ソイレントシステム

登録日:2011/12/27 Tue 14:38:18
更新日:2022/11/19 Sat 21:02:08
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ソイレントシステムとはPSで発売されたRPG『ゼノギアス』に登場する施設のこと。

劇中に登場する『ソラリス国』における重要なインフラ設備でもある、国を支える画期的な循環リサイクルシステムであり、一大事業である。

ソラリスは超高度な科学力を持ちながらも他国の干渉を避けるべく空中都市を築いたがために、食糧や物資は地上から輸入するしかない。
その貴重な資材を無駄にしない為に、あらゆる物が再利用できるように工夫がされているのだ。

某超弩級宇宙戦艦にも搭載されているこれは、ニンジンの皮やジャガイモの皮、魚骨といった、
ダストシュートで集められた生ゴミさえ余さず完全滅菌して加工、新たに缶詰めとして再利用。
更に食糧素材から薬やバイオサンプリングで無くなった体の一部まで作成できるという、作中きっての最新鋭科学技術。

貧困に喘ぐ労働者階級への配給に有効利用されるが、もちろん貧民専用ではなく、一般庶民も購入するのでクオリティも高い。


この夢のような科学技術は、単独で都市レベルの生活環境を永続させることができる、究極のエコロジーと言えるだろう。

もし良ければアニヲタwiki諸兄もこちらの試食用の缶詰を御賞味頂ければ、いかに優れた技術か分かってもらえるだろう。

いいえ、私は遠慮しておきます。晩御飯が食べられなくなるといけないので。

どうです、美味しいでしょう?




エコロジー活動に興味のある方は追記・修正をお願いします。











 _, ,_  
(-ノoдo-)<食べましたね?






   *   *  本 当 は
 *    +  こ れ が 材 料 で す
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(-o芝o)E)
  Y   Y  *







「先生……こんなのって…ないよ…」






以下、ネタバレ


惑星全体を支配する世界唯一の超大国『ソラリス帝国』は惑星の赤道上の大気圏上層に浮かぶ国。
約300年間もの長きにわたる戦争で荒廃し、魔物が跋扈する地上を文字通り高みの見物をしている。

救いを求めてソラリスが設立し運営する「教会」にやってきた帝国にとって家畜、奴隷同然の憔悴した地上人(ラムズ)定期的にソラリスに送られる(補充・移送)

哀れな地上人達(奴隷)は選別され、労働力に適正のある者は洗脳し強制労働奴隷、それ以外はソイレント施設に送られる。

ソイレントシステムとはそんなソラリス帝国が地上人に施した刻印(リミッター)*1維持の食料、薬品生産施設で生体実験場処理施設である。


地上人達は施設での凄惨な人体実験の末に身体が異形化して知能が低下し、食人欲にかられた死霊(ウェルス)と呼ばれる狂乱状態となる。
こうなったが最後、痛みと苦しみで発狂し、かつ極端に短命になる。救う手段はなく、出来てせいぜい苦しまないよう殺してやるぐらいしか手立てはない。
…もっとも帝国からすれば奴隷の生死などどうでもいいので、生きていても邪魔にならないなら檻にでも入れておくだけだが。

ちなみに下記の原材料採集のために帝国は「不良品」(ウェルス)の一部を地上に送り返してあげる(ゴミとして排出)
それを「教会」が「神の怒りに触れた罪深き塔(バベルタワー)から降ってくる死霊」として退治人(エトーン)*2に始末させる事で人心掌握するという間接的地上支配に利用。

そして最終的に採集した原材料(ウェルス)達を加工し、食品、薬品として再利用する

劇中ではフェイ、エリィが潜入した施設内で発見した人肉缶詰めを食した直後に生産ラインに侵入。
パイプからベルトコンベアにボトボト落ちていく人の形をしたものと、その先のミンチマシンから響く生々しい音と悲鳴を聞いて吐いている。

つまりはウェルス(人間)生きたまま食材(SAN値直葬)にするシステムなのだ。

加工現場に入る前、缶詰めを勧めたフェイには「アナタ達はあれを食べましたね?」と全てを知っているシタン先生が再確認する鬼畜っぷり。


更にこの奥に檻でウェルスを閉じ込めているが、この時の彼等のセリフや、ウェルス化後も「檻を開けるな」と忠告する理性を保った人がいる。
檻を開けてしまうと「だから開けるなと言ったのに…」と理性をなくして凄まじいスピードで襲いかかってくる事にトラウマを持った人もいたのではないだろうか。



尚、良い結果が出たら自由になれるわけなく、人機融合ギアと呼ばれる生体部品使用型ギアの材料*3にされる
ちなみに人機融合ギアはご丁寧に部品なので自由は奪われるが自我意識はそのまま閉じ込められるという生き地獄。

