1.「長期資金」の定義
「長期資金」とは、固定資産、固定負債、自己資本のことをいいます。(ここで勘違いしてはいけないのは、長期とは数期間という意味ではありません。)
流動資産と流動負債は一定と仮定します。この仮定を置くことで、長期資金収支の過不足=現預金の増減=正味運転資本の増減が成り立ちます。
2.長期収支予定表の作成は将来の将来の固定資産、固定負債、自己資本を予想することと同じこと
「長期資金」収支予定表は、数期間の「長期資金」の増減を予想することにより正味運転 資本の増減額を把握して企業の支払能力の有無を検証する手法なのです。 言い換えれば、長期資金収支予定表を作るということは、将来の固定資産、固定負債、自己資本を予想することと同じことなのです。 長期資金収支予定表の構造上、収支予定表の中に出てくる科目の数字は全て固定資産、固定負債、 自己資本の中のいずれかの科目の増減額となります。
前期貸借対照表 | ⇒ | 長期資金収支予定表 | ⇒ | 当期貸借対照表 | ||||
調達
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売上高 | 1000 | ||||||
粗利益 | 800 | |||||||
営業利益 | 500 | |||||||
経常利益 | 450 | |||||||
当期利益① | 200 | |||||||
減価償却費② | 200 | |||||||
現預金
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単純CF③(①+②) | 350 |
現預金(前期現預金+総合過不足)
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運用
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(社外流出) | 50 | ||||||
借入金返済④ | ||||||||
固定負債
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⇒ | - | 差引過不足⑤(③-④) | ⇒ |
固定負債
(前期固定負債-借入金返済+長借) |
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固定資産
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調達
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増資 |
固定資産
(前期固定資産-減価償却費+設備投資) |
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長期借入金・社債 | ||||||||
調達計 | ||||||||
運用 | 設備投資 | |||||||
自己資本
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-
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差引過不足⑥ |
自己資本
(前期自己資本+増資+当期利益) |
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差引総合過不足⑤+⑥ | ||||||||
現預金残高 |