罠と永遠の命(忍風戦隊ハリケンジャー)

登録日:2020/09/23 Wed 16:37:22
更新日:2020/10/11 Sun 20:14:39
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ハリケンジャーが街を!?
あんたら何してくれたんや!

よ、鷹介……

嫌だ…

嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!


巻之四十八

永遠の命




「罠と永遠の命」とは、『忍風戦隊ハリケンジャー』巻之四十八(48話)のサブタイトルである。

脚本:吉田伸 監督:竹田道弘

概要

物語もクライマックスに差し掛かった本作において、多くの視聴者にトラウマを植えつけたエピソード。
五の槍 サーガインの死を境にシリアスさに拍車がかかった中でも、更に視聴者の心は抉られてしまうのだった....

話の流れ



怒りの矢のメダルが手に有ろうと、嘆きの弓のメダルが揃わなければ、「アレ」は生まれん...

いつになったら2つのメダルが揃うのだ...!?


嘆きの弓のメダルが中々手に入らない状況に苛立つタウ・ザント。
その姿にフラビージョ、ウェンディーヌ、サタラクラは慌てながらも、デザーギを倒した実力を持つハリケンジャーたちを想起し尻込みするばかりであった。
そんな中、サンダールはもう一度矢のメダルを自分に託すよう懇願した。
フラビージョとサタラクラは弓のメダルと関係あろう御前様の力の存在を警戒するが、サンダールは意に介さず……

既にヤツの弱点は見抜いている!伊達にデザーギを犠牲にした訳ではない…
必ずや、『嘆きの弓』のメダルを手に入れて見せます

策があるのだな?サンダール…

御意!

タウ・ザントは自信ありげなサンダールを見て、その策に乗り怒りの矢のメダルを譲与。
サンダールは再び出撃を果たす。


その頃、疾風の里では御前様が鷹介達に自分の身に秘められている「闇石」こと弓のメダルについて語っていた。
御前様によれば嘗て地球に降り注いだ流星群の中に弓のメダルは紛れていたという。
そのことから一甲とおぼろは元々一つになっていた矢と弓を平和を望む者達がメダルに変えて宇宙にばら撒いて遠ざけたと推測した。
しかし、その二つが1000年以上の時を経て重なろうとしていた。

しかし、闇石から生まれた忍術は地球の忍者達が「アレ」を生み出そうとする邪悪なる意志に抵抗しようとした証...そう御前様は考えていた。
それならば、きっと自分達はジャカンジャに勝てる。
そう確信した一行はがぜんやる気を出していった。
そんな中で鷹介はジャカンジャが倒された後の御前様について問うた。
シュリケンジャーは制止しかけるが、御前様は「また何処かに身を隠し、この世を見守り続けるだけ。永遠の命と共に」と答えた。
それを聞いた鷹介は「そん時は俺が御前様を守る。例え俺がヨボヨボの爺さんになってもな!」と決意を表した。
それを聞いた七海吼太「私だっておばあちゃんになっても!」「俺なんかミイラになったって!」とつられて口にした。
一甲や一鍬も御前様を守り続けると言い切るが、御前様はそんな彼らを突き放した。


ならぬ

私はそのようなことを望まぬ

お前達は自分の道を進むのだ

御前様...

私に干渉することは許さぬ


その後、ハリケンジャーの三人は中々心を開かない御前様の態度に業を煮やしていたが、ゴウライジャーは「悲しみの感情でメダルの封印を解かない為にも、別れの悲しみを避けるために敢えて自分達を突き放した」と推測した。
それを聞いた鷹介は御前様を悲しませない為にも自分達が決して負けてはいけないことを再確認した。
直後、「あんたら何してくれたんや~!」と怒り心頭のおぼろから通信が入った。

信じられないことに、ハリケンジャーが町を破壊しているというのだ。
荒れ果てた町に繰り出した鷹介達の前に現れたのは、サンダールの配下であるマドーギがデザーギの羽から生み出した偽物のハリケンジャーであった。
続けて、ゴウライジャーやシュリケンジャーの偽物まで現れる。

