鉄道駅ゲームえきっと!

登録日:2025/03/26 Wed 14:18:51
更新日:2025/03/29 Sat 00:55:08
所要時間:約 8分で読めます



「鉄道ゲーム えきっと!」は、個人のゲーム制作者、PEMO*1によって制作された、Android,iOS向けのアプリゲームである。

概要

2017年4月28日リリース。旅客数を増やすため、駅を建設し、様々な設備を設置して発展を見守る、駅経営系シミュレーションゲーム。
なお、このゲームで扱う駅は旅客駅のみで、貨物関係の要素は存在しない。
全駅通算で1日の利用客を50万人以上にするのが、ゲーム内での目標であり、この目標を達成するとエンディングが見られる。
このゲームの特徴として、「赤字」の概念が存在しないため、この手の経営シミュレーションゲームを始めて遊ぶプレイヤーには易しめ。

登場人物

  • 駅長(プレイヤー)
本作の主人公で、他キャラクターの言動からプレイヤー自体がこの駅長の立場としてゲームを進めることになる。
白髪の男性。
以下、プレイヤーと表記する。

  • 駅娘
ノゾミ、ヒカリ、コダマの3名の駅員。プレイヤーの部下となり、プレイヤーへのアドバイスなどを行うナビゲーター役。
茶髪がノゾミ、赤髪がヒカリ、金髪がコダマ。
名前はお気づきの通り、東海道新幹線で使用されている列車名からとられている。

  • コマチ
一定条件を満たすと解放される、車両基地の管理人。
名前は秋田新幹線の列車名が由来。

  • 副社長
テキストのみに登場する。駅長が駅長になる前に手掛けていた高層ビルプロジェクトの失敗に実は関係しているらしい……?


ストーリー

カジュアル気味な本作ではあるが、バックグラウンドのストーリーも一応存在する。なお、全駅合計の乗降客数が一定数に達すると、ストーリーが進む。
以下に、ゲーム開始前のあらすじを紹介する。
プレイヤーは、宇宙まで到達すると言われた高層ビルプロジェクトに参加していた。しかし、竣工前日にビルの崩壊事故が発生し、プレイヤーは責任を取る形で別のプロジェクトを行う部署へと左遷させられた。このプロジェクトは駅の1日の利用客を50万人にまで増やすプロジェクトであった。同時に配属されてきた3人の駅娘とともに、それまで数十名の駅長が短期間で辞職していった、いわゆる「追い出し部屋」のようなプロジェクトにプレイヤーは立ち向かうこととなった。

駅の建設・改築

本作を進める上で駅の存在は欠かせない。
最初から駅が建設されているが、後述する通り、駅の成長には限度があるため、成長しきったら新しい駅を造る必要がある。
駅は立地条件と規模の2つの要素が3通りずつある。
立地条件は平野、山、海の3種類があるが、駅建設費には影響しない。規模は小、中、大の3種類で、規模が大きいほど駅の建設費や、設備の設置費が高くなる。
このゲームで駅に到着する列車は1両につき3つの乗降口を持ち、小規模駅では2両、中規模駅では5両、大規模駅では10両が到着する。
後述の駅の成長により、小規模な駅、中規模な駅が育つと1つ上の規模の駅での設備設置費が割り引かれるシステムが存在し、この割引も駅が複数あれば一定まで割引率が累積されるため、ゲーム序盤は小規模な駅を複数成長させ、中規模駅の設備費割引が上限まで達したら中規模駅を複数育て、ようやく大規模な駅の建設、成長に力を入れられる。
なお、駅の建設費用はそれまでに作られた駅の数に応じて決まり、駅数が増えるにつれて建設費用が高くなる。無駄な出費を抑えるためには、駅の建設は成長しきったら次の駅を作っていく、ということを覚えておかなくてはならない。

駅長が一人だけなのに駅が複数あるのはおかしい、という意見が出そうだが、現実の日本でも主要駅が周辺の小規模な駅も併せて管理する、地区駅や集中管理システムといった運営方式をとる場合が少なくはないので、おそらくその枠組みで1日50万人の旅客を目指すこと、と解釈できるだろう。