真実を知る由もなくどうあがいても絶望な地上人は「罪を犯して神罰を受けたウェルス(自分達を襲ってくる化け物)」と戦う教会に救いを求め……という悪夢のようなループに囚われている………。



「おい! あんた。この項目を編集してくれないか?」

「なに、簡単さ。そこのパネルを押してくれるだけでいいんだ。」

「追記、修正してくれてありがとう。」



「お礼に………」



「食べちゃうゾ!」









ヒトが地に満ちたとき

神はその永き眠りから目醒める……

そして天空の楽園マハノンも目醒める……






ネット上で「後味の悪い話」として流布されている人肉缶詰すらまだ入り口でしかない。

本当の地獄はここからだ。

以下、更なるネタバレなので注意

ソラリスは500年前の崩壊の日以降にナノマシン技術によってヒトの遺伝子を書き換える。
そして生まれながらに「身体能力を抑制し、ソラリスを盲信し、ウェルスに戻さない為のリミッター」である『刻印』を植えつけた。


そう…つまり、異形化したと思われていたウェルスこそがヒトの正体*4

およそ800年前、エーテル能力を身に付けた者が生まれ始め、ヒトが種として最終段階に入ったと判断したカインらによってソラリスが建国された。
しかし500年前の『崩壊の日』、ヒトの能力が想定以上にも上回ったが為、『計画』が頓挫する事を恐れナノマシンを使って制御したのだった。

遺伝子を抑え込むこの刻印の効果が薄れないようにナノマシンの追加補充が必要だが、その効果を持続、強化させるにはナノマシン付きの人間を食べればいい。

ウェルス化せずに超越した心身で無意識にリミッターを外している*5主人公たちはもちろん、これで作られた薬などを摂取するソラリス市民もナノマシンを取り込んで実質人間を食べているので、ウェルスの本能を抑えられる。

刻印(ナノマシン技術)で封じた「本質的なヒト(開花した本来の能力)」を実験的に再現した「ウェルス化」による急激な分子変化は非常に苦痛を伴う。
ただし「ウェルス化した人間」は『ヒト』の血肉を得ることで苦痛を和らげ、多少だが余命を延ばす事も出来る。
そのためウェルスはヒトを襲い、果ては軽度な変異体すらも食べるのである。

ただし一万年の歴史でかなり変化した遺伝子と、ナノマシン自体の経年劣化は避けられず、『福音の却』(タイムリミット)が来ると全人類が強制的に「本来の姿」に戻る。

だが、なぜヒトは『本来の姿』(ウェルス)にわざわざ封印を施されたのか?
そもそもなぜ不自然なまでに生き永らえられないなどという、生物として矛盾した存在なのか?




察しの良い方はもうお分かり頂けただろう

全ては「M計画」(神の復活準備)を遂行するためである。

この計画とは、ウェルス…構築人種『スファル人』(スファラディー)化した人間を分子レベルで分解、融合し、より完璧な「一個の兵器」を生成すること。

人肉缶詰工場の本来の目的は原初のヒトである天帝を頂点としたガゼル法院の延命研究と、「M計画」を遂行する為の装置を兼ねた施設だった。

そして崩壊の日の後、単に天帝と法院の延命処置をするだけにとどまらず、復活に相応しい生体を創り出す実験の失敗作を民意統制用の薬品や食料、生物兵器に転用した。



そう、一万年前に“地球人を模して”創られた『ヒト』とは『一つの超巨大兵器』を造る為の生体パーツ

ソイレントシステムは人間を材料に人造神を造るパーツ工場だったのである。


度重なる人体実験は生体パーツの精度を上げるため。
ウェルスが人肉を得て一時的に症状が緩和するのも、分子レベルで最適化した結果。
地上に住む亜人達も一万年に渡るこの人体実験で生み出された種族だった。

地上に各地にあるメモリーキューブ(セーブポイント)さえも、地上人のデータを収集・分析する為のもの。
ギアサイズのアニキ巨大ウェルスもこの目的を達成する過程と思われる*6
地球人を模して創った理由は、デウス復活時に敵性勢力になるであろう『人間』との戦いをシミュレートするためである。

一万年間、全ては神……恒星間戦略統合兵器『デウス・システム』の生体部品として、必要数に繁殖するまで、必要な性能になるまで「生かされているだけ」なのだ…。
あえて単体では短命且つ地獄の苦しみを受けるように作られたのも、それ以外の人生や生き方(部品にならないパーツ)など必要がないからである。

劇中ではdisc2にてフェイ達がこの支配から解放しようとしたが、カレルレンが先手を打ってナノマシンウィルスを地上に散布。
リミッターが外れるのと同時に多数の人々が、デウスを構築する部品として適したヒト本来の姿「スファル人」と化してしまう。
もっとも『福音の却』が近づくと自動的にヒトはスファル人になるように創られているので、ほぼ時間の問題であったが。


