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【猫助・剣子の なぜなにラ・ムール外伝 なぜなにカー・ラ・ムール!】

「猫助!」




「・・・おい剣子先生、なにサボってんだ」
「えぇ~・・・今回のテーマ的に考えて、私することあるんですかね? 助手一人で何か問題あるのか、教えて欲しい位ですよ」
「先生だろ仕事しろよコノヤロウ」
「何するんですかぁ! 意味の無い無慈悲な暴力が剣子先生を襲ってますよ!」
「仕事サボってぐーたらしてるヤツのケツを引っぱたくのは、無意味でも無慈悲でもないわ! いい加減にしろ!」
「むー・・・仕方ないですねぇ」
「ったく、そんなんだから【第三回】で給料泥棒とか言われるんだぞ、それも生徒アニーに」
「はいはい分かりましたよー」
「そいじゃ、気を取り直して」


「猫助!」
「剣子の!」
「「なぜなにカー・ラ・ムール、はっじまっるよー!」」

猫助・剣子の なぜなにラ・ムール外伝 なぜなにカー・ラ・ムール!


「ほらぁ! このテーマで私が何をする必要があるってんですかぁ! どう考えても助手の超得意分野じゃないですかぁ!」
「やかましい!・・・で、このぐーたらしてるやる気のないのが剣子先生で、俺が猫助助手だ。 今日もよろしく頼むぞ」
「おざなりですねぇ」
「それが嫌なら仕事しろ。 さて今日はお題目の通り、『なぜなにラ・ムール外伝』と称して、ラ・ムールの長『カー・ラ・ムール』を取り上げるぞ」
「今回もまた唐突ですねぇ」
「名称のみ含めても結構出て来たからな。 一度整理しておくのもいいだろう」
「それならむしろ大延国の皇帝さんのほうがいいんじゃないですかね?」
「そっちはまた機会があれば、だ。 よっしゃ、じゃあ始めていこうかね」


Q:そもそも『カー・ラ・ムール』って何なの?
「カー・ラ・ムールとは、古代言語にて『光り輝く眸持つ砂漠の王』転じて『光の都を治める者』、つまりラ・ムールの国家元首を意味しているぞ」
「あれ? 『究極の試練大好きっ子』じゃないんですか?」
「先例に倣って腕捥ぎ取ってやろうか・・・まぁいいや。 で、ラ・ムール国家の運営組織としての立ち位置は【第二回】のこの項目でも触れたように『便宜上のトップ』だ」
「大昔に『賢王』カー・サリエが、カー・ラ・ムール不在でも国が回るような国政システムを構築したんでしたよね」
「そうだな。 それ故に、居るなら居るで使い出はあるが、実質的な国事運営上は存在する必要性はないんだな、これが」
「それこそ給料泥棒ですねぇ」
「喧しいわ!」

「そもそも、どうしてラ・ムールはこういう特殊な形態の国家元首を据えるようになったんですかね?」
「それはどういう意味でだ?」
「そりゃ・・・色々ですよ」
「・・・ま、いいや。 最初にあるのはスレのネタ出しの部分だから、そこから話していこうかな」

スレ的な意味での『カー・ラ・ムール』
「現在に至るカー・ラ・ムール設定の根幹は」
無念 Name としあき 11/07/10(日)23:15:17 ID:rSRW23WI No.62510596 del
今まであんま語られてないのはラ・ムールの皇帝かな?
前帝が没したその瞬間誰とも知らない人に突然天啓が下って皇帝になるとか
……ごめん忘れて
「11/7/10 2スレ目にある、このレスに端を発している」
「11年7月ってことは、始まって1ヶ月目に始まった話なのね」
「それまでは太陽神を崇める砂漠猫の国って前提がありつつ、猫の生態と商売人気質がラ・ムールの主ある話題となってたが、このスレはラ・ムール王も含め、まるまるラ・ムール根幹設定固めに使われたんだ」
「どれ・・・じゃなくて多方面に渡る人材派遣業についても、参加者の意識の摺合せがされてたりしますね」
「このスレを通じて、『王の片目は猫目石』『神の無作為選出による転生』『臣下が世界各地に新王を探しに行く』『現在の代表ネネ様は次の王が見つかるまでの代打』という、カー・ラ・ムールに関する基幹設定がこのスレで出来たことになる」
「なるほど。 1スレ内でだいぶ設定が煮詰まったんですね」
「で、このスレの話題をベースとして、11/8/13 1スレ目にシリーズ未来王第一作【未来王の顕現】が投稿されたことで、カー・ラ・ムールに対する見解のひとつが提示されたことになる」
「ああ、『究極の試練大好きっ子』の登場ですね!」
「じゃあかしぃわ! 誰が好き好んであんなクソみたいな面倒事に巻き込まれたがるか!」
「まるで自分の事みたいに怒りださないでくださいよ! ビックリするじゃないですか!」
「・・・まぁいいや。 じゃあ次の視点に移ろうか」

