ブラック&ホワイトクリスマス(名探偵コナン 特別編)

登録日:2022/11/28 (月) 23:40:00
更新日:2022/12/11 Sun 21:30:50
所要時間:約 10 分で読めます




『ブラック&ホワイトクリスマス』とは、『名探偵コナン 特別編』のエピソードのひとつ。
『特別編』第34巻に収録されており、漫画は太田勝&窪田一裕コンビが担当。


※以下、ネタバレに注意してください。

【ストーリー】

栗巣丹三からの依頼で栗巣邸にやって来たコナン達。
探偵に見えないよう友人か親戚のふりして来ると、栗巣麗子から娘が義影団に誘拐された事を聞かされる。

前日に届いた義影団からの脅迫状の指示通り、3000万円を用意して約束の場所である駅前広場に向かうが、逆にサンタと警察官に変装した義影団に探偵団の4人と栗巣家のメイドである高見千穂を人質に取り、広場から去って行った。

すると、サンタクロース姿のメンバーが「聖夜にここで待ってると、ジェフによろしく言ってくれ」と謎の一言を言っていた。
果たして、これはどういう意味なのか……?


【事件関係者】

  • 栗巣伊吹(くりす いぶき)
丹三の孫娘であり、麗子の娘。
義影団に誘拐されている。
ジェフという名前の熊のぬいぐるみを持っており、麗子の話では大きくなった今でもぬいぐるみと遊んでいるとの事。
名前の元ネタは「クリスマスイブ」。

  • 栗巣丹三(くりす たんぞう)
伊吹の祖父であり、麗子の父親。
義影団からの脅迫状の内容を見て、腹黒い事はしていないと激怒している。
脅迫状の指示を素直に聞いている為、小五郎や麗子は警察に通報しろと言うも頑固な性格の為、聞き入れようとせず、結局義影団の思うツボとなった。

  • 栗巣麗子(くりす れいこ)
伊吹の母親であり、丹三の娘。
小五郎から伊吹の父親の事を聞かれると、10年以上前に海外で事故にあって亡くなっているとの事で、娘の伊吹がいなくなったらと涙を流していた。
携帯電話に「ジェフといっしょ」という伊吹とぬいぐるみが写ったプリクラが貼られており、コナンが話を聞くと、他の写真にも伊吹とジェフが一緒に写っているとの事だった。

  • 高見千穂(たかみ ちほ)
栗巣家のメイド。
松藤と一緒に身代金の準備をしていた。
その後、丹三と麗子と一緒に同行するが、サンタと警察官に変装した義影団メンバーによって人質に取られ、誘拐される。

  • 松藤望(まつふじ のぞむ)
栗巣家の執事。
玄関でコナン達を案内しており、千穂と同じく身代金の準備もしており、同行もしている。
義影団のやり方になんと卑劣な…と言っている。

  • 義影団(ぎえいだん)
犯罪組織グループで、正義と称して犯罪を犯す集団。
灰原の話によると、昔は悪人から盗む義賊のふりをしていたが、現在は強盗や誘拐など何でもする最低の犯人集団との事。
駅伝広場での騒動も偽の警察官に変装して「許可なく映画撮影してサンタを連行」してその場を去って行った。


【レギュラー陣】

ご存知主人公。
小五郎と同じく、伊吹が誘拐された事を警察へ通報するように言っていた。
聖夜とジェフが何の事かわからなかったが、ジェフが熊のぬいぐるみの事だと知る。
さらに、サンタの謎の一言で義影団のアジトを探す手がかり「クリスマスツリーの上に輝く星」を探せば何かが見つかると現場に来た目暮に言ったが、何も見つからない為、本当にこの推理でいいのかと思っている。

ご存知蘭姉ちゃん。
前編ではコナン達に同行した程度で影が薄かったが、後編はコナンと一緒に手がかりを探している。
そして、終盤に見せ場がある。

ご存知迷探偵。
自分がついていながらさらに誘拐事件が発生した為、目暮が到着後に手がかりのないままひとりで義影団の行方を追う。
蘭と同じく終盤に見せ場があり、その時の彼はおそらく特別編の中でも一番かっこいい。

ご存知少年探偵団のメンバー達。
探偵っぽくないという理由でついて来ていた。
駅前広場近くの歩道橋で監視をしていたが、逆に捕らえられて誘拐されてしまう。

ご存知警部殿。
「クリスマスツリーの上に輝く星」という手がかりを探せば何かが見つかるかもと言う小五郎(コナン)の指示で、街中のクリスマスツリーの星を調べるように現場の警察官に指示している。


【脅迫状の内容】


イ キ ノ ア ル ウ チ ニ
オ マ エ ノ ム ス メ ヲ
タ ス ケ テ ホ シ ク バ
メ イ レ イ ヲ キ ケ !

