サイクロン(遊戯王OCG)

登録日:2012/06/07(木) 10:49:08
更新日:2022/02/07 Mon 19:55:29
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《サイクロン》
速攻魔法
(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。


遊戯王OCGに存在するカード。
フィールドの魔法・罠カードを1枚破壊するというシンプルな効果を持つ速攻魔法である。

いわゆる「伏せ除去」「バック除去」の代表格であり、
魔法・罠除去カードは数多くあれど、以下に挙げるようにメリットが多い。
似たような性能のカードの中では、最も汎用性が高いと言っても過言ではないだろう。

  • LP、手札などの発動コストがない
  • 魔法・罠カードを問わない(ペンデュラムモンスター)
  • 表・裏側表示も問わない
  • 自分のカードを破壊するコンボにも使用可能
  • 速攻魔法故にスペルスピードが2(ダメステ以外で優先権が自分にある場合なら自由に発動できる)*1



特にスペルスピードが2である点が強力。
単にメインフェイズ1で発動して《奈落》や《激流葬》を潰してもいいが、それ以外にも多種多様な使い方がある。

例えば、装備魔法で強化した相手モンスターが攻撃してきた場合、攻撃宣言時に《サイクロン》を発動することで返り討ちにできる。

ブラフとしてとりあえず伏せておくのも有効。
このカードに対する相手の魔法・罠除去を撃ってきたら、それを無駄にしつつ他のカードを破壊できる。

ただし自分が《サイクロン》撃ったら相手も《サイクロン》撃ってきたというのはよくある話。

装備魔法、永続魔法、永続罠、フィールド魔法は効果解決時にフィールドに残っていないと効果が処理されない。
そのため発動にチェーンすることで、効果を処理させずに破壊できる。
つまり不発にできるのである。

魔法カードの天敵である《王宮の勅命》すらも、チェーンする形で発動すれば対処できるのである。

特に第9期以降のフィールド魔法は発動時にデッキサーチを行うものが多いため、その対策にもなる。

このカードの存在から、これらのカードをキーカードとするデッキは、常に除去の危険性に晒されることになる。


また、相手伏せたフリーチェーンカードをチェーン発動させることなく破壊する「エンドサイク」というプレイングもある。
相手が速攻魔法や罠カードを伏せた時、そのターンのエンドフェイズに《サイクロン》を打つのがポイント。速攻魔法と罠カードの「伏せたターンには発動できない」ルールによって、チェーン発動を許さず破壊できるのである。

エンドフェイズまで待つことによって、相手は手札に他にセットできるカードがあったとしてもメインフェイズは過ぎているのでもうセットはできない。

また破壊対象がそれ以前のターンに伏せられたカードでも、
伏せられた他のカウンター罠の発動などを防ぐ、効果がエンドフェイズまでしかないカードを実質無力化させる、といった利点がある。

ちなみにこの使い方は《サイクロン》以外にも、他のフリーチェーン除去カードでも使えるテクニック。
《サンダー・ブレイク》《鳳翼の爆風》《ゴッドバードアタック》などで使える。
エンドサイクをする場合は後述の「砂塵の大竜巻」のほうが役に立つことも多いが。

他には、普通ならメリットにはなり得ないが、自分フィールド上のカードを破壊することもできる。

破壊されることによって効果を発動する《歯車街》などを破壊する、自分フィールド上にも影響を及ぼすロックカードを取り除く、
自分の《スターダスト・ドラゴン》が破壊以外の効果で除去されそうになった時に、
このカードの破壊にチェーンさせてサクリファイス・エスケープするなどの用途がある(《トリシューラ》?諦めろ)。

また、相手モンスターの直接攻撃時に自分フィールド上のカードを破壊することで、
相手が予期しないタイミングで《冥府の使者ゴーズ》を特殊召喚することができる。

この時に、破壊するカードは腐ってしまっているカードを選べばディスアドバンテージが少なくなる。


ちなみに、永続カード以外の発動に対して《サイクロン》を撃っても効果は止められない
初心者が《ミラフォ》などを《サイクロン》で破壊して効果を止めようとすることは多々見られるが、不可能である。

