はじめに
SW2.0の戦闘については該当項目でざっと解説しましたが、情報の羅列ばかりで分かりにくい部分もあったと思います。
ですので、この項目では
実際の戦闘をベースにSW2.0の戦闘のページと情報をリンクさせながら戦闘を進めていきます。
キャラクター紹介
この戦闘では初期経験点でのキャラメイクで、頻出する《行為判定》を一通り解説できるように、キャラの技能などを組んであります。
中には現実的ではない構成のキャラクターもいますが、チュートリアルと言う事でその辺りはさらっと流してもらえると助かります。
PC&味方NPC
一通りの判定を行いつつも、情報が雑多にならないように、味方陣営は4人に絞りました。
それにより、よく見かける行動に関しては4人のうち誰か1人は出来るようになっています。
しかしながら、使用頻度の低い《装備品》関係の行動や、低レベル帯では使いにくい《騎乗》関係とそもそも上級者向けの《呪歌》関係については登場しませんので、ご容赦ください。
また、戦闘前のイベントや《陣営の確認》の具体例として、『ルーンフォークくん』のみNPC扱いですが、戦闘中はPCと同じように行動の処理をしていきます。
役割表
役割/キャラ |
近物 |
射撃 |
ガン |
攻魔 |
回魔 |
敵補 |
味補 |
練技 |
回ア |
先制 |
知識 |
人間くん |
◎ |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
〇 |
× |
〇 |
× |
ドワーフくん |
〇 |
× |
× |
△ |
◎ |
△ |
〇 |
× |
× |
× |
× |
エルフくん |
× |
〇 |
× |
◎ |
△ |
〇 |
△ |
× |
× |
× |
〇 |
ルーンフォークくん |
× |
× |
◎ |
× |
〇 |
× |
〇 |
× |
〇 |
× |
× |
※表の略称
近物=《近接物理攻撃》、射撃=《射撃攻撃》、ガン=《ガン攻撃》
攻魔=《攻撃魔法》、回魔=《回復魔法》、敵補=《敵への補助魔法》
味補=《味方への補助魔法》、練技=《練技》、回ア=《回復アイテム》の使用
先制=《先制判定》、知識=《魔物知識判定》
※表の記号
◎=専門、〇=この記事でする行動
△=可能だがこの記事ではしない行動、×=不可能、
《回復アイテム》の使用、《先制判定》、《魔物知識判定》は対応する技能が無い場合×表記にしています。
人間くん
技能:《グラップラー》2、《エンハンサー》1、《スカウト》1
戦闘特技:《追加攻撃》、《両手利き》
《追加攻撃》と《両手利き》により3回攻撃が可能な、《近接物理攻撃》のスペシャリストです。
申し訳程度の《スカウト》技能を除けば、その力は全て攻撃のために使用される事でしょう。
ドワーフくん
技能:《プリースト》2、《ファイター》1
戦闘特技:《魔法拡大/数》
防御面が寂しい『人間くん』と共に前線に立ち《回復魔法》も使用可能な、前衛ヒーラーです。
技能の関係で戦闘以外に活躍の場はほぼありませんが、多方面で前線を支える仕事人です。
エルフくん
技能:《フェアリーテイマー》2、《シューター》1、《セージ》1
戦闘特技:《魔法誘導》
多芸な《妖精魔法》と《射撃攻撃》、それから《魔物知識判定》と多彩な技能でパーティーに貢献する万能型後衛です。
《射撃攻撃》のチュートリアルのために取った《シューター》技能の実用性は、『ルーンフォークくん』に証明してもらいましょう。
ルーンフォークくん
技能:《マギテック》2、《シューター》1、《レンジャー》1
戦闘特技:《精密射撃》
狙い澄ました《ガン》の一撃で大ダメージを与える《ガン攻撃》のスペシャリストです。
《MP》の不安は《回復アイテム》の使用で補うため、単体である程度完結しているキャラクターです。
エネミー
エネミーのデータは公式の物を使用しているため、数字に関してはルルブを確認してください。
判定等に使用する数字は、必要な数字を必要な時のみ表示します。
ゴブリンシスター
この戦闘におけるボスで、《剣のかけら》で強化されている《蛮族》です。
特殊な《戦闘終了条件》として、全滅していなくても、このエネミーを撃破すれば戦闘終了となります。
レッドキャップ
前衛で本能のままにひたすら殴ってくる《蛮族》です。
初期レベルではダイス目によりとんでもない脅威になる事もあります。
グレムリン
初期レベルでは貴重な《攻撃魔法》を撃てる《蛮族》です。
エネミーの《攻撃魔法》は脅威な上に、《飛行》の効果で攻撃も当たりにくくなっている強敵です。
コボルトシューター
後衛からの《射撃攻撃》を決めてくる《蛮族》です。
後衛なので、前衛が突破できない場合はトータルでかなりのダメージソースとなり得ます。
ではここからは登場キャラクターの会話を中心に進めていきます。
状況確認
あらすじ
『人間くん』、『ドワーフくん』、『エルフくん』の3人は同じ《冒険者の宿》に所属くする新米冒険者です。
彼らは、『遺跡を占拠している蛮族の撃破』の依頼を受け、郊外にある遺跡までやってきました。
初めての冒険の割には大層な依頼のようにも思えますが、実際のところは遺跡と言ってもとうの昔に調査が済み、人も寄り付かない場所です。
ただ、それなりに街に近い場所にあるので、新米冒険者の腕試しにはちょうどいいと言う訳ですね。
そして3人は軽々と遺跡を突破し、今まさにボスらしき蛮族が待つと思われる最深部の扉の前に立っています。
遺跡の最深部
GM:分厚い扉に対して『人間くん』が《探索判定》を行い、扉に罠が無いことは確認できました。
人間:いやー、遺跡の占拠とか言われて身構えてたけど、何か楽勝そうやなー。

