死にたがり電車

にたがり電車


経緯


ニョグタ(今回のプレイヤー)「なんか面白い一人用シナリオ回したい(要約)」
タンゴ(今回のキーパー、以下KP)「死にたがり電車とかどう?」
ニョグタ「初耳です」
KP「じゃあとりあえずプレイしてみるのをオススメします、KPするので」
ニョグタ「お願いします!」

準備


ニョグタ「キャラシ出来ました」

那須野 四一(なすの よいち)
職業:刑事

+ 詳細
STR11CON12POW9DEX11APP11SIZ16INT9EDU11
SAN(正気度)45
幸運45
アイデア45
知識55
耐久力14
マジックポイント9
職業技能ポイント220
趣味技能ポイント90
ダメージボーナス+1D4

技能
言いくるめ(50)
聞き耳(60)
目星(70)
心理学(50)

趣味技能
オカルト(65)
機械修理(50)

ちょっと弛んでる刑事、やたらとオカルトに詳しく、また特撮が趣味

ニョグタ「これでお願いいたします!」

KP「じゃ始めます!」

セッション


あなたは今、駅のホームで電車を待っています。

那須野「電車まだかなー?早く秋葉行きたいんだけど」

しばらくして、電車がホームへ近づいてきます。

那須野「お、きたきた」

電車に乗る準備をしてホームの前に立つあなたの後ろから、どこか楽しげな声がします。


「命は粗末にするものではございませんよ」


那須野「ん?」
「え?命を粗末に?」

その直後、あなたの身体はホームから線路の上へ投げ出されていました。
轟音と、まばゆいばかりの電車のライトがすぐ目の前に迫っています。
その光に飲み込まれるように、あなたの意識は遠のいてしまいます。



――あなたはなんだか心地の良い、慣れ親しんだ揺れと音に、暗闇の中で意識をゆっくりと浮上させます。
どうやらそこは電車の中で、あなたは座席に座り、いつもみたいに居眠りでもしていたかのように目をつむっているようなのです。
ぼんやりとした意識のままゆるゆると目を開けると、そこはおびただしい数の「人だったはずのもの」が散らばる、この世のものとは思えぬ惨状でした。
電車内のスピーカーから、よく通る無機質な声が響きます。

「本日は当列車をご利用くださいまして、誠にありがとうございます。」
「当列車は途中、終点までに、3駅を通過致します。」
「お乗り間違えのお客様がいらっしゃいましたら、至急、乗務員にその旨をお伝えくださいますよう、お願いいたします。」
アナウンスは沈黙し、あとには電車の走る音だけ。

那須野「.......は?」

周りには、
手足をちぎられていたり、
臓物をまき散らしていたり、
首だけになっていたり、
何かでメッタ刺しにされていたり、
とにかく無残極まりない死体が床にも座席にも、荷物棚に至るまで大量に散らかっています。

KP〈この光景を見た那須野はSANチェック!〉
〈那須野のSAN45 出目05/成功、減少1+1d2→2〉
〈那須野のSAN45→43〉

那須野「うぅ......大丈夫、このくらい研修で馴れてる....おぇ」

今、あなたは電車の中です。窓の外は真っ暗ですが、かろうじて電車の進行方向はわかります。
どこに向かっているのか、外は真っ暗でさっぱり分かりません。

那須野「真っ暗だ、俺の未来もお先真っ暗、なんてね」 
(乗務員はいますか?)

周りはばらばら死体ばかりでまともに人型をしたものすら見つかりません。

那須野「うぅ....」
(進行方向と、その反対側にドアはありますか?)

前後に他の車両に続くと思われるドアがあります。

那須野(あ、目星振ってもいいですか?)
〈那須野の目星70 出目63/成功〉
那須野「お?何かあるのか....?」

まず、この車両のいたるところに血で「しにたくない」と書かれています。
そして、その文字の中に「やつらは死によってくる」の文字をみつけます。

那須野「うぇ....しにたくない.....そりゃ俺もさ」


次の瞬間!
バァン!!ガンッッ!!!
電車の窓が割れ、槍が飛んできます!

