このページを見ているということはクルマについて知りに来たのか?クルマの歴史は深いが身近で親しみやすい。クルマはいいものだ。それが好きであるならBesiegeで作ってみたいという気持ちが湧くのは当然だろう?ここはそういう気持ちでクルマを作ってる人達の言葉や技術等を書き記しておくよ。
はじめに
ここでは、主に現実にあるような自動車、つまり造形自動車について解説していきます。初級からMODやBesiegeの知識がある程度必要になってくるどころか、知識がある前提の話なので飛行機に比べると情報量が多かったり、分からないことがたくさんあってハードルが高いかもしれません。ワークショップ等で公開されている自動車で遊んでいる方が楽しいし、楽かもしれません。ここから先は苦行かもしれません。なるべく細かく、わかりやすく書いていきますが理解ができない箇所があると思います。公式discordやコメントで質問を残すのも良いでしょう。
ここから進むのであれば……大歓迎だ!沼にハマりやがれ!
初級編
さぁ初級編だ。ここでは中級編上級編に向けての準備として比較的簡単なことを書き綴っていく。とは言っても、内容は高度なものを含むから頑張ろう。
初級編でやること
君たちは車を作るとき何から作る?車には様々な要素があるが、大きく2つに分かれている。そう!車の見た目を決定する「ボディ」と車両特性をほとんど決定する「シャーシ」だ。ここで書いている車は完全に「ボディ」と「シャーシ」が分かれているわけではなく、ボディにある接着判定でシャーシの一部を固定してあることが多いので、どちらもなくてはならない。が、初級編としてここではシャーシの仕組みの解説と作り方について書いていこうと思う。
シャーシについて
車のほとんどの車両特性を決定する。その車が普通の車か天才的な車かはシャーシの影響が大きい。シャーシに問題がある車はどうセッティングをとっても傑作にはなりがたい。そんな車にとってなくてはならない重要な要素、シャーシのアレコレを詰め込む。きっと難しいことがたくさんあるがここまで読んでいるやる気のある諸君はきっと完成させることができる。
自動車を作ろう!
さぁ実際にシャーシを作っていくのだが、前置きとして自動車を作っている人からすると、
「シャーシなんてほかの人の車から引っこ抜いてよく観察してからパクれ!」
ぶっちゃけて言うとこれが初級編で伝えたいことなのである。他人の車から構造をまるっきしパクるというのも初級編では十分すごいことなんだぜ。でも「パクれ!」の4文字でwikiを終わらせるのは、ちょっと好ましくないので製作方法を書いておくんだが、自分で作るより先にワークショップで人気な自動車のシャーシをよく観察してくれ。
シャーシ製作
これが見たかったんだろ?だが上で書いてあることをすべて読んでからここを読んでくれよな。
さぁ、シャーシを作っていこう。車を作る上で必要になるMODは「
EasyScale」や「
Block Scaling Tools」などのスケーリング系(ブロックの大きさが変えられるものならなんでもOKだ)に加えて、「
NoBounds」「
Colliderscope」「
BraceCube」である。ほかにも「
ReplayMod」等があれば便利かもしれない。MODに関しては
MODリストを見てくれや。シャーシは基本的にコアブロックと
サスペンションの2つから成り立っている。
では車の構造をおさらいだ。
ここに車を用意した。まあ三枚おろしになっているがね。で、この画像を見ると綺麗に「ボディ」「内装」「シャーシ」に分かれている。しつこいが、初級編ではこの右下にあるシャーシを作っていくぞ。
これがドリ車から余計な部分を取り除いたシャーシの詳細な画像だ。右方向が車両の前方になる。現実の車の
サスペンションについて知識がある人はこれを見て理解できるものがいくつかあるんじゃないか?シャーシはコアブロックを構造材としてフレームに使い、そこから
サスペンションをはやしている。コアブロックは接続判定が無いから、スケーリングするとより使いやすいブロックになる。でも目に見えるだけがシャーシじゃないんだよ。コアブロックをどけると中に重要なものがつまっている。
