Hollow Knight Silksong

登録日:2025/10/27 Mon 03:10:03
更新日:2025/10/29 Wed 03:15:46NEW!
所要時間:約 9 分で読めます





かれらは見る 繊細かつ洗練されたあなたの美しさを
かれらは見る 信仰と労苦によって紡がれるあなたの平穏を

かれらは忘れる まどろみと隷属の中であなたの心を
あなたが目覚める時 かれらはあなたの真実を知る

剥き出しになった獣の性を




Hollow Knight: Silksong(ホロウナイト シルクソング)とは、オーストラリアのインディーゲームデベロッパー、『Team Cherry』が開発した2Dアクションアドベンチャーゲーム。
Steam、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X|S、Nintendo Switch/Switch 2向けに2025年9月4日*1に発売された。

Hollow Knightの続編、あるいはスピンオフ的な立ち位置に相当する作品で、
もともとDLCとして配信する予定だったのが、ボリュームが増えすぎたために新しい作品として作り直された経緯がある。


概要

主人公・ホーネットの先祖が住んでいたという国「ファールーム」を冒険する探索型アクションゲーム。
プレイヤーは前作でライバルキャラとして登場した人物『守護者ホーネット』を操り、個性豊かなムシ達との交流を通してファールームを冒険しつつ天高くにそびえる王都『シタデル』を目指して巡礼の旅をすることになる。

設定や物語の骨子は前作と大差なく、ダークソウルを参考にして作られたという世界観のダーク&ハードさも健在。
一応続編ではあるが主人公の交代に伴ってストーリーが新規に起こされているため、前作をプレイしていなくても物語を楽しむことができる。

本作ならではの大きな特徴はなんといっても、明確な個性を持った主人公「ホーネット」の存在。
大量に張られた伏線をひとつひとつ読み解いてひとつの巨大な物語を解読するようなスタイルだった前作とは逆に、本作では「ホーネット」という一個人にスポットがあてられており、物語をけん引する彼女の視点でムシたちの世界を覗き込む一種の貴種漂流譚ともいえる作品となっている。

なお、難易度に関してはかなり高い部類に設定されており、「前作クリア前提」「"苦痛の道"をも上回る」と称されるレベルに跳ね上がっており、Steamを中心に「難易度が高すぎて苦痛」という意見と「それでも面白い」とする意見とで評価が真っ二つに割れる事態となった。
レトロゲーム的に言うならば「スーパーマリオ2(ディスクシステム版)」とか「チャンピオンシップ ロードランナー」とか、そんな感じの上級版的続編って立ち位置だろうか。

ちなみにお値段は日本円で2300円。内容を踏まえるとちょっと心配になるくらい安価な価格である。
発売直後、他所のゲーム開発者からホロウナイトをこんな値段で販売されたら、ユーザーが「インディーゲームはこの値段でこの完成度のものを持ってきて当たり前」と勘違いするからやめてくれという趣旨で批判されちょっとした炎上騒ぎが起こったエピソードがある。


ゲームシステム

前作同様にメトロイドヴァニア系の探索型横スクロールアクションで、おおまかな部分は共通。
ボスを倒してアイテムを集め、武器や能力を入手して行動範囲を広げながらゲームを進めていくスタンダードなメトロイドヴァニアである。
前作で「ソウル」と呼ばれていたシステムは「シルクスキル」に置き換わっており、攻撃することで溜まり、消費すれば回復や特殊攻撃が行えるようになる。
大きな違いは2つ。どちらも主人公のアクションに関わるものである。

道具(飛び道具)

追加要素その1。
前作でボスとして登場したホーネットは、糸と針を自在に操り、さらに多彩な飛び道具でこちらの動線を塞いでくる遠距離戦のエキスパートだったのだが、今作ではそれをプレイアブルスキルに落とし込み、多種多様な飛び道具を扱えるようになっている。
これによってボスに触れることなく戦うことができるようになったのが大きな変更点。ボスによっては道具に頼ったゴリ押しプレイも可能である。そうでもしないとクリアできないようなやばいボスも増えたけど