「
調子に乗るんじぇねえ!そんなんで怪我しても回復してやんねえぞ!」

「楽勝だとしても素直に喜んでいいんですか?こんなんじゃ、手応えだけではなく、実戦経験の方も足りないのでは?」
人間:「二人ともノリ悪いなー。まっ、確かに油断して死ぬのはご免や。」
人間:「さてと、ここで最後みたいやしいっちょやったるで!」
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。「最初からそうすりゃいいんだよ馬鹿野郎。」

「では、お尋ね者とのご対面と行きましょうか。」
???「ねえねえ。」
GM:不意に背後から声がし、3人は勢いよく振り返ります。

「キミたち、侵入者?」
GM:振り返ったそこには片手持ちの《ガン》をこちらに向けた『ルーンフォークくん』の姿がありました。
人間:「何やお前やる気かぁ!?上等や、ぶっ飛ばしたるで!」

「物騒なもん向けてくれるじゃねぇか…。
後悔するんじゃねぇぞ!」
GM:『人間くん』と『ドワーフくん』は『ルーンフォークくん』に向き直り、戦いの構えを取ります。

「
あ、ちょっと!2人ともここじゃマズ…。」
GM:『エルフくん』が言い終わる前に、その懸念は的中する事になります。
扉:「ンゴゴゴゴゴゴゴwwwww」
GM:遺跡の中に轟音が響き渡り、それが奥の扉が勢いよく開く音だとその場の全員が理解します。
人間:「うわー、ここでか…。」

「チッ!挟み撃ちか!?」

「やっぱり…。しかし厳しいですね、この状況は。」
GM:扉の奥から《蛮族》と思わしき4体の姿が現れます。
ローブを着た蛮族:「○×△☆♯♭●□▲★※!」
人間:「は?何言うとるんや?」