豆粒みたいな
ウォーターキャノンと
ステアリングヒンジが隠れていたのである!こういうのを見逃しがちだから「よく観察してくれ」と強く言っていたんだ。それはいいとして、このちっこいやつらは何かというと、推進力とブレーキと車の操作性を向上させるためのステアリングなのだ。小さいウォーターキャノンの出力はNoBoundsで-100~-200ほどに設定している。いわゆるマイナス水砲というやつで、この状態では水が出てこない純粋な推進ブロックになる。小さい
ステアリングヒンジには小さいプロペラがついていて、空力で操舵している。その辺は
飛行機のすすめを読んできた人は簡単に理解できるだろう。なぜ推力をウォーター
キャノンで得ていたり空力で操舵してるかっていうと単純にホイールだけだと性能不足だからである。
それでは次はシャーシの中でも
サスペンションの構造について解説していく。この構造は日々研究されているが、最も基本的な構造を紹介する。
これがフロントの
サスペンション。コグの頭接続でコアブロックに接続し、
サスペンションはボディとつながる。バラストが現実の車で言うナックル。フロントにはステアリングの構造が入るので、
ステアリングヒンジがついていて、上下左右自由に動くボールジョイントでロアアームを作っている。スケーリングしてるからわかりづらいかもしれないが、
構造図鑑にある「ヒゲダン」と同じ構造だ。違いといえば
ステアリングヒンジの有無、スピニングブロックがコグになっているところだろうか。このステアリングの仕組みで注意すべきなのは、
ステアリングヒンジの回転軸と
ボールジョイントの回転軸を同じ直線上に配置すること。これがずれているとハンドルを切ったときにねじれて、それが
サスペンションに伝わり、ボディまで伝わってしまうので破損につながる。
これがリアの
サスペンション。構造は基本的にフロントと同じだがこちらはステアリングがないのでよりシンプルな構造になっている。ロアアームについて中級編でボディを作ったときに適正化する方法を書いておく。ロアアームは1G状態(車両を地面に静止させ、車両重量により
サスペンションが少し縮んだ状態)で水平になっておくことが好ましい。
では実際に作ってみよう。
まずはスケーリングしたコアブロックと
バラストを配置する。ここではわかりやすく4輪同時進行で製作しているが、反転ツールがあるため1輪だけ製作してからコピペしてもよい。
バラストの配置で車の特性のベースができあがってしまうのでコンセプトを考え、慎重に配置しよう。
次にホイールを設置してアライメントを荒く調整しておく。ロアアームとダンパー用コグを設置する。
ボールジョイントとの回転軸をそろえやすくするために、ここで
ステアリングヒンジを設置しても良い。
サスペンションと
ステアリングヒンジを設置した。
サスペンションの長さは1以上が好ましいく、ホイールトラベル範囲に当たり判定のあるものを設置しないようにして、干渉がないように調整しよう。見えないが、マイナス水砲や空力操舵もここで設置しておく。これでシャーシは完成。ひっくり返らないようにお好みで反トルクホイールを設置しても良いが、大体はボディの重みでどうにかなる。ホイールの設定は自動ブレーキをオフにしておくこと。
サスペンションを仮固定して試走した後に4WDや2WDに変えてみて好みを探していこう。ただし、
サスペンションの固定はボディのブレースの接続を複数使って接続する。ボディは一番重い部品なので、それを直接
サスペンションにつなぐことでコアブロックに負荷が集中するのを防ぐことができる。初級編はこれで終了だ。
中級編
初級編でシャーシの基本構成を説明したので、中級編では車の見た目を決定する「ボディ」を作っていく。自分の思い描く理想のオリジナルカーを作り上げてもいいし、実車を再現することに想いを捧げてもいい。根性論まがいだが、作れるかどうかより「作りたい」という熱意こそがなにより重要である。ここでは製作の一助となるよう、おおまかな製作の流れや必要な知識を紹介する。つまりは座学。どうしても文章と静止画では限界があるため、実践的で具体的な操作については実際の製作を通して我が物にしてほしい。加えて、前もって移動・回転・反転ツールの挙動をしっかり理解しておいてほしい。でなければ、MOD造形は夢のまた夢である。