那須野「な!?」
「うわぁぁ!?」

ドガッ!槍はあなたを掠め、壁に突き刺さります。

那須野「や、槍?どこから.....」
(槍を調べます)
あなたが見ても明らかに異質な質感を伴う黒い槍です、かなり血がついて固まっています。

那須野(引き抜く事は可能ですか?)
電車の壁に食いこんだ槍を抜く為には怪物的筋力が必要でしょう。

那須野「しかしなんなんだいったい...」
(目星します)
〈那須野の目星70 出目83/失敗〉
那須野「うん、ただの槍だ」
(気にせず進行方向の扉を開けて進みます)


那須野「しかしこの列車はなんなんだ、さっさと生きて帰りたいぜ」ガララッ

次の車両では座席を埋め尽くす人数の人々が座り、全員深く俯いたまま動こうとしません。
性別、服装、年齢層も様々な乗客たちの服には血が付いていたりもします。しかし顔は見えません。
そして、一席だけ空席があります。その席は血まみれで、そこから引きずられたように次の車両の扉へ続く血の跡があります。
その席の隣に幼稚園くらいの小さな女の子が俯いて座っています。
それから、まだ先への扉があることから、先頭車両ではなさそうですが、
次の車両への窓は真っ赤に染まっており中を伺い見ることは無理そうです。

那須野(俺は子供に話しかけます)
「お嬢ちゃん、どうしたの?お父さんお母さんは?」

では、女の子に話しかけたあなたは気がつきます。
この幼女の目があるべき場所には穴しかなく、そこから血が涙のように流れていることに。

那須野「うわぁぁぁぁ!!」
〈SANチェック:那須野のSAN43 出目6/成功、減少無し〉

そして女の子はまるで寝起きのようにごしごしと目をこすり、
目をつむったまま不思議そうに見渡すようなしぐさをすると、あなたへ向けて言います。
「おにいちゃん、どうしたの?」

那須野「え?目.....見えてるの?」

女の子「起きたら真っ暗でなんにも見えなくなってたの。なんでだろう?でもお兄ちゃんがいるから平気!」

那須野「お、お嬢ちゃん、ここはどこ?君はなにしてるの?」

女の子「お兄ちゃんが連れてきてくれたのに、覚えてないの?おとうさんがこわいから、遠いとこに行こうって。変なお兄ちゃん!」

那須野「え?お、俺のこと知ってるの?人違いじゃなくて?」

女の子「お兄ちゃんはお兄ちゃんでしょ?」

那須野「俺は【那須野】っていうんだけど、そのお兄ちゃんも那須野なのかい?」

女の子「やだなぁ、そうやってわたしをからかうの好きだね、お兄ちゃん」
「そうだ、帰ったらナス食べたいね」

那須野(....あ、これあれだ、ヤンでるんだ)
(とりあえず言っていることが本当か心理学)
〈那須野の心理学50 出目??〉(シークレットダイス)

あなたはこの少女は本心からあなたを兄と考えているのではないかと思いました。

那須野「....お嬢ちゃん、お兄ちゃんはちょっとトイレ言ってくるから、また後でね」
(言いくるめ!)
〈那須野の言いくるめ50 出目24/成功〉

那須野(やったぜ。では真っ赤な扉に聞き耳します)
〈那須野の聞き耳60 出目76/失敗〉

那須野(えぇい!こうなれば突入だ!)

ではドアを開けるあなたの耳に小さな少年の悲鳴がきこえます。
女の子「・・・・・お兄ちゃんの声?」

那須野「!」「間に合ってくれ....」
(走って駆けつけます)


この車内は血まみれであり、目覚めた車両と同じくらい死体で散らかっています。
どうやらここは先頭車両のようで、奥に乗務員室らしきものが見えます。
それから、ある一つの窓に大量に血が付着しており、窓枠がひしゃげています。
そしてそのそばに血まみれの小さな腕が落ちています。
この状況下で腕の持ち主の姿も声もないことからあなたは想像してしまう。
この腕の持ち主は窓から外に放り出され、必死にしがみついていた腕を窓枠をギロチンのように使い切り離されてしまったのだと。

那須野「あ、ぁぁあ....」(膝から崩れ落ちる)

最後に、窓の傍に大きな生き物と呼ぶにはおぞましすぎるモノがいました。
鼻先に蠢くピンクの触手をもつ、灰色がかった白色の油ぎった巨体のヒキガエルのような怪物。
【それ】はちぎられた小さな腕を拾い上げると楽しげに弄んでいます。

