算数チャチャチャ

登録日:2021/08/16 Mon 14:48:32
更新日:2024/02/12 Mon 18:39:21
所要時間:約 3 分で読めます




算数チャチャチャ(さんすうちゃちゃちゃ)は、日本の楽曲。

概要

作詞・作曲: 山口和義

その名の通り算数がテーマの曲であり、歌詞中では算数の問題をチャチャチャのリズムに合わせながらスラスラと解いている。

初出は「あなたのメロディー」というNHKの視聴者参加型の音楽番組であり、この曲はこの番組で入選を果たした。
その後、同じNHKの番組「みんなのうた」に採用された。1973年6~7月に初回放送され、ペギー葉山とヤング101が歌唱した。この時の編曲は一ノ瀬義孝が担当。
映像は、当時最先端の技術であったスキャニメイト*1のアニメーションであり、数字達が動き回ったり歌に合わせて数式を書いたりしている。なお、日本のスキャニメイト作品としては最古の作品に当たるため、アニメ技術史としての史料価値も高い。

この曲が収録されたみんなのうた関連のCDは何枚か出ているが、ペギー葉山本人が歌唱した放送バージョンが収録されている物は少ない。また、DVD「みんなのうた 第5集」にも収録されている。

全部で3番あるが、3番はみんなのうたの放送バージョンではカットされている。

追記・修正お願いします。




















さてこの曲の1番の問題を見てみよう。

「√2プラス1分の2プラス√2」

2+√2
ーーー
√2+1






算数?

   *   *
 *   +  うそです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *




そうこの曲、タイトルに算数が付いているのに対して、歌詞の内容が丸っきり中学~高校レベルの「数学」なのである。数学チャチャチャ
一応算数(数学)の問題をスラスラと解いているという上記の歌詞説明は間違いではなく、この後1番では、分子を√2で括ると、分母と同じ√2+1になるので、その分数を√2+1で割ると√2の答えになると歌っている。

式に展開するとこんな感じ。

√2(√2+1)
ーーーーー  =√2
√2+1

あまりにもスラスラと歌うので、むしろ分からないという声も多いが。

なお2番・3番も同じような調子であり、それぞれ以下の通り。
  • 2番・・・sinθ=cosθ×√3であるときのsinθとcosθを求めよ。(高校数学:三角関数の問題)
sinθ/cosθ=tanθ(タンゼント)発音が古いなので
tanθ=√3 で、底辺1、高さ√3、斜辺2の直角三角形を出して
sinθ=√3/2
cosθ=0.5
*2

  • 3番・・・cos(θ+π/2)の時のcosθのグラフを書け。(高校数学:三角関数のグラフの問題)
θ=0から順にπ/2増えるごとにcosθ=1,0,-1…となるので
π/2を加算し、0,-1,0,1となるから
cos(θ+π/2)=-sinθで、cosθと平行になる
*3


余談

1973年の初回放送終了後も現在に至るまでに何度か再放送が行われている。特に2016年に再放送された際は、そのタイトルと内容のギャップから、SNSで大きな話題になった。なお2021年にも再放送が行われており、この時もSNSで反響を呼んだ。

歌唱を担当したペギー葉山さんにも歌詞の内容が分からなかったようで、「よくすらすら解けますね」と尋ねたところ「バカねえ、わたしにできるわけないじゃない」と答えたというエピソードがある。

この曲の初回放送から15年後の1988年には、「たのしいさんすう」という楽曲がみんなのうたで放送されている。こちらは足し算や引き算など、ちゃんと「算数」をテーマにした曲であるのでご安心ください。

追記修正は高校数学をチャチャチャと解くことができた人がお願いします。

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最終更新:2024年02月12日 18:39

*1 アナログCGの1種。他にスキャニメイトを使用した作品としてはタイムボカンなどがある。

*2 ただし、このように小数と分数を混ぜるのはテストでは減点対象になりやすいので注意。ここでは「0.5」ではなく「1/2」とするべきだ。また角の指定がない場合ならテストではsinθ=-√3/2とcosθ=-1/2の組も解として書かないと大減点か×。

*3 歌詞中ではなぜかθと略している