登録日:2009/11/21(土) 11:49:32
更新日:2024/12/14 Sat 08:42:18
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鶴見線(つるみせん)は
JR東日本の鉄道路線である。
ラインカラーは
■黄色で、路線記号は
JI。
概要
鶴見駅を起点に扇町までを結ぶ本線、浅野駅から分岐して海芝浦駅まで向かう海芝浦支線、武蔵白石駅から大川駅までを結ぶ大川支線の3路線で構成され、全路線が川崎・横浜市内にある京浜工業地帯へのアクセスを担っている。
元々は鶴見臨港鉄道と言う私鉄であった(川崎鶴見臨港バスの元親会社)が、戦時買収私鉄となって国鉄線となった。
沿線のほとんどが埋立地であるため、駅名は建設に関わった実業家や土地所有者から取られた名前が採用されている。
路線の特殊さ故か都会のローカル線として鉄道ファンに人気が高く、老若男女問わずカメラを持った人達をそれなりの確率で見かける。
なお、大川支線は日中は一本も運行しない。どうしても行きたい場合は早朝か夕方に乗るか、武蔵白石から歩いていくしかない。駅前には何もないが。
運用
日中は鶴見~弁天橋・鶴見~浜川崎の運用が中心。
鶴見~扇町と鶴見~海芝浦は二時間に一本
鶴見~大川は1日に平日は9本・土休日は3本のみである。
また、1日一本のみ弁天橋発武蔵白石行きがあり、JRグループでは一番距離の短い電車である。
ラッシュ時には鶴見~海芝浦が多くなる(川崎発の川崎鶴見臨港バスの方が1日二本のみ)。
尚、扇町や大川へは川崎駅から出ている川崎鶴見臨港バスの方が便利である。
車両
同線で使用される車両は行先表示を色別に分けており、
扇町・浜川崎・武蔵白石行きは赤
海芝浦行きは青
大川行きは黄
それ以外は白
で表示されており、鶴見駅の時刻表もこれに準じたものを使っている。
ただし、205系では3色しか再現出来ないため
赤は赤
青は緑
黄と白は橙
で表示されている。
E131系では103系時代の3色が復活し、方向幕の文字に加えてLCD表示器の路線図でも使用されるようになった。
基本的には3両編成で運行されるが、大川支線については1996年まで単行が使用され、本線でも1990年代初頭まで単行列車があった。
現在の車両
2023年12月から営業運転を開始。
鶴見線では従来本線の車両を短縮したうえで転属させて実施していた置き換えだが、鶴見臨港鉄道以来となるであろう新車の直接導入となった。
205系置き換えのため各線に導入されているE131系のバリエーションだが、建築限界の都合でストレート車体となっている。
正面は貫通扉付きのように見えるが、実際は非貫通というE217系のような体。
車体の帯には前面のみだが旧型国電の茶色も追加された。
2024年3月改正で全車本形式に統一され、同時にワンマン運転を開始した。
過去の車両
103系の置き換えのために導入された。
帯は黄色のほかに海をイメージした青帯が入っている。
クハ205-1101は先頭化改造の
テストヘッドとして製作された経緯から、他の車両よりも落成が早い。
E131系の導入で撤退。
1990年から2005年まで使用されていた。
1980年から1992年まで使用されていた。
17m車体を持つ戦前形国電。JR化後も大川支線を中心に2両が使用され、首都圏で最後まで使用されていた旧型国電であった。
1996年3月改正で撤退。うち1両が東京総合車両センターに保存されている。
◎駅一覧
―本線―
◆鶴見(JI01)
京浜東北線乗り換え。
かつては京浜東北線との間に中間改札があったが、2022年2月に撤去された。
当駅と国道駅の間に廃駅が一つあり、車窓から見ることができる。
◆国道(JI02)
名前の通り、ずばり高架下を国道が走っている。
昭和初期の雰囲気を色濃く残す駅。初めて降りるとビビる。
なんと第二次世界大戦中に受けた機銃掃射跡まで残っている。
映像映えすることから映画やドラマの撮影にも度々使われている。
駅構内にはお手洗いは無く改札外近くにある(なのでJRの設備ではない)。
が、その雰囲気はキャンプ場のお手洗いに近い物なので清潔感を求める人は事前に済ませておくことをお勧めする。
◆鶴見小野(JI03)
私鉄によくある、改札がホームごとにある駅。
鶴見区有数の商店街で住宅街へのアクセスがいいため、大抵の利用者はここで降りる。
