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調達と運用

資産とは 預金や有価証券、売掛金や商品、建物や機械などの固定資産がのっている これらの資産は、「会社がお金をどのように運用しているか」を表している 負債・資本とは 会社がどのようにお金を調達しているかを表す 負債は他人からのお金で調達している 資本は株主からのお金と会社に内部留保してきた利益である。 以上を図解すると下記の様になる

資産
負債
 
運用
調達
 
資本
 ⇒
 
 

 

 

バランスシートは、何かの形で調達され、何かの形で運用しているのを表している。 もう少し深く思索するために、次は流動と固定で区分して考えてみる。 流動と固定の区分 流動資産とは 現預金や売掛金、棚卸資産、その他1年以内に現金化される資産をいいます。 これらは短期間に現金化されることから、短期の資金運用といえます。 固定資産とは 流動資産以外の資産をいいます。 たとえば、固定資産はお金になるのに長い時間がかかります。 流動負債とは 支払手形や仕入債務、一年以内に返済しなければならない短期借入金があたります。 固定負債とは 長い間に返済する借入金です。 自己資本とは ざっくりいってしまえば、返さなくても良い負債です。 これは株主から払い込んだお金と、利益で内部留保されたお金を含みます。

 

流動と固定の区分 流動資産とは 現預金や売掛金、棚卸資産、その他1年以内に現金化される資産をいいます。 これらは短期間に現金化されることから、短期の資金運用といえます。 固定資産とは 流動資産以外の資産をいいます。 たとえば、固定資産はお金になるのに長い時間がかかります。 流動負債とは 支払手形や仕入債務、一年以内に返済しなければならない短期借入金があたります。 固定負債とは 長い間に返済する借入金です。 自己資本とは ざっくりいってしまえば、返さなくても良い負債です。 これは株主から払い込んだお金と、利益で内部留保されたお金を含みます。これらのお金は株主から借りたものだともいえます。 しかし、基本的に返すことはありません。 だから、自己資本は返さなくても良い負債なのです。 上記を短期と長期の調達・運用に分類すると下記になります。

 

 
流動資産
流動負債
 
短期
資金運用
短期の
資金調達
   

 

 

固定負債
 
長期の
資金調達
 
固定資産
 
長期の
資金運用
 
資本
 
   

 

 

次にこの図を用いて短期・長期の調達と運用のバランスを考えて 財務分析をしてみましょう。 長期の調達と運用のバランス 長期の資金運用>長期の資金調達のなるのが望ましい 長期の資金で賄いきれない部分を短期の資金調達で賄ってしまうと、 すぐ返済しなければならないので資金繰りが苦しくなります。

 例として下記の様な会社があったとします。 (M は百万円)


 

流動資産
100M
流動負債
300M
 
固定資産
500M
固定負債
100M
 
 
資本
200M
 
 
 

 

この会社は設備投資の一部を短期の資金調達で賄っている状態になっています。 この様な会社は投資による収入金額よりも、返済している支出額が大きくなってしまう おそれが高く、資金繰りは極めて不健全だと考えられます

資金繰りの基本・・・長期の資金の運用は長期の資金調達で賄う。 更に、長期の資金調達が、長期の資金運用を賄ってもなお余り、短期の運用にまで流れて いることが望ましい。 流動比率と固定長期適合率 流動比率は 流動比率=流動資産÷流動負債×100で定義されます。 固定長期適合率は 固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+自己資本)×100です

流動資産
流動負債
 
固定資産
固定負債
資本
 

バランスシートを色分けしてあげると上記の様になります 流動比率は短期の支払い能力を見る指標であり、 逆に固定長期適合率は長期の資金運用を長期の資金調達でどれだけ賄っているかによって 長期の安全性を判断する指標になります。 しかし、バランスシートを見れば一目瞭然ですが長期の支払能力と短期の支払能力は共に 関係しているということが分かるかと思います。 つまり、固定長期適合率が100%を超えている場合は短期の資金調達によって一部長期 の資金運用を賄っている状態であり、逆に言えば短期の支払能力も、流動比率は100% を割り込んでおり、短期の現金化される資産が短期に返済する必要のある負債を賄い切れ ていないことが分かります。 この様に、流動比率と固定長期適合率は対となる関係にあります。 他の重要な比率としては、固定比率、自己資本比率、インタレストカバレッジレシオがあ ります。

固定比率=固定資産÷自己資本×100 自己資本比率=自己資本÷総資本×100

インタレストカバレッジレシオ=(営業利益+受取利息・配当金)÷支払利息

 

正味運転資本

正味運転資本=流動資産-流動負債で表されます。 これは短期的な支払能力の側面を表しています。 また、長期的な面でも 正味運転資本=(固定負債+自己資本)-固定資産 としても表されます 正味運転資本は短期的な支払能力を表すと同時に、長期的な支払能力を表しています。

上記の例では、正味運転資本は 200M です。 流動比率も300%と申し分ない数字です。 しかし、例えば流動資産中に定期預金担保が 100M あり、 当期に売掛金 100M の不良化が発生したとしたらどうでしょうか。 そうなると、流動比率は 300%ですが実質的な正味運転資本は 0M です。 これでは当社の財務内容はとても「良い」とはいえないでしょう。 この様に、流動比率の中には不良な資産も含まれているため、 実数分析として正味運転資本の検討も必要です。 ちなみに、正味運転資本の増減は後述する資金運用表や長期資金収支予定表で算出するこ とが出来ます。非常に重要な概念ですので覚えましょう。

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最終更新:2019年10月12日 10:29
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