謎加速

謎加速とは、プロペラブロックを一定の角度だけ傾けることで起こる、進行方向に対して加速するような力(「負の空気抵抗」と呼んでも良いだろう)がかかる現象のことである。

予備知識

簡単に説明すると、プロペラは画像の黄色い面(ここでは「速度検出面」とする)で検出した速度(対気速度)に応じて、赤い矢印の方向(当然逆方向になることもある)に力を発生させるブロックである。以下ではこの挙動を詳しく解説する。

速度検出

速度検出面は、長プロペラならブロックの角度から23.06876度(短プロペラなら22.845度)だけ傾いている(これをθ'と置く)。プロペラがある速度Vで動いている時に揚力計算に使われる速さは、Vの速度検出面に垂直な成分になる。速度-Vと速度検出面との角度をθとすると、垂直成分は-Vsinθと表される。この時計算の都合上速度の方向を逆に取っていることに注意してほしい。

揚力計算

揚力をFとすると、Fは以下のように表される。
F = -0.015Vsin \theta \times Min(|V|^2,\hspace{10} 30^2)
なお、Min(a, b)はaかbのうち小さいほうを表す。この式が意味するところは、Vが30m/s以下の低速域では揚力は速度の3乗に比例し、そうでない高速域では速度に比例するということである(謎加速の理解において重要なのはあくまで揚力の方向であるため、式を理解する必要はない)。Fの方向は速度垂直成分-Vsinθによって決まる。

謎加速の正体

さて、謎加速とは、①プロペラが前進しているだけなのにかかる、②前方への加速であった。先ほどの説明から考えると、この条件を満たすθの範囲は0<θ<θ'であるとわかる。θ<0の領域では速度の垂直成分-Vsinθの方向が逆転し、それに伴ってFの方向も逆転する。他方θ'<θにおいてはFのかかる方向が後方になってしまい、速度に対して抵抗になる。これは実際に進行方向に対するプロペラブロックの迎え角を変えて実験すれば体感的に理解できるだろう。

詳しく計算すると、Fの進行方向成分(=謎加速のもと)が最大になる角度はθ=θ'/2である。即ち、長プロペラで11.53438度、短プロペラで11.4225度になる。また、θ=θ'においては検出速度が0m/sになるため、謎加速を含む一切の揚力が発生しない。見た目も水平っぽくなることから、θ'は俗に「水平化角度」等と呼ばれる。プロペラをよく使うなら、Besiegeを遊ぶ中で水平化角度を自然に覚えることになる。

実際の利用法

謎加速は前方への力(負の空気抵抗)を生むが、垂直方向への揚力がなくなるわけではない。そのため、実際に利用する際はこの揚力を打ち消すために、逆方向に同じ分だけ傾けた別の謎加速プロペラを向かい合わせに配置することが望ましい。

また、謎加速は上記の計算式のように、速度が大きければ大きいほど効果が高まるため、謎加速したマシンを放っておくと速度が無限大に発散して最終的に壊れてしまう。謎加速を使ってマシンを制御する際は、別途ブレーキになるような構造を作っておくのが望ましい。


+ 以前の説明
以前の説明
この説明は厳密には間違いだが、グラフから得られる謎加速の挙動は実際の謎加速の挙動をよく再現している。そのため、こちらの理解でもマシン製作に支障が出ることはあまりないだろうと思われる。上記の内容が理解しづらかった場合は参考にしてほしい。

予備知識

プロペラは見た目と違いただの長方形の物体である
移動に対して働く力が三種類ある
  • 通常のブロックと同じ、向きに依存しない空気抵抗
  • ウィングパネルのように上下法線方向への移動に対する大きな空気抵抗
  • 見た目上陽力が発生するように見える方向の移動に対して擬似的な揚力の発生

推測式とグラフ

これらの情報を元にそれっぽく推測した式でデータ上で回転させてみたグラフが以下の通りである


23.068°で通常の物体と同じ抵抗値になることがわかる
また、0°~23.068°の間は通常よりも抵抗値が低くなっている
プロペラは速度に対して比例するような関係で揚力が発生するので、
この通常よりも抵抗が小さい領域はある一定上の速度だと自然に加速することになる

最も加速させられる角度は11.53

詳しい数値は、長プロペラで11.53438°、短プロペラで11.4375°
これは、揚力と空気抵抗が釣り合う角度の半分である。

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最終更新:2021年05月29日 16:57
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