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「SSロル・ティニアス」(2018/07/26 (木) 17:32:39) の最新版変更点
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#divclass(indexbox){
目次
#contents()
}
*魔法少女の煌めき
澄み渡る空には、雲がぽつりぽつりとあるだけで青色が広々と染め上げている。
高く上った太陽はその光は地上に落ちて、明るさというものを与えていた。
レンガ造りとコンクリートが混在するこの街は新しくも古い、どちらともいえない雰囲気を纏っていた。
そんな街並みに比較的背の高いビルがある。
「聞こえていますか?」
インカムを装着した少女は自信のままに口を開いた。
赤いカーディガンをし、袖のないクリーム色のシャツを着てデニムのスカートを履いている。足は青白ストライプのソックスが覆い隠しエナメル靴は太陽の光をキラキラと反射させている。
問いと同時に彼女が立つビル屋上から周囲を見渡してから、2つ、順に注視する。
その先には同じようにビルがありその上に座って胡坐をかいている少女がいた。
白を基調とした飾りの多い服で、フリルもついており桃色のスカートに淡いソックス、同じくエナメル靴は一見相応の少女らしさがあるはずだがポーズによって打ち壊されていた。
少女は先ほどの声を同じく装着したインカムから聞くものの反応は薄く上の空のまま持ってきていたゲーム画面を必死にのぞき込んでいる。
「あぁー。惜しいなあ、……次は行けそう」
彼女の握る画面に黒い背景にゲームオーバーという文字が物悲しく表示された。
もう一方の先にもビルの上に少女がフェンスの向こう側、飛び降りる寸前のような場所に座り込んでいる。
ロリータ服に身を包み、通気性のためいくつもの場所が穴が開いており下の素肌を透かしている。
スカートはフリルが大量に張り付いたものでエナメル靴だけが彼女たちの共通点だった。
少女もインカム越しに聞く声を受け流して今日と明日の無理のない過ごし方を考えていた。
考えている振りをしていたのかもしれないが。
「…………」
「繰り返します。聞こえてますか?」
赤いカーディガンの少女は剣呑な声でもう一度繰り返す。
真面目な声色で武器があれば押し当ててたようにすら思える。
『き、聞こえてるぜ? な?』
『うんうんうん』
焦り気味な声が二つ返ってきて、一旦満足しておく。
『もうすぐ作戦時間です。準備はよろしいですか?』
『問題ねぇ』
『私も』
確認を終えると同時に、見下ろしていた街並みに変化が現れた。
どこにでもあるビルの一角が爆炎と音を伴って赤の色を生んだ。
それは一つではなく、連続し、拡大するように音は重ねられていく。
波状的な熱風は数キロ離れた少女の髪すら揺らすもので、同時に作戦の始まりを告げる合図だった。
首の裏、そこに指先を合わせれば鉄の冷たさがあり、肉体の一部に機械が埋まっているのだと嫌でも理解させられる。
起動……。
己の意志通りに首裏の機械は静かに駆動音のうねりを上げる。駆動が一定を越えると魔力の粒子が隙間から溢れ出て体や四肢を覆い出す。全身が光の中に沈んで……十分な時間が経てば光は塊となり、彼女を包む衣服となる。
コスチューム、魔力によって編まれた防刃防弾防火……考えられる全てに高い耐性を持つ最高の防護服。
『魔法少女、C18。トルシェー行けるぜ』
白いコスチューム。丸いシルエットに垂れる長いスカート。手には少女の手には余るほどに大きな鉈を握っている。
『魔法少女、L01。アレイト……』
青いコスチューム。幾重にも布を重ねた服からは筒状の物が下に向かって生えている。先端には噴射孔が並び、手には二つそろいの短剣を握っている。
「魔法少女、N09。アルリア・フォイズ。――救助活動を開始します」
赤いコスチューム。四肢は金属のカヴァーが装着され背には鉄の翼が伸びている。手には何も持たず、拳のカヴァーから爪が幾本も無造作に生えている。
白、青、赤。魔法少女と名乗り、ロリポップなコスチュームを纏った3人は同じタイミングで降下する。
#divclass(indexbox){
目次
#contents()
}
*魔法少女の煌めき
澄み渡る空には、雲がぽつりぽつりとあるだけで青色が広々と染め上げている。
高く上った太陽はその光は地上に落ちて、明るさというものを与えていた。
