23日目・(非)日常パート

≪23日目≫

俺たちはここから出ることはできない。
俺たちには希望もない……未来もない……。だったら俺たちにはいったい何があるのだろうか?
全滅以前に……結局俺たちがここから出ることはできないのだ。
九頭龍と苗木以外は可能性すらない。

善吉「……!? 今俺はなにを考えて……」

一瞬、ほんの一瞬だった。だが、今俺は確かに……

善吉(いっそ全員が死んでた方がよかっただとか……)

全員が同じ立場だったらよかったのに、なんて馬鹿げたことを考えてしまったのだ。

善吉(そうじゃねえだろ!? あいつらは俺たちのためにこんなところに乗り込んで来たんだろうが! それだってのに……!)

そんな自分が情けなくて、俺は思い切り自分の頭を殴った。

善吉「……くそっ!」

自分を何とか落ち着かせながら部屋から出ると、ものすごい轟音が響いた。

善吉「何の音だ?!」

寄宿舎からではない。音源はそこまで遠いわけでもなさそうだ。

善吉「……」


原因を確かめに行ってみる?
↓1

行こう

音がなっていた場所は体育館だった。
というか調べる必要すらなかった。なぜなら、現在進行形で轟音はなり続けていたからだ。
みんなも異変に気付いたのか、体育館に行くまでほとんどのメンバーと会った。

善吉「ここにきてないのは……まさか!?」

俺たちは勢いよく体育館の扉を開けた。
そこで見たのは……


めだかちゃんに向かってアサルトライフルを乱射する戦刃の姿だった。


どうしよう?
↓2

間に割って入って強制的に止める

善吉「やめろ戦刃!」

俺はあわてて戦刃とめだかちゃんの間に割って入った。

戦刃「っ!」

俺の姿を目にとらえたからか、戦刃はあわてて撃つのをやめ、反射的に数歩下がった。

戦刃「どうしてとめるの……?」

善吉「どうしてじゃねえだろ!? 何やってんだ!? そんなもんどこから持ってきたんだ!?」

戦刃は小声でモノクママシーンとつぶやいた。そこにさっきまでの戦闘マシーンのような冷たさはない。

九頭龍「というかあの女はどうなったんだ!?」

桑田「ひょっとして死んだんじゃ……」

善吉「……」

銃弾によってできていた煙が晴れていく。

戦刃「!?」

戦刃は再び戦闘態勢に入った。

めだか「ふむ、さすがは超高校級の軍人か。助かったぞ善吉。あと5秒打ち続けられていたら危なかった。上峰先輩に護身術を習っておいてよかったよ」

無傷で現れためだかちゃんはそう言いながら舌をべろりと出すと、そこから無数の弾丸を吐き出した。

九頭龍「なんだありゃ……!? いくらなんでも無茶苦茶だろ!?」

桑田「は……?!」

九頭龍と桑田は現状についていけないといった様子だった。

七海「本当にゲームみたい……下手なくそげーよりももっとたちが悪いような……。まるで推理ゲームに超能力バトル漫画のキャラがいるみたいな……」

苗木「……」

いや、この二人も似たようなものか……

戦刃はめだかちゃんから目をそらさず構えていた。

めだか「確かに貴様のその超高校級の能力には驚かされたが、なんでもかんでも暴力で片付けようとするのは感心せんな。もっと話し合いで解決すべきだ」

戦刃「……」

めだか「しかし……こうやってなぐり合わねばわからんこともあるやもしれんな。よし! もしまた戦うことがあったら、その時も全力で相手をしよう」

そう言ってめだかちゃんは体育館を出て行った……

善吉(もともとめだかちゃんは無茶苦茶だったけどよ……今のめだかちゃんは今までの比じゃねえぞ……!?)

騒動が終結すると体育館に来たメンバーは、1人、また一人と去って行った。




何をしようか?
↓2

戦刃になぜあんなことをしたのか聞いてみる

善吉「なんであんなことをしたんだ?」

戦刃「……わからない」

善吉「えっ……?」

戦刃はうつむいたままし始めた。

戦刃「……私は2回も盾子ちゃんを守れなかった。盾子ちゃんを理解してあげられるのは私だけなのに……何の役にも立てなかった」

善吉「……」

戦刃「ずっと盾子ちゃんの絶望のためだけに生きてきた……だから、今どうすればいいのかがわからない。でも戦うことはきっと私にしかできないことだから……だから黒幕と戦った」

善吉「……戦刃、お前はここに残りたいか? それともプログラムを終わらせたいか?」

戦刃「……それもわからない。でも……」

戦刃は一度言葉を止めると、すこしずつ話してくれた。

戦刃「きっと1回目のコロシアイの盾子ちゃんのことはみんなが覚えてる……でも、ここの盾子ちゃんはどうなるの? 誰にも覚えてもらえないまま、ただのわき役として死んじゃって……盾子ちゃんならそれも絶望的だって言うかもしれないけど……それは……」