「蛮族の言葉…、おいエルフ、お前分かるか?」
GM:ご都合主義ですが、『エルフくん』は《セージ》技能により《汎用蛮族語》の会話が可能です。

「
『金目の物を置いて出ていけ。』ってとこですね。ちゃんと訳すなら、もっと汚い言葉になりますけど。」

「へー、キミはあいつらの言葉わかるんだね。」
人間:「へ?」

「ん?お前あいつらの仲間じゃねぇのか?」

「仲間…仲間か…、多分違う?」

「いや、こっちが聞いてんだよ!?」

「そんなこと言われてもなー。ボクが住んでたここに、アイツらがいきなりやってきただけだし。」

「おや?彼らと一緒に暮らしてるんですか?」

「んーん、ボクの部屋は別。それにアイツら何言ってるかわかんないんだよねー。」
ローブを着た蛮族:「○▽※△☆△※◎☆!○※□◇#△!」

「…アイツ何て言ってんの?」

「えっと…、
『さっさとその3人をやっつけろ!そのためにここに置いてやってるんだぞ!』って言ってますけど。」

「
ふーん、弱そうな蛮族のクセにそんな事考えてたんだ…。」

「よし、ボクも君たちに協力するね。やっぱ言葉通じる方がいいもん。」
人間:「ほんまか!?そんなん言うて後ろからズドンとかやめてやー。」

「どっちにせよ、そのルーンフォークが敵なら挟み撃ちだ。ここは信じとくに越したこたぁねえよ!」

「そうですね、依頼の目的はあくまで『蛮族』の撃破ですからね。」

「
っし、やるか!」
人間:「こいつらも弱そうやな!ボコボコにしたるで!」
GM:さて、両陣営が向かい合ったところで戦闘開始処理に入っていきます。
戦闘開始処理
戦闘前の準備
まずは
戦闘前の準備ですが、
今回の場合は予期せずイベントが進み戦闘態勢になったため、《魔法》等による準備の時間は与えられません。
ここは飛ばして次の処理へと進みます。
不意打ち
続いて
不意打ちですが、
上記の描写の通り両陣営がイーブンな状態で対峙しているため、《不意打ち》もありません。
そして、次から通常の戦闘処理へと入ります。
初期位置、陣営の確認
キャラクターの初期配置
特にGMによる説明がない限りは、SW2.0の戦闘は2Dマップにて行われます。
ですので、ここは一番奥にいる《蛮族》の集団を基点に位置関係を確認していきましょう。
まず扉のすぐ奥の位置に4体の《蛮族》がいます。
本来なら《魔物知識判定》に成功しないと正体はわかりませんが、今回はチュートリアルなので、読者の方には先にお伝えしておきます。
《蛮族》は《ゴブリンシスター》《レッドキャップ》《グレムリン》《コボルトシューター》が1体ずつの合計4体です。
基点となる《蛮族》たちの位置から、10m程度離れた地点にPC陣営の前衛である『人間くん』と『ドワーフくん』が陣取ります。
そして、前衛から更に10m程離れた地点に、『エルフくん』とNPCの『ルーンフォークくん』が構えます。
総合すると《簡易戦闘》でよく見られるオーソドックスな位置関係と言えるでしょう。
陣営の確認
続いては陣営の確認です。
まず『人間くん』、『ドワーフくん』、『エルフくん』のPCたち3人はもちろんPC陣営です。
そしてPCたちに明確な敵意を向けている《蛮族》たち4体は、見ての通り敵陣営となります。
そして、NPCの『ルーンフォークくん』ですが、どうやら《蛮族》たちを見限り、PC陣営に加勢する意思があるようなので、この戦闘ではPC陣営として扱います。
(シナリオによっては、戦闘中に陣営が変わるキャラクターもいますが、この戦闘ではそういったイベントは起きません。)
戦闘前の戦場図
上記の確認事項を踏まえて、戦場を図示すると以下の様になります。
敵後衛 |
←10m→ |
前衛 |
←10m→ |
味方後衛 |
|
←10m→ |
|
←10m→ |
|
ゴブリンシスター |
人間くん |
エルフくん |
|
|
|
レッドキャップ |
ドワーフくん |
ルーンフォーク くん |
|
|
|
グレムリン |
|
|
|
|
|
コボルト シューター |
|
|
※表について
セルの背景色が青なら味方陣営、赤なら敵陣営です。
《乱戦エリア》が発生した場合は最上段の見出しセルの背景色を黄色にします。
また、《行為判定》の対象となるキャラクターは、判定の度に背景を強調色に変更します。
さて、ここで本来であれば《戦闘終了条件の確認》へと移りますが、この戦闘では特殊な勝利条件が存在します。
その勝利条件ですが、『全エネミーの《魔物知識判定》の成功』により開示されるため、先に《魔物知識判定》から進めていきましょう。
魔物知識判定
目標値の確認(魔物知識判定)
PCの《魔物知識判定》の値と、目標値であるエネミーの《知名度》と《弱点値》は以下の通りです。
PC名 |
魔物知識判定値 |
人間くん |
2d6 |
ドワーフくん |
2d6 |
エルフくん |
2d6+4 |
ルーンフォークくん |
2d6 |
エネミー名 |
知名度 |
弱点値 |
ゴブリンシスター |
9 |
12 |
レッドキャップ |
7 |
12 |
グレムリン |
9 |
12 |
コボルトシューター |
7 |
13 |
例えば『エルフくん』が《レッドキャップ》に《魔物知識判定》を試みる場合は、2d6で3以上を出す必要があり、つまり《自動失敗》以外は成功になります。
逆に『人間くん』が《グレムリン》に《魔物知識判定》を試みる場合は、2d6で9以上を出さなければならず、《弱点》を看破するには《自動成功》が要求されると言うわけです。
では、それらを踏まえ実際に判定していきましょう。
実際の魔物知識判定
では実際の《魔物知識判定》になります。
判定は基本的に2d6を使用し、以下ダイスの出目は①②③④⑤⑥とそれぞれ表記します。
人間:【魔物知識判定】①④>=9or12 失敗!
【魔物知識判定】③⑤>=9or12 失敗!
【魔物知識判定】②⑤+4>=9or12 成功!
【魔物知識判定】②④>=9or12 失敗!