これは、遊戯王OCGのルール上「カードの破壊」と「効果の無効」は別であるため。
破壊はできてもそのカードの発動と効果は無効化できないので意味はない。
初心者がこのカード1枚でなんでも無効にしようとするのはよくあるが、優しく諭してあげよう。

初めて収録されたのは2000年4月20日に発売された第二期の第一弾「Magic Rular ―魔法の支配者―」
新エキスパートルールで速攻魔法の概念が登場してから初めてのパックであり、速攻魔法の代表格である。
新エキスパートルール導入とこいつの登場で「魔法除去」はほとんど価値を失ったといえる。

必須級カードであることから現在まで再録回数は30回を越え、現在最も再録回数が多いカードである。
ただしGX終盤~ZEXAL中盤辺りはなかなか再録されず、この時期に準制限に降格したりしたので地味に集めるのは大変だった。

その後、第9期になってから再録回数が激増し毎年のスターターデッキでは毎年再録され、ブースターSPにおいては6回中3回再録されている。
九期での再録は 8回*1 であり四期のストラクに毎回入っていた 9回 に次ぐ多さ。
特に「デュエリストエントリーデッキVS」では各デッキに2枚ずつ入っているためサイクロン 4枚入り というサイクロンマニアの大満足の仕様だったので大分流通量と価格は落ち着いている。

最盛期には「相手の伏せをサイクで割ったら、サイクだった」というのは遊戯王OCGにおける代表的なあるあるネタ。

1枚1枚のアドバンテージの取り合いが重視されていた第5期後半以前の環境では破格の性能をしており、2004年9月1日から制限カードになり、長くその座にいた。

その後、6年もの歳月が流れた2010年9月に準制限カードに緩和、さらにそれから1年後の2011年9月には無制限カードとなった。
現在では《羽根帚》が制限復帰しているあたり、環境の変化が現れている。
また無制限になったことで「今まではとりあえず一枚入れたけど、今は逆に枚数に悩む」という声も上がってきている。


なお、類似する魔法・罠除去カードは多数あり、ここまでで述べてきた戦略は、共通する点があればそれらでも同じように活用できる。
しかし、適当に使うとこのカードの下位互換になってしまうカードもあるので、採用理由はよく考えたい。


《サイクロン》の亜種カード

○砂塵の大竜巻
サイクロンの後に登場した通常罠。
手札から発動できず、自分の場のカードは破壊できないと除去効果だけ見れば下位互換である。
サイクロンの制限時代には代用としてよく投入されていた。

しかし、このカードには「自分の手札から魔法・罠を1枚セットできる」という効果があり、
《マインドクラッシュ》に指名された魔法・罠を退避させたり、《歯車街》など破壊を条件とする任意効果をタイミングを逃させるなど、サイクロンには出来ない独自の動きができる。

また、エンドサイクならぬエンド砂塵する場合はこちらのほうが強力。
なぜなら「罠カードは伏せたターンに発動できない」「それ故に破壊されやすい」というデメリットを
このカードは相手ターンのエンドフェイズに行うことで実質回避できるのである。
仮に相手にエンドサイクされた場合でも被害がこのカードだけで済む点も魅力。

サイクロンが規制されていた時代ではフリーチェーンの魔法・罠を破壊するカードとしては癖が少なくセット効果を一切使わない場合でも代理のサイクロンとして良く採用されていた。
サイクロンの相互互換の速攻魔法が増えた現在では採用するにはカードをセットする効果まで活かす必要がある。

なお、TFで味方にサイクロンを持たせると変なタイミングで暴発させる危険性があるので
「相手のカードのみ」対象に取れるこちらをあえて投入するという対処法がある。


○ダブル・サイクロン
相手の場の魔法・罠1枚に加え、自分の場の魔法・罠も1枚破壊する速攻魔法。
普通に使うと1枚の損になってしまうので、何らかのコンボに繋げるべき。

《歯車街》や《ゴブリンのやりくり上手》《アーティファクト》など自ら破壊することに意味のあるカードとのコンボが強力。
それらを戦術に含める場合はサイクロンよりも重要となるだろう。
下記の砂塵の大嵐の登場により採用を考える場合は速攻魔法である点を活かすことも重要になった。