善吉「……」

戦刃「私はどうすればいいの? 盾子ちゃんをもっと絶望させてあげるにはどうしたらいいの……?」




善吉「」
なんという?
↓2

江ノ島を生きてプログラムの世界から引きずり出す
今まで犯した罪を背負って絶望的に生きてもらう

善吉「江ノ島を生きてプログラムの世界から引きずり出す。今まで犯した罪を背負って絶望的に生きてもらう」

戦刃「えっ……」

善吉「あんまし江ノ島のことはわかんねーんだけどよ。あいつの性格からして……復活して生き続けることって一番、その、絶望的ってやつなんじゃねーかと思ってな」

戦刃「復活……」

善吉「希望を捨てずにがんばったら、もしかしたらデータを復活させることだってできるかもしれねーだろ?」

戦刃「絶望を希望する……」

戦刃はしばらく何か考えている様子だったが、しばらくすると何かを決心したような顔でこちらを向いた。

戦刃「……ありがとう。私頑張ってみるね」

善吉「頑張るって何をだ?」

戦刃「それはっ、えっと……」

戦刃はおろおろし始めた。

戦刃「……これから考えてみる」

善吉「そっか。がんばれよ!」

戦刃「……うん」

午後は戦刃から妹の話を聞いた……

戦刃のことが少しわかった気がした。


午後は何をしようか?
↓2

めだかちゃんの所へ行く

めだかちゃんは安心院の自室……今めだかちゃんが使用している部屋だ……にいた。

めだか「善吉か。どうした? 6回目の裁判をする気になったか? それとも談笑しに来たか?」



善吉「」
何を話そう?
↓2

記憶が戻らないからその話をする

善吉「めだかちゃん、あのさ」

めだか「「俺の記憶について何か知らないか?」か?」

善吉「……その通りだ」

めだかちゃんの先読みは相変わらずのようだった。

めだか「私からは干渉しないつもりだから特にこれといった対処はできん」

善吉「やっぱ自力で取り戻すしかねーのかよ……」

めだか「だが、話すくらいなら構わんぞ! むしろ話したいくらいだ」



善吉「」
何を話そう?
↓2

めだかちゃんは『生者も死者も両方のデータを消す』って言った
生きてる奴はデータになんてする必要ねぇよな
つまりこのコロシアイの中で死んでいった奴等のデータはまだ残ってる
違うか?

善吉「そういえば、めだかちゃんは『生者も死者も両方のデータを消す』って言った。生きてる奴はデータになんてする必要ねぇよな。つまりこのコロシアイの中で死んでいった奴等のデータはまだ残ってる。違うか?」

めだか「ふむ、そう考えたか……しかしそれは違うな」

めだかちゃんはきっぱりと否定した。

めだか「このプログラムは新世界プログラムというものをもとにして私が作り直したものだ。あちらが被験者の過去のデータをもとにアバタ―を制作し終了時にデータを上書きするものだとすると、私の箱庭プログラムは被験者の意識そのものをデータ化し脳とデータを共有させるシミュレーターだ。こちらのデータの消滅は意識そのものの死ともいえるだろう」

善吉「じゃああいつらのデータはっ!?」

めだか「消えた、ということになるな」



何を言う?
↓2


正気か!?
俺や狛枝はともかく名瀬や不知火は本当に殺されたって事じゃねぇか!
復元する方法はねぇのかよ!?

善吉「正気か!? 俺や狛枝はともかく名瀬や不知火は本当に殺されたって事じゃねぇか! 復元する方法はねぇのかよ!?」

めだか「私でも難しいだろうな。奇跡でも起こせば復活するやもしれんが」

善吉「っ、なんで……!?」

めだか「そもそも、不知火たちは自らの意志で箱庭プログラムにダイブしてきた。私にはその意志を妨げることなどできなかった」

善吉「そういうことじゃねえだろ!? そこまでする必要があったのかよ……!?」

俺は思わずめだかちゃんに迫った。しかしめだかちゃんは全く動じない。

めだか「そう思うなら、第6の裁判で真相を暴いてみろ。大丈夫だ善吉。貴様ならきっとできる!」

善吉「……」

めだかちゃんは精一杯俺を励ましてくれた。



善吉(……これがめだかちゃんなのか? 発言はどれもめだかちゃんらしいのに、こんなの絶対に間違ってやがる……!)

午後はめだかちゃんと話した……


善吉「……」

俺は自室で一人考え込んでいた。

善吉「めだかちゃんは何がしたいんだ……? 俺はどうするべきなんだ……? どうしたらめだかちゃんを……」

俺たちは全員脱出することはできない……だけどこのままこのプログラムの中で緩やかな生ぬるい日々を送るのも間違っているような気がする……
希望も……未来もない。

善吉「……」

俺は悪い考えを振り払うように頭を振り、ベットに倒れこんで眠りに落ちた。



≪23日目を終了します≫

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最終更新:2013年01月05日 06:01