ラ・ムール国家設定としてのカー・ラ・ムール
「ほとんどがシリーズ未来王関係からのものになってしまうんだが、ラ・ムール国家設定としては、史上初めて今でいうカー・ラ・ムールの特徴を備えていたとされる、約7500年前という超大昔のカーさんという方が
「我が瞳には神が宿る。 真偽の別は貴公らに委ねるが、我と同じく神の瞳を持つ者を探し出せ」
 という御言葉を遺したことで、特別な力を持った子が国内に生まれることがあるので探そうという気運が生まれたんだ」
「ほうほう・・・でもそれだけだと、『特別な形質を持ったヒトが王になる』ということとは直接結びつかないですよね?」
「そうだな。 実際、カーさんの後には何百人もカー・ラ・ムールの形質を持って生まれた猫人が続くが、実際にこういったヒトが『カー・ラ・ムール』という職分に収まるようになったのは、カーさんの死から遥か後のことだ」
「そうなんですか。 具体的にはいつごろなんです?」
「スレで言う『現代』から見ておおよそ五千年前のことだが、初代カー・ラ・ムールは神話の時代に現れた王、『武王』ハグレッキ=カー・ラ・ムールということになっている」
「お、ラ・ムール男児一生の憧れの人ですね。 でも・・・随分と試練大好きっ子の遍歴は続いてたのに、なんでハグレッキさんが『初代』なんですか?」
「簡単に言うと、砂漠の覇を争う群雄割拠の時代に終焉をもたらし、今の『ラ・ムール』という砂漠全土を領地とする統一国家形態を興したのがカー・ハグレッキだからだな」
「ほうほう。 しかし、よくもまぁあのだだっ広い砂漠がたった一人の下にまとまりましたね?」
「後で触れるが、砂漠全土を恐怖で支配した邪悪を、事実上ただ一人で叩き殺したからな。 少なくとも武力で打倒することは不可能と判断するのは容易だろう。 その状況を物語るのが、マカダキ・ラ・ムール中心にそびえる王城の外周城壁全体を使って描かれた、ラ・ムール最大の絵画『マカダキの恭順』だ」
「随分と立派な絵が描かれたものですねぇ。 そのハグレッキさんがカー・ラ・ムールになったのとカーさんの遺言が組み合わさって、試練大好きっ子=カー・ラ・ムールになったと」
「・・・もういいよそれで」

Q:『カー・ラ・ムール』ってどんな人なの?
「そりゃあ三度の飯より試練が大好きなんですよね?」
「一口に『どんな人』と言っても千差万別だから、これまでに出てきたカー・ラ・ムールを、年代順に紐解いていくことで理解を深めてもらいたいな。 内容は多分に【本日の講義は王について】と被ってしまっているのだが、そこは御容赦願いたい」

『太陽王』 カー <クロアチア語で『皇帝』>
「上でも触れたが、異世界史において『カー・ラ・ムール』としての特質が初めて記録されたヒト、それがカーさんだ」
「王=カー の語源でもあるんですよね」
「そうだな。 あまりにも大昔のことなんでロクな資料が残ってないんだが、砂漠の只中にあった一輪の砂薔薇《バラ・グラヴァ》を足掛かりに、何の因果か現在のマカダキ・ラ・ムールの母体となる市街を作ったのが彼だ、とされている」
「あれ? バラ・グラヴァってディセト・カリマの一番立派なムフフ施設じゃないんですか?」
「<向こう側>の『砂漠の薔薇《デザート・ローズ》』と同じく、地下水源の所在に関する手がかりとして、とても貴重な植物だぞ。 多分南蛮の石岩樹林《ダンフォレクヤ》から、ぶーんの風に乗って種だけ飛んで来たんだろうなぁ。 その貴重さと施設の格をかけて、あの娼館も砂薔薇《バラ・グラヴァ》を名乗っている、という次第だ」
「まぁ【秘密の合言葉】投下後のスレの流れを統括しただけなんですけどね」
「その節は好意的に受け入れて頂いて感謝の極み。 さて、あまりに資料がないのでかなり脱線してしまったが、カーさんについてはこんなところだ」