「改めて見ても、
やはり通常のゴブリンではありませんね…。」
人間:「え?どう見てもゴブリンやん。」

「確かに服の感じは違うようだが…、やはりゴブリンにしか見えんな。」

「よーく見てください。
首飾りに《聖印》の刻印が見えませんか?」
※《聖印》
《神聖魔法》の行使に必要なもので、通常は《装飾品》や《武器》等に刻印されています。
これを身に付けているだけで、少なくとも《聖印》に対応する信仰の信者である事や、《神聖魔法》が使用できる等が推測できます。
また、信仰ごとに《聖印》のデザインは異なります。

「あー、言われてみれば…。」

「ホントだ。何か剣みたいなデザインが刻んであるね。」
人間:「で、アイツは何者なんや?」

「
あのローブを着た蛮族は《ゴブリンシスター》。ゴブリンの身でありながら、《神聖魔法》が使用できる厄介な相手ですね。」

「ゴブリンの癖に《魔法》使うなんて何か生意気だなあ。」

「その上、
《剣のかけら》を3つほど持っているようです。通常の《ゴブリンシスター》より手強い相手ですよ。」
※《剣のかけら》
《始まりの剣》の一つである《カルディア》が砕けた際に世界中に散らばったと言われているかけらです。
肉体の強化や《魔動機》の動力等、多くの目的で使用され、これを集めることが《冒険者》の目的の一つであり、交換所に収めると《名誉点》と引き換える事もできます。
今回の場合エネミーの強化に用いられ、その数に応じて《HP》と《MP》が強化されます。
人間:「シスターだかブラザーだが知らんけど、ゴブリンくらいボコったるで!」

「
だから調子に乗るんじゃねえっての!」
人間:【魔物知識判定】②②>=7or12 失敗!
【魔物知識判定】③⑤>=7or12 成功!
【魔物知識判定】④⑥+4>=7or12 弱点看破!
【魔物知識判定】④④>=7or12 成功!

「ありゃあ俺でもわかる。
あの赤い髪…《レッドキャップ》に間違いねえな。」

「ボクもアイツは知ってる。」

「補足しておくと《レッドキャップ》はその傲慢な性格から、防御時に大きな隙ができます。」

「
その習性を知っていれば、《武器》による攻撃は当たりやすくなるでしょうね。」
人間:「へー、みんなよう知ってるなあ…。」

「これが私の仕事ですからね。さて、次です次。」
人間:【魔物知識判定】③⑤>=9or12 失敗!
【魔物知識判定】①②>=9or12 失敗!
【魔物知識判定】①⑤+4>=9or12 成功!
【魔物知識判定】⑥⑥>=9or12 自動成功!弱点看破!

「あの羽の生えた《蛮族》は…。」

「
《グレムリン》だね。」

「おや、詳しいんですか?」

「ここに来る前に《グレムリン》の群れに出くわした事があったんだ。」

「ちょろちょろ飛び回って攻撃が当たりにくいし、生意気にも《真語魔法》なんかも使ってくる面倒な奴だよ。」

「そんな厄介な《蛮族》の群れからよく逃げられたな。」

「その時は運良く突風が吹いたんだ。《グレムリン》は飛んでるから、一斉に怯んだってワケさ。」

「
あ、もしかしたらアイツは《風属性》が苦手なんじゃないかな。」
人間:「でも《風属性》って誰も使えへんかったよな確か。」

「…、楽は出来なさそうですね。」
人間:【魔物知識判定】⑤⑥>=7or13 成功!
【魔物知識判定】②⑥>=7or13 失敗!
【魔物知識判定】①①+4>=7or13 自動失敗!経験点50点!
【魔物知識判定】②③>=7or13 失敗!

