26日目・(非)日常パート

≪26日目を開始します≫

このコロシアイ学園生活も26日目になった。
昨日の話の通りなら、俺たちは30日までに決断をしなくてはならない。

めだかちゃんの目的はいまだにわからないが、足踏みしたままではいられないのだ。



何をしようか?
↓2

七海に話をしにいく

七海は情報処理室にいた。
体中にコードをつなぎ目を閉じているのは相変わらずだった。

七海≪……こういう状況って、ゲームだとイベント用イラストゲットのチャンスだったりするんだよね≫

善吉「七海!? というかどういう状況だそれは!?」

七海≪えーっと……うーん……≫

善吉(そこで悩むのかよ……)

七海は情報処理室のモニターに顔をうつしていた。

善吉(にしてもこいつ、どことなく他のやつより余裕があるように見えるが……)




何を話そう?
↓2

七海が解析できた俺たち全員とこの世界について詳しく教えてくれ

善吉「七海が解析できた俺たち全員とこの世界について詳しく教えてくれ」

七海≪……えーっと。それじゃあまずこのプログラムについてわかったことを話していくね≫

七海はしばらく沈黙した。考えをまとめているのだろう。

七海≪黒神めだかが言ってたとおり、このプロフラムは新世界プログラムをもとに作られたものだったよ。でもその本質を大きく異なっているの。新世界プログラムは記憶の上書きだけど、箱庭プログラムは肉体とアバタ―が連動している……というか短い間隔で上書きが繰り返されているって感じかな≫

善吉「短い間隔で上書き……?」

七海≪そうだよ。それも生きているメンバーだけじゃなくてNPCの私たちまで、短期間の間に何度も上書きされているみたい≫

善吉「は……? それってどこにだよ!?」

七海≪自分自身に、だよ。少しずつ少しずつ私たちはこのコロシアイを経て変化してきている……そのデータが私たち自身に上書きされてるの≫

善吉「……」

七海≪文書ファイルを定期的に上書き保存しているみたいな感じかな。NPCはアバタ―そのものに変化が細かく上書きというか保存されている。突入してきた人たちはその文書ファイルそのものが脳だった、みたいな……≫

善吉「なんとなくわかったようなわけわかんねーような……」

七海≪まあ簡単に言うと、このプログラムは「私たちの変化」をすっごく重要視している印象があったなあ≫

善吉「変化をか?」

七海≪こんなに定期的に上書き保存がされている……これって万一データを失わないためじゃないかな……と思うよ≫

七海≪それからね、ここに突入組とNPC組がいるのは知ってるよね≫

善吉「九頭龍と苗木が突入組だったな」

七海≪わざわざ二人のことを突入組って呼んだのは、箱庭プログラムは本来NPCだけで構成されたものだったからなんだ≫

善吉「……そういえばそうだよな。初めからいたら突入組なんて言わねえし」

七海≪日向君の話だと、箱庭プログラムの存在を知ったのは本当に偶然だったみたい。新世界プログラムのことを知っていたからこそ気づけたのかもしれない。そして箱庭プログラム内で殺し合いが行われるんだということを察した日向君たちは、それを止めるために突入することにした。そこで突入組に立候補したのが苗木くんと朝日奈さんと九頭龍君だった≫

善吉「朝日奈が……!? そういや朝日奈の名簿にも未来機関ってのってたような……」

七海≪箱庭プログラムが発見されたときジャバウォック島にいた未来機関のメンバーが苗木君と朝日奈さんだったみたいなんだ。そして突入組3人は左右田君の作ったハードウェアと日向君の作ったソフトウェアで無理やり介入した≫

善吉「おい、他の突入組はどうなんだ? 安心院はともかく、名瀬と球磨川と不知火は……」

七海≪突入が成功した後、他のみんなに突入の件がばれちゃったらしくて、名瀬さんと球磨川くんと不知火さんは3人を追いかけたみたい。理由はわからないかな。ごめんね≫

善吉「……なるほどな。ん? じゃあもしかしてこのプログラムって本来なら生きている人間が参加するはずのものじゃなかったのか?」

七海≪……そうかもしれないね≫


何か話す?
↓2

外の人間でこのプログラムに詳しいのって誰だと思う?

