魔導獣(遊戯王OCG)

登録日:2017/04/29 (土) 07:45:23
更新日:2023/11/20 Mon 18:33:27
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魔導獣(マジックビースト)」とは遊戯王OCGに登場するカテゴリである。
所属するカード自体は2005年の「ストラクチャーデッキ-魔法使いの裁き-」で魔導獣 ケルベロスが登場していたのだが、それから12年を経たエクストリーム・フォースにおいて魔力カウンターを使用するカテゴリとして成立した。

【概要】

属するモンスターは以下の共通する永続効果を持つ。
このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分または相手が魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを(決められた数)置く。
また、カテゴリの大半はペンデュラムモンスターだが、ペンデュラムスケールは全て4で統一されており、カテゴリ内でのペンデュラム召喚はできない。

ペンデュラム効果はPゾーンのカードが自身のみの場合に発動できるという条件があり、そもそもスケールのセッティング自体が想定されていない。
あくまでも「魔法カードとしてペンデュラムゾーンに発動する」ことを重視し、魔力カウンターに特化した構築となっている。

ちなみに、いずれもペンデュラムゾーンにある間は魔力カウンターを置けないことに注意。
さらに、ペンデュラム召喚ができない関係上、EXデッキ送りになった魔導獣の再利用は困難。サルベージ手段を活用するか、自壊するペンデュラム効果持ちを採用するのも手。


【所属モンスター】


効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1400/守1400
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分または相手が魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを1つ置く。
(2):このカードの攻撃力は、このカードの魔力カウンターの数×500アップする。
(3):このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に
このカードの魔力カウンターは全て取り除かれる。
元祖魔導獣。詳細は項目にて。

  • 魔導獣(マジックビースト) ジャッカル
ペンデュラム・効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守1400
【Pスケール:青4/赤4】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合、
自分フィールドの魔力カウンターを置く事ができるカード1枚を対象として発動できる。
このカードを破壊し、そのカードに魔力カウンターを1つ置く。
【モンスター効果】
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分または相手が魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを1つ置く。
(2):自分フィールドの魔力カウンターを3つ取り除き、このカードをリリースして発動できる。
デッキから「魔導獣 ジャッカル」以外の「魔導獣」効果モンスター1体を特殊召喚する。
レベル1の魔導獣。ペンデュラム効果により魔力カウンター1つに変わる。
モンスター効果としてはリリースによる魔導獣のリクルーターであり、マスターケルベロスやキングジャッカルを手っ取り早く呼べるのは大きい。

  • 魔導獣(マジックビースト) ガルーダ
ペンデュラム・効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1200/守1600
【Pスケール:青4/赤4】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合、
このカード以外のフィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードとこのカードを破壊する。
【モンスター効果】
このカード名の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、
自分フィールドの魔力カウンターを3つ取り除いて発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
その後、相手が召喚・特殊召喚したそのモンスターを持ち主の手札に戻す。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分または相手が魔法カードを発動する度に、
このカードに魔力カウンターを1つ置く。
ペンデュラム効果は要するにサイクロン。
モンスター効果は召喚反応型のバウンス型自己SSだが、召喚自体を潰せるわけではないので誘発効果は通してしまう。
また、魔力カウンターを要する関係で1ターン目には基本使えないのも痛い。
魔力カウンターを貯蓄する共通効果は単体だとただの飾りになるので、コンボを意識しないと使いづらい。


  • 魔導獣(マジックビースト) バジリスク
ペンデュラム・効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1800/守 500
【Pスケール:青4/赤4】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。
このカードを破壊し、自分のEXデッキから「魔導獣 バジリスク」以外の
表側表示の魔法使い族Pモンスター1体をデッキに戻す。
その後、自分はデッキから1枚ドローする。
【モンスター効果】
このカード名の(2)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分または相手が魔法カードを発動する度に、
このカードに魔力カウンターを1つ置く。
(2):自分フィールドの魔力カウンターを3つ取り除いて発動できる。
自分のPゾーンのカード及び自分のEXデッキの表側表示のPモンスターの中から、
「魔導獣」カード1枚を選んで持ち主の手札に戻す。
ペンデュラム効果はEXデッキに加わった魔法使いPモンスターをコストにしてのドロー、モンスター効果は魔導獣のサルベージ。
ペンデュラム召喚による再展開が困難な魔導獣デッキでは貴重なエンジンとなる。ペンデュラムゾーンで効果を使って破壊された魔導獣が狙い目。


