航空力学上級編

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上級編では、実際に操作できる飛行機の開発に関して、実践的な内容を説明していきます。また本ページの内容は、【飛行機を作ろう!! 上級者編】に対応していますので、そちらと併せるとより理解しやすいと思われます。本項の主な内容を以下にまとめます。

1. 飛行機の操舵方式について
2. 飛行機の空力バランス調整について
3. 空力操舵と空力バランスの関係性について


1. 操舵方式について

安定に空を飛ぶマシンを作れたら、次は自由に操舵をしたいですよね。Besiegeで飛行機を作る際、その操舵方法はいくつかあります。それぞれ強みとするポイントが違うため、特色を捉えておくのは重要でしょう。以下に、代表的な機構と特徴を挙げていきます。

図1 空力操舵

中級編でも述べた通り、進行方向に対してまっすぐではない空力パーツは、速度に対して強い抵抗力を生みます。この抵抗力を用いて機体を操縦するシステムを、空力操舵と呼びます(図1)。
空力パーツは一般に高速域であるほど強い抵抗力を生みやすく、本システムは速度が出た状態でしっかりと働くのが長所として挙げられます。また詳しくは後述しますが、機体の空力バランスを変化させられる(= 風見安定を崩す)というのも特徴です。
しかし逆に低速では空力パーツの抵抗力は小さいため、マシンが低速の状態ではほとんど操舵が効かない弱点もあります。

図2 トルク操舵

Besiegeでは回転体の反動が非常に強く、特にホイールなどにブレースを付けて回すと強力な反動が生じます(構造図鑑参照)。これを用いた操舵は、回転体のトルク反動によるため、しばしば反トルク操舵と呼ばれます(図2)。
この方式は、機体の速度が低速でも問題なく働くことが大きな魅力です。一方である程度の速度が出た状態では、飛行機全体の風見安定が強くなるため、反トルク操舵は効きにくくなります。

図3 推力偏向

また動力源そのものを曲げる推力偏向によっても、機体の操舵が可能です(図3)。まっすぐ飛んでいるときに動力源の角度が変われば、機体の向きも変わるだろうということです。こちらも反トルク操舵と同じく低速でも十分働きますが、同じく高速域では風見安定のために効きにくい性質があります。加えて、動力源によっては設計が難しくなることもあるでしょう。

図4 推力偏向+空力操舵

これらの操舵には、それぞれ強いポイントと弱いポイントがあります。そして各操舵を組み合わせると、それぞれの長所を併せ持ち、かつ欠点も打ち消しあう運用ができるでしょう。例えば図4のように、高速で有利な空力操舵、低速で有利な推力偏向を組み合わせると、どの速度領域でも対応できるマシンが作れるかもしれませんね。


2. 飛行機の空力バランス調整について

飛行機の空力バランスは、その性質に対して大きな影響を与えます。その代表的なものとして、機体の旋回性能の変化が挙げられます。まずは、旋回というものがどのように起きるのか考えてみましょう。

図5 機体の旋回の図

図5に、尾翼を操作して上向き旋回をしている飛行機の様子を示しました。まっすぐ飛んでいる状態で尾翼を傾けると、尾翼部分の空力パーツは下向きへの力を生じます(A)。すると、マシンは進行方向に対して斜め上方向を向きます(B)。その状態では、特に機体の前側に置かれている空力パーツは、その速度によって大きく煽られて、強烈な上向きの抵抗力を生成します(C)。結果として、飛行機は上向き旋回を行いました。このように、空力操舵の旋回一つを切り取っても、複数の要素で成り立っています。
機体の空力バランスを変化させると、特に(C)のパートが大きく影響を受けます。機体の前側の空力パーツが多い機体では(C)に示した抵抗力が大きくなることで旋回能力が高くなり、一方で前側の空力パーツが少ないと逆に旋回能力は小さくなる傾向にあります。

図6 機体の空力中心の図

このような空力バランスを見る目安が、マシンの重心と初級編で言及した空力中心の位置関係です。大前提として、自由落下させて前のめりで落ちる(空力中心が重心よりも前にある)ことが必要です。その際、図6の(A)のように前のめりですぐ落ちると、空力中心が後ろよりであり旋回性能は低め(=安定)となります。一方で(B)のように前のめりで落ちにくい場合は、空力中心が前よりであり旋回性能は高め(=不安定)なバランスになります。
以上のように、空力バランスは機体の旋回性能、および飛行時の安定性に影響を与えます。


3. 空力操舵と空力バランスの関係性について

しっぴつちゅう

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最終更新:2021年09月17日 20:46
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