「ミナシゴノシゴト」コラボにおける鈴子の台詞。
戦神ニンカイから説明を受け、港湾都市ゼタのサンサン園に保護された
静乃と鈴子。
しかし
牢獄改めニンカイの部屋に通されてキレ散らかす
投獄された右翼だったが……
チクショウドウ「んっふ♡ ぁはは♡ 大変だね♡ 人間様って大変♡
檻の中に入るだけで怒るの♡ 棒で叩かれたわけでもないのにね♡」
チクショウドウ「人間様には崇高なるプライドがある♡ 権利だっていっぱい持ってる♡
だから♡ だからね、守らないと駄目だよ♡ 綺麗にしなきゃ駄目だよ♡」
チクショウドウ「それが人間の証明♡ それに傷がついたら命にかかわるの♡
だってね♡ 群れで一緒に決めたことなんだよね♡♡♡」
チクショウドウ「プライドが綺麗な人間じゃないと、人間とは認められないんでしょ?」
静乃「――…………」
鈴子「そうよ! あんた分かってるじゃない!!」
チクショウドウ「――…………」
チクショウドウ「きゃうん?」
鈴子「私から尊厳を取り上げることは、私を獣だと侮辱する行為に等しいの!
そんな不条理を赦すほど、私の誇りは落ちぶれちゃいないのよ!」
静乃「お……おぉ……」
ニンカイ「そ、そうなんですか……すごいですね……人間……」
静乃「すまない……何かが鈴子の琴線に触れてしまったようだ」
ニンカイ「いえ……こちらこそ……畜生道もある種の境涯として、
人と畜生の境界線が“不自然”な時に、やたらと興奮してしまって」
ニンカイ「畜生道……他の宇宙の社会秩序に生きる人間に、私たちの人界や
畜生道を問いかけるのはよくな――」
チクショウドウ「――…………《にまあ♡》」
ニンカイ「え……なんか落ち着いてる?」
チクショウドウ「どうか、この畜生にお名前を教えてください♡
尊敬すべき人間様♡ 誇り高き人間様ぁ♡ あはは♡」
鈴子「はぁっ!? この私の名前を覚えてなかったって言うの!?
このコスプレ珍獣……私が躾け直してやろうかしら!?」
静乃「こいつは“鈴子”だ……りーんーこ」
チクショウドウ「りんこ♡」
チクショウドウ「――ねえ、餌をください♡ “立派な人間様”♡」
チクショウドウ「わたくしは動物です♡ 畜生です♡ 欲望に忠実な家畜なの♡」
チクショウドウ「憐れんでください♡ 愛玩してください♡ わたくしは逆らいません♡
だって、だって生きていたいから♡ 気持ちよく生きていたいから♡♡♡」
チクショウドウ「そのためにぃ……立派な人間様の言うとおりにするんですよ♡
ねえ、りんこ♡ りんこりんこ♡ わたくし、あなたのことが好きです♡」
チクショウドウ「心底くだらない、痛くて苦しいだけの“自由”と“尊厳”で生きてる♡
素晴らしいのがあたりまえ、正しいのがとうぜん、不可能はない♡」
鈴子「――――ッ」
チクショウドウ「ご安心ください、“人間様”♡ わたくしは♡ 畜生道は♡ あなたを
“尊敬”しています♡ だって、あなたは“わたくしの”じゃない♡」
チクショウドウ「けれどあなたは……ねえ、しないでしょう?」
チクショウドウ「――……あは♡ 本気なんですね♡ 本音なんですね♡」
チクショウドウ「自由とはこんなにも苦しい世界なのに♡ 諦めたくなる世界なのに♡
あなたは、わたくしなんかから旅立って、こんなにも人間様らしくある♡」
チクショウドウ「だから尊敬いたします……りんこ♡」
鈴子「ふん……ケダモノ風情が、ようやく立場を理解したようね!」
チクショウドウ「きゃん♡」
六道が三悪趣の一、畜生道の戦神。
完全な理論武装と悪意がないゆえにブレーキも持ち合わせないサンサン園最強のレスバ要員を相手に抜き身の刃で殺人無痛症という自身の恥ずべき性を抉られても
「人の理念と獣の理念に線を引く」という自身の誇りを、微塵も揺らがせることなく貫き通す礼の犬士。
罵倒の語彙に乏しくメンタルも打たれ弱くてレスバよわよわな鈴ちゃんだが、彼女が人たらんと己に課す仁義だけはたとえそれが六道の試練だとしても譲れないのである。
ちなみに鈴子とチクショウドウはどちらも北見女史の声である。
最終更新:2025年03月31日 23:00