『覇砂王』 ヴァルトス=カー・ラ・ムール <エストニア語で『征服』>
「あれ? ハグレッキさんがまだなのに、王様なんですか?」
「彼の場合は数少ない資料と口伝を基に、後の世が『彼もまた王たるべし』として尊号を与えたんだ」
「へぇ、そういうこともあるんですね。 で、ヴァルトスさんは何をしたんですか?」
「端的に言うと、戦国時代の砂漠に『戦をするとヴァルトスが来る』という恐怖を植え付けた、ってところか」
「恐怖、なんですか?」
「ああ、そうだ。 彼が率いたとされる『緋獅滅戦団』は最大規模でも200人未満だったそうだが、一人一人がお抱え武官になっていたら乱世が数百年は延びていただろう、という人種も国籍も問わない英傑揃いという逸話が残り、僅かな手勢で数千人規模の戦局を喧嘩両成敗宜しく共倒れにさせたそうだ」
「そりゃ・・・何と言うか、百八星というか梁山泊みたいなヒトたちですねぇ。 そんなヒト達をまとめたヴァルトスさんは、凄まじいカリスマ性を持ってたんでしょうね」
「だろうなぁ。 その上本人も、神器『邪滅《シヴァ・ズォシグス》』の特性と溢れ出るラーの神気を存分に生かした覇砂王流槍術や、陽神撃滅最終戦闘態勢《サンライズ・スタンド》の使い手として、歴代カー・ラ・ムールの中でも屈指の実力派だったそうな」
「彼が世に武を以て起つ決心をした経緯が語られているのが、【覇砂の序章】なんですよね」
「戦団を率いて覇砂を為した後、彼らは何処かへと消えたらしい。 そして、覇砂の伝説は後々まで語り継がれることになる」
「そして、彼らは来たんですか?」
「何だその最終的に男性強制魅了や一発絶命を含め1ターン7回攻撃とか外道な事してきそうなフリは」

『武王』 ハグレッキ=カー・ラ・ムール <アイスランド語で『勇気』>
「出ましたね、仮面ライダー武王」
「別に変身はせんわ! 石ノ森の勇者じゃあるまいし。 で、ここで初代カー・ラ・ムールの登場だ。 覇砂王の脅威と入れ替わるように砂漠に現れた、邪龍王マルドラークとその僕たる傲魔の軍勢。 これを事実上ただ一人で叩き潰した伝説は、曲解や拡大解釈を含めつつ現代まで語り継がれているぞ」
「中身がないとメイレちゃんもご立腹の『武王倒魔伝』ですね。 主流シリーズ全十巻のうち二巻の一部抜粋が、【こちら】にありますね」
「生粋のラ・ムール生まれラ・ムール育ちの性別オスなら、第一巻『武王、起つ』から第十巻『やがて陽は落ち、また昇る』までの主流シリーズは大体暗記してるな」
「武侠小説みたいな語られ方されてるんですね。 時代劇は好きなので何となく分かりますよ」
「上でも触れてることだが、傲魔の首魁たる邪龍王マルドラークを撃滅せしめ、首を刈って背負って持ち帰ってきた姿に、まだ乱世に覇を唱えんとしていた豪氏が膝を折り、五体投地で出迎えた『マカダキの恭順』を以て、『ラ・ムール』及び『カー・ラ・ムール』が誕生することになったんだ」
「今のラ・ムールという国の大枠を作ったわけですね」
「最終的な法治国家としての体裁が完全に整うまでは、ここからあと2000年はかかるんだけどな」

