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更新日:2025/07/11 Fri 23:30:01
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『
それいけ!アンパンマン だだんだんとふたごの星』は2009年に公開された、劇場版『
それいけ!アンパンマン』シリーズの第21作目である。
原作:やなせたかし『だだんだんとふたごのほし』(フレーベル館刊)
監督:川越淳
脚本:藤田伸三
上映時間:50分
キャッチコピー:「きらきらキララ きらきらキラリ かがやく星を守るんだ!」
テーマ曲:「ふたつの光〜キララとキラリ〜」
ゲスト声優:スザンヌ(と妹のマーガリン、母のキャサリン)、原口あきまさ、日テレ所属の藤井恒久アナウンサー(当時)
同時上映:『それいけ!アンパンマン ばいきんまんvsバイキンマン!?』
【概要】
2009年7月4日公開。
監督は川越淳氏、脚本は藤田伸三氏とTVシリーズでも長い間アンパンマンのアニメに関わってきた二人が起用されている。
幼児向けアニメとは思えない凄まじい作画や、今までに出てきただだんだんシリーズの中でも群を抜いてかっこいい「ジャイアントだだんだん」、あまりに絶望的な展開のストーリー、伝説となったラストバトルの決着等々…今でもファンの間で話題になることの多い作品である。
上記の要素で高学年の子供たちやおおきなおともだちには大層受けが良かったのだが、本来のターゲット層である幼児たちには怖がられてしまうという事態に(詳細は後述)。
【あらすじ】
キララとキラリはふたごの星の妖精で、流れ星とお星さまで星空を守るのが二人の役目。ところがある日、二人は些細な事でケンカをしてしまう。
言い争う二人の持つ杖がぶつかりあった瞬間に謎の力が発動、その勢いで落ちてきた星に巻き込まれ二人はバラバラになってアンパンマンワールドへ落ちてしまった。
地上でアンパンマンに助けられたキララは、ケンカしたのはキラリが悪いからだと一方的に言い張りつつも、パン工場の面々の力を借りて行方不明になってしまったキラリを探し始める。
一方、今日という今日もアンパンマンに勝てず思い悩んでいたばいきんまんの所にドクターヒヤリがあるものを持って訪れた。
そのあるものとは、自身の長年の研究の成果である「心」。
「心」をばいきんまんのだだんだんに搭載すると、見る見るうちに機体が巨大化し
が誕生する。
そしてそれと同時に現れたのは、ジャイアントだだんだんを操ることが出来る「ギラリ」という謎の妖精だった。
ばいきんまんとドクターヒヤリは早速ジャイアントだだんだんとギラリを引き連れて、アンパンマン達に襲い掛かる。
その頃、星空を守るキララとキラリがいなくなったことで星が消えてしまった夜空に、全ての世界を滅ぼす力を持つと言われる「デビルスター」が現れた。
敵味方の区別もなく、誰も彼もがデビルスターの力に蹂躙されていく絶望的な状況下で、それでも諦めずに立ち向かうアンパンマン。
そして星の力を受けたアンパンマンは、凶星を打ち砕く為に空高く飛び上がる…!