「おい!エルフ!あの立ってる犬みたいな奴は何者だ?」

「あれは…?えっと…。コボルトなのはわかりますけれど…なんでしたっけ…?」

「知ってるはずなのでたまーに出てこない事ってあるよね。」

「チッ、仕方ねえ。一番弱そうな奴だから後回しにするっきゃねえな。」
人間:「《コボルトシューター》やな。アイツ。」

「
!?」

「そうそう…って『人間くん』よく知ってましたね。」
人間:「ガキの頃近所に現れよってな。《冒険者》でもないおっさんに農具でボコられてたなーって思い出したんや。」

「ザコって訳だね。ラッキー。」

「とは言え飛び道具を持っているので、近付くまでは少々厄介かもしれませんね。」
人間:「心配すんなって、俺が全員ボコったるわ。」

「
お前単体攻撃しかできねえだろ!いい加減にしろ!」
戦闘終了条件の確認
まず、通常の戦闘終了条件として、『どちらかの陣営の全滅』はもちろんこの戦闘でも適用されます。
そして、エネミー全員の《魔物知識判定》が成功したため、この戦闘では陣営の全滅とは別に特殊な戦闘終了条件が追加されます。
特殊な戦闘終了条件

「…、気付きませんか?」
人間:「何や?隠れとる《蛮族》でも見付けたんか?」

「いえ、目の前の《蛮族》の集団なんですが、
恐らく全員があの『ゴブリンシスター』の指示で動くようですね。」

「
なるほど、つまりあの『ゴブリンシスター』を叩けば…。」

「
奴らは戦えなくなるってワケだね。」
人間:「じゃああいつ殴ればええんやな!よっしゃやったるでー!」

「
先手を取れればいいんだがな。」
戦闘終了条件
先制判定
それでは戦闘前の最後の処理である《
先制判定》です。
目標値の確認(先制判定)
PCの《先制判定》の値と、目標値であるエネミーの《先制値》は以下の通りです。
PC名 |
先制判定値 |
人間くん |
2d6+3 |
ドワーフくん |
2d6 |
エルフくん |
2d6 |
ルーンフォークくん |
2d6 |
エネミー名 |
先制値 |
ゴブリンシスター |
12 |
レッドキャップ |
9 |
グレムリン |
11 |
コボルトシューター |
10 |
実際の先制判定
では実際に判定していきましょう。
目標値はエネミーの中で最高値である《ゴブリンシスター》の『12』です。
一見すると、最も判定値の高い『人間くん』でも2d6で『9』を出さなければならないため、厳しい判定に思えます。
しかしながら、『人間くん』は《剣の加護/運命変転》の《種族特徴》を持っているため、それを適用すれば2d6の結果が『5』以下でも成功となります。
※《剣の加護/運命変転》
ダイス目そのものをひっくり返せる《人間》の《種族特徴》です。
使用制限はあるものの、妖怪イチタリナイはもちろん、1ゾロの《自動失敗》すらも打倒できる唯一の手段です。
その名の通り、ここぞと言うときに使えばパーティー全体の運命を変える事も可能な切り札と言えます。
人間:【先制判定】③⑤+3>=12 失敗!
【先制判定】①③>=12 失敗!
【先制判定】④⑥>=12 失敗!
【先制判定】②⑤>=12 失敗!

「…。」

「うん。」
人間:「すまん、やってもうた。」

「
何やってんだ!クソっ仕方ねえ、迎え撃つぞ!」
1ラウンド
※ラウンド開始状況
敵後衛 |
←10m→ |
前衛 |
←10m→ |
味方後衛 |
|
←10m→ |
|
←10m→ |
|
ゴブリンシスター HP41/41 |
人間くん HP21/21 |
エルフくん HP12/12 |
|
|
|
レッドキャップ HP18/18 |
ドワーフくん HP24/24 |
ルーンフォーク くん HP21/21 |
|
|
|
グレムリン HP14/14 |
|
|
|
|
|
コボルト シューター HP12/12 |
|
|
1ラウンドの敵陣営の行動
※ここから《汎用蛮族語》はカタカタで描写していきます。