と半円形にちぎってある紙に書かれてあり、裏には「明日15時に3000万円用意して駅前広場に行け。警察に知らせるな。腹黒いお前が白い道を歩んで金を出せば孫は返してやる」という指示が書かれてあった。


【以下、事件の真相。さらなるネタバレ注意】

















「クリスマスツリーの上に輝く星」を探すコナンと蘭だが、何も見つからないまま夜が近づくと、誘拐現場近くの駅ビルがツリーの形にライトアップされた。
ビルの最上階は1つの窓だけがライトアップされており、蘭は最上階の窓が「ツリーの星」かと思ったが、よく見るとそ駅ビルの影に隠れた高層ホテルにも星のように光る窓を発見。
すると、「あそこに奴らがいるのか」と言う小五郎が現れた。

一方、光る窓の部屋では義影団のメンバーが仲間割れをしており、サンタが他のメンバーに暴力を振るわれていた。
どうやら、サンタが「ジェフによろしく」と言った事が原因だった……。


う、裏切り者はどっちだ

俺が作った組織を乗っ取って、誘拐や強盗にまで手を染めて……


  • サンタの男
義影団の元ボス。
義影団を作ったが、ある人物によって乗っ取られてしまい、誘拐や強盗など何でもするようになってしまった。

すると、それを聞いたコナンが窓清掃で使うゴンドラに乗って登場。
サンタのお陰でこの場所にたどり着いた事にお礼を言った。


何よ。どうしてここが分かったの


  • 高見千穂
現在の義影団のボス。
高層ホテルがアジトだと分かった事をコナンに聞くと、脅迫状に書いてあった暗号がジェフのポケットと同じ形だった事とポケットの模様と同じく数だけ文字があった事だった。

指示に書いてあった「白い道を歩め」と描いてある通り、模様の白い部分だけを読むと、

○ キ ノ ○ ○ ウ ○ ○
○ ○ エ ノ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ホ シ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

キノウエノホシ…つまり、クリスマスツリーの星を思わせるこの高層ホテルの部屋を示す暗号になっていた。
当然、このヒントはサンタの男が「ジェフに聞け」というヒントがなかったらコナンも分からなかった。

だが、そんな事はどうでもよかった千穂はこっちには銃があると言って、コナンのいる方向の窓に向け銃弾を2発発砲。
そして、手下と一緒にいたところを目撃した人質を殺害しようとコナンに言った時、コナンは笑いながら「それはどうかな?」と言った……。


煙突がないから天井を壊して来たわ!!

子供を誘拐するなんて……!!


なんと、蘭が天井を壊して小五郎と一緒に登場。
コナン曰く、蘭と小五郎は銃より怖い人間である為、千穂率いる義影団はたった1コマで某深夜ドラマ*1のような展開で悲鳴をあげながら呆気なく倒されてしまった。
連行された時の偽警察官メンバーは蘭によって顔面がボコボコにされ、ボスである千穂も小五郎に一本背負いされたのか、服が少し乱れていた。
強盗や誘拐など何でもする最低の集団という事を考えれば、強盗殺人もしている可能性もある為、かなりの刑期または極刑になると思われる。

なお、今回は人質の中に灰原もいた為、仮に公安の彼がいたら義影団のメンバーは腹パンを喰らっていたりFBIのスナイパーなら遠くから脳幹を狙っていたかもしれない為、義影団の場合はそういう意味では運がよかったかもしれない*2
それでも、蘭と小五郎が相手の時点で御愁傷様だったが*3

本作では描かれていないが、義影団は男性メンバーが多くいるにも関わらず、唯一の女性メンバーで若い千穂がサンタの男に変わってボスになったのは、マティーニを作ったのか、激しい運動をしてサンタ以外の男性メンバーを味方につけたのかもしれない。これが事実なら、本作の連載されている雑誌を考えればボスになった理由が描かれなかったのも納得できる。

  • サンタの男(続き)
元ボスの正体は伊吹の父親だった。
伊吹の話では、ジェフの事を知っているのは自分と母親の麗子と父親の3人だけで、伊吹は父親が10年以上前に死んだと聞かされていたが、写真がない為、伊吹は父親の顔を知らなかった。

男は娘はいないととぼけるが、コナンからは犯罪者ではあるが本当の事を言わなくていいのかと言われると、


犯罪者でもいい…お父さんが生きててくれたのなら…


と涙を流す伊吹に言われると、男は伊吹に謝罪。
そして、いつの日か罪を償って帰るからと言って連行された。

  • 栗巣丹三
義影団が誕生した全ての元凶。
伊吹の父親が麗子と結婚して伊吹が生まれたのに、あの家に相応しくないという理由で伊吹の父親は追い出されて死んだ扱いにされ、そこから伊吹の父親は悪い金持ちを見返す為に義影団を結成していた。
丹三は腹黒い事はしていないと激怒していたが、伊吹の父親を追い出した事で義影団が生まれた為、今回の件で家族仲が冷える可能性も否定できないだろう。


【エピローグ】

探偵事務所に戻ったコナン達は、伊吹の父親の事を話していた。

義影団を結成したものの、それが千穂によって組織が乗っ取られてしまい、伊吹の命が危険になった為、自分の命をかけて伊吹を救おうとしていた。
コナンは灰原からサンタが伊吹の父親だと分かった理由を聞かれ、指示に書いてあった「腹黒い道」を描いてある通りに模様の黒い部分だけを読む事を教えた。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ム ス メ ヲ
タ ス ケ テ ○ ○ ク ○
○ ○ レ ○ ○ ○ ○ !

ムスメヲタスケクレ!…伊吹の父親のSOSメッセージだった。
例えどんな事があっても親の愛は永遠だと、蘭と小五郎は言うのであった。


【余談】

本作が収録されている34巻が発売されたのは2009年だが、翌年に公開された劇場版『天空の難破船』でも今回と同じように男女のテロリストグループが登場している。


追記・修正は、蘭と小五郎と一緒に義影団を壊滅させてからお願いします。

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最終更新:2022年12月11日 21:30

*1 余談だが、いくつかの「コナン」のアニメオリジナルエピソードの脚本を担当している三上幸四郎氏はこのドラマの脚本家でもある。

*2 本作連載時では、前者は当時原作未登場。後者は「殉職」していた。

*3 なお、アニメオリジナルエピソードである『シンクロにシティ事件』ではこの2人の攻撃をかわして逃走した犯人が登場している。