【登場人物】
味方サイド
ご存じ愛と勇気が友達なみんなのヒーロー。
湖のほとりで空から落ちてきたキララを助ける。ふたごの片割れであるキラリが行方不明という話を聞いて、パン工場の面々とともにキラリの捜索に乗り出した。
その中で、ばいきんまんが連れてきたジャイアントだだんだん&ギラリと交戦。今までにない圧倒的なだだんだんの力に苦戦する。
普段は太陽のように明るい彼であるが、その身には
いのちの星が溶け込んでおり、その影響か太陽が昇っている日中の空よりも夜の星空の方が好きらしい。
今作ではアンパンマンの本気の本気が見られる。そしてさりげなく
また大気圏突破してる。
ご存じ紳士でナルシストなアンパンマンの頼もしい仲間。
アンパンマン、カレーパンマンと三人でジャイアントだだんだんに立ち向かうも、トリプルパンチすらまともに届かず苦戦。
一旦ジャイアントだだんだんをアンパンマンに任せて、デビルスターに蹂躙される町の救援に向かうも、諸悪の根源を断つためデビルスターに向かって飛んでいく。
目の前で仲間が雷で撃ち落とされるのを見ながらも、戦意を失わず立ち向かっていき…。
・カレーパンマン
「アイツを片付けて、デビルスターを食い止めようぜ!」
CV:柳沢三千代
ご存じ短気で熱血なアンパンマンの頼もしい仲間。
アンパンマン、しょくぱんまんと三人でジャイアントだだんだんに立ち向かうも、トリプルパンチすらまともに届かず苦戦。
こちらも一旦ジャイアントだだんだんをアンパンマンに任せて、デビルスターに蹂躙される町の救援に向かうも、諸悪の根源を断つためデビルスターに向かって飛んでいく。
真っ先にカレーパンチを放つも、容赦ないデビルスターの反撃を食らい…。
ご存じパン工場のサポートメンバー。
宇宙で星を作るふたごの妖精の存在もデビルスターの存在もジャムおじさんは普通に知っていた。なんなんだこの人。
デビルスター襲来時は町で住民たちの避難誘導に尽力していたが、キララとキラリの力によって夜空に描かれたアンパンマンピンチの知らせを受けて、アンパンマン号で現場に駆けつける。
しかし、アンパンマンの新しい顔を投擲しようとしたその瞬間にデビルスターの雷を受けてしまう。
ご存じアンパンマンのかわいい妹分と弟分。
デビルスターの雷を受けてしまったアンパンマン号の代わりにアンパンマンの新しい顔を受け取り、狙い撃つかのように降り注ぐデビルスターの雷を避けながら、二人リレー形式でアンパンマンの元までなんとか新しい顔を届けることに成功。
しかしその時にはもう敵も味方も多くがデビルスターにやられてしまっており、動けるものはわずかとなっていた…。
敵サイド
・ばいきんまん
「俺様、きれいなお星さまなんてだーいきらい!まっくらやみの楽しい夜にしてやるぞ!」
CV:
中尾隆聖
ご存じ正義の敵で永遠のライバル。
OPの本家だだんだんでの戦闘シーンは必見。
ドクターヒヤリの手によりパワーアップしたジャイアントだだんだんとそれを操るギラリを引き連れてアンパンマンを襲撃…するものの、ギラリは何故かキララにご執心。途中までアンパンマンを圧倒していたのにその先がうまくいかず、ジャイアントだだんだんも機能停止してしまったため一時撤退。
ジャイアントだだんだんを修理、武装も追加して改めてアンパンマンを再襲撃。いい感じにアンパンマンを追い詰めることができノリにノっていたばいきんまんは、デビルスターによって周りが大混乱している中でもただ一人アンパンマンを追いかけまわしていたが…。
ご存じわがままなばいきまんの仲間。
今回は出番少なめ。デビルスターの攻撃で落下するしょくぱんまんを救おうとするが、自身も雷を受けてしまう。
ご存じ敵か味方か分からないけど劇場版じゃ大体敵役なガイコツ。
ばいきんまんがアンパンマンに勝てない理由について、なかなか辛辣なことを言い放つ。
デビルスターの雷を受けるもドキンUFOのフィルターが被ってたおかげで頭だけ被害を免れるという、助かったんだか助かってないんだかなんとも微妙な感じになる。
・ドクターヒヤリ
「いよいよ完成するぞ…!長年に渡って研究してきた大発明が…!」
CV:
千葉繁
自称天才発明家のマッドサイエンティスト。
だだんだんに心を与える研究を長年行っており、ばいきんまんのだだんだんに心を搭載させジャイアントだだんだんを生み出した。
元々デビルスターの事は知っていたようで、デビルスターが襲来してきていると知った時はジャイアントだだんだんの活躍に大喜びするばいきんまんを尻目に顔面真っ青になっていた。
ゲストキャラクター
・キララ
「いいぞいいぞ流れ星さん!キラキラと元気よく飛んで、夜空を明るくしてね!」
CV:スザンヌ
ピンク色の髪の毛を一つにまとめて、背中に天使のような羽を生やした星の妖精。キラリとはふたご。