  • 魔導獣(マジックビースト) メデューサ
ペンデュラム・効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1500/守1500
【Pスケール:青4/赤4】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合、
自分の墓地の魔力カウンターを置く事ができるモンスター1体を対象として発動できる。
このカードを破壊し、そのモンスターを特殊召喚し、
そのモンスターに魔力カウンターを1つ置く。
【モンスター効果】
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分または相手が魔法カードを発動する度に、
このカードに魔力カウンターを1つ置く。
(2):1ターンに1度、自分・相手のバトルフェイズに、
自分フィールドの魔力カウンターを2つ取り除き、
フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで半分になる。
ペンデュラム効果は魔力カウンター対応モンスターの蘇生とカウンターの補充。魔導獣はケルベロス以外ペンデュラムモンスターなので墓地には行きづらく、カテゴリ外のモンスターではブレイカー辺りが狙い目となる。
モンスター効果は攻撃力半減。相手のターンにも使えるので戦闘へのけん制となり、単体でも攻撃力3000までは処理できる。ただし1ターンに1度だけなので、処理すべき相手を間違うと悲惨。

  • 魔導獣(マジックビースト) キングジャッカル
ペンデュラム・効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1400
【Pスケール:青4/赤4】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。
このカードを破壊し、自分のEXデッキから「魔導獣 キングジャッカル」以外の
表側表示の「魔導獣」Pモンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター効果】
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分または相手が魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを2つ置く。
(2):1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、
自分フィールドの魔力カウンターを2つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
ジャッカルの進化系。ペンデュラム効果はEXデッキからの魔導獣復活。EXデッキ送りになった魔導獣再利用の方法の一つで、マスターケルベロスでサーチすればそのまま向こうを蘇生できる。
ただ同名カードを呼べないため、特殊召喚の手段はレベル1の方のジャッカルに限られてくる。
モンスター効果は魔力カウンターを使っての「天罰」だが、こいつは自前の効果で乗るカウンターが2つなので、適当な魔法1枚でコストを確保できる。

  • 魔導獣(マジックビースト) マスターケルベロス
ペンデュラム・効果モンスター
星8/光属性/魔法使い族/攻2800/守2800
【Pスケール:青4/赤4】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。
このカードを破壊し、デッキからレベル7以下の「魔導獣」効果モンスター1体を手札に加える。
【モンスター効果】
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分または相手が魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを2つ置く。
(2):自分フィールドに魔力カウンターが4つ以上存在する場合、
このカードは効果では破壊されない。
(3):1ターンに1度、自分フィールドの魔力カウンターを4つ取り除き、
相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
このカードの攻撃力は相手ターン終了時まで、除外したそのモンスターの元々の攻撃力分アップする。
ケルベロスの進化系。魔導獣のカシラ。
ペンデュラム効果は魔導獣のサーチ。レベル制限があるためこいつ自体はサーチできない。
ジャッカルをサーチすればカウンターが稼げ、キングジャッカルならば即座に特殊召喚に繋げられる。
モンスター効果でまず、キング同様2つずつカウンターが乗るため貯蓄速度は速い。自分フィールドに4つ以上カウンターがあれば効果破壊耐性を得るので、フィールド魔法のエンディミオン辺りと併用するのがベター。
単体除去効果は対象を取るが、除外なので昨今どどんと増加した破壊耐性をスルーできるのが嬉しいところ。ただしコストとなる魔力カウンターが4つと多いため、積極的にカウンターを溜めて行かないと厳しい。

【魔法カード】

  • 獣・魔・導(ビースト・マジック)
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの魔力カウンターを以下の数だけ取り除き、その効果を発動できる。
●2つ:自分フィールドの「魔導獣」Pモンスター1体を選んで持ち主の手札に戻す。
●4つ:自分のEXデッキから表側表示の「魔導獣」Pモンスター1体を特殊召喚する。
その後、そのモンスターに魔力カウンターを2つ置く事ができる。
●6つ:自分のEXデッキから表側表示のPモンスター1体を特殊召喚する。
サイバネティック・ホライゾンで登場した「黒・魔・導」のパロカード。
魔導獣のサポートカード……のはずなのだが、2つの効果は除去回避に使えるくらい、4つの効果はキングジャッカルがほぼ上位互換、6つの効果は「ペンデュラム・リボーン」なら遅いがノーコスト……と、このカードならではの強みがほとんどないのが厳しい。