○ナイト・ショット
相手のセットされた魔法・罠を一枚破壊できる通常魔法。
対象になったカードをチェーン発動させないという利点がある。

ただし、表側になった永続カードを破壊できない・相手ターンに発動できないという欠点がある。

強制脱出装置》のようなフリーチェーンのカードを処理したい場合には有効となる。

細かい点だが、対象になったカードがチェーンできないのはナイト・ショットが対象に取った直後のみである。それ以外のカードをチェーンして挟み込まれると発動を許してしまうので注意。
それでもフリーチェーンが多い環境やそれらが大量投入される【HERO】等に滅法強く、環境でもたまに顔を覗かせている。


○ギャラクシー・サイクロン
セットされた魔法・罠を1枚破壊できる通常魔法。
さらに墓地から除外することで、表側表示の魔法・罠を破壊できる。

普通に使うと《ナイト・ショット》の下位互換だが、1枚で2枚分の働きが約束されているという一見高性能なカード。

だが、相手が永続カードを使わなければ基本的に(2)の意味は無く、
最近の環境では相手にターンを渡したらこちらのターンが来る前にワンショットキルされることも少なくない。

なので投入する場合は墓地からも発動できる事を活かしたい。例えば、墓地肥やしが得意な【ライトロード】との相性はよい。
また名前のおかげで兄さんのデッキのサポートが地味に受けられたりする。

ちなみにどちらの効果も相手だけではなく自分の場のカードも破壊できるのでその手のコンボで使うのもあり。
また自分の場をうっかり埋めてしまった場合に(2)の効果で破壊できる場面もたまにある。
架空デュエルだとたまにこの手のうっかりがある


○コズミック・サイクロン
1000LPの発動コストと引き換えに、フィールドの魔法・罠カード1枚を 除外 できる速攻魔法。

破壊された時に効果を発動するカードを封じると同時に、近年増えている墓地へ送られた場合に効果が発動するカード、墓地から除外して使える魔法・罠や、破壊されても再利用の容易なペンデュラムモンスターへのメタになる。

ただし、1000LPを払うのは意外と重く、特に環境が高速化している現在では勝敗を分ける事もある。特にLPが少ない時に引くと腐ってしまうので、あくまで相互互換として環境を読んで使うべきカードである。

また《サイクロン》と違って自分の場のカードを破壊するコンボができない点もデッキによっては影響する。
魔法・罠はモンスターに比べれば除外する意味があるものは少なく、
意味もなく投入すると「高コストなサイクロン」にもなるので仮装敵によって他サイクロンシリーズと使い分けが重要になる。

ただ、第9期・10期は上記の破壊をトリガー・墓地から再利用する魔法罠が多いため、こちらを投入して終わりというパターンも多い。


○ツインツイスター
手札1枚を捨てる発動コストがあるが、フィールドの魔法・罠を2枚まで破壊できる速攻魔法。
2:2交換ではあるが、一度に2枚破壊できる速攻魔法であり光る場面は多いだろう。墓地に送りたいカードが多いデッキならば発動コストも無駄にはならず、むしろデッキの回転を助けることができる。

登場当初はついにサイクロンもお役御免かと言われたものの、後述の点から相互互換と言える。
なお、手札一枚というのは状況にもよるがライフよりも重い場合が多々あり、
デッキを深く理解していない場合は軽く投入するのは考えた方がいい。

一枚のみの破壊も可能なのは強みでもあるが、
それでも前述の手札コストの影響もありフィールド魔法や永続魔法・罠などをチェーンして破壊するのにはあまり向かない。
また大量破壊メタの《大革命返し》や《スターライト・ロード》等に引っかかってしまう為、
こうなると2:2交換どころか2:1交換となりやるだけアド損となるので散々な目にあう。

逆に言えば手札コストを利用できるデッキでは破壊でアドを取りつつ墓地へ送りたいカードを墓地へ送ってしまうとんでもないアドの塊とも言えるカードになる。
実際登場した当時や直後の環境デッキは手札コストを利用できたデッキの方が多かったがな!