クレストシステム

追加要素その2。
装備スロットそのもの、あるいはスキルツリーにあたる新たな装備品「クレスト」が今作から追加。
クレストによって道具やスキルの装備可能数が変化するほか、これを変更することで攻撃モーション自体を変化させることができる。
クレストによって下斬りが斜め下斬りになったり、攻撃の前後隙の大きさ、リーチの長さもそれぞれ異なるため、自分に合ったプレイスタイルに合わせてクレストを選ぶことが可能。
ベンチさえあればいつでも変更することができるので、連戦してうまくいかないと思ったら別のクレストに調整して再挑戦することもできる。






登場人物

前作に引き続きパートボイスで、会話中はホーネットを含め架空言語で声が入る。


  • ホーネット(Hornet)
本作の主人公で、前作において「守護者ホーネット」としてあちこちで対決したクモの女戦士。本作の彼女はちょっと声が凛々しくなっている。ガラマッ!
前作での事件解決後、シタデルの手のものに拉致され無理やりファールームに連れてこられたが、運よく脱出。
攫おうとしたムシたちの親玉へ"お礼参り"をするためにシタデルを目指すことになる。
生物かどうかすら怪しい謎めいた前作主人公「名もなき騎士(The Knight)」とは異なりホーネットは自分の考えをはっきり口にするので、高飛車で乙女なホーネットの人となりがよく観察できるのが本作ならではのポイント。

父親が1人、母親が3人いる複雑な家庭で生まれ、3人の母の元をたらい回しにされながら育ったという過去の持ち主でもあり、本作終盤ではそれに触れるシーンがある。
蜘蛛なのに「ホーネット(蜂)」というちぐはぐな名前なのも、その特殊な生育環境ゆえ。


  • シェルマ(Sherma)
脊髄の道で祈りを捧げる歌を歌っている巡礼者。
かわいらしい声で歌いながら、ホーネットに一緒に歌うことを勧めてくれる本作の清涼剤。なお男の子である。
苛烈な世界観の本作には珍しい、"あらゆる試練は信心と歌によって解決できる"と信じているちょっとお花畑な能天気な人物。
実際に戦闘能力はゼロなのだが運が猛烈に良く、ホーネットが難敵を倒した直後そのルートにやってきたり、敵と毎回のようにニアミスしたりするのでほぼ無傷で旅ができている。
「かわいい声で歌う癒し系キャラ」と聴いて前作のマイラが頭をよぎった人のために(楽しみを損なわない範囲で)軽くネタバレすると、
シェルマはどのルートでも最後まで元気に生き残るのでご安心を。


  • シャクラ(Shakra)
ホーネットの行く先々で現れる、熟練の女戦士。
明言はされないが、体型が前作のカマキリに似ているのでおそらく種族はカマキリであると思われる。
姿を消した「師匠」なる人物を探すためにファールーム各地を旅しており、その過程で各地の地図を描いている。
前作におけるコーニファーにあたる立ち位置のキャラで、新しいエリアに着いたらまず彼女のチャクラムと「ラ-イライライライラ…」というアルトボイスの唄声*2を頼りに彼女を探し、地図を購入することが目標となる。
また、彼女と会って会話しておくと一部のイベント戦で共闘してくれるため、会ったら積極的に話しかけて仲良くしておくとお得。
サブイベントの依頼人でもあり、彼女のイベントを完遂するとシャクラが使っているチャクラムを武器としてプレゼントしてもらえるほか、シャクラ自身と戦うこともできる。
勝利しても敵図鑑(狩猟の書)にシャクラのことが記載されるだけなので旨味はないが、本作屈指の強者であり、倒すのは困難。腕に自信があるなら挑戦してみよう。


  • ガーモンド&ザザ(Garmond and Zaza)
灰色の丘陵で初めて遭遇し、以降ホーネットの行く先々で現れる老戦士&その乗り物。
上に乗っているお爺さんがガーモンド、乗られているムシがザザである。
殺された故郷の同胞の仇討ちをするため各地を旅して回っているという殺伐とした背景こそあるが、本人はちょっと説教臭いだけの朗らかなおじいちゃん。
シャクラ同様、こちらも接触しておくとイベント戦で助太刀してくれるほか、手合わせもお願いできる。
余談だが、前作のゾート同様「ドン・キホーテ」をモデルにしたと思われるキャラ。彼らは「駄馬に乗る槍の騎士」としてのドン・キホーテをもとにしているようである。