MOD車両のボディを製作するうえで必須となるのが、もちろんMOD。シャーシ製作の段で列挙したMODたちだ。実を言うと、あれらはほんの一例に過ぎないし、より便利なMODが将来出現するかもしれない。
暇があれば他ユーザの作品漁りもかねてSteamのワークショップを探索してみよう。
さてさて、中級の前座はこれくらいにボディ造形における具体的な知識を叩き込む。
もう造形が待ち遠しいかい?結構、その熱意をもって造形に励んでほしい。
そのためにも知識は必須だ。
以下、中級編では下の項目に則って進めていく。
①基本ブロック紹介
②
ブレースキューブのアレコレ
③製作の方策
①基本ブロック紹介
造形に使用するブロックは主に3つだ。
1.スケーリングブロック
英語名は「SMOOTH SURFACE BLOCK」
いくつかのMODによって設置が有効化されるブロックであるため、購入以来バニラ環境を楽しんでいる方には馴染みのないブロックかと思う。ただこいつを扱えるようになるのがスタートラインだ。英語名の通り滑らかな表面造形を行うためのブロックであり、日本名の通り基本的に拡縮して扱う。ブロックとしては「回転能力がなくなった
ヒンジ」であり、
バラストのように重量を変化させられる。被接続判定があるため構造材の要素を持つ。有効化できるMODは「
Block Scaling Tools」など
2.ブレースキューブ
英語名は「BRACECUBE」
こちらはMODなしでも配置できるが、MODがあった方が簡単に配置できるブロック。
この中級編はこいつの説明のためにあるといっても過言ではないほど
クソ生意気な奥深いブロック。
「
ブレース」といえば簡易な接着剤として広く親しまれるブロックであるが、こちらは接着剤かつ曲面や鋭角を表現する際に多用される。
こんな立方体でどうやって曲面を表現するか? それは後のお楽しみだ。
ブロックとしては、2点間の距離が0の
ブレース。
被接続判定と衝突判定が存在しない。
有効化できるMODは「
BraceCube」
3.面の生成
通称「サーフェス」、英語名は「BUILD SURFACE」
実装からしばらく経過したが未だに実験段階らしい。
生粋のバニラブロックであるため設置にはMODを必要としない。
自由に配置された3点ないし4点のノードを結んだ図形となり、ノード間の中点を移動させることで曲線も表現できる造形向けブロック。
MOD「
Block Scaling Tools」を有効にしていると設定でブロックの厚みを変更できる。
バニラ環境優位の我が国においても研究は盛んである。
今回は使わない。
以上3つがあればおおよその造形は賄える。
表現したいものによって
鉄製プレート系や
木製パネルなどなど適宜取り入れていこう。
②ブレースキューブのアレコレ
さあ、やってきましたBesiege造形の泥沼の極致、
ブレースキューブ講座の時間だよー、みんな集まってー。
どこの天才が何故こんなものを造形に活用し始めたのか、甚だ不可思議であるがサーフェスが登場するまで造形分野で隆盛を極めたのがコイツ。
完璧に扱うにはMOD必須のブロックであるために日本語の資料が少ない。
筆者も完全に理解しているわけではないが、経験に基づいたデータをここに共有する。
ブレースキューブの設置方法
設置方法は2種類あるので好きな方を選ぶといい。
1.MOD「BraceCube」で追加されたものを設置する
これが一番単純で楽。
設置直後は距離が0の
ブレースで、設定のlengthを0より大きくすれば通常の
ブレースとして振る舞う。length0の状態でセーブの後にロードしたり、一度削除してUndoすると始点側のみのブレースキューブとなる。
2.ブレースを設置する際のバグを利用する
メリットはないがMODに頼らない姿勢を少しでも維持したいプライドの高い人向け。
設置直後から始点側のみのブレースキューブとして振る舞う。
設置方法は
1.
