第一章 第二章 第三章 第四章 黒斑洞黒の館気洞溶解雨の湿地デュアディナムトンネルランゲルハンス島スーゼミの神殿血路癌臓宮癌臓宮中枢部ダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミーダミー 第五章 クリア後

デュアディナムトンネル


一面、鉱物質の壁に覆われたトンネル
であった。滲み出してくる液体が、
淡く光る壁にぬめりを与えている。

ガラ:
まぁた薄っ気味悪いトコロだな

マカパイン:
溶解雨よりはいい。あんな雨を浴びて
いては、私の妖斬糸まで錆びついて
しまう。結構手入れが大変なのだぞ

ロス:
今の湿地に比べればマシでしょーが。
アゴの割れ目までびしょ濡れだわよ、
マッタク!

薄暗がりに、白く蠢く小さなものが
見えた。それは人型に切られた紙片で
あり、壁の水気に張り付いて、微かな
風に煽られている。

ラン:
これは……シーンの呪符!

ネイ:
うむ。水を吸ってサインが消え、魔力
が霧散してしまっているが、間違い
なくシーンの放った式神だろう

カイ:
すると、この近くにシーンが――?

ネイ:
呪符自体はさして傷んでおらん。
そう考えていいだろう――

ラン:
シーン……すぐに見つけだしてやるぞ!










シーン:
みんな! 兄さんも――!

ラン:
シーン! やはりこの洞窟にいたか!

シーン:
式神を使ってみんなを探していたんだ
けど……でも、代わりにいいものを
見つけたわ。ほら――

ラン:
それは――!

シーンが差し出したのは、細い鋼を
幾条も編み込んで作られた長い鞭で
あった。決して切断されず、革の如く
弾性に富んだその鞭は、内側に熱を
宿しているかに淡く輝いていた。

ラン:
俺の……炎の鞭!

シーン:
これがなくちゃ、兄さんの実戦剣法も
威力半減でしょ?

ラン:
ありがたい! これでやっと奥義が
完成する……恩に着るぞ、シーン!

シーン:
わたしも自分の棍が見つかったしね。
でもほんと、合流できて良かった……










ラン:
シーン……どこにいるのだ? 俺には
もう、会えぬような気がしてならん










D・S:
後戻りしてる時間はねえ



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最終更新:2020年10月31日 21:26