「ナゼ コッチ ブキ ムケル アノ デクニンギョウ(『ルーンフォークくん』)」
グレムリン:「ウラギリモノ コロス ヒトゾクモ コロス」

「
ミナゴロシ! ミナゴロシ!」
コボルトシューター:「ドイツ サキニ コロス?」

「
マズ ニンゲン コロス」

「オレト グレムリン マホウ ウツ」
グレムリン:「ソノアト ドウスル?」

「
ソノアト シヌマデ ボコボコ!」
コボルトシューター:「ワカッタ」

「
コロス!コロス!」

「なんか殺気立ってる感じ?」

「いちいち訳しませんけれど、概ねその理解で問題ありません。」
人間:「おうおう、頭悪そうなやつばっかやし、どっちが上かわからせてやらんとな!」

「
頭悪そうなのはお前もだけどな。」
ゴブリンシスターの行動1
先手を取った敵陣営は、『ゴブリンシスター』の指示通り、まずは《魔法》によってPC陣営の前衛を狙うようです。
ここからはキャラクターの行動毎に、《行動宣言》→《行為判定》→《判定の処理》とそれぞれ確認していきます。
※《魔法拡大/数》
《魔法》の対象となる目標の『数』を拡大する宣言型の《戦闘特技》です。
《対象:1体》等の《魔法》に対して使用でき、今回の場合はどうやら何らかの《攻撃魔法》を拡大するようです。
つまり、《魔法》ダメージが複数に飛ぶため、PCサイドへの大きな負担が予想されます。
《主動作》で《神聖魔法》、《フォース》を行使!《魔法拡大/数》を適用し、対象は『人間くん』と『ドワーフくん』!(
攻撃魔法)
※《フォース》
《形状:射撃》で単体に対して《衝撃》属性のダメージを与える《神聖魔法》です。
威力、射程共に平凡な《攻撃魔法》ですが、今回の場合は《魔法拡大/数》が適用されているため、手強い範囲攻撃と化してPCを襲います。
※判定キャラクターの確認
敵後衛 |
←10m→ |
前衛 |
←10m→ |
味方後衛 |
|
←10m→ |
|
←10m→ |
|
行使判定 ゴブリンシスター HP41/41 |
精神抵抗力判定 人間くん HP21/21 |
エルフくん HP12/12 |
|
|
|
レッドキャップ HP18/18 |
精神抵抗力判定 ドワーフくん HP24/24 |
ルーンフォーク くん HP21/21 |
|
|
|
グレムリン HP14/14 |
|
|
|
|
|
コボルト シューター HP12/12 |
|
|
《攻撃魔法》が宣言されたので、能動側である
『ゴブリンシスター』の
《行使判定》からです。(《
魔法の行使》)
なお、この戦闘では『ゴブリンシスター』が《ボス》であるため、PC側と同じように《行為判定》を行い、その他のエネミーに関しては《固定判定値》を採用しています。
※《固定判定値》
エネミーやNPCの《行為判定》時に、ダイスを振らずに2d6の結果を期待値の『7』として扱う選択制のルールの事です。
エネミーごとに《行為判定》を行わせるか《固定判定値》を適用するかの設定はGMの判断です。
このサンプル戦闘では、ボスである『ゴブリンシスター』と助っ人NPCである『ルーンフォークくん』が《行為判定》を行い、その他のエネミーは《固定判定値》を適用します。
【行使判定(神聖魔法)】③⑤+5=13 達成値13!
MP29→21
この《行使判定》の達成値『13』に対して、対象となったPCは《精神抵抗力判定》を目標値『13』で判定する事になります。(
精神抵抗力判定)
人間:【精神抵抗力判定】②④+4>=13 失敗!
【精神抵抗力判定】③⑥+5>=13 成功!
これで『人間くん』は《精神抵抗力判定》に失敗、『ドワーフくん』は成功となります。
この結果により、『ドワーフくん』は『ゴブリンシスター』の《フォース》のダメージを半減する事ができます。
それでは実際のダメージ計算へと入ります。(
威力表も参照)
「《ダルクレム》 チカラ カセ!《フォース》!」
※《ダルクレム》
第二の剣である《イグニス》から神格を得た《戦神》です。
その名の通り、神々の戦争を引き起こし、戦いに明け暮れたと言われている神と伝えられています。
《ダルクレム》の《特殊神聖魔法》は戦いを有利にするためのバフ魔法が中心となり、手軽ですが強力だと評されることも多いです。
