フィリップ・ルグランジュ(宇宙暦?年 - )は自由惑星同盟の軍人。原作登場人物である。男性。

1 外見

 漫画に出てくる軍人そのものの強面、それなのに威圧感がまったく感じられない。疑問を口にしても許されそうな雰囲気がある。

2 略歴

2-1 前世

 自由惑星同盟軍中将として先の第三次ティアマト会戦で瓦解し再建した第一一艦隊の司令官に就任。その後、宇宙歴797年2月に国防委員会事務総局査閲部長・ドワイト・グリーンヒル大将に決起メンバーとして誘われ、同年4月13日に救国軍事会議の総司令官として発表された。同年5月、ドーリア星域会戦でヤン艦隊に敗北しブラスター自殺する。

2-2 逆行後

2-2-1 新版

 宇宙歴795年頃、第一一艦隊副司令官を務めている。階級は宇宙軍少将。(31話)既に同盟宇宙軍でも屈指の猛将と言われている。第三次ティアマト会戦では二個分艦隊を率いて、同艦隊司令官クレメンス・ドーソン中将の本隊を救援した。(33話)
 同年、エル・ファシル海賊討伐専任の部隊、「第一三任務艦隊」司令官に起用され、政治に強いエリヤ・フィリップス中佐に副参謀長就任を打診した。(36話)
 宇宙歴796年、エリヤが准将に昇進すると、「友人として祝いたい」と内輪で祝う祝賀会に出席した。(47話)同年のパトリオット・シンドロームには違和感を感じている。(48話)上官のクレメンス・ドーソン中将がレグニツァの悲劇で壊滅した第二艦隊の再編の為に転出すると、第一一艦隊司令官に昇格。この時中将に昇進した。(50話)
 宇宙歴797年からの「神々の黄昏(ラグナロック)」作戦では第一統合軍集団に所属した。(55話)同盟軍第一統合軍集団と帝国軍ニヴルヘイム右翼軍集団によるアムリッツァ星域会戦では中央を担当、敵主力を拘束した。その他の戦いでも戦うたびに武勲をあげた。(57話)第三段作戦「ヴィーグリーズ会戦」中にはビルスキルニル星系にて三個艦隊四万隻を殲滅した。第一次ヴァルハラ会戦の後、大将待遇の宇宙軍中将に昇格し、ヴァルハラ駐留軍司令官になる。(60話)
 宇宙歴799年に第一統合軍集団司令官ウランフ大将が無断撤退を決断すると、これに同調した。(65話)ウランフ大将の戦死後、第一統合軍集団の指揮権を引き継ぎ、撤退作戦の指揮を執った。(66話)その後、大将に昇進し、第一統合軍集団副司令官に就任する。(67話)第二次ヴァルハラ会戦では最左翼を担当、ブラウンシュヴァイク派の艦隊と激闘を繰り広げた。(68話)作戦終了後、イゼルローン方面軍司令官に就任。帝国からの難民流入は混乱を招くと判断し、回廊を封鎖したが、良識派ジョアン・レベロ議長が受け入れを表明したために開放した。(72話)
 宇宙歴801年には宇宙艦隊副司令長官(同盟)に就任している。
 同年10月末、一〇月クーデター民主政治再建会議のクーデター)発生。クーデターをを批判し、宇宙軍全部隊に対し、市民軍への協力を命じた。(80話)その後、ハイネセン東大陸の市民軍の総指揮を執った。(81話)クーデター鎮圧後、元帥待遇の宇宙軍大将となった。(86話)同年、エリヤから説得され悩んでいたウィレム・ホーランド予備役中将に対し、復帰と第一一艦隊司令官就任を決断させた。(90話)
 宇宙歴802年頃、宇宙艦隊司令長官となった。階級は宇宙軍上級大将。(91話)同盟内で講和派と抗戦派の対立が発生すると「この条件『では』講和できない」というスタンスの消極的講和派となる。(93話)同年の第九次イゼルローン要塞攻防戦後、エルクスレーベン事件の責任を取って宇宙艦隊司令長官の職を辞した。エリヤと親しいことも遠因となったと思われる。(113話)

3 能力

 決して切れ者ではないが、部下をまとめるのがうまい。政治が苦手であり、軍隊以外の事は分からない。ただし、政治への関心はそれなりに強い。また、派閥にも属していない。一方で中間派という訳でも無く本当に無派閥にも関わらず、正規艦隊副司令官を務めている事からも彼の有能さがうかがえる。エリヤの前世では天才ヤン・ウェンリーを辟易させるほどの統率力を見せた。また、自身の短所を補う為に智謀にたけたソフィア・エーリン、抜け目の無いクィルターなどを起用した。正規艦隊の基準では用兵下手であるが、エリヤ程度なら一捻りで倒せる。
 七三〇年マフィアでたとえるなら、最も手堅く、守勢に強いファン・チューリン元帥が適当らしい。駆け引きがうまくないが、部下の士気を高い水準に保つことにかけては並ぶ者がない。

4 性格

 勇敢で度量が大きいが、頭の回転は遅い。巧妙ではないが闘志あふれる指揮。指示は大雑把で、部下の自主性を重んじる。一見すると強面に見えるが、実際は気さくで話しやすい人間。根っからの軍艦乗りである彼にとって、地上勤務は結構なストレスらしい。



公職
先代:
新設         
    自由惑星同盟軍    
第一三任務艦隊司令官
宇宙歴795年6月 - 宇宙歴795年11月
次代:
モシェ・フルダイ   
先代:
クレメンス・ドーソン   
    自由惑星同盟宇宙軍    
第一一艦隊司令官
宇宙歴796年12月 - 宇宙歴799年?月
次代:
解散         
先代:
新設         
    自由惑星同盟宇宙軍    
イゼルローン方面軍司令官
宇宙歴799年?月 - 宇宙歴800年?月
次代:
フランシスコ・メリダ   
先代:
アレクサンドル・ビュコック   
    自由惑星同盟宇宙軍    
宇宙艦隊司令長官
宇宙歴802年1月 - 宇宙歴802年12月
次代:
不明         
最終更新:2025年01月05日 16:02