タイムホロウ ~奪われた過去を求めて~

登録日:2020/10/24 (土曜日) 11:11:45
更新日:2020/10/25 Sun 23:13:29
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もし、自分に過去を変える力があったなら―。


タイムホロウ ~奪われた過去を求めて~」とは、2008年にコナミより発売されたニンテンドーDS用ソフトである。ジャンルはアドベンチャー。


【概要】

主人公が過去に干渉する力を持つアイテム「ホロウペン」を使用して、過去を改変していきながら、真実に迫る内容のアドベンチャーゲームである。

ストーリーは「過去改変」「タイムパラドックス」をテーマに、過去のどこを改変したら現在はどう変わってしまうのか、というのを徹底して描いており、それによって失った元の日常を取り戻すという内容になっている。ストーリーそのものはテンポ良く、引き込まれる内容のシナリオとなっている。
また時折アニメーションが挿入され、DSというハードスペックの割に画質は良好。BGMのクオリティも高く評価されている。

ただ、問題点がないわけではなく、
  • シナリオがほぼ一本道でかつ、数時間でクリアできるほど短い。
  • 推理要素が含まれるが、初見でもゲームオーバーにならずにエンディングを迎えることが可能なレベルの難易度。
  • UI面やストーリーを進めるためのフラグが不親切で、ゲームオーバーにはならないが一度迷うと中々先に進めない。

などが挙がっており、発売当初から「内容と価格が釣り合っていない」と言われ、この手のアドベンチャーゲームの宿命か、発売されて1年もしないうちにワゴンセール行きになってしまった。
だがこれらの問題点、特に「シナリオが一本道でかつ短い」という欠点も、「ストーリーが良かったからこそ」余計に際立ってしまった部分もあり、評価点の裏返しだったとも言える。そのため、ニンテンドーDS及びその後継機であるニンテンドー3DSが生産終了となっており、ワゴンセールなどでワンコインで買える今だからこそ、手にとってプレイしてみてほしい作品である。



【あらすじ】

もし、自分に過去を変える力があったならー。

父と母と3人で暮らす普通の高校生・時尾歩郎は、17歳の誕生日を迎える前の日の夜、不思議な夢を見る。
それは火事に巻き込まれた両親が、宙に浮かぶ不思議な穴へと消えていく光景、そして行かないでと叫ぶ幼き日の自分。

その翌朝、歩郎が目を覚ますと何やらおかしいことに気付く。部屋は昨日までと微妙に異なっているし、なぜか家にはたまにしか顔を出さない叔父の保が住んでいる。
両親のことを周りに聞いてみると、2人は12年前から行方不明となっており、そのため歩郎は今、叔父の保と2人暮らししていることになっていた。

自分が両親と暮らしていた昨日までの生活は、夢だったのか?
そう思い悩んでいた歩郎だったが、「同じ場所の過去の時間に通じる穴を開く」という不思議な力を持つ「ホロウペン」を手に入れたことで、自分の周りで不可解な事件が次々と起きるようになる。

歩郎は、大切な人たちを守るため、そして両親と暮らしていた昨日の続きを取り戻すため、ホロウペンで過去を改変させながら大きな謎に立ち向かっていくのだった。

奪われた過去を求めてー。



【キーワード】

  • ホロウペン
時尾家に代々受け継がれてきたボールペン型のアイテム。「同じ場所の過去の時間に通じる穴を開く力」を持ち、その穴を通じて過去に干渉することで、過去の事実を書き換え、タイムパラドックスを発生させることができる。ホロウペンはホロウペンの継承者及び、資格者にしか視認することはできない。

「改変可能な過去をペンの所有者が知っている状態」で、「改変すべき場所に来る」とペン先が光り、力を行使できるようになる。ペン先が光ったホロウペンで空間に円を描くと、そこに過去の同じ場所に通じる穴を開けることができる。これを「ディギング」と呼ぶ。
ただしホロウペンで繋げられる過去は、ペンの所有者がディギングでつなぐ先の過去の状況を完全に理解できている状態でなければならないため、まずは頭に焼き付いたフラッシュバック(後述)の状況を調べて理解する必要がある。

なお、ペンの力を行使する間はペン所有者がいる現在の時間及び、穴を開けた先の過去の時間は停止状態になり、ペンの使用者などの過去改変の影響を受けない人間以外は動けなくなる。また、過去改変はホロウペンで開けた穴を閉じた瞬間に発生し、同時に停止していた時間も動き出すようになる。

ペンの力を使用するには使用者の寿命を消耗するとされており、歩郎はのちに病院で検査してもらった際に、医者に「年齢の割に肉体が老けている」と診断されていた。


  • フラッシュバック
一般的には、脳に焼き付いた過去の光景が瞬間的に頭に浮かぶ現象のことを指す。
今作においては過去改変が発生した際に、過去改変の影響を受けない人物が改変によって結果が変わった事実をフラッシュバックという形で断片的に見えるようになっている。ただし、たまに改変した過去とは関係ない過去の光景がフラッシュバックに出てくることもある。