GM:『ゴブリンシスター』が掲げた聖印から、2発の衝撃波がそれぞれ『人間くん』と『ドワーフくん』目掛けて襲いかかります。
【魔法ダメージ算出】(威力10、C値10)③④(《威力表》により3)+5=8 算出ダメージ8!
魔法ダメージですので、《精神抵抗力判定》に失敗した『人間くん』はそのまま8ダメージを受け、成功した『ドワーフくん』は半減(切り上げ)の4ダメージを受ける事になります。
人間:HP21→13
人間:「痛ぇえええ!何すんねん!」
HP24→20
「馬鹿野郎!冷静さを失うな!まだまだ奴らは殺る気だぞ!!」
GM:では『ゴブリンシスター』の手番はこれで終了です。
GM:続いての行動ですが、陣営の行動内での行動順は任意ですので、『グレムリン』の行動に移ります。
グレムリンの行動1
『ゴブリンシスター』によりPCの前衛にそれなりのダメージが通り、そこに追い討ちをかけるように『グレムリン』も続きます。
グレムリン:補助動作はなし!
グレムリン:
《主動作》で《真語魔法》、《エネルギー・ボルト》を行使!対象は『人間くん』!(
攻撃魔法)
※《エネルギー・ボルト》
《マナ》で作成した矢のような形状のエネルギー体を対象に撃ち込み、《純エネルギー》属性のダメージを与える《真語魔法》です。
威力も平凡で燃費もいいとは言えない《魔法》ですが、エネミーはポンポン撃ってくるため、PCが使用する場合に比べて強力な印象を与えがちです。
※判定キャラクターの確認
敵後衛 |
←10m→ |
前衛 |
←10m→ |
味方後衛 |
|
←10m→ |
|
←10m→ |
|
ゴブリンシスター HP41/41 |
精神抵抗力判定 人間くん HP13/21 |
エルフくん HP12/12 |
|
|
|
レッドキャップ HP18/18 |
ドワーフくん HP20/24 |
ルーンフォーク くん HP21/21 |
|
|
|
行使判定(固定) グレムリン HP14/14 |
|
|
|
|
|
コボルト シューター HP12/12 |
|
|
『グレムリン』により《攻撃魔法》が宣言されたので、能動側の《行使判定》といきたいところですが、『グレムリン』は『ゴブリンシスター』とは違いボス扱いでは無いため、《固定判定値》を使用します。
グレムリン:【行使判定(真語魔法)】固定判定値11!
《行使判定》の値が決まれば、受動側の《精神抵抗力判定》は同じように処理します。
今回は単体攻撃のため、『人間くん』のみが判定を行います。
人間くん:【精神抵抗力判定】①⑥+4>=11 成功!
『人間くん』の《精神抵抗力判定》の達成値は、
目標値の『11』と同値ですので成功となり、《エネルギー・ボルト》のダメージを半減する事が出来ました。(
受け有利の原則)
グレムリン:「ニンゲン コロス 《エネルギー・ボルト》!」
GM:空中に発生した高純度のエネルギー体が、手負いの『人間くん』へと一直線に放たれます。
グレムリン:
【魔法ダメージ算出】(威力10、C値10)⑤⑥(《威力表》により6)+4=10 算出ダメージ10!
※C値を上回る出目ですが、『人間くん』が《精神抵抗力判定》に成功しているため、クリティカルは発生しません。(
精神抵抗力判定)
人間:HP13→8
人間:「うおっ、効くわこれ…。」
GM:グレムリンの行動はここまでです。この後はエネミーの《物理攻撃》部隊が続いて襲い掛かります。
レッドキャップの行動1
コボルドシューターの行動1
味方陣営の行動1
ドワーフくんの行動1
エルフくんの行動1
ルーンフォークくんの行動1
人間くんの行動1
1ラウンドの終了
2ラウンド
敵陣営の行動2
ゴブリンシスターの行動2
コボルドシューターの行動2
味方陣営の行動2
ルーンフォークくんの行動2
エルフくんの行動2
ドワーフくんの行動2
人間くんの行動2
2ラウンドの終了
3ラウンド
味方陣営の行動3
人間くんの行動3
ルーンフォークくんの行動3
エルフくんの行動3
ドワーフくんの行動3
戦闘終了処理
戦闘終了の確認
戦利品の獲得
キャラクターの回復
おわりに
最終更新:2021年01月12日 12:32