  • 鐘脈の獣(Bell Beast)
本作においてファストトラベルを担当するムシ。
「獣」なので喋ることはなく、戦って従わせることで仲間にできる。
本編のストーリーにかかわってくることは殆どないが、駅につくたびに寝ていたり早く乗れとせがむように騒ぎ立てたりと表情豊か。
ちなみにメスで、ある条件を満たすと彼女の息子(娘?)たちも登場する。


  • グリンドル(Grindle)
脊髄の道で遭遇することになる赤いムシ。自身のことを「老いぼれグリンドル」と呼んでいるので老齢である模様。
そんな彼の職業は「泥棒」であり、初登場時牢につながれているところをホーネットがぶち壊すことで脱走。以降は各地で姿を見せ、ホーネットにビンタされたりしながら奇妙な友情を築くことになる。
中盤~終盤はショップを開くようになり、彼が各地で盗んできた盗品を買うことができるのだが、ここに並ぶのがプレイヤーが見逃した落とし物やイベントの報酬品。
ゲットし損ねたアイテムは大抵彼のもとに集まっているので、気になったら足を運ぶとよい。


  • ムーシュカ(Mooshka)
脊髄の道で遭遇することになるノミ。
「ノミのキャラバン」を率いる長で、各地に散り散りになったノミたちの探索を依頼してくる。
このノミが今作におけるやりこみ要素で、集めると彼らのサイドストーリーが進行。
進行にともなってキャラバンが移動し、最終的に「ノミたちの楽園」を築くことになる。


  • ニュー(Nuu)
灰色の丘陵にあるホテルに宿泊しているムシ。カタツムリは別にいるので、おそらくナメクジ。あとビンタ被害者。
他のキャラとはかけ離れた突飛な造形に加え、「ニューは○○するネ!」という特徴的すぎる語尾のおかげで異様な存在感を放つキャラ。
話しかけると本作の敵図鑑である「狩猟の書」を託してくれる。
この狩猟の書、説明も解説文もホーネットが書いているという設定で、その中身はホーネットの私情と主観と自分語りが多分に入った、「狩猟日誌」とでも形容すべきシロモノ。
解説文の端々からホーネット自身の人物像や過去を垣間見ることができるという意味では何気に重要なアイテム。


  • レース(Race)
ホーネットの行く先々で現れては闘いを挑んでくる謎の女剣士。
針を片手剣のように振り回すホーネットとは異なり、フェンシングの要領で突き攻撃を多用する。
本人の言い分では聖都シタデルの支配者と親密な仲にあたるらしく、ホーネットの冒険を無駄だと嘲笑いながら襲い掛かってくる。
そんな彼女の存在が、「Hollow Knight: Silksong」という物語のカギとなるのだが……?


  • Mr.マッシュルーム(Mister Mushroom)
前作に引き続いて登場する、でかいキノコにのっぺりとした顔が付いた微妙にかわいくない隠しキャラ。
意味ありげな詩をつぶやいては世界各地を飛び回る観測者的な存在だが、既知の仲であるホーネットからは「たまにはわかるように喋ってくれる?」と辛辣な突っ込みを喰らっている。
終盤である特定の隠し部屋に赴くと彼のクエストが解放され、各地を回って旅する彼の足跡をすべて辿ればクエスト達成となる。
あくまで隠しキャラなので彼のクエストをクリアしなくても真エンドは見られるのだが、完遂した状態でエンディングを迎えるとエンディングにあるシーンが追加される。


  • 名もなき騎士(The Knight)
前作の主人公。
本作はHollow Knightよりも時系列上後の話なのでホーネットとは面識があり、メインストーリーのある部分でちょっとだけ登場する。
例によって一言も喋らないのでその心の内を推し測るのは難しいが、挙動からホーネットを気にかけていることは伺える。