普段は宇宙で暮らしており、星の杖を使って流れ星を飛ばすのが役目。流れ星をいっぱいいっぱい飛ばしたいというわがままが原因でキラリとケンカしてしまい、その後の事故でアンパンマンワールドに落ちてしまう。
アンパンマンワールドに落ちた後もケンカの原因はキラリだと言い張り嫌いとまで言ってしまったが、それでも行方不明になっている彼女を心配し続けており、自分のわがままが原因でデビルスターの復活を許してしまったこともあって、パン工場の面々と一緒にキラリを探す。
・キラリ
「お願いお星さま、キラリキラリとあたたかくやさしく瞬いて」
CV:マーガリン
水色の髪の毛を二つにまとめて、背中に天使のような羽を生やした星の妖精。キララとはふたご。
普段は宇宙で暮らしており、星の杖を使って星を瞬かせるのが役目。キララがバランスを考えず好き勝手に星を流すので注意したところケンカになり、その後の事故でアンパンマンワールドに落下。そのまま行方不明になってしまう。
・ギラリ
「ギラ…」
CV:宮川美保
ドクターヒヤリが持ってきた「心」から出てきた、悪魔のような羽を生やした謎の妖精(?)。
ジャイアントだだんだんを操ることが出来て、何故かキララの事を執念深く追いかける。
・クロワッサン王妃
CV:キャサリン
クロワッサン星の王妃。
・ジャイアントだだんだん
「ダダン…ダーン!」
CV:原口あきまさ
ばいきんまんがOPにて壊れた「だだんだん」の修理しているところに、ドクターヒヤリの研究の成果である「心」を搭載して誕生した巨大なだだんだん。
名前の通りこれまでに出てきただだんだんの中では随一の大きさを誇る。
今までにないパワーで一度はアンパンマンを追い詰めるも、トラブルにより機能停止。
その後、ばいきんまんによって「ランドセル型背中ロケット」などの武装を追加され再度アンパンマンに襲い掛かる。
その力は更に圧倒的で、今まで数多くの敵を倒してきたトリプルパンチを、自らの体に届かせる前にあっさり跳ね除けてしまうほど。
しかも途中で星の妖精のエネルギーを取り込んだことによってばいきんまんの予想を遥かに超えてパワーアップ。余計に手が付けられなくなり、アンしょくカレーの三人を存分に苦しめた。
しかし、キララによってギラリに変化が表れた結果、再度機能停止してしまう。
そして…。
ちなみに
高知県にあるアンパンマンミュージアムにはこのジャイアントだだんだんの像が立っているので、ぜひ訪れてみてほしい。
・デビルスター
「…」
CV:なし
強制変身:石化
本作のラスボス…というかもはや
天災。
黒い雲を伴った巨大な衛星で目や口のような穴は開いているものの、非常に無機質でまるで悪魔のような恐ろしい姿をしており、穴や雲から当たったものを石化させる雷を放つ。
普段は星の力によって封印されていたらしいのだが、星空を守るキララとキラリがいなくなり、夜空から星が消えてしまった結果出現。
全ての世界を滅ぼす力を持つと言われており、アンパンマンワールドに到達するまでに通りかかった
クロワッサン星、ヤーダ星、鉄の星を住民諸共星ごと全て石化。
のみならず鉄の星から助けを呼ぶため脱出したロケットも逃がさないとばかりに
石化。
アンパンマンワールドに到達してからは、かつての劇場版で大暴れした
雪の女王、すなおとこを抵抗する暇も与えず石化。
一応衛星という事で自我はなさそうに見えるのだが、攻撃してきた相手にピンポイントで雷を撃ち込む、もしくは反動で動けなくしたところに撃ち込む、そして逃げる(動く)相手や
明らか己に不利になるような行動をしている者や復活直後のアンパンマンを狙って撃ち込むあたり、なんらかの知性を持ち合わせている可能性はある。
またその硬さも半端ではなく、元気100倍で復活したアンパンマンのアンパンチを喰らってもびくともしなかった。
その他キャラ(という名のデビルスター被害者の会の皆様)
- クロワッサン姫 CV:牧口真幸
- クロワッサン王子
- クロワッサン星の王様
- ゴミラ CV:高乃麗
- こてつちゃん CV:藤井恒久
- こてつじいさん
- 氷の女王
- すなおとこ
- パイナップルマン
- パインちゃん
- パイナップルダンサーズ
【挿入歌】
・ふたつの光〜キララとキラリ〜
作詞:やなせたかし 作曲:ミッシェル・カマ(やなせ氏の作曲時の名義) 編曲:坂部剛
本作のテーマ曲で歌唱はお馴染みドリーミング。三拍子の美しいメロディが特徴。ちなみに歌詞は2004年に上映された第16作目同時上映『それいけ!アンパンマン つきことしらたま〜ときめきダンシング〜』のエンディング「ふたつの光〜つきことしらたま〜」と同じである。
・ダ ダン ダン!