○サイコロン
サイコロを振り、出た目によって異なる効果が発生するギャンブル系の速攻魔法。
5の目が出れば魔法・罠カードを2枚破壊でき、2・3・4の目が出ればサイクロンと同じく1枚破壊
しかし、1・6の目が出た時は1枚も破壊できない上に自分が1000ポイントのダメージを受けてしまう。
本家サイクロンを使うよりも得する可能性が1/6しかなく、期待値で見れば1枚にも満たないのが痛い。
サイコロの目を操作する永続罠「出たら目」も1か6にしかできないため意味がない。
ギャンブルカードの中でも割に合わず、あまり発展性もないのが残念な所。
一応、発動時は「カードを破壊する効果」が確定していない為、
スターダスト・ドラゴン等に無効化されないという独自の利点もある。
対象を取る効果ではなく効果解決時に破壊するカードを選ぶため1枚破壊の2・3・4の目が出てもサイクロンの上位互換の動きはできる。


○タイフーン
EXTRA PACK 2015で輸入された海外産サイクロン。
罠カードで表側の魔法・罠しか破壊できないが自分フィールドにセットカードが存在せず相手フィールド上に2枚以上魔法・罠カードが存在すれば手札から発動できる。
つまり後攻の場合は相手の先攻1ターン目に手札から発動することもできる。
手札誘発としても使える罠カードでペンデュラムデッキやフィールド魔法や永続魔法を多用するデッキへのメタにもなる。


○砂塵の大嵐
魔法・罠カードを2枚まで破壊できる罠カード。
デメリットとして発動ターンはバトルフェイズが行えない。

罠カードでありセットしてから発動までのラグはあるもののノーコストで魔法・罠カードを2枚まで破壊できるため破格の1:2交換を実現できる。
発動ターンバトルフェイズが行えないデメリットは、相手ターンで発動する分には問題はない。

速効性がある分《ツインツイスター》の方が使い勝手は良いが、低速なデッキならばこちらが優先される。
相手のターン中に自分のカードを破壊できるため《アーティファクト》とは相性がいい。


○ツイスター、トルネード、一陣の風
《サイクロン》制限時代に登場したサイクロンの調整版シリーズ。
  • ツイスター:「表側限定+500のライフコストが発動に必要」
  • トルネード:「相手の魔法・罠ゾーンにカードが3枚以上存在するときに発動可能」
  • 一陣の風:「チェーン3以降に発動可能」
と、「サイクロンに発動条件や対象の制限がついただけ」となっている。
《砂塵の大竜巻》の存在もあり採用されにくかったが、それでも《ツイスター》は比較的癖が少なく永続やフィールド魔法、ペンデュラムメタにサイクロンをフル投入しても足りない場合には使われることが多かった。

実際、サイクロンが実装されていないアプリゲーム「デュエルリンクス」では、ある程度の地位にいた時期もあった。

だが他の2つは(限定的に使われることはあったものの)殆ど出番はなかった。
サイクロンが無制限に緩和されサイクロンの相互互換の速攻魔法も増えたため現在では4枚目以降のサイクロンとしても採用の余地は殆どない。



この他にも、サイクロンと名の付くカードには魔法・罠の除去能力を持つものが多い。




こいつモンスターになったらしいですよ。



竜巻竜(トルネードラゴン)
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/風属性/幻竜族/攻2100/守2000
レベル4モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、
フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。

サイクロンを2発分内蔵した幻竜族の新顔。
こいつ自体がモンスターであるため、特殊召喚やモンスター効果メタには弱いが、《サイクロン》を積みづらいフルモンやパーミッションタイプのデッキには採用を検討できる。

仮にコイツ自身が《奈落》に引っかかっても、別のカードを割れれば最低限の仕事は出来る。
ちなみに同じ効果は《超量機獣グランパルス》が既に持っているが、向こうは《ブルーレイヤー》が素材にないと相手ターンに使えないため、効果のみならこちらが上である。


追記修正は、エンドサイクでサイクロンを破壊してからお願いします。

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最終更新:2022年02月07日 19:55

*1 所謂フリーチェーン。