危うし!ジャンボーグA(ジャンボーグA)

登録日:2020/05/31 (日曜日) 13:54:46
更新日:2020/07/02 Thu 00:23:55
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この実験はぶち壊してやるぞ!

地球を我が物にせんとするあらゆる宇宙人達を代表して、このアンチゴーネ様がぶっ潰してやる!


ジャンボーグA』の第4話。
宇宙人や怪獣を倒すための超兵器「スーパーロケット」が完成した。
ナオキは、その実験に使うコントロール装置を運ぶが……


【ストーリー】

PAT宇宙航空所で、1kgのウランを搭載した超兵器「スーパーロケット」が完成。
数時間後に実験としてアンドロメダ第4星にスーパーロケットが発射される事になり、その心臓とも言えるコントロール装置が運搬される事になった。
しかし、グロース星人の目を欺くために誰が運搬するのかはPATにも知らされず、妨害に備えてPATは緊急体制に入る。
その頃、大利根航空ではナオキが伴野社長から荷物を預り、出発しようとしていた。
実は、コントロール装置を運ぶのはナオキだったのだ。

宇宙航空所では、主任技士の三津田(演:加地健太郎)が所員を集めて実験について話をしていた。
この日、実験場に立ち入った者は実験が終わるまでは秘密を守るために絶対に外には出さないと言う。
息子の京介を抱き上げ、笑顔を見せる三津田だったが、そこにアンチゴーネが送り込んだ巨大ロボット「ジャイアント・ロボット」が出現。
スーパーロケットを破壊しようと実験場に迫り始めた。

すると、三津田は京介を放って建物に入ってしまい、京介は現れたジャイアント・ロボットに近づいて行ってしまう。
実験場に仕掛けられた電磁網や地雷もものともせずにジャイアント・ロボットは進撃。
無邪気にもジャンボーグAのつもりになって近づいて行く京介を見たアンチゴーネはジャイアント・ロボットに攻撃を指示。
火炎放射で攻撃された上に、崩れた建物の下敷きになって京介は重症を負ってしまう。

そこに、コントロール装置を運んできたナオキが到着し、ジャンボーグAで戦闘に突入。
強力なジャイアント・ロボットに苦戦するも「ハンディングフラッシャー」で腕の武器を破壊し、追い払う事に成功する。
ジャイアント・ロボットが引き上げた事で、着陸して装置を届けたナオキだったが三津田は10分到着が遅れたと文句を言う。
「ジャンボーグとロボットが戦っていたんだぜ」と言い返すナオキだったが、三津田は「君が着陸しようとしていたら、きっとジャンボーグが守ってくれたはずだ」などと、自分勝手な事を言ったのでナオキは不快感を示しながらも装置を引き渡す。

すると、そこに三津田の妻が大ケガをした京介を連れて現れた。
すぐにジャンに乗せて病院へ向かおうとするナオキだったが、何と三津田がそれを止める。

例え誰だろうと、実験が終わるまでこの基地から一歩も出る事は許さん!

何だって!?あなたは自分の子どもの命と、実験のどっちが大切なんだ!

もちろん実験の方が大切だ!

三津田は実験の方が大切と言い切り、スーパーロケットの威力や実験の重要性を言って去ろうとする。
ナオキは三津田の制止を無視して出発しようとするが、それを再び三津田が止める。

貴様それでも人の親か!人の命は地球より重いんだぞ!

激怒したナオキが怒りの言葉をぶつけるが、

親の私が承知しているんだ!こんな事で…こんな事で私が研究したロケットの秘密を漏らされてたまるもんか!

そう言うと三津田はナオキを殴りつけ、PATに拘束を命じて実験に戻って行った。
拘束されたナオキは、様子を見に来たせつ子に「PATは最低だ!」と吐き捨てる*1

あの子はどうした!?

お母さんが医務室で見ているわ

死んだらどうするんだ!?

それは…

あんな超兵器よりも、はるかに子どもの命は大切なんだ。君にはそれがわからないのか!