◆弁天橋(JI04)
弁天町ではないし、弁天島でもない。鶴見線のほか、南武支線の電車を見ることができる。
当駅には鶴見線営業所という鶴見線の統括組織があり、かつては弁天橋電車区と名乗っていた。
今でも鶴見線関連のイベントは当駅周囲で行われることも多い。
無人駅だが、周辺の工場関係者が多く使うことから職員が改札業務をしていることが多い。日中の電車は大抵ここで折り返す。
◆浅野(JI05)
海芝浦支線乗り換え。
駅名は浅野財閥創始者・浅野総一郎の名字から。
◆安善(JI06)
大川支線乗り換え。
駅名は安田財閥創始者・安田善次郎の名字と名前それぞれ最初の一文字から。一時期縁起がいいということで切符がバカ売れしたことがあるんだとか。
◆武蔵白石(JI07)
大川方面への列車はここで分岐しているが、ホームが無い為通過する。
駅名は日本鋼管(現在のJFEスチール)の創始者・白石元治郎から取った。
旧型国電が活躍していた頃は大川発着の電車も停車していたが、このホームは国鉄標準の20mの車体が支障するほどカーブがきつく、前述のクモハ12が長らく生き延びる一因となった。
103系投入時にホームを撤去し通過することに。
◆浜川崎(JI08)
南武線浜川崎支線乗り換え。
鶴見線ホームと南武線ホームは離れており、改札口は二つある。
乗り換える場合はそのまま
改札を無視して乗り換えること。
もし、間違えて収入箱やIC専用改札を使った場合、有人駅の駅員に申告すること。
駅構内には引き込み線が多数ある。
◆昭和(JI09)
近くに昭和電工の工場があることからこの駅名が付いた。
◆扇町(JI10)
野良猫が多い駅。
非常に不気味で、アパートが一つしかない。
―海芝浦支線―
◆新芝浦(JI51)
東京の芝浦貨物駅との区別のためにこの駅名になった。東芝の工場に用がある方はここで降りる。
◆海芝浦(JI52)
ホームに直結した東芝工場の入口があるが、この駅の出入口はこれ一つのみ。つまり一般人は駅の外には出られないという日本では珍しい駅。要は社員専用の為の駅。
海(正しくは運河)が非常に近く、工業地帯の景観もあってなかなかの眺望の良さ。
加えて前述の特殊性から鉄道マニアならずとも意外と観光客の来訪が多く、これを受けて東芝の好意により公園が整備され、新たなデートスポットと化している(もちろん終電逃したら帰れないので注意しよう)。
―大川支線―
◆大川(JI61)
なにもない素晴らしい駅。
これも「日本の製紙王」と呼ばれた大川平三郎からとった。
近くにバス停があるが、バス停名が「日清前」である。この日清とは「日清製粉」のこと。
武蔵白石から500mで行けるらしい。
何気に花見スポットだったりする。
かつては貨物取扱も行っていたが、配線の都合でなんと液体塩素や小麦粉を積んだタンク車を人が手で押して交換するという方式で行われていた。
余談
もちろん博識なアニヲタ諸君ならば知っているだろうが、
lightのエロゲ『潮風の消える海に』は鶴見線及び国道駅、浅野駅、駅長、などがモデルとなっている。
(というか鶴見線の風景がそっくりそのまま背景になってる)
最初のシーンは海芝浦の駅に佇みながら始まるのだが、その海の描写とふたご橋のCGには地元民なら感動を覚えるほど。
なお、主題歌であるWHITE-LIPSが唄う『セイリング』の最初の歌詞「行き止まりの駅からいつも海を眺めてたー」
はまぎれもなく海芝浦駅を指している。
興味のある人は是非やってみてほしい、爽やかな青春を味わえる。
ダウンロード版も確かあったはずなので。
系統表
〇…有人駅、●…無人駅、☆…無人駅だが、特別改札実施駅
色付きの場所=行先。
鶴
見
線
鶴 見 〇
国 道 ●
鶴見小野 ☆
弁天橋 ☆
浅 野 ●━━━━━━━━┓
安 善 ●┓ 新芝浦●
武蔵白石 ●┗━━┓ 海芝浦●
浜川崎 ● 大川●
昭 和 ●
扇 町 ●
追記・修正お願いします。
- 潮風で設備が錆びまくっている -- 名無しさん (2014-11-02 18:46:23)
- 鶴見小野で降りるのはベッドタウンのアクセスがドンピシャだから。下野谷とかは鶴見駅より近い。 -- 名無しさん (2018-05-18 11:28:05)
- 国道は大戦中の機銃掃射跡が残ってるくらいだもんなあ -- 名無しさん (2022-07-13 20:16:11)
最終更新:2024年12月14日 08:42