用語


ムシ

前作「Hollow Knight」と同様、本作の登場キャラは味方から敵にいたるまで全員が昆虫、節足動物、甲殻類、軟体動物といった無脊椎動物で構成されている。
これらを総称する呼び方として「ムシ」という単語が使われ、これが我々でいうところの「人間」あるいは「生き物」に相当する単位となっている。
クモ、ダニ、ムカデ、ナメクジといった見る人を選びそうな題材もいるにはいるが、どれも可愛らしくデフォルメされているので序盤は生理的嫌悪を感じることはないだろう。
嘴がついてるし鳴くし飛び回るしカラス避けを設置したとたん居なくなるカラスみたいな蚊がいたり全身モフモフで遠吠えをするどう見ても犬にしか見えないノミがいたりドブネズミみたいな声と見た目をしたダニがいたりするが全部ムシである。いいね?
そんな世界観なので、本作の会話シーンでは身体のことを「殻」、武装のことを「爪」と呼ぶなどの独特の言い回しが存在する。

ファールーム

本作の舞台で、前作「Hollow Knight」の舞台であったハロウネストとは別の国。
聖都シタデルを中心とした宗教国家のような様相を呈しており、"己の力で聖都シタデルへ上り、迎え入れられれば救済がもたらされる"という信仰が広く蔓延している。
本作で会話のできるムシのほとんどはこの教義を信じ、聖都シタデルを目的地とした旅をする"巡礼者"であり、本作における金銭にあたるアイテムも、ロザリオ*3をもじった「ロザリー」という物体が通貨として扱われている。
一方、シタデルの支配が隅々まで及んでいるかというと少々微妙で、あちらこちらに独自の文化圏を築く勢力もいる。

シルク

物語のカギを握る白い糸状の物質で、"紡ぐ者"の手によって生成される。
「シルク(絹)」といえばカイコガが出す絹糸だが、本作においてシルクを出すのはカイコガではなくクモである。
大雑把に言うならこれ自体が魂あるいは生命の源のようなはたらきを持っており、このシルクを生きたムシが身体に取り込めば本来の寿命を超越して生きられる長寿の存在となれ、死体にこのシルクを注入すれば生きているかのように動き出す。
ただ、魂に等しい存在であるシルクを取り込んで延命を図るのは、すなわち己の魂に他人(シルクの元の持ち主)の魂を混ぜるのに等しい行為。
安易にこの行為に手を出したが最後、そのムシはシルクを提供した"紡ぐ者"に肉体を乗っ取られ、操り人形として使い潰される末路を辿ることになる。

紡ぐ者

シルクを生成し、それを操る術を持つクモたちの総称。主人公ホーネットもこの血を引く"紡ぐ者"のひとり。
それぞれがシルクを用いた驚異的な技を持っていたようだがほとんどは"彼女"と呼ぶ存在の手にかかって誅殺され、生き残った者も辺境や地の底に石碑を残してその姿を消してしまっている。
本作では遺構として登場し、訪れることでシルクスキルと呼ばれる技を獲得できる。
ファールームにおいては高貴な身分であったようで、ホーネットが"紡ぐ者"だとわかった途端に恭しく接するキャラが複数名登場する。



舞台

本作の主要エリアにはそれぞれ「鐘」があり、実際の巡礼者よろしく行く先々でこれを鳴らしながら旅をすることになる。
合計5つの鐘を鳴らしていなければ聖都シタデルへ通じる門が開かないので、見かけたら素直に鳴らしておこう。


  • 骨溜まりの麓
物語の開始地点となる山麓のふもとで、仮初めの拠点となる土地。
拘束を振り切ったホーネットは逃亡の末にここに落ち、ここから上を目指すことになる。

  • 脊髄の道
骨溜まりに隣接するエリア。その名の通り、巨大生物の骨のようなものが化石よろしく飛び出している。
敵はあまり強くないが、いやらしい配置をしていることがあるのでそれにだけ気を付けたい。
地熱が漏れ出す低地のエリアでもあり、一部にはマグマが露出している。

  • 深層の港
脊髄の道をまっすぐ進むと到達する地下のエリア。
港は港でも、ここに流れているのは水ではなく灼熱のマグマである。当然危険地帯も多いのでご注意。
ここにいるムシはその多くが鉱山労働者で、その性質上皆ヘルメットをつけていて上からの攻撃が効かないようになっている。
終盤、このエリアが重要な役割を果たすことになる。

