SCP-287-KO

登録日:2023/12/14 Thu 07:01:53
更新日:2024/10/14 Mon 19:34:55
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SCP財団アニオタ支部の皆様、ご機嫌いかがでしょうか。本日もSCPオブジェクトの解説を務める[編集済み]です。


SCP財団はこれまで、一般的な科学では説明のつかない異常物品を確保・収容・保護するという理念に基づき、様々なオブジェクトを収容してきました。どのオブジェクトも独特な異常性を保持しており、強烈な個性を放っています。しかし本日解説するオブジェクトは初見時そのインパクトで右に出る者はいない!

ご紹介しましょう!韓国支部からの刺客、SCP-287-KOです!


特別競技規定(Special Competitive Provision)

SCP-287-KOはまだ見ぬ次の競技に備え、競技場「第██保管サイト」内の広さ5mの部屋にある施錠済みロッカーに保管されており、エージェントという選ばれし役職を担う職員、それも一名のみが守備に就く必要があります。エージェントは、SCP-287-KOに関連する如何なる要求も却下しなければなりません。
また、SCP-287-KOの移動や回収を行う場合、やはり1名のみのエージェントが競技の進行を行わなければいけません。

解説

このオブジェクトは収容当初Euclidリーグに所属していました。しかし我らが財団による研究によりこのオブジェクトの性質が明らかにされた後、Safeリーグへと格下げを受けています。

SCP-287-KOは、スポーツなどの競技で優勝賞品として用いられることのあるトロフィーの形状をした物体です。そしてなんとこのトロフィー、純金製!眩い光を放っております!異常性のために実物を見せることができないのは少々残念ですが…
このオブジェクトは主に2つに分けられる異常性を保持しています。そのうち一つは…皆様が今感じている違和感がそれでしょう。SCP-287-KOに関する情報は、全てアナウンサーまたは競技解説者のような形式で行われます!これは情報災害と呼ばれる異常性であり、これを持つオブジェクトは記事そのものが影響を受けていることが多く見られます。SCP-287-KOもその例外ではなく、自身の説明以外には作用しないという欠点こそありますが、筆記・発声・データベース上での保管などあらゆる手段を通しても発現し、回避する手段はありません!恐るべしSCP-287-KO!

そしてSCP-287-KOのもう一つの異常性は、オブジェクトに対して二人以上の選手が長時間曝露した際に発現します。この「選手」になることに曝露以外の条件は必要ありません。まさに無差別級!
曝露した選手たちはSCP-287-KOを手に取りたがり、その所有権を争ってSCP-287-KOを持つに値する価値がある競技を進行しようとします。この競技は、参加する選手がより多くなるほど競技形式がより大きく、そして多彩化します。そして例え競技に必要な物品が不足していても止まることはありません!最終的に一人残った選手が、勝者に相応しい栄誉としてSCP-287-KOを手に取ることができます。
そして勝者が生まれて以降にSCP-287-KOを見た選手は――勝者が生まれて以降は、闘いの舞台に立つために運動選手を職業としている、あるいはしていたことが求められます――勝者に挑戦状を叩きつけることが可能です!

SCP-287-KOを巡って行われた競技の一つを紹介しましょう。SCP-287-KOを屋外に放置してサッカーの決勝戦を開催した██████競技場では、試合会場にいた選手たちが一団となって同じ試合への参加を試みました。この時は試合を記録していたカメラマン選手や観戦中の選手たちも皆ベンチを離れ、スタジアム内は修羅場と化した模様です。[データ削除済]、最終的に満身創痍となりながら選手一名が警察に通報しました。この状況を重く見た財団はすぐさまその叡智を行使し、警察の証拠物件保管室からSCP-287-KOを奪取することに成功しました!見事な手腕です。

競技記録

以降は財団韓国支部にて行われた、SCP-287-KOのポテンシャルを明らかにするべく開催された過去の競技の紹介となります。

競技記録KO-287-1

記録日時:2001/0█/12
実験司会者: ███研究員
実験参加者: 運動経験のあるD-287-1とD-287-2が控室で待機しています。
実験手順: D-287-1とD-287-2が、SCP-287-KOと長時間直面します。
内容: 今回の実験を担当する███研究員です。横には、競技進行のために試合会場入りしたDクラス選手たち。今まさにこの瞬間試合が始まりました! D-287-1の右フック! D-287-2はこれを見切って回避だ! 続くD-287-2のアッパーカット! [編集済] あーっとD-287-2、最早戦闘を継続できません、全ての血を吐き出しています。試合中止につき、今回の試合の勝者はD-287-1です! おっとこれはどうした、D-287-2、身動きしていません! 速やかに病院へと搬送されていきます! 試合終了後の報酬としてD-287-1には記憶処理が施されましたっ!
結果: 今回の試合はボクシングとなりました。ルール無用、無闇にボコボコにしてでも勝利することが条件のようであります。しかし、意外に競技用語が出てくるのを見ると試合と呼んで差し支えないでしょう。ちなみにD-287-1は報酬の支給を担当するエージェントには勝負を挑もうとはせず、速やかに報酬を与えられました。

これまで解説した異常性のおさらいともいえる試合です。一部の記録が欠けていますが、結果の欄から察するに、D-287-1がD-287-2に対して何らかの手段で致命傷を与えたものと思われます。