ブレースの片側(始点側)を通常通り設置する
2.もう片側を設置する際に上手く棒の部分をショートカットキー(X or Delete)を用いて削除する
3.Undoする
4.出現した
ブレースを削除する
5.Undoする
以上で設置できる。
ブレースキューブの特徴
では次にそんなブレースキューブの特徴を紹介する。
なかなかのボリュームなので振り落とされないようしっかり付いてきたまえ。
1.被接続判定を持たない
2.衝突判定を持たない
3.複数の被接続判定に接続可能な接続判定を持つ
以上はバニラの
ブレースも持つ特徴である。
1より、
ブレースキューブ単体では構造材として成り立たず、何かしら「骨格」となるブロックにくっつける必要がある。
2より、地面やホイールとの干渉が発生しないため、フロント・リアバンパーやフェンダーの造形では専ら使用される。
3は終点側のみ複数接続可能で、始点側は1:1のため注意すべし。
4.ブレースキューブはあくまで「距離0のブレース」であるため、始点側だけでなく終点側の接続判定も存在する。
画像の通り接続判定が2つ存在する。
始点側と終点側の接続判定はブレースキューブ本体の大きさを変化させずに別々の大きさに設定。
詳細は後述する。
これを利用すれば造形のために接続判定が小さくなった場合に終点側だけ大きくして接続したり、逆に可動部分に接続させたくない場合に始点側を不動部分に接続して終点側だけ小さくすることも可能である。
ちなみにブロックの判定表示MODとして「
Colliderscope」と「
Collider Mod」が存在する。
比較すると「Colliderscope」の方が機能が充実しているものの、
ブレースキューブの始点側の接続判定を確認できないため、使用する場合は「Collider Mod」がオススメ。
5.通常の回転以外の回転角度を持つ
通常、ブロックは設置座標と回転角度、拡縮度の値を持つ。
しかし
ブレースはこれ以外に「独自の回転角度」を持ち、これが造形において真価を発揮する。
同時にブレースキューブが
クソ生意気な奥深いブロックである由縁である。
以後、
ブレース独自の回転角度を「Brace角」と呼称する。
MOD「BraceCube」を有効にしていると「Brace角」を直接指定できる。
設定ツールでブレースキューブを選択するとこのような表示がある。
赤い枠の中の値を編集する。
では試しにX軸に「45」と入力してみる。
するとX軸を軸に45度回転する。
見た目にはなんの変哲もない。
この状態なら「普通に座標をいじるのと何が違うのか」と鼻で笑われるだろう。
だが、これをMOD「Block Scaling Tools」の拡縮機能を利用して、たとえばZ軸方向に拡大してみる。
するとどうだろう先程まで立方体だったブレースキューブはその姿を大きく変えたではないか。
これが世に言う「ひし形ブレースキューブ」である。
この振る舞いの具体的な要因は2つある。
◯拡縮はブロックの向きに依存すること
◯
ブレースキューブは拡縮によって歪むこと
重要なことは「通常の回転角度は拡縮方向の角度、Brace角が
ブレースの見た目の角度を司る」こと。
たとえばローカルのX軸中心で45度傾けてBrace角のX軸を0度にしたブレースキューブを拡縮する場合
たとえ見た目は「まったく回転していないブレースキューブ」でも、ブロック基準のギズモは45度傾くし、Y軸、Z軸での拡縮は45度ズレて反映される。
歪み方の性質は立体ではなく面で見るとよく分かる。
ブレースキューブのすべての面はどのような状態であっても絶対に平行四辺形の形を取るのだ。
このように鋭角・鈍角を自在に表現できるブロックはサーフェスの登場まで他になく、造形では重用されてきた。
この「
ブレースキューブ」を使用してこそ、MOD造形のスタートラインから大きく躍進を遂げるであろう。
6.接続判定の直径はおよそ最も離れている、対となる面同士の中央から中央までの距離
未検証のため実際にどのような計算が行われているか判然としないが、おおむねこの通りである。
面同士の距離よりも直径の方が少し短い様子。
コライダー系MODを利用して
ブレースキューブが使用された自動車の接続判定を可視化すると、接続判定がとんでもない膨らみ方をしている。
慣れないうちはその不可解さにウンザリするかもしれないが、接続判定はブレースキューブの中央に存在することと6を理解していれば、自ずと判別が付くようになる。
また、「Brace角」を別々に設定することで4で紹介した操作が可能となる。
ブレースキューブ使用上の注意点