那須野「ぎゃぁぁ!!」
〈SANチェック:那須野のSAN43 出目73/失敗、減少1d8→5〉
〈那須野のSAN43→38〉
那須野(さぁ発狂表だぁ!(白目))
〈一時的発狂の判定:那須野のアイデア45 出目28/成功〉
〈発狂内容:緊張症(その場から動けない)〉

那須野(この相手だと最悪の出目だ)
「動け、動けよぉぉ!!」

ここであなたは少女がいつの間にかそばにいることに気がつきます。

那須野「.....お嬢ちゃん、どうしてここに?」

女の子「おいてかれるのやだもん。おにいちゃん、大丈夫?」
「ほら、おにいちゃんはしっかりするもんだっていつも言ってたよ?」

那須野「ここは危ないよ.....あの化物に殺されてしまう...いや、君、今から俺があの化物を惹き付ける、君は奥の部屋にいるであろう人に【ノリ間違えました】と言ってきてくれ」

女の子「乗り間違えた・・・・でいいの?」

那須野「そうだ、乗り間違えたので、下ろして下さいと」

女の子「わかった!」
少女は壁伝いに前へ向かいます。


那須野「よし...化物だぁぁ!!助けてくれぇぇ!」

ではヒキガエルの怪物はあなたの方を向きます!

那須野「ハハ.....」
(緊張はまだ解けない?)

KP(1ターン行動不可です)

那須野(仕方ない、1ターンサンドバッグになろう)
「お助けくだせぇ!」

怪物の組み付き!自動成功!

那須野「グゥ...結構いい体してるじゃねぇか!」

怪物はそこからあなたの左腕に力をかけていきます。
那須野のターン!

那須野(戦闘技能なんて持ってないぜ!しかしこぶし!)
〈那須野のこぶし50を拘束により30で判定〉
〈那須野のこぶし30 出目52/失敗〉

KP(STR対抗でもええんやで)

怪物のターン!
怪物はそのまま力をかけ、あなたの左腕は激痛を発します。

那須野のターン!
那須野(STRで抜きます!)
〈那須野STR11 怪物STR15〉
〈那須野と怪物のSTR対抗:成功率30%→100/ファンブル〉

1 0 0 フ ァ ン ブ ル

那須野(あ.....さよなら)

では、あなたが暴れると怪物はあなたの左腕をつかみ、吊り上げます。
そしておもちゃを振り回すかのようにあなたを容赦なく振り回し始めます!

那須野「いっ!?」

回る視界と左腕の激痛の中、

ぶつ ぶ つぶ つり

と何かが引きちぎれるかのような音を聞きます。

那須野「_____!?」

そして、全身に伝わる凄まじい衝撃とともにあなたの視界は暗転します。

那須野「カッ....」ふらっ

7ダメージと強制気絶です。




「・・・・いちゃん、おにいちゃん!」

那須野「ん...ここは?」

あなたはあの少女が呼ぶ声で目を覚まします。
場所はどうやら先ほど怪物に襲われた車両のようです。

那須野「う....ん、俺はあの化物に....そうだ!腕は!?」

(腕は)ないです。
左腕はもがれたらしく、無惨な傷痕を晒しています。

那須野(ハハ....)
「まさか腕がちぎれるとは...そうだ、お嬢ちゃん、乗務員さんには会えた?」

女の子「会えたんだけどね、車掌さんつめたいの!」

那須野「冷たい?」

女の子「何度も間違えました、っていったのに無視するし」
「聞こえてるみたいなのにひどいよね!」

那須野「え....」
(とにかくあってみます)

那須野「それは....ここは国家権力の力でガツンと言ってやる」


二人は運転室へ向かいます。

那須野「おい!誰かいるのか?」


入口に鍵はかかっておらず、
中は薄暗く、運転のための機器類や放送機材など一般的な電車と同じ作りになっています。
そこには文字通り「人影」がいました。
車掌服を纏ってはいるものの、
本来露出しているはずの頭の部分は、
ぱっと見る限り顔のパーツらしきものは真っ黒いモヤのようなものになっており、
その上に帽子がまるで浮いているようです。
ただ、耳だけは常人のそれと同じものがついています。
人の形であるが人ならざるそれに、あなたは得も知れぬ恐怖を感じます。

〈SANチェック:那須野のSAN38 出目76/失敗、減少1d4→2〉
〈那須野のSAN38→36〉

那須野「お、おい、ここから降ろしてくれよ」

車掌の帽子と耳がこちらを向いたので、どうやらこちらを向いたようですが、すぐに運転に戻ります。

女の子「ほらね」
「耳はあるみたいなのにね」

那須野「.....死にたくないんだよ!」


ガシャーーーーン!!!!