駅の利用・設備配置

駅には設備を設置することで、乗客の利用を促進できる。
改札を除いた設備の配置、利用に応じて雰囲気のパラメーターをためていく。
設備ごとに加算可能な雰囲気パラメーターの上限の伸びや、利用ごとの雰囲気パラメーター加算値が設定されており、たいていは上限を伸ばすだけのものか、パラメーターを加算するだけのものに二分される。
雰囲気パラメーターは、住宅地(緑)、勤務地(青)、行楽地(赤)、観光地(黄)の4要素に分けられ、住宅地と観光地、勤務地と行楽地はそれぞれ対の関係となっており、例えば住宅地のパラメーターが加算されると、観光地のパラメーターは減少する。2つの雰囲気まで同時に育成できるため、それぞれの対の関係から二者択一をして育てていく必要がある。
パラメーターが上限に達することでためたパラメーターに応じた駅周辺の雰囲気が変化する。(例:初期状態から住宅地のパラメーターを最大にすると村に、行楽地のパラメーターを最大にすると公園に変化する。)
上述の駅の立地条件および規模が特定の場合のみに対応した駅周辺もある。
駅周辺の雰囲気が初めて変化したものの場合、一定のタイミングでその駅周辺に合わせた、キャラクターたちの会話イベントが一度だけ見られる。
乗客の利用は朝夕のラッシュアワー時(6~10時、17~22時)に増加するほか、時折発生する雨天時には一日を通して晴天時の半数ほどに減少する。また、ゲームを起動していない時でもゲーム内の時間が終電直後の集計まで自動でカウントされるが、起動せずに放置した場合は、起動した場合より利用客数が減少する。
設備設置には建設費と同じくお金のほか、建設用のポイントも消費して設置しなくてはならない。資金に余裕があっても、建設用ポイント*2がないと設置できないほか、設備撤去にも資金を消費する。
また、設備同士の干渉も考慮しなければならないため、本作では駅設備の設置が一番頭脳を試される要素である。
設備はゲーム開始当初はごく一部のものしか使えず、「研究」と呼ばれるガチャに相当するシステムで設備を解禁していく必要がある。
なお、設備ごとにランクが設定されているほか、同じカテゴリーでも効果が異なるものが存在する。
駅に設置できる設備は大きく分けて、以下のカテゴリーに分けられる。

カテゴリー名 解説
改札 駅構内と駅外部を接続する役目を持つ。利用客の上限を伸ばす効果がある。改札近傍の乗り場しか使用しないため、乗り場位置に合わせた改札の配置が重要。
街灯 夜間((17時~翌6時))の利用は照明によって照らされていない設備を使わない傾向にある。照明の設備の一つである街灯の周辺にある設備は、夜間でも乗客が使う。後述の屋根と干渉するものがほとんど。
自動販売機 乗客が使う設備の一つ。利用時にパラメーターだけでなく、資金も加算される。高ランクの自動販売機は自ら照明を持っている。省スペースで設置できるうえ、資金消費が少ないため効率の高い設備。
雰囲気の上限を伸ばす装飾用設備。導線をふさぐが、最高ランクには乗降口の導線をふさがずに済むホームドアがある。サイズや役目に応じた使い分けが試される。
ベンチ 旅客が座って列車を待つ、パラメーターが加算される設備。比較的スペースを取らない設備の一つ。高ランクのビーチパラソルは雨天時でも使用できる効果がある。
トイレ 上限とパラメーターの両方を加算する設備。最高ランクの公衆トイレは照明及び雨天対策がなされるが、スペースをとるため、後述の屋根がないときに使いたい。
売店 利用時にパラメーターと資金を増加させる設備。ランクが高い一部の売店に限り、設置時に雰囲気パラメーターの上限も増加する。小省スペースをとってしまう。すべて照明を持っている。
飲食店 売店の亜種に近い設備。高ランク施設は上限を増加させるが、利用時のパラメーター上昇値も低く、スペースもとるため効率が低い。
駅名標 雰囲気の上限を伸ばす設備。省スペースで設置でき、比較的上限を伸ばしやすい設備である。
案内所 上限、パラメーター両方とも増加する設備。ランクが高いほど効果が高いが、スペースをとるうえに、一部は屋根と干渉する場合がある。
公衆電話 旅客が利用することで駅にさらなる旅客を呼び込むことができる設備。しかし1回の通話で1~3名程度と増加値はスズメの涙ほど。
植木 柵や駅名標と同じく装飾に使う上限を伸ばす設備。駅名標同様、省スペース、低コストでの導入が可能。上限値がゲージ歳代まであと少しの時のダメ押しに使いやすい。
屋根 雰囲気の上限の伸びは少々悪いが、照明の効果と雨天時に屋根の下の設備を使えるようにする効果が大きい設備。雰囲気傾向4つそれぞれに適応した屋根を手に入れるとその先は楽になる。

そのほかの要素

全駅通算の利用客数が一定以上を達成すると、会社情報及び車両基地が解禁される。
会社情報では各駅の時価総額を確認できたり、既存の駅の改築ができるようになる。駅を改築すると、その駅は設定した通りの何もない駅からやり直しになる。
中小規模駅を大規模駅に改築しても、中・大規模駅の割引率はそのままのため、資金に余裕ができたら序盤に作った駅を改築してみるといい。
2024年5月まではほかのプレイヤーと時価総額を競うランキング機能を見ることができた。
車両基地では、車両の色をパーツごとに変更できる。自分の知っている電車の色に近づけてみるのも一興だろう。
なお、会社情報と車両基地を解禁した後、新型車両が走る場合がある。既存車両が通勤電車らしい箱型のものに対し、こちらは新幹線や特急電車のような流線型の形状をしている。システム上乗降口は共通して1両に3つ。なお、新型車両の色を変えることはできない。

追記・修正は駅に自販機ばかり設置した人にお願いします。

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最終更新:2025年03月29日 00:55

*1 ゲーム内スタッフ表記、AndroidではPEMOROID名義、App StoreではYuichiro Hino名義

*2 駅建設時、一部タスク達成時、研究で発見された設備がすでに持っている場合に支給される。