作詞:やなせたかし 作曲:ミッシェル・カマ 編曲:古賀稔宏
本編タイトルにも名が使われている「だだんだん」のテーマ曲。歌唱はばいきんまんこと中尾隆聖氏。作中ではばいきんまんがドクターヒヤリと協力してジャイアントだだんだんをパワーアップする場面で流れた。
・カンタータ”ふたつの光”
作詞:やなせたかし 作曲:ミッシェル・カマ、近藤浩章 編曲:近藤浩章
テーマ曲である「ふたつの光〜キララとキラリ〜」のカンタータ調アレンジでラストバトル時に流れた。元の美しいワルツから一転して荘厳な曲調になっている。
【余談】
今回初めてアンパンマン映画の監督を務めることになった川越氏は、今までに自身が担当したロボットアニメの経験を存分に本作で生かしギラついた画面演出などをたくさん取り入れたのだが、前述のとおり本来のターゲット層である幼児たちを怖がらせてしまい、原作者のやなせ氏から苦言を受けたらしい。
Prev:『それいけ!アンパンマン 妖精リンリンの秘密』
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追記、修正はデビルスターを粉砕してからお願いします。
- あとは折りたたみ込みでのネタバレ記述が欲しいところ -- 名無しさん (2025-07-07 01:28:36)
- だだんだんがバーニアを吹かす描写とかガチすぎて思わず笑ってしまった -- 名無しさん (2025-07-07 09:53:26)
- 幼児向けであえてガチ描写を入れるのが評価されたいという監督の気持ちもわからなくはないが…結局は作者の苦言が全てだろうね。「ちょwwwアンパンマンの作画エグ過ぎww」ってネタにされるだけで終わりになるぐらいならやはり幼児向けらしさを満たしていくのが一番 -- 名無しさん (2025-07-07 11:19:06)
- これのMAD好き -- 名無しさん (2025-07-07 21:57:59)
- 因みに物語冒頭で登場するだだんだんの操縦席は...ゲッターロボの操縦席に酷似してるとかしてないとか。 -- 名無しさん (2025-07-07 22:42:47)
- だだんだんだだんだんだだんだんだだんだんダンダダン -- 名無しさん (2025-07-07 22:53:24)
- ↑4 ガチ演出入れて子どもたち怖がらせてやなせ先生に怒られたのは事実だけど、そこに「幼児向けであえてガチ描写を入れるのが評価されたいという監督の気持ち」とか言う勝手な決めつけを入れるな -- 名無しさん (2025-07-08 06:17:55)
- 最強議論でアンパンマンガチ勢が話題にすることに定評がある作品 -- 名無しさん (2025-07-08 08:44:46)
- 声優は違うけれどキララとキラリのモチーフはドリーミングのお二人らしい -- 名無しさん (2025-07-08 10:35:11)
- 敢えて不満点を挙げるなら、キララとキラリの声優。子供向けだからこそ、本職にあててほしかった -- 名無しさん (2025-07-08 11:01:39)
- 幼児向けでもガチで怖がらせるようなシーンと言えば、キラキラ星の涙のドロンコ魔王があるんだけど、あーいうのはOKなのだろうか? -- 名無しさん (2025-07-08 14:11:13)
- よく見たらこれ、七夕の日に立てられたんか… -- 名無しさん (2025-07-08 18:32:48)
- ロボットアニメにおける激熱展開をアンパンマンに詰め込んだらどうなるか、を描いた作品。終盤のだだんだんのあれこれなんて何度見ても胸が熱くなる。 -- 名無しさん (2025-07-09 15:26:16)
- ジャイアントだだんだんのカラーリングを見てると鉄人28号を思い出す。あとニコニコの『君の中の英雄』と合わせたMADすき -- 名無しさん (2025-07-09 15:45:19)
- だだんだん押しのうちの息子はだだんだんが活躍する映画少ないからこの映画大好きだぞ -- 名無しさん (2025-07-11 16:47:25)
- >余談 正直川越監督はゲッター線塗れの地獄の竈でパンを焼いていた節が有るからな・・・ -- 名無しさん (2025-07-11 23:22:45)
- ( TVで放映されてた「かつぶしまんとおことちゃん」と「ばいきんまんとオーロラ姫」も含めて )何気に川越さんがアンパンマンに参加するのって久しぶりじゃないかな?と思った。 -- 名無しさん (2025-07-11 23:30:01)
最終更新:2025年07月11日 23:30