他にも注意点とも言うべき特徴がある。
それも列挙しておこう。
1.反転した際のズレ
次項、③製作の方策でも触れるが基本的に自動車を製作する際は左右どちらか片側を作ってから中央を軸に反転して整える。
大抵のブロックはそれで問題ないのだが、
ブレースキューブはここでも特殊な振る舞いをする。
なんと同じ形になってくれない。
実は同じに見えていてもすべて回転角度がずれている。
クソめんどい
これの解決方法は左右反転後、ペーストされた方のブレースキューブを反転ツールでひとつひとつXYZ軸すべて反転することである。
どうせ3軸とも反転するので基準はグローバルでもローカルでも問題ない。
2.回転角度のズレ
これは複製したとき、削除してUndo(再設置)したとき、マシンをロードしたときに稀に現れる非常に厄介な現象。
複製したときに分かりやすいのだが、なんと元のブレースキューブと今さっき複製したブレースキューブの形状が異なることがある。
対処法としては以下の手順
1「Brace角」を回転させる(この状態で複製・再設置・もしくはロードし直すと角度が元に戻る)
2「Block Scaling Tools」で角度か拡縮(移動はダメ)のXYZ軸のいずれか1つに別の値を入力する。
なお、拡縮の場合は「設定」と「ギズモ」で挙動が異なり、設定の方で値を弄ると角度が保持されるが、
ギズモで直接拡縮すると角度が元に戻る。
この件について情報をご存知の方はdiscordにてご教示お願いします。
左右反転してXYZ軸とも反転したのに見た目が違うブレースキューブがあった場合は、複製元のブレースキューブを一度選択して複製してみよう。
3.MOD「BraceCube」はUndo非対応
これはブレースキューブの特徴というよりMODの仕様。
やり直しができないので、上手く角度調整ができるか自信がない場合は編集前にバックアップを取るなり角度をメモしておく必要がある。
他、おまけ的な情報として、MOD「Block Scaling Tools」とMOD「BraceCube」は数値をドラッグすることで変化させられる。
ただしMOD「BraceCube」の場合は「ドラッグし始めた時の値」に応じてドラッグ量による変化量が変動する。
大きい値ほど変化量も多くなるため、ドラッグで変化させる場合は「0.00」ではなく「360.00」に指定しよう。
Brace角の値は直接入力するよりもドラッグで少しずつ変化させた方が変形の特性を理解しやすく、望みの形状にを作りやすいぞ。
しかし、MOD「Block Scaling Tools」の機能でブレースキューブを変形させることができ、「BraceCube」ではできなかったUndoも対応している。やり方はいたってシンプル、スケーリングしたブレースキューブを歪ませたい方向に回転ツールでドラッグ、ドラッグを離さないままCtrl+D。これで変形できるため、ドラッグしながらCtrlを押し続け、Dを連打すると変幻自在。操作も直感的であり、数値を変更するよりこちらの機能を使うほうがはるかに楽だろう。
4.Brace角はグローバル座標準拠
通常の回転角度を変更してもBrace角は更新されない。
たとえば通常のX軸で45度回転の状態から-30度回転(=15度)させてもBrace角は0のままなので値の上では-30度分形状が変化する。
そのため、この状態でBrace角を編集すると形状が変化してしまい、1からやり直しとなる。
ただ、これを防ぐ手段が存在するので安心してほしい。
それは「複製」か「削除してUndo」を行うこと。
これで見た目のデータが入力部分に反映されて問題なくBrace角を編集できる。
操作自体は「2.回転角度のズレ」で紹介した現象が起こる際と同じであるため、関連がありそうだ。
③製作の方策
では実際に製作する際の留意点を纏める。
ドアやボンネットを可動式にした作品も散見されるが、ここでは何もギミックのないボディを見ていこう。
ボディにおいて重要なのが第一に「見た目」である。
Besiegeにおけるボディはただの飾り、または重石でしかない。
しかし、だからと言って好き勝手にブロックを配置して万事上手くいくほど甘くはないのが現実だ。
で、ここにシャーシを用意した。
このシャーシにボディを盛り付けていく。
再度告げるが、あくまでもおおまかな流れを紹介するものなので「これを読んだだけで作れる」などと期待しないでほしい。
なおかつ筆者の独学も含まれるためこれが正解ではない。
色んなユーザの色んな作品に触れて技術を吸収していこう。
最後に物を言うのは君の熱意だ。