善吉「外の人間でこのプログラムに詳しいのって誰だと思う?」

七海≪うーん、やっぱり一番長い間このプログラムを崩そうと頑張ってるし日向君じゃないかなあ。あとはアルターエゴ……えっと、お父さんの人格データをもとにした人工知能も詳しいと思うよ≫

善吉「なるほどな……ありがとな、七海。お前には頼ってばっかだ。なんせお前のおかげで外とも連絡が取れたんだもんな……」

七海≪ううん、私がやりたくてやってることなんだから≫

善吉「だったらいいんだけどな。無理すんなよ」

七海≪……≫

善吉「七海?」

七海≪ううん、なんでもない……と思うよ≫

善吉(断定しないのか……)




何を話す?(ラスト)
↓2

七海は今の状況を不安に思ったりしないのか?なんだったら相談に乗るぞ

善吉「七海は今の状況を不安に思ったりしないのか?なんだったら相談に乗るぞ」

七海≪……≫

そういうと七海は困ったように笑った。

七海≪……私はね、今の状況はあんまり怖くないんだ≫

善吉「なんでだよ……!?」

七海≪だって、そういうふうに作られてるから≫

善吉「……!」

七海は、どんなに人間みたいに見えたとしても、たとえ体を持っていたんだとしても、もともとはAIなのだ。
NPCだと言われたところで、本質的に何かが変わったわけではない。

善吉「でも、それでいいのかよ……消えちまうかもしれねえんだぞ」

七海≪それならそれでいいんだよ≫

善吉「はあ!?」

七海≪私はもともとお父さんに作られたただの人工知能でしかなかった。成長することはできたっのも、家族みたいに過ごせたのも、名瀬さんがヒトとそっくりな体を作ってくれたのも、みんな幸運すぎることだった。私はみんなとあんなふうに過ごせたっていうだけでこれ以上何もいらないくらい幸せだったんだ≫

そう言って七海は笑っている。まるで人間のように。

七海≪私が怖いのは、私が消えてしまうことなんかじゃない。お父さんのやさしさが、名瀬さんの意志が、みんなの心がなかったことになってしまうのが一番怖い。だから、私のできることなら……なんだってする≫



善吉「」
なんと言おうか?
↓2

これ以上無いくらい幸せなんて言うなよ
もっともっと幸せになろうぜ
お前は名瀬と不二咲の自慢の娘で、俺にとっても大事な仲間なんだからよ

善吉「これ以上無いくらい幸せなんて言うなよ。もっともっと幸せになろうぜ。お前は名瀬と不二咲の自慢の娘で、俺にとっても大事な仲間なんだからよ」

七海≪……そっか。そうだよね≫

七海は相変わらず笑顔のままだった。

七海≪お父さんとお母さんのためにも、みんなのためにも、私は幸せにならなきゃいけない……のかな≫

善吉「カッ、だからなんでいつも疑問形なんだよ」

七海≪うーん……≫

七海はフードをかぶりながら悩んでいる。

七海≪うん。そうだよね≫

何やら決心したようだ。

善吉「俺に手伝えることがあったら何でも言ってくれよな」

七海≪こっち方面のことはあまりないかも≫

善吉「た、確かに機械は得意じゃねえけど……!」

七海≪……≫

善吉「七海?」

七海≪……ありがとう≫

善吉「……カッ、今更だろ」




午前中は七海と過ごした。



七海からギャルゲーを勧められた……


午後は何をしようか?
↓2

日向とコンタクトを試みる(もちろんダンロンの方)

日向という人物と接触することにした。
使い慣れてきた七海からもらった機械を操作すると、日向という人物の頭の上に露出の高い女性が逆立ちしているという何とも奇妙な状況が映った。