レンガ造りとコンクリートが混在するこの街は新しくも古い、どちらともいえない雰囲気を纏っていた。
そんな街並みに比較的背の高いビルがある。
「聞こえていますか?」
インカムを装着した少女は自信のままに口を開いた。
赤いカーディガンをし、袖のないクリーム色のシャツを着てデニムのスカートを履いている。足は青白ストライプのソックスが覆い隠しエナメル靴は太陽の光をキラキラと反射させている。
問いと同時に彼女が立つビル屋上から周囲を見渡してから、2つ、順に注視する。
その先には同じようにビルがありその上に座って胡坐をかいている少女がいた。
白を基調とした飾りの多い服で、フリルもついており桃色のスカートに淡いソックス、同じくエナメル靴は一見相応の少女らしさがあるはずだがポーズによって打ち壊されていた。
少女は先ほどの声を同じく装着したインカムから聞くものの反応は薄く上の空のまま持ってきていたゲーム画面を必死にのぞき込んでいる。
「あぁー。惜しいなあ、……次は行けそう」
彼女の握る画面に黒い背景にゲームオーバーという文字が物悲しく表示された。
もう一方の先にもビルの上に少女がフェンスの向こう側、飛び降りる寸前のような場所に座り込んでいる。
ロリータ服に身を包み、通気性のためいくつもの場所が穴が開いており下の素肌を透かしている。
スカートはフリルが大量に張り付いたものでエナメル靴だけが彼女たちの共通点だった。
少女もインカム越しに聞く声を受け流して今日と明日の無理のない過ごし方を考えていた。
考えている振りをしていたのかもしれないが。
「…………」
「繰り返します。聞こえてますか?」
赤いカーディガンの少女は剣呑な声でもう一度繰り返す。
真面目な声色で武器があれば押し当ててたようにすら思える。
『き、聞こえてるぜ? な?』
『うんうんうん』
焦り気味な声が二つ返ってきて、一旦満足しておく。
『もうすぐ作戦時間です。準備はよろしいですか?』
『問題ねぇ』
『私も』
確認を終えると同時に、見下ろしていた街並みに変化が現れた。
どこにでもあるビルの一角が爆炎と音を伴って赤の色を生んだ。
それは一つではなく、連続し、拡大するように音は重ねられていく。
波状的な熱風は数キロ離れた少女の髪すら揺らすもので、同時に作戦の始まりを告げる合図だった。
首の裏、そこに指先を合わせれば鉄の冷たさがあり、肉体の一部に機械が埋まっているのだと嫌でも理解させられる。
起動……。
己の意志通りに首裏の機械は静かに駆動音のうねりを上げる。駆動が一定を越えると魔力の粒子が隙間から溢れ出て体や四肢を覆い出す。全身が光の中に沈んで……十分な時間が経てば光は塊となり、彼女を包む衣服となる。
コスチューム、魔力によって編まれた防刃防弾防火……考えられる全てに高い耐性を持つ最高の防護服。
『魔法少女、C18。トルシェー行けるぜ』
白いコスチューム。丸いシルエットに垂れる長いスカート。手には少女の手には余るほどに大きな鉈を握っている。
『魔法少女、L01。アレイト……』
青いコスチューム。幾重にも布を重ねた服からは筒状の物が下に向かって生えている。先端には噴射孔が並び、手には二つそろいの短剣を握っている。
「魔法少女、N09。アルリア・フォイズ。――救助活動を開始します」
赤いコスチューム。四肢は金属のカヴァーが装着され背には鉄の翼が伸びている。手には何も持たず、拳のカヴァーから爪が幾本も無造作に生えている。
白、青、赤。魔法少女と名乗り、ロリポップなコスチュームを纏った3人は同じタイミングで降下する。
圧縮された魔力虚体は、発光現象を伴って少女達に空を翔る力を与えていた。
速度はすぐさまに視認できる領域から逸脱する。それでも音が静かなのは魔力噴出にエンジンを利用していない為である。
前方、むくりと、何かがその背を正す。
身長は4mに届こうとする巨木の如きそれは、同時に痩せこけた人にも似ていた。
『魔物視認! 今回の核の可能性があります、集中攻撃での撃破を!』
細い木の幹が、似合わない速度を持って衆院選に叩きつけられる。瞬間幹は動きを止めるが、完全には固定されず--建物の破壊がその力強さを証明した。
『行くぜぇー! はっあ』
トルシェーの握る大鉈は、近くに迫ってきた幹三本まとめて刈りに行き彼女の声に合わせて両断される。
先ほどの幹のような力任せな振り抜きだが、無数の繰り返しによって入り抜きも、角度まで甘い箇所はない。
断たれて当然。私の着るあらゆる耐性を持つ魔法少女のコスチューム出さえ肉を守りきるのは不可能に近いだろう。