『親樹女王』クオルヌ=カー・ラ・ムール <語感で決定>
「あら、この方は?」
「数少ない女王のひとりだな。 不貞がバレで<向こう側>に100年程逃げてた妖精王ディオマー侯が、現地人に預けっぱなしにしていた世界樹の神器『鋼神樹王剣《カリヴルヌス》』を、ディオマーの寿命数百年だか数千年分と試練するぞパワーを使って、ユミルム候と協力してゲートを開き回収したって話だ」
「へぇ~、そうなんですかぁ~」
「自分の事だろうが! 何他人事みたいな言い草で切り返してんだか・・・大して触れてはいないのだが、【神樹の剣の果て】にちょっとだけ登場しているぞ。 ちなみに、この『鋼神樹王剣』は、<向こう側>の世界で最も名の知れた刀剣の母体ではないか、とも言われてるらしい」
「そりゃすごいですね!」
「今じゃ永遠の二番手ポジションがすっかり定着したけどな」

『賢王』 サリエ=カー・ラ・ムール <オランダ語で『賢者』>
「ラ・ムール史に残る賢者の中の賢者といえばこのヒト。 ラ・ムールの国家としての外観を確立したのがカー・ハグレッキなら、国家としての中身を確立させたのがカー・サリエと言っても過言ではない、ってくらいに凄まじく頭の切れる女王だったそうな」
「今のラ・ムールを動かす為に使われている、あらゆる法規・制度を一人で全部作ったんでしたよね」
「ああ、そうだな。 しかも、後世のマイナーチェンジもある程度想定していたらしい条項も備わっているってんだから驚きだ。 それでいて、外遊するのにSPが不要な程度には手癖も悪かったらしく、文武両道の権化として学士院では大変敬われているんだ」
「学問の神様・・・<向こう側>で言う菅原ミッチーさんのようなものですね」
「菅原道真、な。 まぁ大宰府左遷とかはなかったけど、マカダキ学士院は太宰府天満宮に相当する御所としても機能しているんだ。 御所部分は一般見学も可能だから、マカダキ御来訪の折にはお参りしてみるといい。 インテリジェントな御利益があるかもな」

『占星王』 ヴァルチェ=カー・ラ・ムール <トルコ語で『星占い』>
「女王様が続きますねぇ。 『占星』ってことは、イストモステミラン様と何か御関係が?」
「いや、全くないらしい。 イストモス伝来の占星術と今に伝えられているカー・ヴァルチェの占星術は根本からして全く違うものらしく、『全く別の手法であるのをカモフラージュするのに占星術と喧伝してただけなんじゃないか』という説もある」
「へぇ~・・・ところでこの方は何をされたんですか?」
「大きな政策は全部で4つ。 第一の政策はルミコープ大河とマカダキを直結させる運河の建設。 第四の政策は、後々ラ・ムール海の玄関口であるコマルクル・カ・ムールとなる大河河口地域の大規模開発だ」
「もう二つは何なんです?」
「残る二つは、当時『世紀の大愚策』とまで言われた二大施設の建造だ。 第二政策で建立されたのが、後にカテナセーガ王墓 兼『神殺』安置所にして天上のラーに殴り込みをかけるときの玄関口となる、カー・ラ・ムール専用施設『蜃気楼墓所』。 第三政策は、今では『大ゲート神殿』となった無神無実の神殿建立だ」
「・・・はい? 過去に提示された歴史編纂資料によると、ヴァルチェの治世はスレ的現代から見て約2800年前って話ですが、何でジャストミートの位置に神殿を?」
「さてね。 唯一つ確実に分かっているのは、彼女の名文句が『星の導き故に』だということだけだ。 この文句は今でも、ラ・ムール女子が興味の無い男からの数々の口説き文句を煙に巻く名目で、頻繁に使われているそうだ」
「つまり、この言葉を言われてしまうようではネコちゃんとの縁は無い、と」
「そういうこった。 なお、『大ゲート神殿』建立をラ・ムール議会に強引に承認させた経緯については【門開】の冒頭で触れられてるんで、カー・ブラークマの門開事変への対応と合わせて見てみて欲しいな。 あとは、カー・ラ・ムールにしか読めない神気を込めた躍字で綴られた書簡『ヴァルチェ託宣』ってのを作製して、王城地下にある議場に据えられたマルドラークの口の中に放り込んだって話だ」
「マルドラーク、って・・・武王様が持ってきた首ですか?」
「ああ、丁度カー・ラ・ムールの議席の真上にあたる位置に、カー・ラ・ムール以外の総ての議会参加者を睨むように据えられているからな。 その口から、ふとした時に『ヴァルチェ託宣』が落ちてくることがあるって話だ。 後述のカー・ナサヴェルがアクスト軍と一戦交えに行ったのも、託宣に『ここに行けば史上最高の戦が待ってるよ!』って書いてあったからだそうだしな」