  • 遠景の地
深層の港からさらに奥に行くと到達する森のようなエリア。
ここも低地なのでやはりマグマがいたるところに露出している。
風が下から吹き上がるギミックが多数あり、これの入手前と入手後では探索のしやすさが段違いに変化する。

  • 捕食者の狩場
赤いグンタイアリ型のムシ「スカール」たちが根城とするエリア。登場する敵もすべてスカールに連なる者たちである。
彼らの特徴を一言で言えば「統率の取れた狩猟のプロ」であり、エリアは全面棘まみれ、数少ない足場にもいたるところにスカールの手による罠が張り巡らされている。
割と序盤で行けるのだが、ここから難易度が急激に上昇する。所謂"アスレチック"が初めて登場するステージでもあるため、慣れていなければ苦心は必至。
真エンドを見る場合を除き攻略には関わってこないので、難しいと感じたらスルーでもOK。

  • 殻木の森
ファールーム中腹にある、薄暗く広大な森のエリア。
縦に長い部屋が多く、立体的なアクションが求められる。
移動がしにくい割に重要なアイテム・イベントも多い場所であるため、念入りに探索しておくとよいかも。

  • 地虫の穴
ファールーム中腹かつ骨溜まりの麓の真上にあるエリア。
狭い通路の中、「地虫」ことグロムがあちこちを行ったり来たりしている、前作でいうところの「暗闇の巣」的な場所。
狭くて暗い洞窟、何かの蠢く足音……と暗闇の巣的なエッセンスもあるものの、あちらよりはランクダウンしている。
ただ、ここを通らねば殻木の森へは行けないので、残念ながら攻略には必須。

  • ベルハート
シタデルを目指す巡礼者たちが一時休息するための休憩所として設けられた、小さな集落。
「『ベル』ハート」の名の通り床から壁から天井まですべてが大小さまざまなベルで構成されており、集落内では鈴が鳴りながら降り注ぐ。
入口の看板には「聖なる道を歩む者すべてを歓迎する」とあるのだが、訪れたホーネットを待ち受けているのは全く異なる光景であり……?

  • 灰色の丘陵
ファールーム中腹にある、常時雨が降り注ぐエリア。
前作の「涙の都」に近いが、美しい水の都としての側面が強かったあちらとは違い、こちらは雨で舞い上がる埃によって薄汚れており、
全体的にドブ川、あるいは汚れた路地裏のような雰囲気の場所。
全体的に難所の多い本作には珍しく、ステージギミックにも敵にもあまり厄介なのがいない。
他の多くのエリアとつながる中継地としての側面も持つため、人によっては箸休めに感じる場所かもしれない。

  • 罪深き者の道
灰色の丘陵に隣接したエリア。
現実でいうところの農場にあたるエリアだが、ここで育てているのはゴキブリ。その上全体的に茶色くかつ汚いので、食欲はむしろ失せるかも。
ここから厄介なステージギミック「ドロウジ」が出現する。このドロウジ、触れてもダメージは受けないが服にひっついてシルクスキルを妨害してしまう効果があり、シルクを用いた回復が非常に難しくなる。その上敵もシンプルに強く、プレイヤーがつまずきやすい難所。

  • 胆液の沼
シタデルの真下にあるエリア。本作のトラウマスポット。
浸かると回復を封印されるドロウジの沼に始まり、その沼からヒット&アウェイを仕掛けてくる上に非常に硬い「スティルキンの一族」、そこら中に張り巡らされたデストラップ、無限湧きする上に死ぬと自爆する敵「スクイット」、極端に少ない足場、ドロウジに浸からなければ到達できないベンチという、プレイヤーを精神的に痛めつけてくる要素がてんこ盛りの、悪意と殺意の煮凝りのようなステージ。
本作が「難易度の高すぎる理不尽ゲー」と評される主要因で、レビュー等で悪く書かれるのも大抵はここ。
ただ、残念ながら複数のイベントクエストで関わってくる上、ここの終端にある「とあるアイテム」を入手しなければ真エンドルートに進むこと自体ができないため、踏破は必須。覚悟しよう。というか諦めよう。

