックスでの利用は控えめで、アニメ化実写化も現在の時点で行われていない。
まあこの点は「17歩編」は完結しても「堕天録編」自体は続いている事情もあるか。

【作風】

基本的な作風はこれまでと変化していないが、作品構造に以下のような変化が見られる。

◯1シリーズに1ギャンブル

これまでは1シリーズ内に最低2つ以上のギャンブルを行っていた。
しかし、本シリーズは1つのギャンブルをプレイ終了するまでに全13巻を費やしており、描写が長くなっている。
この影響で作品のシナリオの展開速度がスローペースとなっており、賛否分かれる結果となった。
ただし、リアルタイムで連載を追うと遅く感じる分、単行本で読むと巻数自体が長くないこともあって読みやすい。

本作以降もシナリオのスローペース化が続いたことで、一夜を過ごすのに現実時間で長い月日が流れることに。
この点がネタにされることもあるが、福本氏の他作品には一戦で20年費やした作品もあるので、作者的にはそれと比べれば然程長くない扱いなのかもしれない。

◯題材となるギャンブルの専門性が強い

本作のギャンブル「17歩」は麻雀を題材にしている。
そのため、読書には麻雀のルールを認知しておく必要性がある(ルールは知らなくても流れは楽しめるが)。
麻雀を知らないと初見では読みにくいとの指摘があり、これまではルールがシンプルだったカイジシリーズらしくないとの意見も出ている。
一応、前作の時点でチンチロリンパチンコなどの一定の知識が必要なギャンブルは題材になっていたが、それらのルール自体は簡単だった。
その一方で、麻雀のルールを認知しておけば面白く読めるとの意見も多い。

麻雀自体は青年向けギャンブル漫画では定番の題材であり、福本氏の経歴も考えるとカイジでも扱うのは自然な話だったりはする。
もっともヤングマガジンは非麻雀雑誌なので、その辺の認識でまた賛否分かれているのだが。

【あらすじ】

「沼」での死闘が終わってから半年後。色々あったが地下から脱出して借金を完済したカイジは自由の身だった。

「沼」で共闘した坂崎孝太郎は、勝利金で自宅を購入して家族とヨリを戻したことで恩人としてカイジを元旦に自宅に呼ぶ。
ところが、カイジはそんな坂崎の自宅に居候状態へ突入し、バイトすらせずに堕落した日々を送っていた。
堕落したその姿や娘との関係性を危険視した坂崎は、手切れ金として300万円を渡し、追い出した。

そんな日々を送っていたカイジは、半年前に地下で共闘した『45組』メンバーの三好・前田と再会する。
そして彼らが勤める裏カジノの社長・村岡から大金を騙し取る計画を持ちかけられる。

カイジは坂崎から受け取った300万を軍資金に、村岡が考案した変則麻雀「17歩」に挑む。

【主な登場人物】

CV:萩原聖人
演:藤原竜也
「沼」で勝利するも、その後に遠藤に騙されて無一文状態となってた主人公。
坂崎の自宅に恩人として招かれるが、坂崎一家に50日も居座ってニート生活を送る。
そのせいで坂崎に存在を危険視され、300万円の手切れ金と共に坂崎宅から追放された。
前作のギャンブルでの大勝の影響で感覚が狂ったのか、元々社会不適合者だった性質が悪化している。

  • 坂崎孝太郎
CV:二又一成
演:生瀬勝久
「沼」で勝利後、マイホームを購入。家族とも和解に成功した。
当初は恩人としてカイジにも好意的だったが、居候を続ける姿や娘との関係性の発展を恐れて険悪な関係になり、300万円を渡してカイジを追い出した。
ギャンブルからは引退し、家族と過ごす日々に充実感を感じている。

CV:久保ユリカ(パチスロ版)
前作の時点で存在が示唆されていた坂崎の娘。年齢は20歳の様子。
父親からは美人だと思われていて寵愛されているが、実際は残念なことに顔面偏差値はかなり下(父親視点では顔面補正が入るのは当たり前だが)。
経緯は不明だがカイジに好意を抱いており、彼に積極的にアピールして尽くす様子を見せる。
性格は悪くないが、顔の印象に加えて積極的過ぎて恥知らずになっている行動もあり、カイジからの評価は低い。
しかし、続編ではカイジ側も美心を利用している事実が判明し、関係性は複雑…というか恋心を弄ばれている。

  • 三好智広
  • 前田
CV:遊佐浩二、梶雅人
前作の地下チンチロ編にてカイジと協力して地上生還を達成した「45組」の内の二人組。
地上生還後、村岡の経営する裏カジノに就職するも、ギャンブルにのめり込んで結局借金生活になる。
本作でカイジと再会し、村岡から金を奪うための共闘を持ち掛ける。

CV:木下浩之(パチンコ版)/中尾隆聖(パチスロ版)
三好・前田コンビの就職先であり、帝愛グループの系列にある裏カジノの社長。本作のラスボス
「ざんす」を語尾につけるのが特徴的で、自ら考案した変則二人麻雀「17歩」でカイジと戦う。
努力や信頼が嫌いで他人を減点方式で見るタイプな上、金銭感覚に関しても税金すら払いたくない程のケチな小悪党。
と比べると小物感が強いが、その一方で小物故の博才を持つ今までにいないタイプの敵であり、カイジは相当苦戦した。

  • 兵藤和也
CV:山口勝平(パチンコ版)
「17歩」の最中に、カイジの目の前に現れた青年。正体は帝愛グループ会長・兵藤和尊の息子であり、途中でカイジにその関係を明かす。
カイジに貸す形で軍資金を提供し、後に身体の各部位に保険金をかけた『欠損事故ルーレット』を持ち出して軍資金を貸し出した。
本作では「17歩」の立会人として観客的役割にもなっており、カイジと本格的に戦うのは次作以降になる。
父親に負けず劣らずの凶悪な人間だが、村岡のあまりの見苦しさに呆然と呆れるなど、父親はまずしないような感情表現も見せる。

  • 坂崎の妻
坂崎の妻の中年女性。本名不明。
会社をクビになって落ちぶれた夫に呆れ、娘の美心を連れて離婚。
本作では「沼」勝利後に坂崎がマイホームを購入したことで、掌返しで娘と共に坂崎の前に帰還して同居している。








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