プロローグ

希望ヶ峰学園ーーーそこはあらゆる分野で超高校級の人物のみを集めた学校であり、ここを卒業すれば人生の成功は間違いなしと言われるほどの「希望」の象徴ともいえる学園である。
入学は現役高校生に対するスカウトのみで行われ、実質転校生がほとんどばかりなのだとか。

入学する生徒たちは、たとえば超高校級のアイドルだったり、超高校級の野球選手だったり、超高校級の暴走族だったりーーー良くも悪くも有名人ばかりだ。

そして、そんな学園に、俺こと人吉善吉は足を踏み入れようとしていた。





善吉「随分でかいんだな……」

生徒数に比べると、大きすぎる校舎や設備である。国が援助しているのだからかもしれないが、それでも一般の学校に比べてずいぶん大きかった。

善吉「こんなところに俺がな……」

自分の幼馴染を思い出しながらつぶやいた。

「人吉善吉様、貴方を超高校級の■■■■として当高校にーーー」


手元の入学案内書を見つめる。間違いなく本物だった。

善吉「カッ! このまま立ってるままじゃらちがあかねえぜ」

不安を切り捨てて、学園へと足を踏み入れた。

玄関ホールには誰もいなかった。現在時刻は7時である。集合時間まであと一時間もあるのだから、当然だろう。

?「あっ!」

善吉「おっ」

後ろから欠けられた声に振り向くと、そこにはパーカーを着た少年がいた。

?「えっと、君も希望ヶ峰学園の新入生?」

善吉「ああ、そうだぜ」

苗木「よかったぁ、誰もいなかったらどうしようって不安だったんだ。僕は苗木誠。よろしく」

善吉「俺は人吉善吉だ。よろしくな」

時間になるまで、苗木と話すことにした。

何を話そうか?
↓1

超高校級なんだよな?苗木君は何の才能なんだ?

善吉「そういえば、苗木も超高校級なんだよな? 何の才能なんだ?」

苗木「えっ、ええっと、その……」

どうも答えにくそうだ。何かあるのだろうか。

苗木「僕は「超高校級の幸運」なんだ」

善吉「幸運?」

苗木「うん。希望ヶ峰高校って毎年抽選であたる入学枠があるんだ。僕はそれなんだ」

全高校生の中から無造作に抽選で選ばれた生徒。
たしかにそれほどまでの運を持っているのなら、超高校級の幸運と呼ぶにふさわしいのかもしれない。

苗木「ホント、ただの偶然なんだけどね……」

善吉「カッ、よく言うぜ。予備学科の生徒が聞いたらそれこそ言葉通り殺しに来るようなセリフだ」

苗木「そうなのかな……。あ! そういえば、人吉君は何の超高校級なの?」

善吉「俺か?」

苗木「ここに来る前にインターネットで調べてみたりしたんだけど、人吉君のことは詳しく乗ってなくて……」

善吉「ああ、俺はーーーー」


苗木の質問に答えようとした瞬間、ぐるりと視界が歪んだ。


善吉「---!?」


そして、突然の事態に対応しきれず、俺はそのまま意識を失った。



目が覚めると、見知らぬ教室にいた。

善吉「ここは…?」

周りを見渡す。
誰もいない教室。やけに薄暗いと思ったが、その原因はすぐに見つかった。

善吉「なっ!? 窓が鉄板で打ちつけられてやがる!?」

あわてて近寄り触ってみるが、窓はびくともしない。
嫌な予感がした。
いままで経験してきた面倒事に匹敵---もしくはそれ以上のことに巻き込まれている、そんな予感だ。