歩郎はこのフラッシュバックで何が起きたのかを調べることで、次に改変しなければならない過去を探すというのを基本的な行動スタンスとしており、フラッシュバックの状況を完全に把握することで、歩郎はホロウペンを使用することが出来るようになる。

なお、ゲーム中では手に入れたフラッシュバックの状況が章を跨いで判明するということがよく発生する。


  • 時間の流れから外れる
ホロウペンで開けた穴を潜った先で起こる現象のこと。ホロウペンで穴を開けた過去と現在とで時間軸が異なるためか、穴を潜った者は「時間の流れから外れる」という現象が起き、異なる時間軸にいる間は老化現象が停止し、ホロウペンによる過去改変の影響をうけなくなる。
ホロウペンの所持者が穴を潜って時間の流れから外れた場合は、寿命の消費ができなくなるため、元の時間軸に戻るまではホロウペンの所有者としての資格を失ってしまう。




【登場人物】

主要人物

  • 時尾 歩郎
本作の主人公。加古高校2年生。趣味は時計集めで、17歳の誕生日プレゼントにも新しい時計を希望していた。
17歳の誕生日を迎えた朝、昨日まで一緒に生活していた両親が、12年前に失踪して行方不明という状態になっていた。
この奇妙な出来事を解決するためにホロウペンを手に取り、事件に関わっていく。
至って普通の高校生だが、事件を一人で解決しようとする勇敢さを持っているが、やや無茶しがちな部分もある。
また、過去改変で本来は事件に巻き込まれなかった筈の人間の怒りや悲しみを黙って受け止めたり、
過去改変によって自分の立場が悪くなっても、そのことに嘆き悲しんで誰かに八つ当たりしなかったりと、精神面においてはタフで理性的。
過去がいきなり変わることで周りの状況がすぐに飲み込めず、友人たちから変に思われることもしばしば。


  • 十二林 かのん
本作のヒロイン。
歩郎の両親が12年前から行方不明の状態になってから、いつの間にか歩郎のクラスメイトになっていた長髪の女子生徒。
何故か過去改変の影響を受けず、ホロウペンの存在を知っており、歩郎の動向を監視している。



  • 時尾 保
歩郎の叔父で、歩郎の父である亘の弟。昔の事件を追うフリーライター、
性格はやや荒っぽいものの、心の内に優しさを秘め、自分の大切なもののためにその身を投げ出す覚悟も持ち合わせた男。
歩郎の両親が12年前に失踪したことになって以降、歩郎の親代わりとして一緒に暮らしている状態になる。保が歩郎の家に住まうようになってからは、自分の書斎を増築しており、そこを自室として使用している。
歩郎の両親が行方不明の状態になる前は、金銭に困って時折亘に金を貸してくれるように頼みに来ていた。



  • 時尾 亘
歩郎の父親で、保の兄。年齢の割に老けて見える。
秋の薄味の料理を(自分で塩や醤油を加えたりはするが)黙々と食べているものの、本人としては濃い味のほうが好み。
歩郎が17歳の誕生日を迎えた日を境に、12年前から行方不明の状態になる。



  • 時尾 秋
歩郎の母親。昔から不思議なことにはなれていたのか、非常にマイペースで余程のことがない限り驚かない。
料理の味付けが薄く、塩や醤油を付け加えないと味がしないらしく、歩郎もその点をよく注意しているが、本人としては直すつもりは全くないようだ。
昔は亘の好みに合わせていたようで、味付けは濃かったらしい。
歩郎が17歳の誕生日を迎えた日を境に、夫の亘と共に12年前から行方不明の状態になる。


  • フォ郎
歩郎の飼い猫。歩郎の持つホロウペンはフォ郎の首輪にくっ付いていたもの。
よく外を散歩しており、町のいろんなところで見かけることがある。
エピローグでは歩郎たちがフォ郎の意外な謎に迫る展開があるが結局は謎のまま。


加古高校

  • 三原 元樹
歩郎の幼馴染の一人で加古高校2年。マイペースでぼんやりとした性格。
昔はバスケをやっていたが、幼い頃に怪我をして現在はやっていない。
妹の和織とは口喧嘩が絶えないが、内心では和織のことをとても大切に思っている。


  • 四堂 駿太
歩郎の幼馴染の一人で加古高校2年。お調子者で自他認める美人のお姉さん好き。
少々気が弱いところもあるが、怒ると手がつけられなくなる癇癪持ちであり、仲間の中では三枚目担当兼トラブルメーカーといった感じが強い。
昔、シロという犬を空き地につくった秘密基地で飼っていたが、8年前の台風が接近した際の落雷でシロが死んだことを自分のせいだと今も責め続けており、それが原因で極度の犬嫌いになってしまった。


