戻って来た被害者(名探偵コナン)

登録日:2020/04/07 Tue 22:03:00
更新日:2020/05/25 Mon 16:10:08
所要時間:約 10 分で読めます





『戻って来た被害者』*1は、『名探偵コナン』において、円谷光彦が解決した事件のうちの一件。
2002年12月9日に第303話として放映された、原作漫画にはないアニメオリジナルエピソードである。


以下、ネタバレにご注意ください。


【あらすじ】
連続空き巣事件の犯人を捕まえるため、少年探偵団に付き合って曙町に出かけることになったコナン。
曙町を捜索中、あるマンションの一室から女性の悲鳴が響き渡った。
コナン達が女性の悲鳴が聞こえた部屋に駆けつけると、シートが外れたソファーの中で亡くなっている老女の遺体を発見する。
すぐに警察に通報し捜査が開始されるが、目暮は遺体の第一発見者でありアリバイがあやふやな細野早苗を疑い始める。
だが、歩美は早苗が本当に驚いている様子だったことを訴え、その話を聞いた高木もコナン達の話を真面目に聞き、コナン達と共に捜査を始める。

コナン達は早苗が買ったソファーの出どころを探るために、リサイクルショップへと向かう。
だが、早苗が買ったソファーは買い取った物ではなく拾った物であり、ソファーを拾った場所も遺体が発見されたマンションの目の前だったことが判明する。
振出しに戻ることになったコナン達だったが、その一方で早苗のアリバイの裏が取れたため目暮も捜査方針を見直すことになっていた。
そんな中、今までの捜査の内容から光彦は犯人を導き出し、コナン達に自分の推理を聞かせるが…


【事件関係者】

  • 細野早苗(ほその さなえ)
CV:潘恵子
遺体の第一発見者。28歳。
昨日の夕方、リサイクルショップHINOでソファーを購入。
店長の日野から「手入れに二、三日かかる」と言われたが、「急いでいるからそのままでいい」と話し購入したという。
翌日の10時頃に運んでもらったが、ソファーのシートがずれていることに気づき直そうとした時に遺体を発見している。
被害者の女性と面識がないと話しているが、遺体の状況や死亡推定時刻に一人で映画を観に行ったことでアリバイが証明できなかったことから、目暮に疑われている。
その後、映画館の人間が早苗を目撃したことでアリバイが成立している。

  • 被害者の女性
早苗が買ったソファーの中から発見された老女。
身元を特定できる物を所持しておらず、本名は不明。
死因は後頭部を殴られたことによる脳挫傷であり、死亡推定時刻は昨日の午後2時から3時の間。
遺体と一緒に靴も入れられており、室内で殺害されたと推測されている。
後に、遺体が入っていたソファーは、マンション近くのゴミ捨て場に捨てられていた物だと判明する。

  • 徳永和弘(とくなが かずひろ)
CV:清川元夢
早苗の部屋の隣に住む住人。39歳。
仕事が夕方のため死亡推定時刻に部屋におり、目暮から隣の部屋から妙な音や声が聞こえなかったと聞かれた際、言い争う声が聞こえたと話している。
だが、その話を目暮に話す前に何かに気づいたような反応を示している。
また、近所の住人から今朝ファミレスでビールを飲んで一人でニコニコ笑っていた所を目撃されている。

  • 日野正輝(ひの まさてる)
CV:塩屋浩三
米花町にあるリサイクルショップHINOの店長。40歳。
早苗が買ったソファーは昨日買い取った物をすぐに並べた物だと話している。
早苗がソファーを買った後は閉店時間まで店におり、翌日配達分としてソファーをトラックに積み込んだと話している。
そのトラックは倉庫の中に止めており鍵もかけていたため、外部から遺体を入れられるのは不可能だったという。
そのため、ソファーをリサイクルショップに持ち帰った時には遺体が入っていたと推測されている。

  • 広瀬利通(ひろせ としみち)
CV:佐藤正治
米花町にあるリサイクルショップHINOの配達員。50歳。
日野にはソファーはタダでもいいから買い取ってくれと言われたと話していたが、実はゴミ置き場から拾った物だと話している。
また、ソファーは遺体が発見されたマンションの目の前にあるゴミ捨て場に捨てられていた物であり、午後4時頃に見つけた物だと話している。

  • 牧村寿史
CV:鳥海勝美
米花町にあるリサイクルショップHINOの若手の配達員*2
広瀬と共にリサイクル品の回収に回っており、遺体が入っていたソファーを遺体発見現場近くの曙町3丁目で拾ったと話している。


【レギュラー陣】

ご存知主人公。
犯人が何故遺体を山で埋めたり海に沈めたりせず、近所のゴミ置き場のソファーの中に隠していたのか気にしている。
元太と光彦からは「犯人が捨てられたソファーを持っていく人間はいないと思ったからだ」と言われていたが納得していなかった。

ご存知天才小学生。
まだまだ使える物を他の人が使う、限りある資源を大切に使う素晴らしいシステムだと、リサイクルショップについて肯定的。
今回、自分の推理をコナン達に披露するが…

ご存知探偵団団長。
前に使っていた人間がどう使ったかわからないため、リサイクルショップについて否定的。
なお、物に鼻くそを擦り付けていることを光彦にばらされ怒っていた。

ご存知純真小学生。
現場に駆け付けた時に早苗が本当に驚いている様子だったため、早苗が犯人ではないと否定している。
そのため、早苗のアリバイが証明されたと聞いたときは喜んでいた。

ご存知警部殿。
遺体の状況から、早苗が運ばれたソファーから遺体を発見したフリをしているか、早苗の供述通りの2つの線に絞り捜査をしている。
後に、早苗のアリバイの裏が取れたことを早苗に話しに来ている。

ご存知高木君。
少年探偵団の話す内容が気になり、目暮とは別行動で少年探偵団と共に早苗がソファーを購入したリサイクルショップに向かっている。



【以下、事件の真相…さらなるネタバレに注意】
































わかりましたよ、犯人が!