善吉「監視カメラ……なんだよここは……!?」

落ち着け人吉善吉。頭を冷やせ。自分に言い聞かせて無理やり冷静を気取った。

善吉「とりあえず、このままじゃ埒があかねえ。教室から出るか」

教室から出ると、人影を見つけた。

人物指定(どちらのキャラでも可)
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なじみさん

?「やあ」

善吉「うおお!?」

?「そんなに驚かないでくれないかな。声をかけただけだぜ」

教室のドアの前には髪の長い女性がいた。
初めこそ驚いてしまったが、落ち着いてよく観察してみれば、やさしそうな雰囲気の少女だった。

善吉「えっと、あんたは……」

安心院「僕は安心院なじみだよ。親しみを込めて安心院(あんしんいん)さんと呼んでくれ」

善吉「俺は人吉善吉だ。えっと、安心院さん? ここってどこだかわかるか?」

安心院「希望ヶ峰学園だね」

善吉「っ、こんなところがか!? 窓が打ちつけられてて、監視カメラまでついてるんだぜ!」

安心院「創設者である僕が言うんだからそれだけは間違いないぜ」

善吉「はぁ?」

目の前の少女、安心院なじみは相変わらず不敵な笑みを浮かべている。
……嘘をついているようには見えないが、希望ヶ峰は50年以上の歴史を誇る学園だ。それはありえない、はずだ。

安心院「冗談だよ」

善吉「冗談かよ!!」

安心院「さあどうだろうね」

善吉「どっちだよ!?」

いい加減な返事に思わず突っ込んでしまった。このままでは安心院のペースに完全に乗せられそうだ。

安心院「まあ僕には弱体化しているとはいえ僕には才能があるからね」

そういいながら、安心院は監視カメラを見つめた。

善吉「……」

安心院「さて、そろそろ才能保持者たちが玄関ホールに集合しているころだ。初日から遅刻したって、別に曲がり角で謎の美人転校生とぶつかったりはしないぜ?」

善吉「……ああそうだな。行くか」

とりあえず、悪そうなやつではなかった。信用してもよさそうだ。

玄関ホールに足を踏み入れた俺と安心院を出迎えたのは、随分と個性の濃い面々だった。
どのくらい濃いかといえばーーーなぜか玄関ホールにあるマシンガンが空気になる程度には、だ。

善吉「おっ! 苗木!」

苗木「人吉君! 大丈夫だったんだね!」

その面々の中から、苗木を見つけた。どうやらほかのメンバーとあいさつしていたところのようだ。

善吉「ん、誰と話してたんだ?」

苗木「えっと」

人物指定
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むくろ

残姉ちゃん変装中かどうか?
↓1

変装中

江ノ島「アタシは江ノ島盾子、よろしく!」

苗木と話していた金髪ツインテールの少女が、人のよさそうな笑みでそう名乗った。

江ノ島盾子といえば、いくつもの雑誌で表紙を飾る、今をときめく超高校級のギャルだ。
俺も名前くらいは知っていた。

善吉「なんか印象が違うみたいだけどよ……」

江ノ島「雑誌の写真のこと? ははっ、あんなの化粧もってんに決まってんじゃーん! 写真加工とかさ、よくあることだし」

なんだか夢を壊されたような気分だ……。

江ノ島「っていうかアンタこそ何よその格好」

善吉「おお! 俺のファッションの良さがわかるのか!?」

俺の格好……つまるところ、前の学校の制服の下にジャージ。時代を先取りしたデビルかっけえ俺のファッションだ。
母さんの買ってくるシャツに匹敵するほどのファッションだと思っている。

江ノ島「死ぬほどダサい、マジありえないんですけど」

善吉「なっ……」

苗木(あれファッションだったのか……)

心底理解できないという顔の江ノ島と、同意見らしい苗木。俺はショックのあまり放心した。

安心院「正直ださいぜ?」

善吉「安心院さんまで!」

安心院さんはなぜかそばにいるだけで安心できるような印象を受ける見た目とは裏腹に辛辣な言葉をはいた。

安心院「さてと、もう少し挨拶しておきたいところだが、もう時間のようだよ」

善吉「時間?」

安心院さんの言葉におれたちは首をかしげたが、すぐに納得することになった。

≪オマエラ! 今から入学式を始めます! 今すぐ体育館に集合してください!≫

放送がかかったのだ。

苗木「入学式…? これって、何かのイベントだよね?……」

苗木が不安そうな顔をしている。正直同感だった。

ぞろぞろと体育館に向かうみなに流されて、俺たちは体育館に向かった。


善吉(だけど……どうして安心院は放送がかかることが分かったんだ? それが安心院の超高校級の才能? カッ、そんな未来予知じみたことなんてありえねえ!)