  • 暴風の石段
殻木の森に隣接する砂漠のようなエリア。
ここの最上部には聖都シタデルへとつながる門、および審判の間があり、シタデルを目指す巡礼者およびプレイヤーにとって文字通り関門となる場所である。
その名の通り暴風が吹き荒れており、風を読みながらアスレチックめいたギミックを踏破する必要がある。
ファールームの外ともつながるエリアで、ここから外に出ようとするとホーネットが「シタデルの連中ボコって詫び入れさせなきゃ、でないと永遠に追ってくる(意訳)」という理由で外出を拒否する。

  • カラクの砂
暴風の石段の真上にある、珊瑚礁と砂漠が入り混じるエリア。かつてあった珊瑚の王国が滅びた跡地である……らしい。
ストーリーとは関わってこないエリアで、真エンドを見るのでなければ攻略も必須ではない。そもそも到達が難しい。
敵は多くない代わりにステージギミックの難易度が高く、アスレチックを踏破しきるだけのプレイングスキルを要求される。


  • シタデル
ファールームの首都。都全体がひとつの神殿あるいは大聖堂のような構造となっており、ギミックも敵もことごとくが金ピカ。
初めて訪れたプレイヤーは、そのデカさと威容と、荘厳で美しいBGMに呑まれること請け合いである。

本作において最も広大なエリアであり、シタデルの中にさらに「聖域の礎」「合唱の間」「記憶庫」といった感じで細かく細分化されている。
メインとなる「合唱の間」こそ美しいが、下部にある「聖域の礎」等をはじめとする端々にteam Cherryのシタデルの悪意が見え隠れする。

  • 巨石の牢
物語中盤に訪れることになるエリア。
どうやって来るのかというと、中盤である条件を満たすと捕縛され、身ぐるみを全部はがされた上でここにぶち込まれるというもの。
なお、イベント自体は回避可能なため、人によっては捕縛イベントを通ることなくシタデル経由でやってくることになる。
武器を含めた装備が奪われた状態での攻略を強いられる都合上難易度は高めで、逃げ隠れメインの立ち回りを要求される。
犯人も同じく巨石の牢にいるので、見つけたらきっちり"お礼"をしてやろう。

  • フェイの山
巨石の牢に隣接する雪山のエリア。「フェイ」というのは、この山を統べる半神半獣の存在「フェイフォルン」に由来する。
今作のホーネットは寒さに弱く、ただいるだけで寒気によるスリップダメージを受けるため、防寒アイテムを入手してから足を運ぶ……
かと思いきや、その防寒アイテムはこの山の頂上にある。つまり、寒さダメージによるタイムアタックを強いられながらこの山を踏破しなければならない。
当然道中ギミックも相当に苦難を強いてくる。本作が「苦痛の道にも勝るマゾゲー」「高難易度」とされる理由の一因。
しかもよりによって、探索上非常に有用なアクション「二段ジャンプ」を可能とするアイテムもこのフェイの山にあり、来れるようになったらすぐにでも来るべきエリアであるという非常に難儀な場所。

  • 悪臭の水路
本作中盤~終盤で行けるようになるエリア。
そもそも発見が難しく、到達するにはシタデルにある隠し通路を発見するか、胆液の沼を完全踏破しなければならない。
本作のトラウマスポットの一つで、足元がドロウジの沼なうえに敵が嫌がらせのような配置をしており、通過すらもノーダメージとはいかない難所。
ただ残念ながら重要なアイテムが落ちているので、遅かれ早かれ足を運ぶことになる。


追記・修正をお願いします。




画像出典:マイニンテンドーストア|Hollow Knight: Silksong(ホロウナイト: シルクソング)
https://store-jp.nintendo.com/item/software/D70010000020841
2025年10月27日閲覧

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最終更新:2025年10月29日 03:15

*1 ただしアメリカ東部夏時間基準で10時解禁なので、日本時間では23時とほぼ9月5日

*2 シャクラ曰く彼女の部族に伝わる戦士の唄であるらしい

*3 玉を紐で繋いだ数珠っぽい道具。おもにキリスト教圏で使われ、日本の数珠と同じように握ってお祈りをするために用いる