那須野「!?」

窓ガラスを突き破り、あの怪物が再び現れます!

那須野「なるほど、死にたくないという言葉に反応するのか?だが死にたくないものは死にたくないんだ!だって今日は....仮面ライダーの劇場試写会だからな!」

そのままあなたは馬乗りで拘束されてしまいます!
文字通り手も足も出せません。

那須野「うぐぅ!?」

そして、
どんっ!だんっ!
怪物がさらにもう一体現れて女の子も拘束されてしまいます。

女の子「お、おにいちゃん・・・」

那須野「おい!その子は関係ない!話せ!」

KP(まあ言うことなんて聞きませんけどね)
那須野(そりゃね、サディストだもんな)

那須野(STR対抗!)
KP(片腕補正で自動失敗になりますがよかですか?)
那須野(いや、いいです)

さてあなたの右腕がもぎもぎされようとしています。

那須野(対策が思いつかない.... いや、やる価値はあるか)
「.....もう駄目だ、死にたい、天国で石ノ森先生と酒飲みたい」

怪物がさらに一体増えて、あなたを二匹がかりで引っ張り合いします。

女の子「おにいちゃん!?どうしたいの!?」

那須野(これどういうことだよぉ!)



那須野「ちくしょう!俺は...俺は生きたい!



キィーーーーーーーー!!!!!

那須野「?!」

突如、電車が急ブレーキをかけて停車する!
そしてあの運転手がこちらに歩いてきて、

那須野「え?」

あなたから怪物をひっぺ剥がし、外へブン投げます!

那須野「ちょぉぉ!?」

三体の怪物をあっさりたたき出した運転手は服のほこりを払います。

そうしていると、扉の開く音とアナウンスが流れます。
「大変申し訳ありませんでした。こちらの不手際により、本来ご乗車になられるはずのないお客様がいらっしゃったようです。」
「お客様の下車のため緊急停車させて頂きました。乗務員の案内に従って頂きどうぞお降りください。」
「どうか、生きようとするお客様の前途に、幸あらんことを」
運転士は深々とお辞儀をすると、外へ出るように促すようなしぐさをしました。

那須野「あ、ありがとうございます.....お嬢ちゃん、外に出よう」

女の子「うん!それとおにいちゃん、わたしはお嬢ちゃんじゃなくてのぞみだよ?」

那須野「あ、あぁ、帰ろう、のぞみ」

促されるまま扉を出ると、そこは真っ暗闇でした。
間もなく背後で扉が閉まり、電車はどこかへと走り去ってしまいます。
足元はおぼつきませんが、確かに道は存在しているようで、
当てもなく進んでいくと、どこからか光が見えてきます。
そして間もなく、あなたはその優しい光に包まれ再び意識を失っていく・・・

那須野「.....さよなら、死にたがりの列車よ」




エンディング



…さわがしい喧騒に目を覚ますと、駅員たちが真っ青な顔で見降ろしていた。
話を聞くと、どうやら自分はふらりと線路に飛び込んだらしい。
だが奇跡的に電車とホームの隙間へ落ちたらしく、無傷だったとのこと。
そして数日前にここよりも前の駅で行方不明になっていた兄妹のうちの一人が、何故か傍に倒れていたそうだ。
兄はまだ見つかっていないとのこと。

那須野「...そうか、あの娘も助かったのか」

そして気がつくと、あなたの左腕はいつの間にか元通りになっていた。

那須野「おお!?戻ってる!?」

しかし左腕の痺れる感覚は今もあの怪物を、あの死だけが走る列車を想起させる・・・

那須野「.....でも、、俺は生きる、生き抜いてみせる」

那須野(その駅に、後日こっそり花を献花して終わります)



補足


このシナリオはごんずい様のシナリオ「死にたがり電車」を使用させて頂きました。
シナリオの詳細はこちらからどうぞ。


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最終更新:2019年08月04日 15:44