【体育館】

体育館についた俺たちを出迎えたのは、学園長を名乗る白黒の奇妙な熊だった。
そしてそれ以上にありえなかったことというと……

善吉「コロシアイ……!?」

「いまからオマエラにはコロシアイをやってもらいます!」

奇妙な学園長ーーモノクマの発言だった。


【校則】
1生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。
2夜10時から朝7時までを”夜時間”とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。
3就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。
4希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。
5学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます。
6仲間の誰かを殺したクロは”卒業”となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません 

【(非)日常パート】
一日一回モノクママシーンで遊べます。コンマでアイテムゲット個数を、安価で種類を選択できます。
≪1~2→一個、3~4→2個、5~6→3個、7~8→4個、9→5個、0→6個≫
一日二回、仲間と交流できます。安価での選択肢のほか、プレゼントの交換などのイベントもあります。好感度によってストーリーに影響あり。

【非日常パート】
殺人事件発生です。安価もしくはオートで被害者は決定されます。
証拠の収集が完了次第、裁判が始まります。裁判は安価を中心に進められます。基本的にゲームオーバーはありません。

【戦闘】
展開によっては発生する可能性があります。
相手の【固有数字】に対するカンマによって、戦況は決まります。
たとえば安心院の固有数字は【0】、苗木の固有数字は【2】です。

カンマが【4】の場合 →VS苗木なら+2なので戦闘が有利に進みます
VS安心院なら-6なので圧倒的不利です。
基本的に±2の範囲では即死する可能性はありませんが、±5よりも差が開くと状況によっては即死の可能性があります。
リトライ可能。

初期善吉はサバット使用可なので、もともとのカンマにプラス【戦闘補正+2】を持っています。
戦闘補正は、仲間の有無や保有スキルによって変動します。スキルは仲間との交流で手に入れましょう。



これらのルールは調整される可能性があります。

善吉(無茶苦茶だ……!)

わけのわからない状況、わけのわからない熊、わけのわからない校則。
いくら落ち着こうとしても上手くいかなかった。
横を向くと苗木はひどく青ざめていた。

善吉(それに比べて)

一方安心院はどこ吹く風と、今までと少しも変わらない様子でその場に立っていた。
いや、むしろ少し楽しそうにさえ見える。

なぜそんなにも落ち着いていられるのかと問おうとした瞬間、後ろからモノ熊に向かって誰かが飛び出してきた。


モノクマに近寄った人物
↓1

桑田

桑田「はあああ!? ちょっと意味わかんねぇんだけど!」

モノクマ「うぷぷぷぷ、わからなくても別にいいんだけどね。殺されるだけだし」

桑田「っ、大体てめえはなんなんだよ! なにもんなんだよ!!」

いきなり飛び出して騒ぎ始めたのは、茶髪の青年だった。
彼は超高校級の……

善吉「……えーっと」

苗木「桑田くんだよ! 高校野球の!」

苗木曰く、青年の名前は桑田というらしい。
超高校級の野球選手、には一見見えない見た目だ。

モノクマ「僕はモノクマだよ。学園長でもあるから、よろしくね~……ってコレさっきも言ったじゃん! なんなのもう! 僕は一度した話を何回もし直してあげるほどやさしくないんだからね!」

桑田「このっ……アホがぁあああ!」

モノクマの馬鹿にしているようなジェスチャーに腹を立てたのか、桑田は思いっきりモノクマを蹴り飛ばそうとした。

善吉(やべえ……!!)