『神殺王』 カテナセーガ=カー・ラ・ムール <イタリア語で『チェーンソー』より>
「また物騒な字名が付いてますねぇ・・・助手愛用のチェーンソーを作った人でしたよね?」
「これは市販品だが? カー・ラ・ムール専用神器を助手の俺が持ってるわけがないじゃないか」
「それはそれで危険極まりないじゃないですか! どこかのホッケーマスクさんですか!」
「ちなみにそのホッケーマスクさん、チェーンソーのイメージがやたら強いが、実際にチェーンソーを使って事に及んだことはないって話だ」
「また知らなくてもいい小ネタが増えますね・・・で、まぁ字名から大体の想像は出来ますが、カテナセーガさんは一体何をしでかしたんです?」
「御想像の通り、当時まだ稼働状態にあったとされるセダル・ヌダの炉を使って神器『神殺《インヘストレア》』を鋳造、蜃気楼王墓を経由してラーの御許に逝き、思うままに叩き斬ってやったぞ」
「えー・・・そんなことしちゃってよかったんですかね?」
「まぁしゃあないだろ。 かみはバラバラになるもんだからな。 魔界塔士がそう言うんだから間違いないだろ。 ちなみにこの後ラーは、神霊フレアがおこめつぶを潰して作った即席糊でくっつけて事無きを得たらしい」
「先生はもうその辺に突っ込むのは諦めたので、それでいいです」
「フレアといえば、そういやこの間、次のいざという時に使うのはスティック糊と木工用ボンドのどっちがいいか、文房具売り場で悩んでいたらしい。 『パーフェクトグレードまたはリアルグレード相当の金型を財団Bに作らせれば早いのではないでしょうか』『接着剤不要、塗装をしなくてもここまで色分けされています・・・素敵な響きです』とも言っていたそうだ」
「スルーしますよー。 神をも断ち切るような物騒な物をどうして作ろうとしたかについては、【神殺王の憤怒】で触れられていますね」

『赤砂王』 ラスティン=カー・ラ・ムール
『黒猫女王』 ウルタウル=カー・ラ・ムール
『凡王』 ミスラス=カー・ラ・ムール
「こちらの方たちは?」
【ご愛聴ありがとうございます。ドナルド先生の次回講義にご期待ください。】にて触れられたカー・ラ・ムールだ。 いずれも神器『神殺』を求めたとされている」
「じょs・・・『壱発逆転王』曰く『太陽神をたたっ切る事45代』のうちの御三人方、ということですね」
「ヒトの事は言えんが、ロクな死に方しなかっただろうなぁ、というのは想像に難くないな」