遺伝子改造されたウェルスと違って理性が残っているのか、スファル人化してしまった人達はいつしか広まった「ソイレントシステムに行けば苦痛は取り除かれる」と救いを求めた。
そして自ら進んでパーツ化施設に向かい、一列に並んで順番を待つという狂気の産物を目にする事になる。
(因みに通達もなく巻き込まれた地上任務だったソラリスの兵士までもいる)

これは遺伝子自体に組み込まれたプログラムであり、スファル人は意識を残したまま兵器に組み込まれる*7
だが、気が狂うほどの生き地獄の末の死しか待っていないので、選択肢はほぼない。

部品になるか、死か。

ウェルスもスファル人も変異の進行が浅い者は、体を再構築するカレルレンの師・トーラのナノリアクターで体組成を修復して元の体へと戻る事が出来た。
進行が深く元に戻れないヒトから苦痛を取り除くことと、エリィの身を挺した説得もあって争いはなくなった……はずだった



その後、デウスが目覚めた際にヒトをスファル人に戻す本来の手段「ゲーティアの小鍵」が発動。
シェバトなどの一部を除いた何も知らないソラリスの全ての人はガゼル法院によってスファルギア(巨大スファル人)に改造された。
地上人達もほとんどがデウスを形成する部品となり、母艦メルカバー本体や機動端末兵器群アイオーンの部品に融合して消えていった。

しかし、カレルレンが愛し、「ヒトの未来の為に、ヒトを生き長らえさせる為に導いた」*8スファル人はデウスを乗っ取るのである。

それは適正でなかったら問答無用で絶滅、適正でもパーツ扱いという部品として組み込まれる『福音の却』(デウス復活)の運命に翻弄される人間たちに、どこまでも救いがなかったからだった…。

『福音の却』にデウスが復活を遂げた暁には、ヒトは心も想いも抱くことができない部品となり無限の虚無に縛られるのだ。


余談

  • 味方側で力も知恵もなく翻弄された「普通の人」の代表がハマー。
    真実を知っても立ち向かうフェイらと違って、ウェルスになりたくない『普通』の弱さを付け込まれ、カレルレンと取引でエリィを連れ去ろうとするが失敗し、エリィの母を誤射で射殺。
    後に人機融合ギアという変わり果てた姿でフェイ等の前に立ちふさがる。

  • システムの名前はハリイ・ハリスンの小説「人間がいっぱい」を原作とする映画「ソイレント・グリーン」が元ネタと思われる。
    ソイレント自体はこれらの作品中で登場するソイレント社が製造している合成食料。
    「Soybean(大豆)」と「Lentil(レンズ豆)」を合わせた造語であり、小説ではその名の通り大豆とレンズ豆から作られている。
    映画では海のプランクトンから製造されており、人間を材料にした新製品の「ソイレント・グリーン」も登場する。

  • 2013年に米国のベンチャー企業が開発した完全栄養食品「ソイレント」が発売されている。
    生存に必要なすべての栄養素が含まれた粉で、水に溶かして豆乳っぽいドリンクにして摂取する。
    材料はオーツ麦や食用油脂で、もちろん本項目のソイレントシステムと直接の関係はない。
    開発者曰く、「このソイレントはヒューマン・フリー(人間不使用)ですよ」とのこと。誰がうまいことを言えと。


シタン先生「アニヲタ達はこの項目を追記しました。そのことをよく認識して、その修正ページを開けなさい」


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最終更新:2022年11月19日 21:02

*1 産まれた時に植え付けられる「脳内分泌物質をコントロールして、能力を制限しソラリスへの畏敬を抱かせる洗脳装置」

*2 「退治人」の適性がない者は洗脳を施した上で「働き蜂」と呼ばれる単純労働者層の第3階級市民という名の奴隷となる。居住区はダストシュート先のゴミ保留地で、一定期間ごとに殺処分されるおまけ付き。

*3 マリアの愛機ゼプツェンはこれで作られたもの。ただし初期型なので入っているのは脳のみ。

*4 より正確に言えば後述の『構築人種スファラディー』の前段階の状態。設定資料集によれば「この惑星で生まれたヒト全ては、やがて皆がウェルスの形態を経由してデウスの部品に還元される運命にある」という。

*5 これはガゼル法院が欲していたアニマの器と同調できるアニムスという肉体であり、アニマと融合する事で他の生体パーツとは違ったデウス中枢の機動端末になれる。

*6 ウェルスもスファル人も本質的には生体パーツなので、スファル人もソイレントシステムで巨大スファル人に融合されたりしている。

*7 後にこの意識の集合体が敵となって現れる。

*8 彼の最終目標は、デウスを利用し波動存在という神に等しい高次元の存在と、全てのヒトとの合一化によって『救済』する事だった。