  • 光彦の推理
目暮が「徳永さんの聞いた言い争う声が勘違いだったのだろう」と話した時、光彦は犯人が分かったと言い出した。
光彦は徳永が聞いた言い争う声というのは嘘の証言であり、徳永こそ今回の事件の犯人だと話した。

コナンが気にしていた遺体の隠し場所を近所のゴミ捨て場のソファーだった理由は、山や海へ行けない事情があったからだという。
その事情というのが徳永の仕事のシフトが夕方からだったことであり、仕事を休んで遺体を隠しに行けなかったため、ゴミ捨て場のソファーに一時的に隠したと光彦は推測する。
そして、徳永は仕事から戻ってきてから遺体を処分しようとしたが、戻ってくるとゴミ捨て場にソファーが無くなっている事に気づく。
徳永はソファーが無くなったことに最初は驚いていたが、誰かがソファーを持って行ったことで、遺体を処分する手間が省けたと考え喜んだ。
そのため、徳永がファミレスでビールを飲んで嬉しそうにしていたのも、祝杯を挙げていたからだと光彦は推測する。

だが、徳永がマンションから帰ってくると驚くべき事態になっていた。
処分されたと思っていた遺体が、自分の隣の部屋から発見されたのである。
しかし、徳永は警察が隣の部屋の住人である早苗を疑っていることを悟り、咄嗟に「言い争う声が聞こえた」と嘘をつき、早苗に罪を被せようとしたと光彦は推測する。

ここまでの推理を話し、元太と歩美は光彦の推理が完璧だと称賛する。
だが、コナンと高木は光彦の推理を聞いて、何故危険を冒してまで外のゴミ捨て場のソファーの中に遺体を移動させる必要があったのか指摘する。
普通、遺体を一時的に見つからないようにする場合、遺体を自分の部屋に隠しておけばいいはずである。
しかし、光彦はその理由を、最近曙町に現れる空き巣事件の犯人に遺体を発見されたら通報されるかもしれないからだと反論する。
だが、コナンは空き巣に入られる可能性より、遺体を隠すところを目撃される可能性がずっと高いことを指摘する。
また、光彦が「徳永が遺体入りのソファーが消えて喜んだ」という推測も、高木はソファーを警察に発見されたかもしれないから逆に不安になるんじゃないかと指摘する。
そして、仕事も一日休むことだってできるため、今回の光彦の推理はただの思い込みだと言い切られてしまう。
だが、光彦はコナンや高木の指摘に対して、思い込みを持っているのはコナンや高木の方だと訴える。
もしかしたら、空き巣に怯える人がいるかもしれない、遺体が消えてラッキーだと思う人がいるかもしれない、仕事を休んだことがない人が周りに疑われるかもしれないと不安になっていつも通り仕事行く気の小さい人がいるかもしれないと…

光彦の訴えを真面目に聞き入れたコナン達は、徳永の周辺の聞き込みを開始する。
すると、マンションの管理人の話では、徳永は隣町で小さな居酒屋をやっているという。
経営はかなり苦しいらしいが一日も休まず営業しており、管理人からは生真面目で小心者だと言われており、光彦の推測通りの人物像だった。
だが、入るかわからない空き巣に徳永が怯えるかという疑問は残っていた。
そんな中、マンション付近に空き巣への注意を呼びかけしている警察車両の放送を聞いて、コナンと高木は事件の真相にたどり着くことになる。


だから、俺…ついカッとして…

すっ、すいませんでした


  • 徳永和弘
光彦の推理通り、徳永が犯人だった。
徳永は被害者に借金をしており、借金の返済を1週間だけ延ばしてほしいと頼んでいた。
だが、被害者がマンションまで怒鳴り込み、期限通りに返さないと徳永の店を取り上げると言われ、カッとなって殺したという。
徳永は被害者を殺害してしまい気が動転していた時、警察車両からの空き巣被害の放送を耳にしてしまった。
そのため、小心者だった徳永はその放送で空き巣に見つかることを怯え、危険を冒してゴミ捨て場のソファーに隠したのである。
そして、徳永は光彦の推理通りの行動をとっており、最後は高木に謝罪して連行された。

  • 被害者の女性
徳永にお金を貸していたが、1週間だけ延ばしてほしいという徳永の意見を聞き入れなかった。
そして、徳永に期限通りに借金を返さないと店を取り上げると言ったことで、徳永に殺害されてしまった。
この女性について、身元不明のまま事件が解決してしまったため、最後まで名前が出てこなかった。


光彦、今回は先入観を持たなかったお前のお手柄だな

  • 江戸川コナン
今回は光彦の推理を指摘したが、先入観を持っているのはコナンの方だと逆に指摘される。
徳永が自白後、先入観を持たなかった光彦のお手柄だと称賛の言葉を述べている。


【その後】
後日、リサイクルショップHINOに来ていたコナン達は高木から話を聞いていた。
高木の話ではコナン達が捜していた曙町の空き巣は先週、窃盗容疑で逮捕されていたという。
その窃盗犯は余罪を追及された際に空き巣の事も自白しており、徳永の「空き巣に遺体を見られるかもしれない」という心配は杞憂だったという。
元太が「自業自得な犯人だった」と言って光彦と歩美は笑っていたが、コナンは「お前らな…」と微妙な顔をするのだった。




追記・修正はリサイクル品を買ってからお願いします。

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