人間が、超兵器を造れば宇宙人はもっと強力な兵器を考える

どこまで行っても終わりの無い、愚かな戦いになってしまうんだ

そればかりじゃない。宇宙には、我々人間の事を真剣に考えてくれる友達の星があるかもしれない

もし、アンドロメダ第4星がそんな星だったら…君たちはどうするんだ!

ナオキの言葉をうつむきながら聞くせつ子だったが、そこに再びジャイアント・ロボットが出現。
所員がジャイアント・ロボットの襲来を伝えるが、三津田はそれを一蹴し、実験を継続する。

主任!ロボットがこっちに近づいて来ます!

出典:ジャンボーグA/円谷プロ/第4話「危うし!ジャンボーグAジャイアントロボット登場」/1973年2月7日放送

やかましい!ロボットよりロケットが先だ!

PATの攻撃も全く寄せ付けず、進撃するジャイアント・ロボット。
そして、ついにミサイルでロケットの発射設備にが付き、火災が発生してしまう

主任、ランチャーが燃えています、早くここを出ないと危険です!

出典:同上

やかましい、ランチャーが燃えても構わん!

出典:同上

ロケットを先に打ち上げるんだあああーーーっ!!

もはや、発射は不可能となったにも関わらず、実験を続けようとする三津田。
三津田はロケットに憑り付かれるあまり、すでに正気を失っていたのだ……

一方、拘束を解かれたナオキは京介と妻を救出し、何とか外へ脱出。京介をジャンに乗せて出発しようとする。
すると、三津田がこの期に及んで「まだ発射は終わっていない」と叫びながら向かって来た。
ナオキはそれを振り切って飛び上がり、「キチガイめ」と吐き捨てる。

ジャイアント・ロボットはとうとうロケットに迫り、破壊してしまった。
すると、三津田は狂った笑い声を上げ

ようし…、俺があいつをやっつけてやる!

出典:同上

完全に正気を失った三津田はジャイアント・ロボットに向かって走って行く。
ナオキは、「あんな奴、死んだ方がいいんだ」と言いながら飛行していたが、京介の父を呼ぶうわ言を聞いて思い直す。

だけど……、こんなかわいい子がいるからな……

この子のために、助けてやるぜ!

ナオキの腕時計が緑色に光る。

ジャン・ファイト!

ジャンボーグAが登場し、ジャイアント・ロボットに立ち向かう。
前回と同じく両腕の武器を破壊するが、それでもジャイアント・ロボットは手強い。
一進一退の攻防を繰り広げ、ジャイアント・ロボットの最後の武器である角を折ると「ビームエメラルド」を発射し、ついにジャイアント・ロボットを撃破。
ジャンボーグAはジャンに戻り、再び病院に向かって飛び去った。

実験場では、ロケットが完全に崩壊し三津田も叫び声とともにその場に崩れ落ちた。
妻が駆け寄って声をかけるが、

もうだめだ…!これで終わりだ……わしには、二度とスーパーロケットはできない……!

三津田の口から出たのは、スーパーロケットが破壊された事を嘆く言葉だった。
せつ子は、それを無言で涙を浮かべながら見ているしかなかった。

その後、三津田一家は祖父が牧場を営んでいる信州へ引っ越す事になった。
せつ子は、今度の事件で「人の命は地球より重い」という事を学んだとナオキに話すのだった。


【登場怪獣】


◆巨大ロボット ジャイアント・ロボット(ゼロ)


出典:同上


身長:53m
体重:6万8000t
出身地:PAT宇宙航空所付近


PATの宇宙航空所で開発された世界最大の武器、「スーパーロケット」の実験を妨害するためにアンチゴーネが送り込んだ巨大ロボット。
全身銀色の重厚なボディをしたロボット怪獣で、動きは鈍重だが防御力は高く宇宙航空所の電磁網や地雷源の罠、PATの戦闘機の攻撃でも進撃を止める事はなかった。
黒い煙のような物質を使って転送され、体を高速で回転させて地面に潜る事もできる。

武器は両手に装備されている。
左手には、4連装のミサイルポッドが格納されており、ジャンボーグAも全て避けきれないほどの勢いでミサイルを乱射する。
右手には、火炎放射機とマシンハンドが格納されており、火炎放射機はPATの戦闘機や地上の人間を正確に狙う事ができ、マシンハンドは怪力でジャンボーグAを絞め上げる。
動きは鈍重に見えるが、飛行中の戦闘機をキャッチするほどの精密な動きもできる侮れない敵で、ナオキも「お主、やるな」とその力を認めるほどの強敵。