  • 魔導研究所(マジック・ラボ)
永続魔法
(1):自分フィールドの表側表示の「魔導獣」Pモンスターカードが戦闘・効果で破壊される度に
このカードに魔力カウンターを2つ置く。
(2):1ターンに1度、自分フィールドの魔力カウンターを任意の数だけ取り除いて発動できる。
取り除いた数と同じレベルを持つ、魔力カウンターを置く事ができるモンスター1体を、
デッキのモンスター及び自分のEXデッキの表側表示のPモンスターの中から選んで手札に加える。
(3):フィールドのこのカードが効果で破壊される場合、
代わりにこのカードの魔力カウンターを1つ取り除く事ができる。
サポートカードその2。魔導獣の破壊をトリガーに魔力カウンターを貯蓄し、自身の破壊はカウンターで肩代わり、カウンターをコストに魔力カウンター対応モンスターをサーチできる。
貯蓄する数が一度に2つと多く、またペンデュラム効果による自壊にも対応しているため、素晴らしい勢いでカウンターが貯まっていく。
ただしある程度デッキが回転していないと腐るので、採用枚数は考えたい。

【関連カード】

  • 魔導加速(マジック・ブースト)
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分のデッキの上からカードを2枚墓地へ送り、
フィールドの魔力カウンターを置く事ができるカード1枚を対象として発動できる。
そのカードに魔力カウンターを2つまで置く。
(2):このカードが相手の効果で破壊された場合に発動できる。
魔力カウンターを置く事ができるモンスター1体をデッキから特殊召喚し、
そのモンスターに魔力カウンターを2つまで置く。
墓地肥やしとカウンター補充を一手に賄う良カードで、相手によって破壊された場合はモンスターをリクルートして来る。
ブラフとしてセットし、除去を牽制するという使い方も一応ありか。

  • 魔導変換(マジック・バースト)
永続罠
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
相手モンスターの効果が発動する度に、
このカードに魔力カウンターを1つ置く。
(2):魔力カウンターが6つ以上置かれているこのカードを墓地へ送って発動できる。
デッキから魔法カード1枚を手札に加える。
魔力カウンターをコストにして魔法カードをサーチする永続罠。
溜めるスピードが遅いので「魔導加速」などのフォローを行うか、開き直ってカウンターを溜めるカードとして使うのがベター。

  • 魔法都市エンディミオン
魔力カウンター貯蓄役となる。また、カウンターを持ったモンスターが破壊された場合にカウンターを回収できるため、フィールドのカウンターの総量を保つことができる。
序盤からのカウンター貯蓄に役立つが、このデッキに組み込むとモノスゲーイ勢いで魔力カウンターが増えていくため、最終的に持て余す。適度にコストの肩代わりを行いたい。

  • ペンデュラム・パラドックス
スケールの同じペンデュラム2体をEXデッキから回収する。魔導獣は全てスケール4なので、このカードで一気に回収して再利用したい。

  • オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
ご存じオッP。ケルベロス・ジャッカル・ガルーダ・メデューサをサーチできるが、相手のターンに握りたいガルーダを持ってこられるのが一番大きい。「デュエリスト・アドベント」でサーチが効くため、魔法カードの回数を稼ぐのにも役立つ。
このデッキでは完全なサーチ役となる。


【戦法】

とにかく真っ先にマスターケルベロスやキングジャッカルを立て、魔力カウンターをどんどこ溜めていく。
相手のターンの展開はガルーダや罠で潰しつつ、2体の上級モンスターで押し切るのが基本戦術となる。マスターケルベロス・キングジャッカルさえあれば魔導獣として最低限動けるため、プレイヤーによって構築が大きく変わってくる。
それでも、サルベージカードとなるペンデュラム・パラドックスだけは3枚積みしておきたい。

一方フィールドの魔力カウンターをコストに要求する都合上、相手に動きが読まれやすい。
最低でも3つは常に確保しておかないと先細りになるため、「魔法都市エンディミオン」くらいは張っておきたい。

弱点としてはスキルドレインによる効果無効など、モンスターメタが一通り刺さる。




追記・修正は魔力カウンターを10個取り除いてお願いします。

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最終更新:2023年11月20日 18:33