自分でも理由はよくわからないが、ものすごく嫌な予感がした。
このままではまずい!


どうする?
1 静観する
2 助けに行く
3 ほかの誰かが助けに飛び出した(人物指定必須)

↓1

3 弐大

嫌な予感ほどよく当たるもので。桑田が蹴り飛ばした瞬間、モノクマの目が赤く光った。

モノクマ「いけません……いけないですよ! 学園長に対する暴力は禁止だって言ってんじゃん!」

驚くことに、モノクマの腕から鋭い爪が伸びてきたのだ。

桑田「ひっ!?」

モノクマは見た目に反して素早い動きで桑田に迫る。

ーーー殺される!

誰もがそう感じた瞬間、とある人物が桑田の前に飛び出した。


弐大「うおおおおおおおお!! 気合じゃあああああ!!!!」


それは、超高校級のマネージャー、弐大猫丸だった。

弐大はモノクマと桑田の間に素早く体を滑り込ませ、自分の身も顧みず桑田をかばった、

弐大「うおおおおおおおおっ!!!!」

モノクマの爪はやはり飾り物ではなかったらしく、弐大の肩に大きく食い込んだ。

桑田「なっ……なんだよお前……!?」

血を噴き出してもなお立ち続ける弐大に桑田は怖がるように声をかけたが、弐大は返事をしない。

弐大「っぅ……!」

いや、むしろ痛みを必死に耐えて立ち続けていると言うべきか。

モノクマ「もう! 邪魔しないでよね! 桑田君は校則違反したんだから、オシオキしなきゃいけないの!」

モノクマは腕をぶんぶん振り回し、弐大のことを視線から外すと再び桑田のほうに向いた。

しかし、再びモノクマの行動は阻止される。
今度は弐大ではなく、安心院によってだった。

安心院「そろそろお開きにしようじゃないか。確かに桑田くんは大した過去が語られることもなくそうそうに退場しそうなキャラではあるが、ここで殺したところで物語が面白くなるわけでもない。最初の一撃で仕留められなかった時点で印象負けしてるのさ」

モノクマ「ムカーー! その偉そうな発言にいらっときたよ! イライライライラぁ!」

安心院「始まりとしては打ち切り連載レベルだぜ? せめて5巻程度は続けられるようになってから出直すといい」

モノクマ「……ぷん! いいもんね、飽きちゃったし。もう勝手にすごしなよ! 僕は帰るからね!」

そしてモノクマはあっさりと去って行った。
というか消えた。

苗木「いったいどうなって……」

苗木の疑問には俺も答えることができなかった。

安心院「---さて、そろそろ昼食時だ。宿舎のほうには食堂もある。そこに向かえば空腹も満たせるよ」

安心院はゆっくりと俺たちのほうに振り返り、そういった。

善吉「安心院さん……いや、安心院、お前は何者なんだ? なんでそんなに落ち着いてられるんだよ!」

正直自分はいまだに手が震えてた。当たり前のようにすべてを予想し、落ち着いて対処できる安心院が怖かった。

安心院「あの悪趣味なクマには興味はないからね。悪訳はすべからく倒されるものだ。いつか必ず敗北するものに興味はないよ」

安心院は倒れこんだ弐大のそばにより、桑田にも声をかけた。

安心院「僕の才能である【自然血癒】(ブラッドドラッグ)があれば、治せないこともないぜ。キミもそばにいたければいればいい」

桑田「あ……ああ」

桑田は弱弱しく返事をした。


安心院「人吉君、君も一度自室に向かうといい。事件が起きるまでは、せいぜい生ぬるい日常を謳歌したまえ」

安心院さんの助言通り、俺と苗木は一度宿舎のほうに向かうことにした。

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最終更新:2012年12月30日 03:56