  • 五島 凪
歩郎の幼馴染の一人で加古高校2年。クールで頭の切れる二枚目だが、やや毒舌でキツイ物言いが多い。
「口調が柔らければモテるのに」とは歩郎の弁。
成績が良く、いつも勉強しており、有名大学への進学を希望している。
犬や猫に懐かれやすい体質であり、自身も動物好き。


  • 三原 和織
元樹の妹で、歩郎と同じ高校の後輩。元気で明るく男勝りで、一人称は『俺』の俺っ娘。
兄の元樹のことは、怪我でバスケをやめて以来、だらしない生活を送っていることに嘆いているものの、一応ながら自慢の兄貴だと思っている。
祥子ほどあからさまではないが、歩郎に片思いしているようである。


  • 九里 祥子
和織の同級生で友人。眼鏡をかけた引っ込み思案の女の子。歩郎に片思いしている。
最近は変な占いに凝っているらしく、何か事件の起こっていそうな場所をなんとなく言い当てることができる。
ちなみに彼女の眼鏡はディギングの際に外すことができ、その眼鏡をずっと所持しておくこともできる。
ただしその場合……。


  • 二宮 朔太郎
歩郎のクラスの担任で、昔は保の担任でもだった。
時間に関係することわざや格言についての問題を歩郎に出題することが多い。


加古町の住民たち

  • 八木 まゆ
喫茶店「黒の巣」でウェイトレスのアルバイトをしている女子大生。
四堂の憧れの人なのだが、残念ながら彼氏持ち。
「黒の巣」の外に置いてある自転車は彼女のもので、自転車絡みのトラブルが多いことから、彼氏の七沢に新しい自転車をおねだりしているらしい。


  • 六条 琴子
歩郎たちがたまり場にしている喫茶店「黒の巣」の店長。穏やかの性格のおばちゃん。
なお、「黒の巣」を開業させたのは彼女ではない。


  • 七沢 竜之介
高そうな時計や指輪をして、絡むと面倒そうな近寄りがたい見た目をした金髪の青年。
八木の彼氏であるが、最近は八木に色々ねだられてお金に困っているらしい。
「黒の巣」の常連客で、働く女性を見ているのが好きとは本人の弁。


  • 十倉 想乃香
図書館の司書として働く「クールビューティー」という単語が似合いそうな女性。
仕事の時は白のスーツをしっかりと着こなすが、普段着のセンスは独特かつラフで、しかもその格好のまま外を出歩くこともある残念な美女。


  • 十一谷 新
近所に住む小学生。飼い犬のジョンと散歩するのが大好きで、町のいろんな場所で歩郎たちと出会うが、なにかとトラブルに巻き込まれることとなる。


  • 一柳 清作
歩郎たちの通う学校の近くにあるアンティークショップ「アイオーン」の店長。
実は保の高校時代の同級生だが、同じ歳とは思えないほど老けている。



  • 一柳 奈緒子
35年前のバス事故で死亡したとされる一柳の母親。
バス事故当時は赤ん坊だった一柳も一緒に連れていた。



  • ジョン
新の飼い犬。人懐っこく大人しい犬で、新といつも散歩している。


  • シロ
歩郎たちが昔、空き地に造った秘密基地で飼っていた白い犬。
8年前に台風が来た際の落雷で死んでしまった。



【主題歌】

  • オープニングテーマ
「Time Hollow」
作詞:HANNA KONDO/作曲:秋田真典/歌:Mouse

  • エンディングテーマ
「Unite As One」
作詞:野口圭/作曲:原一博/編曲:田中隼人/歌:伊藤由奈


※今作のオープニングテーマ曲「Time Hollow」はPS2版DanceDanceRevolution SuperNOVA 2に収録されていたりする。



【余談】

このゲームには2周目が存在するが、2周目ではプロローグの時点で「本作の結末を知っている」という状態の歩郎が、本作の黒幕となる人物と対面し、その人物によって事件が引き起こされる前に全ての問題を解決し、何事もなかったように日常を送るという裏技的な方法でエンディングを迎えるという、「エンディングのスタッフロールを見たい人向け」のおまけ的な内容になっている。

そんな中、発売してしばらくして「実は3周目が存在する」という噂が流れ、一時は沸き立った。しかし、どのような攻略を行ってもエンディングは変わらず、結局この情報はガセだということが判明。
これは本作のストーリーに対しての高く評価する声、もしくは惜しいと思う声が沢山あったことの裏返しだったという証左とも、言えなくはないだろうか。



追記修正は、修正すべき過去のフラッシュバックの状況を完全に把握してから実施してください。


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最終更新:2020年10月25日 23:13