『虎神王』 セオフィ=カー・ラ・ムール <ギリシャ語の『神』・カンナダ語の『虎』より>
「比較的珍しい、ラ・ムール国外出身のカー・ラ・ムールだ。 出身は大延国の南端付近で、仙人修行の一環で師匠に勧められてマカダキに来訪、そのまま請われるままに王位に就いたとされている」
「ラ・ムールの地を踏むまでの経緯については、【曰、神虎也】にて紹介されていますね」
「延国内での修行行脚には、75代大延国皇帝にして剣聖烈伝にも名高いシキョウ氏との交流もあり、双方が玉座に就いてからも公私に渡り交流していたという話だが、その辺の真偽は分からん。 延国出身で年代も近いから尾鰭が付いただけ、という説もあるしな」
「ラ・ムールと大延国との国交が深まった要因のひとつであることは間違いない、ということですね」
「そうだな。 また、変わった側面として、彼は王位限定の法規として一夫多妻の重婚を半強制としたことでも知られている」
「重婚、ですか・・・女性の先生としてはもんにょりしますが、どうしてそんな制度を作ったんですかね?」
「これには、三月神セレニアコスの神気に知らず知らずの内に過剰に中てられることで静かな狂気に侵される『月瘴』という疾患に対処できるのがカー・ラ・ムールだけという点と、特にカー・ラ・ムールの妻が罹患しやすいという事情があるんだ」
「罹患してしまったら、どうなるんです?」
「端的に言えば、月瘴の罹患者を中心に、月の狂気が伝播して、新たな罹患者を生む。 放置していたら次から次へ罹患者が増えるので・・・そうなった以上は、罹患者の絶命と陽神気による身体と魂の完全浄解を以て対応せざるを得ない」
「つまり・・・場合によっては、カー・ラ・ムールは奥様を殺さなきゃいけない、ってことですか・・・?」
「そういう事だ。 確実に月瘴に罹患するって訳じゃあないんだが、カー・セオフィとしては後世の王に『生涯の支えとなる伴侶が多い方が、月瘴罹患というだけで愛すべき者、愛すべき民の命を奪わなければならない心労が幾分は軽減されよう』という意図があったそうだ」
「助手の言い分からするに、奥様に限らず罹患者はカー・ラ・ムール自身で処断しないといけないって事ですもんね・・・ちなみにセオフィさん自身はどうだったんです?」
「カー・セオフィ自身はそんな法規を作ったものの、月瘴に罹患した奥方を自ら処断した後、奥方に操を立て、以後の生涯は女性と一切の縁を切ったそうだ」

『放蕩王』又は『金獅子王』 レヴオーロ=カー・ラ・ムール <スロバキア語で『獅子』・イタリア語で『黄金』より>
【第三回】でも触れたが、スラヴィア建国戦争・スラフ島戦役の昔より現在に至るまで照り輝き続ける陽神気の塊『地上の太陽《アフド・クラジニー》』を産み出し、『最古の貴族』二名と共に壮絶な最期を遂げたカー・ラ・ムールだ」
「そんな今にも残る偉大な功績があるわりに、なんで『放蕩』なんてネガティブな字名が付いてるんですか?」
「まぁ何だな・・・冒頭でも言ったように国事運営にはカー・ラ・ムールは原則不要ということで、物心ついたころからカー・ラ・ムールだった彼としては満たされない胸の内をずっと抱えていて、政務よりも別の何かを見つけたくて王城を飛び出すことが度々あったもんだから、やる気のない王として『放蕩王』の字名が付けられたんだ」
「そうなんですか・・・生まれながらの王というのも難しいものなんですかね?」
「そりゃそうだろうよ。 基本的には村人Aとして過ごしてきたのがある日いきなり『貴方こそが王!』と祭り上げられるからな。 逆に、それ故に政務の中核を担わずともいい立ち位置にあるわけだが。 要はもどかしい立ち位置な訳だよ」
「『神権代行を兼ねる王者』とかって割には悩み多き立場なんですねぇ」
「まだそのネタ*1引っ張るかよ・・・で、『地上の太陽』を産む契機の一つがミズハ軍の救援とミズハ領へのスラヴィアン流入阻止*2にあったこともあり、ミズハでは割と人気の高い王様でもあるんだ」
「ミズハとのお付き合いがより深まる契機になったんですね」
「逆に『地上の太陽』の性質上、スラヴィアンからは蛇蝎の如く嫌われてるけどな」
「そんな彼については【陽光の獅子王】で触れられていますね」
「『地上の太陽』がどう受け止められているかについては、【墓標にて】 【日向の岬でつかまえて】の二作でも触れられているので、こちらもぜひ読んでみて欲しい」