成り済まされた怒りを胸にハリケンジャー達は偽物に立ち向かう。
さっきまで散々落胆していた無限斎は手のひらを返して安堵し、怒っていたおぼろもノリノリで応援し始めた。
しかし、サンダールは矢のメダルの力で結界を張ってしまう。
その結界の中では、偽物達にはどんな攻撃も無効化されてしまう。
たちまちその猛攻に追いつめられるハリケンジャー達。
偽物達の放つ五重連ビクトリーガジェットでダメージを負ってしまう。
しかし、そこへ御前様が現れると弓のメダルの力で結界を消してくれた。
今までのお返しと言わんばかりに本物達は一斉に反撃を開始。
いとも簡単に偽物を倒してしまった。

ハリケンジャー一行もジャカンジャもサンダールの作戦失敗を確信した。
...サンダール以外のただ一人、タウ・ザントを省いて。

直後、偽物達の源であるデザーギの羽が舞い散ると、そのままハリケンジャー達の首に首輪として巻き付いてしまった。
苦しむハリケンジャー達であったが、直後マドーギに操られるままに御前様に襲い掛かってしまう。
絶対に死ぬわけにいかない御前様はメダルの力で反撃するが、彼らは正気のまま。
変身が解除され、傷つくゴウライジャーを前にその顔は曇っていく。
そして、ハリケンジャーも御前様に自分を守るよう頼むが、やはり自分の攻撃で苦しむ彼らに辛い思いを募らせていく。

シュリケンジャー以外全員変身解除され、今度こそ作戦失敗を確信するフラビージョ達だが、まだ終わっていなかった。

御前様は鷹介達に駆け寄るが、ボロボロになってなおも術は解けず、鷹介は御前様の首を締めあげてしまう。


嫌だ...

嫌だああああああああああああああ!!!!!


鷹介は慟哭した。
何とか振りほどいた御前様であったが、鷹介達は満身創痍の生身のままでもなお苦しみながら御前様に迫っていく。
里から戦いを見ていた無限斎は言葉を失い、おぼろも悲しさと辛さに震え上がるばかりであった。
一部始終を見ていたサンダールは御前様を挑発する。


どうした?御前とやら...

今更こいつらが居なくなろうと、どうということもあるまい!

お前の力を巡って、今まで多くの命が散っていった筈!嘆きの弓のメダルを守る為、心を鬼にしてきたのだろう!?


再び襲い掛かる鷹介達。
やむを得ずメダルの力で彼らを吹き飛ばした御前様は再び彼らに掛けようとするが...


来るなああああああ!!!!


鷹介がそれを制止した。


これで、いいんです...!

我らが、どうなろうとも!

御前様さえ、ご無事ならば...!


他の5人も同じ意志であり、御前様の無事を願って遠ざけようとする。
その瞬間、彼女の頭の中にはハリケンジャー達と過ごした思い出の数々が過っていった。
漸くできた仲間達と戦わなければならないことに、遂に彼女の中に大きな悲しみが生まれてしまう。
そしてその時、遂にメダルの封印が無くなってしまう。


力が消えた…
悲しみ…嘆き…フッ、人間とは脆いものよ!今だ、マドーギ!


機は熟したと言わんばかりにサンダールはマドーギを差し向けた。
もう御前様にメダルの力は使えない。
しかし、マドーギが洗脳の要であることを見抜いていた彼女は小刀を武器にマドーギに挑む。

すれ違いざまに斬りあう両者。
勝負を制したのは、マドーギ...ではなく、御前様であった。
マドーギの首輪が破壊されたことでハリケンジャー達は漸く術から解放されたのだった。

最早腸の煮えくり返る思いのハリケンジャー達はその怒りをマドーギにぶつけていく。
影の舞でマドーギは吹き飛ばされ、最期はビクトリーガジェットとニンジャミセンガンモードの合体技「天風雷撃波」で仕留められた。

その光景に安堵する御前様であったが、直後サンダールの接近を許してしまう。
全ては御前様の悲しみを極限まで高め、メダルを封印から引きずり出すサンダールの策であったのだ。


引けェ!!『怒りの矢』のメダルと『嘆きの弓』のメダルよ!!

貴様…!

さあ!『嘆きの弓』のメダルよ、我が手に!!


矢のメダルに引き寄せられる形で弓のメダルを奪われてしまった御前様は、力なくその場に倒れていく。
2つのメダルを手に入れてとうとう目的を果たしたサンダールは下衆な高笑いを上げ、その場を去っていく。

御前様の元へ駆け寄る鷹介達。


御前様!