競技記録KO-287-2

記録日時:2001/0█/13
実験司会者: ███研究員
実験参加者: Dクラス選手10名をレスリング競技場に配置します。
実験手順: Dクラス選手10名をSCP-287-KOの前に移動させ、1時間見守ります。
内容: 武器はありませんが、様々なレスリング専門知識を使って試合が進行しています。しかし選手一同レスリングを学んだことがありません、誤った技の使用による骨折で8名が病院送りとなりました。残る2名の選手、D-287-5とD-287-3が試合を継続しています。おっと、この瞬間D-287-5がD-287-3を抱え上げてパイルドライバーッ! 技に耐えられませんでした、D-287-3は首の骨折でこれ以上動けません! 試合終了後、D-287-3を含む選手5人が死亡しました。D-287-5には試合終了後の報酬として記憶処理が施されました。
結果: 運動競技に関連する場所や機器が近くにある場合、これを利用した試合が始まる模様です。

どうやら競技の内容は事前にある程度のコントロールが可能なようです。一方で残り一人になるまで競技が終わらないことから、チーム戦が競技として選ばれることはなさそうです。
また実際の競技のルールに沿って行われる場合、選手たちはその競技の知識を得るようです。試合後の処置や報酬により、それらの知識が競技終了後も保持されているかは不明です。

競技記録KO-287-3

記録日時:2001/0█/14
実験司会者: ███研究員
実験参加者: Dクラス選手1名、D-287-11、年齢15歳にして昨年の家屋放火競技においては5件の家を全焼させました。驚くべき底力の記録を持つ選手であります。
実験手順: D-287-11に対し、SCP-287-KOのことを説明するように指示を出します。実際には選手D-287-11、SCP-287-KOについての知識を持っておりません。
内容: D-287-11は何も知らないのに何を話せばいいのか分からないと語りました。これは脱落と見ていいのでしょうか?
結果: SCP-287-KOの本体を正確に知らない人物には影響が無いようです。

情報災害に関連した記録となります。D-287-11はSCP-287-KOの説明を求められましたが応じず、試合放棄の格好です。一方でこのデータは、「SCP-287-KOを知らなければ情報災害は発生しない」という、SCP-287-KO収容戦略の一角を担う重要な事実を示しています。

競技記録KO-287-4

記録日時:2001/0█/15
実験司会者: ███研究員
実験参加者: Dクラス選手2名、D-287-12とD-287-13
実験手順: D-287-12がD-287-13と試合を進め勝利しました。速やかにD-287-13を控室へと帰らせ、運動選手の経歴を持たないDクラス選手のD-287-14が選手交代してD-287-12との接触に臨みます。
内容: D-287-12はD-287-14をそのまま観客として扱い、D-287-14に皮肉を飛ばし始めました。選手にあるまじき言動であります。しかし、試合を展開したい>意向は見られません。D-287-12には優勝者への賞、D-287-14には特別賞として、それぞれ記憶処理を報酬として施すことが決まりました。
結果: 勝負はこれからが始まり、ということでしょうか? 競技後にも運動職業に関連している研究員はSCP-287-KOに接触が禁止されます。

運動経験を持たない新芽のような選手は、SCP-287-KOというタイトルを持つ選手への挑戦は認められません。実力差を考えれば当然と言えるでしょう。

競技手順KO-287-5

記録日時:2001/0█/15
実験司会者: ███研究員
実験参加者: Dクラス選手1名、D-287-13、傷の治療後に再び呼び出しを受けました。
実験手順: D-287-13は、SCP-287-KOを前に置いた状態で、窓の無い部屋に長時間閉じ込められました。
内容: D-287-13は何の影響も受けていません。この後、D-287-13は報酬として終了されました。
結果: 競技進行に必要な人数が足りなかった、ということでしょうか。実に無念であります。何はともあれ、たった1人ならば収容プロトコルが容易になると明らかになったのは幸いです。この後はSafeクラス格下げをお送りいたします。実況は私、SCP-287-KOの収容進行の███研究員でした。視聴してくださった皆さま、ありがとうございます。

我らが財団による、SCP-287-KO収容戦略の中核を担う貴重なデータです。近づいた選手が一人の場合競技そのものが始まらず、勝者も発生しません。このため、SCP-287-KOの管理はエージェント一人で行われているのです。それにしても、D-287-12へのリベンジの機会を得られず終了されてしまったD-287-13は不憫でなりません…

財団による競技記録は以上となります…

おっとここで研究員が競技場の部屋へと侵入しました!研究員はエージェントとの弁論勝負を挑みます!
あーっとエージェントから上がるNOの声!勝負は一瞬で決し、研究員は会場を去って行きます…。
エージェントは自らに課された役割を完璧にこなした、見事な勝利でした!

最後にこの記事のメタタイトルを紹介しましょう!



SCP-287-KO - 이 SCP-287-KO 를 가질 우승자는 누굴까요?!(このSCP-287-KOを手に取る勝者は一体誰なのか?!)


以上をもちましてSCP-287-KOの解説を終了いたします。短時間の閲覧、ありがとうございました。本記事の解説は[編集済]でした。
本ページの下部にはクリエイティブ・コモンズに基づき、SCP-287-KOの韓国支部の記事、及びそれを日本語訳した記事のリンクが掲載されております。ぜひご覧ください!

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CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-287-KO - 이 SCP-287-KO 를 가질 우승자는 누굴까요?!
by LSJ
http://scpko.wikidot.com/scp-287-ko
http://scp-jp.wikidot.com/scp-287-ko

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最終更新:2024年10月14日 19:34