本来製作の手順に正解などないが、便宜上以下の手順で製作する。
製作全体に渡って半分だけ作って、キリのいいところで反転複製するとよい。
1.シャーシ
2.フェンダーアーチ
3.サイド
4.フロント
5.リア
6.ルーフ
各自、適宜三面図や3Dモデルを用意したり製作中にスキンを適用して確認したり、工夫をしよう。
最初から
ブレースキューブで形作るのはなかなかの想像力を要する。
そのため通常は、
スケーリングブロックで概形を作り、「どのような形を作るか理解してから」
ブレースキューブを活用する。
1.シャーシ
まずコアブロックの直下、もしくはめり込むくらいで薄く延ばした
スケーリングブロックをくっつける。
これが両サイドの構造物を下支えするシャーシとなる。
2.フェンダーアーチ
ホイールの上部にブレースキューブを配置して複製してホイールを基準に回転してアーチを作る。
これを行わないとフェンダーアーチの形状の考慮が難しくなり、四角いアーチになったりホイールにボディが被ってしまう可能性がある。
ホイール周りをバシッとキメるならフェンダーアーチは最優先だ。
念のため接続判定がホイールや
バラストなど可動部分の被接続判定に被っていないことを確認しよう。
3.サイド
4.フロント
ここから本格的な造形へと移る。
ブレースキューブと
スケーリングブロックを用いて強度を確保しつつ目標の造形を行う必要がある。
強度について特に注意すべきは以下の2点
○足回り
初級編でも少し書いた通り、
サスペンションとシャーシは強固に接続される必要がある。
具体的な指標はないが、完成後に走っていて足回りが破損した時にホイールだけでなく
サスペンションごと取れることが頻発するようなら接続を見直してみよう。
ただし、逆に強固にしようとして可動部分まで固定してしまわないよう注意が必要だ。
○ホイール付近
ホイール付近は可動部分が近くに存在するためブロックの接続判定を小さくしてしまうことが多い。
そういったブロックをまとめて接続するために拡大した
スケーリングブロック等を配置すると、走行中にホイールと干渉して破損してしまうことがある。
ホイールの破損や異様な跳ねにはいくつかの要因が考えられるが、多くはホイールとボディとの干渉である。
注意して損はない。
フロントやリアは色分けが必要になってくるため、スキンを当てていくとよい。
フロントが完成したあたりで反対側にも複製してみるとモチベーションが維持しやすいかも?
また、バンパーがぶらぶら揺れる場合はシャーシとの接続が弱い。
一部がぐわんぐわんと強く揺れる場合はブレースキューブの接続が少数の接続判定に集中している。
ぶるぶると小刻みに震える場合は衝突判定が干渉しあっている。
などなど、接続判定が確認しづらいゆえの問題が発生する。
ほとんどの場合、原因が確実に存在するため問題が発生しても諦めずに取り組んでほしい。
地面付近は地面とボディの干渉を防ぐため、衝突判定を持たないブレースキューブを使って造形しよう。
5.リア
6.ルーフ
あまり気を付ける点はないが、ハンドルを回せるようにしたい場合。
Aピラー(フロントのピラー)や車体サイドのブレースキューブの接続判定によってハンドルが固定される。
これを解決するには先述したように終点側の接続判定を小さくして始点側を適当なブロックに接続すれば良い。
後は細かい調整や造形、気に入らないところを作り直したりして完成度を高めていこう。
以上で中級編は修了とする。
上級編
ここでは車のセッティングとステア特性について主に書いていく。峠を楽しむようなグリップで走る車とドリフトする車についてQ&A方式でセッティングのコツを書いていく。意外にBesiegeは実際の自動車のセッティングが役に立つのでそこら辺の記事はちゃんと読んでおこう
峠を楽しむグリップ編
プロペラはステアヒンジと直進安定用にリアに2枚ずつ。ステアリングの切れ角は内側40度外側30度ぐらいで、空力操舵は35度ずつが自然に曲がれるだろう。
Qグリップ感が無い
Aまず車はバネレートを0倍にしたときに
しっかり着地するように、また車体を引っ張り上げてちゃんとホイールが下りてくれるだろうか?
変なところで接着されてて動きの悪い
サスペンションはもう一度見直してみよう。
ホイールの回転速度は6を上限に、
サスペンションの長さは1のときバネレートを3倍までに収まるようにしよう。
Q挙動が安定しない
Aペラ板はちゃんと入れただろうか?ノーズの入りを決める空力操舵とリアに埋め込んだプロペラ各2枚はちゃんと脱落せずに残ってるだろうか?