弱点は主な武装が全て両手に集まっている事で、ここが破壊されると武装を全て失って弱体化してしまう。
しかし、力自体も強い上に最後の手段として頭の角で突進攻撃も繰り出す最後まで油断のならない敵である。

最初の出現では、ジャンボーグAの「ハンディングフラッシャー」でミサイルポッドを破壊されたために撤退。

再度の対決では、再び「ハンディングフラッシャー」で武器を破壊される。
すると、今度は頭の角を使った突進攻撃を繰り出してジャンボーグAを苦しめるが、角を折られて攻撃手段を失い「ビームエメラルド」を頭に受けて全身から火花を噴き出しながら崩壊し、爆発した。

敗れはしたがスーパーロケットの破壊は成功しており、一応作戦自体は達成したと言えるのかも知れない。

着ぐるみは『ミラーマン』に登場したノアを改造する事が前提でデザインされていたそうだが、デザインの米谷佳晃氏によるとノアの着ぐるみが別件で持ち出されていたために新規造形となったらしい。

名前の(ゼロ)は、『ジャイアントロボ』と区別するために後から付けられたもの。
作中では、単に「ロボット」としか呼ばれない。


【関連】

◆三津田
演:加地健太郎

PAT宇宙航空所の主任技士。
1kgのウランを搭載した超兵器「スーパーロケット」の開発者で、スーパーロケットの完成に心血を注ぎ込んでいる。
しかし、それはもはや情熱を通り越して狂気に踏み込んでおり、自分の命を含めた全てを犠牲にしてでもスーパーロケットを完成させようとしている。
ジャイアント・ロボットの襲来で幼い息子が大ケガをしても病院に行かせる事を許さず、基地が攻撃され、破壊されても実験を強行しようとしたが結局スーパーロケットは破壊され、全てを失った三津田はその場に崩れ落ちてしまった。
ジャンボーグAが勝利した後に出た言葉も、自分の命が助かった事ではなくスーパーロケットが破壊された事を嘆く言葉だった。

果たして、一体何が三津田をここまで狂気に走らせたのかは詳しくは明かされない。
少なくとも、京介はうわ言で父を呼ぶなど三津田によくなついており、序盤の京介とのやり取りを見る限りでは良き父親の顔もあったようなのだが……

なお、京介はケガをしてからはずっと眠るか意識の薄い状態だったために三津田の自分への行いは知らず、ラストでも三津田を怨むような様子はなかった。
それが唯一の救いだろうか……


三津田を演じた加地健太郎氏は『帰ってきたウルトラマン』でグロテス星人、『仮面ライダースーパー1』で、ジンドグマの首領悪魔元帥を演じている。


【その他】

ナオキの台詞から『ウルトラセブン』の第26話「超兵器R1号」が連想されるが、「超兵器R1号」は際限のない兵器開発がテーマだったが、こちらは超兵器に憑り付かれた人間の狂気、超兵器の必要性にスポットが当てられている。

アンドロメダ第4星を実験で破壊しようとするなど、重なる部分もあるが「地球を守る為なら、何をしてもいいのか?」という事に対して「人の命を犠牲にしてでも超兵器を開発しなければいけないのか?」という事である。

『セブン』では、宇宙人であるダンが、地球人の兵器開発を「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」と非難したが、こちらは人間に友好的なエメラルド星人という存在を知る地球人のナオキが非難の言葉を発している。

また、『セブン』では、ラストは際限のない兵器開発に歯止めをかけるべく人間が行動を始める所で終了するが、こちらのスーパーロケットはジャイアント・ロボットに完膚なきまでに破壊されている。
これは、「強力な兵器に対してはさらに強力な兵器が出現する」という事が現されているのかも知れない。

スーパーロケットのミニチュアには、『ミラーマン』の第19話に登場した宇宙ミサイル「オズマー」のミニチュアが組み込まれている。


追記・修正お願いします。

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