『機壊王』 ナサヴェル=カー・ラ・ムール <マラーティー語で『破壊』・アイスランド語で『機械』より>
「うう・・・やっぱりこのヒトにも触れなきゃダメですか?」
「そりゃそうだ。 【第一回】でも触れたクルスベルグ大内乱・機兵戦役、その裏で繰り広げられた一大戦狂乱を繰り広げた、南蛮流民出身の機動兵団副団長だ」
「あれ? 機動兵団って確かラ・ムールの軍隊でしたよね。 ナサヴェルさんもヴァルトスさんみたく、後付の尊号なんですか?」
「うんにゃ、彼の持つ最大の逸話である【機壊王 帰還の夜】の後に覇砂王の神器『邪滅』の所持と虎目石が露見して、嫌々ながら王位に就いたって話だ。 『アクストと決着付けるまでは、戦士として死ぬわけにはいかない』とのことで、相当渋ったそうだが」
「でも、アクストは・・・」
「結局は機兵戦役の中で、モロトにより水晶の心臓を砕かれて大地に還って逝ったわけだ。 その報を聞いたカー・ナサヴェルは、『あれほどに血肉が騒ぎ魂の滾る戦は、もう二度と出来ないだろうなぁ・・・よし、あの世とやらでアクストと殺り合ってくるか』と呟いて、天に還ったそうだ」
「一世一代の大一番のためだけに生まれて死んだ、そんな感じですね」
「平穏の内に閉じたカー・ラ・ムールの生涯は誰も彼も概ねそんな感じらしい。 同様の事例として、カー・ヴァルチェは大ゲ神殿の完成を見届け、落成式の場で天に還ったと言われている」

『門開王』 ブラークマ=カー・ラ・ムール <ポーランド語で『門』・アゼルバイジャン語で『開放』より>
「先代の王様で、現在のラ・ムール為政者ネネ=アフ・ラ・ムールさんの御父上ですね」
「ああ、猫人にしてはたいそう長生きで、70歳近くまで御存命だったそうだ。 <向こう側>でいう西暦1991年にカー・ヴァルチェが建立した神殿に突如開いた大ゲートを巡る、異世界交流の黎明に関わる動乱の最前線に立ち続けた方だ」
「お年を召されているというのに、大変でしたね・・・」
「<向こう側>とラ・ムールとのファーストコンタクトがどのようなものだったか、カー・ブラークマが前代未聞の事象にどう対処したかについてが【門開】のメインパートになっている」
「この方が王でなければ、きっとラ・ムールの異世界交流は現在の形を成していなかったんでしょうね」
「それは間違いないな。 とりあえずグーな喧嘩っ早い人選が多い中、火急の政局に求められる沈思黙考・冷静沈着・即断即決の三点が総て備わった、文官の極みのような方だ。 円熟の極みと『神々の悪戯』が重なったことは僥倖と言うより他無い」

『壱発逆転王』 ディエル=カー・ラ・ムール <アルバニア語で『太陽』>
「さぁ助手、他の誰よりも助手が一番詳しいカー・ラ・ムールですよ!」
「やかましいわ! シリーズ未来王の傍著4グループ目の作品群にちょいちょい出てきたり、シリーズ剣子にもちょいと顔を出している、常軌を逸した変なヒトだ」
「そんなこと言っていいんですかぁ~?」
「五月蠅いなぁ・・・いろいろあって*3詳しいことは言えないんだよ。 とりあえず言えるのは、あくまでもシリーズ未来王におけるブラークマ公の次の王、というだけだ」
「えぇ~? 良い子のみんなは『壱発逆転の由来は?』とか『いいんちょやアリーちゃんとはどうなったの?』とか『嫁が4人ってどういう事だ! リア充は爆発してくれませんか?』とか、聞きたいこといっぱいあると思うんだけどなぁ~?」
「次回を待て!」
「そんな、説明書裏面の漫画みたいな締め方しないでくださいよ!」

「というわけで・・・シリーズ未来王の補足がかなり入ってしまっていて申し訳ないのだが、今回のなぜなにラ・ムール外伝はこんなところで閉幕だ」
「2013/6/15時点までのネタで作ったわけだけど、これもまた、今後ネタが浮いてきたら随時追記されるわけですよね?」
「そのつもりだ」
「ちなみに、上の各王様の名前の右に入っているのは?」
「シリーズ未来王関係由来のカー・ラ・ムールの、名称の語源だ。 Google翻訳を使って、対象のイメージに沿う単語を翻訳して、その音読みを繋げて固有名詞を作ってるんだ」
「固有名詞の作成に困ったときには便利かもしれませんね」
「そうだな。 特に名前には困るだろうから、捻りだす時のとっかかり程度にはなるだろう」

「それでは、今回はこの辺で!」
「またな!」

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最終更新:2013年06月16日 03:29

*1 第二回参照

*2 スレ初期に提示された地図は、現在地理ページ等で掲示されている地図以上にミズハとスラヴィアは接近していたので

*3 続編は鋭意作成中ですので、今しばらくお付き合い頂ければ幸いです