Qリアが流れる
リアに入れたプロペラをできるだけ後ろの方に持っていこう。
接地感の無さでリアが流れるなら減衰を増やしてみても良し。
車重がかさんでしまった車ならリアに
スタビライザーリンク(アンチロールバー)を入れてあげよう。
Qノーズが入らん
A重心バランスを見てみよう。もし重心が前よりで荷重バランスが前後2:1くらいになりそうなら前のペラ板を倍に増やしてもいいかもしれない。
重心が真ん中に来ている車は作りは良いのでサスセッティングを見直そう。実車と同じく前サスのバネレートを下げるとノーズの入りが良くなる。
Qノーズが入るがステア切るの止めたらノーズがアウトに持ってかれる
Aリアにペラ板を少しずつ車体中心へ移動しながら試してみよう。もしかしたら、リアのプロペラが多すぎるかも?その時は減らそう。
Qロールしてシケインでレスポンスが悪い
A
ロールと和解せよ
というのは半分冗談で
スタビライザーを導入することである程度解消できる。
Qピッチがえぐい
Aピッチと和解せよ
車高を下げてバネレートを上げるのが最終手段だが大して変わらない。重心を下げよう。
サーキットを主としたドリフト編
ペラ板はステアヒンジの2枚のみ。ステア切れ角は50度くらいが標準。もっと角度を追求するなら60度!
Q飛ばん(ドリフトの飛距離が稼げない)
A水砲の威力を減らしてフロントが飛ぶように前足をズルズルにしよう。ドリフトの最中はアンダーステアが基本なので、フロントのグリップを失わせる。
Q飛ばん。巻く(スピンする)
Aフロントグリップが高すぎるかもしれない。減衰を少しずつ下げてみるかバネレートを挙げてみよう。
それでもダメなら空力操舵を車体中心に持って来てもいいだろう。最悪切れ角アップ?
Q飛ばん。戻る(リアを滑らせてもすぐグリップする)
Aリアはサスを全体的に柔らかくズルズルにしてホイールが地面を掻けるようにしよう。トラクションをかけにくい状態ということだな。もしかしたらマイナス水砲の威力が強すぎるかもしれない。ドリフトなら-100から様子をみて強くしていこう。
トーは弄るな
Q振れん(振り返しができない)
Aフロントグリップが足りないかも。フロントのバネレートを少し上げて減衰も上げてみよう。
空力操舵はプロペラが2枚以上になると今度はノーズが飛びにくくなるから増やさない方が吉。
超人編
超人編とは名ばかりだが、ここでは
小ネタやちょっとしたテクニックを紹介したいと思う。
小ネタ&テクニック
エアサス
シャーシを製作したときにダンパーとしてコグを設置したのを覚えているだろうか。それに作動キーと回転数を設定すると、
サスペンションを伸ばしたり縮めたりが意図的にできるようになる。これでハイドロやエアサスといった機能を再現できてしまう。
電飾
「
SpecialEffects」というMODを使えばブレーキランプやヘッドライト、ネオンなどが再現できる。うまく使えばハザートやウインカーも作ることができるだろう。
ブレーキ
シャーシにただブレーキ用のマイナス水砲をつけただけの車でドリフトをして、減速しようとブレーキをかけたら、ドリフト中にバックするという挙動をする。それを防ぎ、自然な動きで減速するためのブレーキがある。作り方は簡単、小さいコグにマイナス水砲と空力パーツを付けるだけ。それを重心付近に設置すると、ブレーキ用のマイナス水砲が常に進行方向とは反対の方向に向くため、ドリフト中にバックすることなく減速できる。
PNGプロジェクター・スキン
PNGプロジェクターと呼ばれるものや、
スキンを利用して車の三面図やブループリント、3DモデルをBesiege内に表示し、それをたよりにして車を再現する方法がある。
おわりに
最後まで読んでくれてどうもありがとう。ここまで読めばきっと立派な車が完成しているだろう。ここでは作った車で遊ぶ方法を少しばかり紹介するよ。
自動車部と呼ばれる集団や公式Discord日本コミュニティで遊ばれているルールで、自動車サッカーは
考案中のレギュレーションも書かれている。自分の作った車で他人に遊んでもらいたい、または他人の作った車で遊びたい等の願いが叶うので検討してみてはどうだろうか。このwikiを読んでわからないことがあればコメントや公式Discord日本コミュニティで質問してくれればきっと誰かが答えてくれるから、気軽にどうぞ。
最終更新:2021年12月18日 21:41