日向「いたたたた! 痛い!」

?「あ! ほら、画面! ついたよ! 人吉君だって!」

日向「いいからとにかく降りろ! いや、降りてください! 首が折れる!」

?「えー、日向君も名瀬ちゃんにめちゃくちゃにされた癖に情けないよ! はずかしくないのっ!?」

日向「誤解を招くような発言はやめてくれ!」

少女は日向という人物の頭の上からのくと、天井にさかさまにぶら下がった。

善吉「……もう突っ込まねえ」ボソッ



何を話す?
↓2

とりあえず挨拶をしてからこのプログラムについて分かったことを聞く

善吉「えっと……初めまして?」

日向「えーっと、こうやって話すのは初めてだったっけな。俺は日向創だ。よろしくな」

古賀「元十三組の十三人の一人にして名瀬ちゃんの大親友、「骨折り指切り」の古賀いたみだよ」

善吉「名瀬の親友って……」

古賀「……うん」

古賀は一瞬涙ぐんだように見えたが、すぐに元の表情に戻った。

古賀「今はいいの。もう大丈夫だから。それよりも、日向君に用があるんだよね」

善吉「……ああ。えっと、箱庭プログラムについて詳しく教えてほしいんだ」

日向「わかった」

日向はうなずいた。

日向「このプログラムはもともとシミュレート用のものだったはずだ」

善吉「……突入組は予想外のものだったってやつか?」

日向「……七海から聞いたのか?」

善吉「ああ。つまりめだかちゃんは生きてるやつらは元々巻き込むつもりはなかったんだろ?」

日向「……俺も最初はそう思ったんだけどな。それにしては向こうの対処が異常に早かった。俺はまあいろんな事情があってそこそこ機械は得意な方なんだが、突入後のアバタ―の製作、記憶の改ざん、メンバーの変更……どれも俺が対応しきれないどころか、もともと用意してあったようにすら思えるほど完璧な処理だった。受け入れ態勢が万全だったかのようにな」

善吉「でも相手はめだかちゃんなんだろ? だったらおかしくねえんじゃ……」

古賀「おかしいんだって。だって日向君はカムクライズルプロジェクトの被験者で、あらゆる才能をもった特別と異常と申し子みたいな存在なんだから」

日向「……いや、今の俺は完全に使いこなせてはいないんだが」

古賀「それでも異常なレベルであることには違いないよ。少なくとも箱庭学園の拒絶の扉を楽々クリアできるくらいには。だからこそ、そんな日向君が全く対応できなかったって言うのはおかしいの」

善吉「……」

日向「受け入れ態勢が万全だったのは間違いない。……だからと言って箱庭プログラムが見つけられる前提で計画されていたとは思えないほどの隠ぺいだったんだが」

善吉「見つけられないように隠されていたのに、見つけられていたときの耐性が万全だったってことは、それだけ警戒してたってことなのか……?」

日向「見つけてほしくないけど、見つかってしまったのなら仕方ない……みたいなことだったのかもな」

善吉「……」

日向「それと……ここから出ることを選択した場合に何が起こるのかってことも伝えとかなきゃならない」

善吉「……何が起こるんだ?」

日向「率直に言うと、何が起こるかわからない」

善吉「……へ?」

日向「黒神の発言からして、NPCが被害者とオシオキをうけた奴同様に消去されるのは間違いない。だがその方法が、下手したら「上書き」の可能性がある」

善吉「上書きって……」

日向「意味のない情報の上書き……データ破壊よりもさらに悪い最悪のパターンが起こる可能性がある」

善吉「まじかよ……!?」

日向「俺個人としての印象なんだが、黒神はどうも自分に厳しすぎるというか、やるならやるでけじめをつけすぎる気がする。あとくされのないよう、完全消去をしようとしてる可能性も捨てきれない」

善吉「……」


日向「最後に今の黒神めだかの箱庭プログラム内の権限について話しておく」

善吉「……ああ」

日向「ゼロだ」

善吉「……はあ!?」

日向「今の黒神の権限はお前らと何ら変わらない。管理者権限がまるでない」

善吉「なんでだよ!? だって、真実が明かされなければめだかちゃん以外の全滅なんだろ!?」

日向「おそらくだけど、第6の裁判のクロは黒神なんだ。それで、真実を暴けなければ「クロ以外はオシオキ」のルールが適応され、真実を暴いた場合の「クロだけがオシオキ」のルールは適応されないようになってるんだろうな。つまり完全なオートってことになる」