不覚だった…

しっかりして下さい!

私が……滅びる時が来たようだ。

もうすぐ…私の身体に、500年の歳月が一気にやってくる……


メダルを失った御前様の肉体は500年分の老いに襲われ、既に虫の息だった。


御前様!

……覚羅様、そんな……


鷹介は御前様を本名の「覚羅」で呼びながら、言葉にできないほどの悲しみを浮かべる。


鷹介、皆……頼む。ジャカンジャから、この星を守るのだ……


御前様の言葉に小さく頷く鷹介、悲しみをこらえきれない七海と吼太、無言で見守る一甲と一鍬。
シュリケンジャーに至っては地面に頭を下げたまま、マスク越しに慟哭の涙を零す。


お前達に、出会えて……本当に…良かっ………


そこまで言いかけて、御前様は消滅した。

シュリケンジャーが地面を殴り、七海達が悲しみの声を上げる中、鷹介は御前様との約束を思い出す。


覚羅様……

俺が、ヨボヨボの爺さんになったって、守るって約束したのに……


うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!


鷹介の叫びがこだまする時、その場には御前様の髪留めのみが残されていた…


今作の敵

呪扇獣(じゅせんじゅう)マドーギ


ウニャアアアアアッ!!

CV:疋田由香里
出身星:オセロット星
好物:またたび酒麝香入り
宇宙忍者ファイル:猫のような女は、お嫌いですか?

サンダールが使役する扇忍獣の一体で、唯一のメス。
バドーギやデザーギと違い、人間サイズであり、見た目は赤いぴっちりスーツのような忍装束を纏ったかのような姿の人型の猫の怪物。
鈴の付いた首輪をつけており、これは後述する洗脳術の要となる。
言葉こそ話せない者の、サンダールの命令を忠実に実行し、強力な宇宙忍法の数々を操る等、知能そのものは非常に高い。
他の二体がその巨体から繰り出されるパワーを生かした肉弾戦を得意としていたのとは対照的に、諜報や搦め手を得意とする等ある意味非常に忍者らしい扇忍獣でもある。

使用する技は相手の影と同化してあらゆるセキュリティを突破する「宇宙忍法・影忍びの術」
また、「必殺マドーギ踵落とし」なる足技も駆使する。
しかし、その真の恐ろしさは洗脳能力。
劇中では、前話にて倒されたデザーギの羽を基にハリケンジャー達の偽物を生み出すだけでなく、事前に羽に対して偽物が倒されると一度元に戻り、首輪として本物達の首に巻きついて体の主導権を本人から奪うよう二重の術を掛けていた。
しかも、本人は正気を保ったまま(=本人も操られることに苦痛を覚える)というかなりの鬼畜仕様。
結果、御前様と親しくなったばかりのハリケンジャー達を彼女と戦わせ、互いに消耗させると同時に御前様の精神を大きく擦り減らした。

最終的に敗れはしたものの、サンダールは当初の目的通り嘆きの弓のメダルを見事に手に入れた為、その役割を十分に全うしたと言える。

偽ハリケンジャー


人も知らず…世も知らず…影となりて、善を討つ……

マドーギがデザーギの遺した6枚の羽根から生み出したハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャーの偽物。
全体的に本物よりも声のトーンが低く、マドーギと同型の首輪を付けているのが特徴。
街中で暴れ回り、本物のハリケンジャー達を誘き出し、サンダールが怒りの矢のメダルを触媒に相手の攻撃を弱体化する結界を作り出して本物を苦しめながら、嘆きの弓のメダルで結界を消す為に御前様が現れるのを待っていた。
しかし真の狙いは御前様の力を削ぎ、且つ偽ハリケンジャーの付けていた首輪を身につけさせてハリケンジャーの肉体をマドーギが支配するための触媒に過ぎなかった。

余談

この話の30分後の世界でも最終回を迎え、結果として変身能力を持つ登場人物が全員死亡してしまった。
こうして当時のスーパーヒーロータイム視聴者は休む間も無く立て続けに、キャラクターの死ぬ展開を見せつけられるのだった。


追記・修正はヨボヨボの爺さんになってからもお願いします。

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最終更新:2020年10月11日 20:14