善吉「わざわざそんなことする必要があんのかよ!?」

日向「それが黒神にとってなにを意味するのかはわからない。だけど一つだけ言えることがある。黒神めだかは物語の舞台に降りてきたんだ。監督の権限を捨てて、役者に徹している。もうこのプログラムは黒神にすら止められない状態だ」

善吉「……なんで俺たちと同じ立場になったんだ?」

古賀「……私なんかが言っていいのかわからないけど。黒神さんはきっと正々堂々勝負がしたいんじゃないかな。あの時みたいにさ」

善吉「コロシアイをさせておいて何が正々堂々だよ?! それにあの時って……」

古賀「……生徒会長の選挙の時だよ。私はそう思った」




何を話す?
↓2

めだかのスキルについて

日向「それから黒神の才能についても教えておかないとな……」

善吉「才能……?」

日向「黒神の才能は「完成(ジ・エンド)」。他人の優れている部分を見よう見まねで得て、さらに問答無用でその相手の上を行くなんていうものだ」

たしか安心院のメモに書いてあった気がする。
完成は安心院の持っているスキルじゃなかったのか。

善吉「むちゃくちゃだろ……」

日向「そのむちゃくちゃが黒神なんだよ……カムクライズルが「初めからすべて持っている者」だとすれば、黒神めだかは「すべてを習得できる者」だ。ある意味あいつは希望ヶ峰学園で言うところの超高校級の希望なのかもな……」

古賀「しかも私の駆動性をはじめとした異常性から、球磨川の大嘘憑きなんかの過負荷、認知した限りの安心院さんの才能まで全部習得しちゃってて……なんというか、力技で止めるのはほぼ無理なんだよね」

日向「完成させるべきではない欠点まで使いこなすんだもんな……さすがに「超高校級の絶望」は完成させないように江ノ島との接触は避けさせられてたらしいけど」




何を話す?(ラスト)
↓2

そういや最初に狛枝にいきなり怒鳴り付けてたが何があったんだ?

善吉「そういや最初に狛枝にいきなり怒鳴りつけてたが何があったんだ?」

日向「あー、えっと、それは……」

日向は頬を書きながら目をそらした。

日向「狛枝が第2回のコロシアイに参加してたのは知ってるだろ?」

善吉「……ああ、それなら知ってるぜ」

日向「その時も今回みたいにトチ狂った行動をしたんだよ……」

日向の話によると、第2回のコロシアイのとき狛枝は自らの幸運を信じてとんでもないトリックを使ったらしい。そのせいで何人も仲間が死んだとか。
というかそのほかにも第2回のコロシアイは「大体狛枝のせい」みたいな状況だったようだ……

日向「だから今回もまた「大体狛枝のせい」だったもんでつい……」

善吉「……いや、止められなかった俺にも責任がある」

日向「それは違うと思うぞ……」

善吉(とりあえず第2回でも今回でも狛枝は安定の狛枝だったんだな……)

日向「正直俺は黒神がこんなことを下だなんて信じられない。俺たちがこうして今も無事なのは黒神の行動が大きかったしな」

善吉「俺だって信じられねえぜ。なんでめだかちゃんは……」

古賀「あのね、人吉君」

善吉「ん?」

古賀「黒神さんと話してみたほうがいいと思う。だって、黒神さんはとてもあなたのことを大切に思ってたから。私たちと戦ったときも、過負荷と戦ったときも、人吉善吉が超高校級の生徒会長になった日も、黒神さんは人吉君のことを大切に思ってたに違いないもん! だからこそ黒神さんは今回も……こんなことをして……みんなは……」

善吉「……」

古賀「だからね、その、……」

古賀は泣き出した。

日向「……わるい、一度通信を切らせてくれ」

善吉「……ああ」

古賀「……」

古賀は名瀬ちゃん名瀬ちゃんと泣きながらつぶやいていた。




≪26日目を終了します≫

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最終更新:2013年01月05日 06:09